朝日バッシングと記者たち

18日付の週刊文春は桑田佳祐の特集のあとの目玉記事として朝日バッシングを載せている。

血祭りにされている人、そこに出てくる北京の記者関係者たち、人民中国の関係者などみんな知り合いばかりだ。どう考えてもすごく身近な人がネタを提供している。すごくうちわな話。

リーク元と私が勝手に疑った本人にこんな記事を書いたり、読んだりして喜ぶのは下品だ、品格を落とすよ、と言ったところ、その人は「記者ってのはどんな取材にも答えないといけないから〜、最初の部分はおかしいとか、朝日以外にも共同がこんな変なことがあったとか話しても、むこうの記者はまったく興味を示さなかった。もっとほかのことも言ったのに。」という。

「中国共産党に国を売った朝日新聞の7人の戦犯」というタイトルだ。この根底に流れる「中国と付き合う者イコール非国民」という前提がおかしすぎるし、これじゃまるで戦中の思想統制と同質じゃない?

五星旗と習近平の写真が合わせてデザインされているけど、中国は無視すべき国、消えゆく国とでも思っているのだろうか?

このところこういう論調がどんどん強くなってますます日本の現実逃避が進んでいる。欧米だって、中国のいろんな部分に反対して軋轢も持っているが、大前提は中国は付き合っていかざるを得ない国。絶対無視できない国だ。如何にこの扱いにくい全く価値観の違う国とうまくやって自分の国の利益を最大化するかというのが欧米外交のスタンス。

日本はナイーブすぎる。中国は嫌だ、とんでもない。まともに相手にすべきでない、ましてや中国と関係が良い朝日は非国民だ、というトーンのこんな記事ばかりが飛び交う。中国政府公式見解を取材するのは朝日だけじゃない、これは世界のメディアがそうだ。

中国政府とぎりぎりのところでうまくやりたいと思っているのはだれもがそう。

もう、そういう現実をブッ飛ばしてしまって、あたかもこの国は消えゆくかのような幻想に陥り、毎日悪口を吐いて溜飲を下げている日本は大丈夫だろうか?戦略のセの字もない。喧嘩は感情的になった方が負けだ。感情論、嫌悪論を煽り立てるこのマスコミ。全く日本の国益に反していること極まりない。

これ、昨日の北京なり。