LINE6 G10

先日LINE6 G10というギター・ベース用ワイヤレス機材を買いました。
6/14発売ということで、とりあえず様子見という人も多いので少しでも参考になればと感想をまとめてみました。
私は別に音楽的知識を豊富に持っているわけではないので、感覚的なレビューになっているので悪しからず。

  • ワイヤレス発展の歴史(自分比)

ワイヤレスを使用される方の多くは、ステージパフォーマンスが多いロックバンドをやっている方が多いかと思います。
自分もその類のロックバンドをやっていますが、2000年前半頃までは"ワイヤレス=一部のビジュアル系"ってイメージじゃなかったですかね?
自分の周りでワイヤレスが本格的に流行しだしたのは、2005年前後にスクリーモブームが到来したからだった気がします。

こんなパフォーマンスに憧れてワイヤレスを買った人も多かったのかと思います。

Story of the year/ And the hero will drown


その時主流だったものが、安いものではREXER、ある程度音質を重視した場合EX-PROが多かったと思います。
現在のペダル方と違って当時は全てがラック型でそれは持ち運びも一苦労。
価格も安いREXERでも2,3万、EX-PROは定価で10万程度はしました。
2009年頃から、LINE6から登場したGシリーズは2,3万台なので雲泥の差ですね。

  • ワイヤレスの送音方式

ワイヤレスは楽器から出た音を電波に変換し、それを受信機に飛ばすわけですが、その送音方式は2つあります。
前述のEX-PROなどはアナログ、LINE6のGシリーズはデジタル式です。
デジタル式の長所と短所はざっくり言えば


デジタルワイヤレスのメリット
同一空間でも多くのチャンネルが使える
音以外にも情報も送れるので正確な送受信が行える。
妨害波の多い状況でもクリアな音質が可能

デジタルワイヤレスのデメリット
アナログ音声からデジタル化の処理を行うため音の遅延が起きてしまう
電波が不安定になった場合は音声が途切れてしまう


だそうです。


自分のような一昔前のバンドマンからすると、2,3万円のワイヤレス=安物って感覚にもなりますが、
今出ているLINE6のシリーズはむしろ技術革新によってハイクオリティのものが安くで買えるようになったと言えますね。

  • LINE6 G30

http://line6.jp/products/relay/g30-g50-g55-g90.html


今のギター・ベース用ワイヤレスで最もポピュラーなものではないでしょうか?(私も持っています)
音質の面で言うと、もちろん全く同じセッティングで高価なシールドと繋いだ状態と比べると、若干の劣化は感じます。
しかし、その前提で音作りをすればカバーできる範囲だと個人的には思っています。
その昔使っていたEX-PROと比べても全く遜色の無いレベルだと思いますし、音の遅延も感じません。

しかし、G30ユーザーがみんな抱えている以下の悩みはありました・・


・送信機(ギター・ベースにつけるやつ)付属のケーブルが粗悪
・送信機をストラップに固定するピンがすぐ壊れるし、ピンだけではそもそも固定できない
・送信機が重いので演奏中に落ちることも多々
・送信機の電池の取替えが面倒
・送信機の電池ホルダーのふたが直ぐ壊れる

等々送信機には問題が沢山。。

そんな中で、2016年、年明けに海外で情報公開されて一部では噂になっていて、遂に日本でも6/13に発売となったのがG10です。


  • LINE6 G10

http://line6.jp/products/relay/g10.html


購入から1週間で、ライブハウス(200人キャパ)とスタジオで使用しましたが、特にG30を現在使っている人には買い替え推奨です
まず、音はG30と遜色が無い上に、上記の欠点を悉く解消しています。


・送信機(ギター・ベースにつけるやつ)に付属ケーブルが粗悪
→そもそもケーブルが不要で、送信機とケーブルが一体化している
・送信機をストラップに固定するピンがすぐ壊れるし、ピンだけではそもそも固定できない
・送信機が重いので演奏中に落ちることも多々
→ステージを飛び回っても送信機は落ちませんでした
・送信機の電池の取替えが面倒
・送信機の電池ホルダーのふたが直ぐ壊れる
→受信機が充電器になっており、電池の取替え不要。こんな感じで充電します。

G30は使用するチャネルを選択するという作業が必要なのですが、G10はギター・ベースに差すだけで音がでます。
こんな感じで繋ぐと即音が出るので想像以上に便利です。


一点気をつけなきゃいけない点なのですが、受信機の横に携帯電話を置いていると、干渉して音が途切れました。
”電波が不安定になった場合は音声が途切れてしまう”という欠点がデジタル式にあると書きましたが、そこに該当しますね。
これはG10に限らずかと思いますが、使用の際には注意が必要です。


気になるお値段は2万5千円前後と非常にお手ごろなので、パッと買ってみてもよいのではないでしょうか??

サウンドハウス
アマゾン


また使用していくなかで何かあれば更新していきます。

目的に応じた最適なプロモーションメディアの選び方について

ハードコア音楽のマーケティングについてを書いてから色々質問を頂いたのですが、その中でも
「自分もYou Tubeを使ったプロモーションにトライしてみたいんだけど、どうしたらいいの?」って話を何人かに貰いました。


もちろん私で出来ることであれば喜んでサポートしますが、その前に少し知って頂きたいことがあるので、
今回「目的に応じた最適なプロモーションメディアの選び方」をテーマに新しく記事を書きました。


-「目的に応じた最適なプロモーションメディアの選び方」
少し固い言葉で書きましたが、要は
プロモーションで何を得たいかによって、You Tube, Twitter, Facebookは使い分けた方がいいよ!
ってことを各メディアで何ができるかを説明しながら書きます。


-You Tube
【出来ること】
・動画をユーザーに強制的に視聴させる
インストリームとインディスプレイという表示パターンに分かれます

※インストリーム
普通に視聴していると、見たい動画の前に流れる煩わしいアレですね(笑)

※インディスプレイ
あまり意識しないかもしれませんが、動画検索した時に上に出てくる広告です。

ちなみに前回の記事で実践した際には、
インストリーム:3,620回表示で1,021回の視聴
インディスプレイ:15,846回表示で97回の視聴
だったので、恐らく肌感覚の通りかと思いますが、インストリームからの流入が殆どです。
もちろん広告設定する際にどちらかに絞ることもできます。


【費用】
・概ね1視聴につき7円〜10円程度
目標視聴人数を予算から作成する時の参考にどうぞ。ちなみに一人に何回まで見せるかも設定できます。
1回だけ見せると印象に残らないと思いますが、何回も見せすぎると逆に嫌悪感を持たれてしまうので要注意。


【長所】
・検索ワードを使ったターゲッティングで狙った人に視聴させることができる
→前回の記事では、「Have Heart」と検索した海外の人にFOR LIFEのライブ動画を見てもらいました。
You Tubeに滞在し、バンド名で検索している時点で音楽に対する寛容性が高く、広告も好意的に受け入れられ易い
Google Adwordsのアカウントを開設すればすぐにプロモーションを実施できる
・15秒以上視聴しなければ支払いが発生しない
Googleアナリティクスという優れた分析機能とリンクしており、効果検証が簡単
・動画にアノテーションを加えることで、itunes等へ誘導し音源の購入にも繋げられる
アノテーションとは動画上に載っているリンク付きの吹き出しです


【注意点】
あくまでも動画を使用した広告なので、目的が「xxを聴いている人に自分のバンドも聴いて欲しい」といったバンド名の認知拡大などには効果を発揮しますが、
「ライブに来てくれる人を増やしたい」といった、動画を見るという行動から距離があることを目的にしている場合はオススメしません。



-Facebook
【出来ること】
・ページへのいいね!を集める
日本のバンドでFacebookを重用しているバンドは少ない気がしますが、
海外のバンドはツアー情報やマーチに音源など、通常のホームページの機能をそこに集約させているバンドも多くいますね。
例えばComeback KidのページではBandpageなるタブが設けられ、そこで音源試聴やマーチ購入ができます。



"基本的"にはFacebookに投稿される情報はいいね!した人に表示されるので、
まずはいいね!をしてもらうことで、情報を発信する土台を獲得するわけですね。


・ページからの投稿を広告として狙った人に閲覧させる
いいね!してくれている人には、"基本的"に投稿した情報は配信されますが、
投稿自体を広告にすることによっていいね!していない人にも情報を発信することができます。

余談ですが、Facebookには自動フィルターのような機能が搭載されているので、自分に興味が近いと思われる投稿や広告が選ばれて表示されています。
よって、例えば個人アカウントでも、自分がよくいいね!したりしている人の投稿がタイムラインに表示され、疎遠な人の活動はタイムラインに出てくることはありません。
上で"基本的"と書いたのも、たとえ過去にいいね!していても、その後あまりページの投稿に反応していなければ、表示されなくなってしまうケースもあるのです。


【費用】
・こちらも概ね10円前後です。
先日FOR LIFEのページで少し実験した時には、いいね!1件9円でした。


【長所】
・広告作成のヘルプが非常に丁寧で、You Tubeより更に簡単に広告が出せる
・広告の効果をほぼリアルタイムで確認でき、都度ターゲットの微修正などの小回りが効く
You Tubeは広告効果の確認は1日1回更新です。
・いいね!を押す等のアクションが発生しなければ費用は発生しない
Googleアナリティクスまでではないが、結果の分析データも確認できる


【注意点】
広告から自身の動画や視聴サイトに誘導するためにはどうしても1クリックの動作が必要です。
これだけ情報が氾濫するネット上に於いては、ワンクリックは大きなハードルです。
よって、自分のバンドの認知を広げるという手段においては、You Tubeをオススメします
しかしながら、Facebookは一種のファンコミュニティサイトのようなものです。
例えばイベント作成機能を使えば、「Facebook経由で"参加"ボタンクリックした人に限定未発表音源プレゼント」といった投稿を広告で流してみると、
ライブの動員増なんかに使えそうですね。こういった機能はYou Tubeではできません。


-Twitter
実はTwitterYou TubeFacebookに比べて敷居が高く、私もまだ実験できていません。
つい最近までは大手企業しか使えなかったのですが、最近Yahooと提携して若干敷居は下がったものの、
基本的にはまだ企業が使用する想定になっています。


【出来ること】
・おすすめのアカウントとして表示してフォローを促す

・ツイートを広告としてタイムラインに流す

・トレンドを買う
PCで見たときの左に、トレンドワードがありますが、その一番上は買えます。
しかし、ウン百万の話になるので関係ありませんね(笑)


【費用】
・アカウントのフォローで最低40円、ツイートは10円からという噂です。やはり少し値が張りますね。


【長所】
実際に使っていないので、詳しいコメントは差し控えます。
しかしながら、10代を中心にユーザーに偏りがあり、また近頃あまり勢いのないTwitterではありますが、
こと音楽界隈に関しては依然として人気の高いメディアなので、親和性の高さは大きなメリットでしょう。
いずれにしても、You TubeFacebookを見習ってもう少し間口を広げて欲しいものです。


この記事を呼んで我こそはと思ったレーベル会社の方、私にプロモーションを実施させて下さい(笑)



-最後に
長文になりましたが、それぞれのメディアで長所短所はありますので、「誰に何をして欲しいか」をよく考えて選んでみて欲しいです。
"誰"というのも、漠然とした"20代の男性"とかではなく、
"アメリカに住んでいるオールドスクールハードコアが大好きな大学生。好きなバンドの映像をよくYou Tubeで見ている"
とかくらいまで、具体的なイメージを持って欲しいと思っています。
FOR LIFEの実験ではまさにそんな人が海外にはいるんじゃないかと思い、広告を打った結果、実際に反応がありました。


こういったプロモーションはもはやフライヤーを作って撒くかの如く当たり前の告知ツールになっていくと思いますので、
また自分自身で何か新しいチャレンジを引き続きしていきたいと思います。


それでは。

コンテンツマーケティング

【コンテンツマーケティングという考え方】
ITを中心とした技術革新と共に生まれてきたのがコンテンツマーケティングという考え方です。
近年書店などで、このテーマを扱った書籍も良く目にするようになりましたが、定義としては、


"コンテンツマーケティングとは適切で価値あるコンテンツを作成し配布する技術である。ターゲットとなる見込み客のことを理解し、
これを明確に定義することにより、見込み客を引き寄せ、獲得し、見込み客と関わり合い、見込み客に購買に結びつく行動を促すことを目的とする。"
(Contents Marketing Instituteによる)


作り手の作りたいものを受け手に勝手に押し付けるのではなく、受け手が必要とする魅力的なコンテンツの提供を通じて、
最終的に受け手が作り手のサービスを購入するステージまで育成をするという考え方です。


実施までのステップとしては、

1:現状分析・目標設定
2:ターゲット顧客像設定
3:コンテンツ作成
4:コンテンツ発信
5:効果検証

という流れになっています。


【バンド活動への示唆】
このコンテンツマーケティングという考え方がバンド活動にもある程度適用できるのではないかと考えています。
前回の記事ではこの考え方に基づいてプロモーションを実施しましたので、その流れを簡単に記述します。


1:現状分析・目標設定
自身のバンドの現状、特に課題を洗い出します。

  • FOR LIFEの場合-

正式音源の発売を4ヶ月後に控えており、事前にバンドの名前・曲を潜在顧客に認知させ、
正式音源を手にとって貰う土壌を築くことが目的でした。
市場の大きさを鑑みたとき、海外のオールドスクールハードコアファンに届けることを特に考えました。


2:ターゲット顧客増設定
対象となるべきユーザー像がどういった行動パターンや嗜好を持つのかという「ペルソナ※の設定」をします

  • FOR LIFEの場合-

オールドスクールハードコアが好きで、常に現行のバンドをPCのYou TubeやBandcampで検索しているアメリカ在住20代の男性をイメージしました。


3:コンテンツ作成
使用するメディアも意識しながらコンテンツを作成します

  • FOR LIFEの場合-

ユーザーがPCのYou Tubeで新しいバンドを検索するという行動を考え、You Tube動画プロモーションを選択しました。
前回の記事では、テスト的な実施のため既存のライブ動画を仕様しましたが、一般的にバンドの映像では
ライブよりも画質のいいMVの方が良く再生される傾向にありますので、MVの方が良いでしょう。
初見のユーザーに届けることを想定すると、曲も分かりやすくしかもイントロにインパクトがある曲が望ましいですね。


4:コンテンツ発信
ブログ、動画サービス、ソーシャルメディアなどコンテンツに最適なメディアで発信

  • FOR LIFEの場合-

上記の通りYou Tubeでの発信を行いましたが、
ターゲットユーザーにより確実に届けるためにキーワード指定方のプロモーションをかけたことは前回の記事で書いた通りですね。


5:効果検証
プロモーションがどのような効果を及ぼしたかを検証します

  • FOR LIFEの場合-

こちらは前回の記事で詳しく書いた通りですね。
Googleのアナリティクスサービスは無料で様々なデータが閲覧できるのでおススメです。



【さいごに】
今回の記事は少し長くなってしまいましたが、特にコンテンツマーケティングについて深く知りたい方は
イノーバ社のホームページや書籍をご覧いただけると理解が深まると思いますのでそちらもどうぞ。



※ペルソナ
企業が提供する製品・サービスのもっとも重要で象徴的なユーザモデルのこと。そのモデルを作ることをペルソナデザインという

マーケティングという考え方とその変遷

前回の記事では、Webマーケティングの効果を実験結果を用いて説明させて頂きました。


私自身何より驚いたのが、Googleの情報収集&活用プラットフォームですね。
SEO※やTrue Viewで集積した情報をビジネスに繋げる仕組みがあることは知っていましたが、
実際に体験してみて、その効果の大きさだけではなく、私のようなWebの素人が簡単に実施できる間口の広さに驚きました。
このイノベーションによって、豊富な資金力はマーケティング活動への必須条件ではなくなっており、
マーケティングの戦い方は今大きく変わってきていることは間違いありません。


もちろん資金力はあるに越したことはないと思いますが、小さな企業であったり、あるいはバンドなどの団体の
マーケティングもコンテンツ次第では大きく認知やユーザーの支持を獲得するチャンスが生まれました。


そもそもマーケティングという考えや言葉にあまり馴染みがない方もいらっしゃると思いますので
今回の記事では、マーケティングという考え方とその変遷についてご紹介させて頂きます。



マーケティングとは】
そもそも"マーケティング"って何なのでしょうか?オフィシャルの定義を見てみましょう。


"マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を、
創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。"
(アメリカ・マーケティング協会)


マーケティングの大家フィリップ・コトラーによると
"製品と価値を生み出して他者と交換することによって、個人や団体が必要なものや欲しいものを
手に入れるために利用する社会上・経営上のプロセス"
となっていますね。


表現が小難しいのですが、私は
"作り手のサービスと受け手のニーズを繋ぐための活動"
だと考えています。


マーケティングの手法】
マーケティングを実際に行っていく際の考え方に、マーケティングミックスと呼ばれるものがあります。
4P (Product:製品、Price:価格、Promotion:販促、Place:流通チャネル)を最適化して効果を最大化するという考え方です。



マーケティングの変化】
ほんの10年ちょっと前までは、Promotionの所のテレビや新聞らのマス媒体による広告活動、
Priceの所の営業マンによる販促活動等々が主力の手法として活用されてきました。
マスメディアに出稿する資金や、営業マンを広く派遣する人的資源がない会社は競争劣位に置かれてきたわけですね。


ところが、近年インターネットのイノベーションスマートフォンの普及によって戦い方は大きく変わりました。

図の通り、10代においては、テレビではなくインターネットが最も長く接触する情報メディアになっています。
更に、テレビにおいては録画技術の進化によりCMがスキップされてしまうことも少なくありません。


ここまでインターネットが普及し、好きな情報を好きな時に取得できる状況になっているので、
勝手なタイミングで別に欲しくもない情報を押し付けてくるセールスマンやDMチラシの効果が薄くなっているのももっともなことです。


上記のような、ITを中心とした技術革新と共に生まれてきた、コンテンツマーケティングという考え方について、
次回の記事では触れたいと思いますのでよろしくお願い致します。




SEO (Search Engine Optimization)
サーチエンジンの検索結果のページの表示順の上位に自らのWebサイトが表示されるように工夫すること。また、そのための技術やサービス。

ハードコア音楽のマーケティング-結果編

【準備編のサマリー】
潜在的なリスナーに対して自分のバンドをどのように認知してもらうか」を目的にし、
Google AdwordsYou Tube内で活用する方法を選択しました。


【結果のサマリー】
結果としては、ある程度狙った効果があり、有効な手法として活用できる感触をつかみました。

限られた予算の中である程度の再生を稼いだことだけではなく、
狙いとしていた海外のリスナーに届けることができたのが収穫でした。


以下で詳細に結果を説明します。


【結果-動画再生数】
アップロードから1年間で750再生程度だった動画ですが、1週間で1000以上の再生がありました。


【結果-プロモーション全体】
1000以上の再生がありましたが、使用した金額は6000円程度です。
今回はテストのため予算に上限をかけましたが、予算を広げればもっともっと再生数は稼げます。
おそらく1クリック10円以内で納められるので、予算を決める参考にしてみては如何でしょうか。

今回のプロモーションは、他動画横に表示される関連動画や、
他動画再生前に強制的に流れる形式で約2万回表示されており、
その中で約5%の1000人が30秒以上再生したという結果ですね。
(※ちなみにYou Tubeの広告は30秒以上再生されない限り課金はされません。)


驚くべきポイントは、初見にも関わらず、20%以上の人が動画を3分以上再生しています。
更に3%(30人程度)ではありますが動画を最後まで見ているんですね。
フルセットのライブ動画を最後まで再生することは、自分は好きなバンドでもあまりないので驚きです。


【結果-プロモーション検索ワード】
10以上のキーワードを入れたのですが、結果的にほぼ上位2つのワードから来ていました。
"Hardcore punk"と"Have heart"で90%以上を占めています。ここは次回への反省ポイントですね。


一般的に"Hardcore punk"のような、広い言葉でターゲットを絞ると、再生率が下がる傾向にあるのですが、
"Hardcore punk"で検索した人の10%はそのまま視聴しているので、意外なところでした。
次回はある程度知名度のあるバンド名で検索ワードを増やしてみようと思います。


【結果-動画者属性】
プロモーション実施前と比較すると違いが一目瞭然です。
実施前はほぼ全員日本人、男性の25-34才でした。
プロモーション実施時は、日本の視聴はほぼ無く、女性が30%程度入り、10代が最大の構成比を持っていますね。
(※性年代が変わったのは、国による違いだと思いますが)


このポイントが一番大きくて、アンダーグランドな音楽でリスナーを増やしていくためには、
デジタルを介した海外リスナー市場は魅力です。
その人たちにある程度リーチできることが今回の取り組みで証明されました。


余談ですが、少数ですが視聴がある国を載せておきます。
ハードコアが盛んと聞いていた東南アジアやアメリカは納得ですが、
コロンビアなど南米からも入っているのは驚きでした。


【結果-視聴デバイス
日々の情報収集はスマホがメインになっている時代ですが、
こと音楽を探すという場面ではまだまだPCが主力のようですね。


【まとめ】
今回のテストで、潜在的なリスナーに対して自分のバンドを認知してもらう手法として、
Google Adwordsがある程度効果を発揮することは証明されました。
海外のこれまで接触できなかったリスナーへも届けることができました。


一方で、ターゲットする検索ワードの選び方には、まだ改善の機会はありそうです。
そして今回使った映像素材は決してクオリティの高くないライブ映像ですし、
素材自体のクオリティをあげることも必要だと思っています。

また、ただバンドの存在を認知しただけではなく、
彼らが自分たちの音源を買うという状況にどのように繋げるのかも考える必要がありそうです。
動画を見た人にデジタル音源の割引をプレゼントするなんてできたら面白いかもしれませんね。


まだまだ課題はありますが、ある程度の効果は実感できたので今後継続的に改善をしながら使用してみたいと思いました。


なお、こちらの記事で使用したグラフは、You Tubeの"アナリティクス"という機能で使用できるものです。
自身のチャネルを作成すれば無料ですので、興味を持たれた方は、是非チャネルを開設して、
自分でアップロードした動画で実施されることを強くおススメします。

ハードコア音楽のマーケティング-準備編

【テーマ】
潜在的なリスナーに対して自分のバンドをどのように認知してもらうか」


【リスナーの定義】※今回の実験における定義です
オールドスクールハードコア、ハードコアパンクを好み、新しいバンドを常に探している耳の早いリスナー。
日本、海外は問いません。


【リスナーの行動】
現行でまだ知らないかっこいいバンドを探す時にどのような手法を使うか考えました。
一昔前の日本ですと、CD屋の視聴で探すという手法が多かったと思いますが、
大手のレコードショップでマイナーなアーティストを展開していることは少なく、
ましてや海外ではそのような実店舗自体が縮小傾向にあると聞いています。

最近はbandcampやYou Tube等のインターネットで探すことが主流になっているんじゃないかと思います。
よって、"インターネットを使って新しいバンドを検索する際に、発見されること"
が潜在リスナーへリーチする有力な方法であると考えます。


【手法】
今回のテストでは上記のリスナー行動を考えた結果、You Tube内でGoogle Adwordsを活用するという手法を選びました。
Google Adwordsとは:http://e-words.jp/w/AdWords.html
(Googleで検索した時に一番上に出てくる広告ページや、You Tubeを見たときに動画の最初に流れるCMですね。)


Adwordsには優れているポイントは多くあるのですが、特筆すべき点として、
動画にアクセスする人の年齢、国籍、アクセス端末、アクセス経路等々の分析ができます。
よって、実験し次回以降改善する取り組みとしては最適です。


【実験素材】
筆者のバンド"FOR LIFE"のライブ動画(フルセットで10分強)を使用しました。
https://www.youtube.com/watch?v=cTbQlo26VD0


【実践】
こちらのプロモーションを仕込む際に最も重要になるのは、"検索ワード"です。
特定の言葉で検索した人に対して動画を紹介するので、潜在リスナーが検索しそうな言葉を選択する必要がありますね。
一般的によく検索される言葉を選択すると、コストも高くなるのですが、ハードコアパンクで検索するような言葉ではそんな心配は無用です(笑)


今回は10以上のキーワードを登録したので全ては書きませんが、例えば、、
「Old school harcore band」や「Have Heart」、「In my eyes」などなどでセットしました。


あとは実際クリックしてもらい、興味を持ってもらった際に誘導できるリンクを準備することも忘れずに。
今回のケースですと、動画の説明文にFacebookサイトと、bandcampフリーダウンロードリンクをつけました。

こんな感じですね↓
Bandcamp: https://forlifehc.bandcamp.com/
(You can download "Demo 2012" for free")
facebook: https://www.facebook.com/forlife2011jp
Twitter: https://twitter.com/forlife__


【結果】
結果については次回の記事で説明します。

ハードコアバンドのマーケティング活動

最近仕事でやっているようなマーケティングの考え方を何かバンドに還元できないかと考えてます。
やっている音楽がアンダーグラウンドなので、セルアウトが目的ではありません笑

仕事もしてますし、お金を稼ぐためにやっている音楽ではないですが、どうせ何かを作るなら、
価値を分かってくれるであろう見込みリスナーには漏れることなく届けたいと思うんです。


今年自分のバンドは正式音源をリリースする予定なのですが、仮に今ノープランでリリースすると500枚売れるとしましょう。
マーケティングの効果で2万枚売ることは、市場規模や予算の都合で難しいでしょうが、2000枚売ることはできるでしょう。


誰をターゲットとし、どのような媒体でアプローチするかを最適化すればそう難しい話ではないと思います。


そんなことを考えて今週からテスト的にマーケティング活動を始めてみました。
内容、結果はまた追って報告します。