ラッパ水仙

今日は昼前から小雨が降り始め、 いつもはミニバイクで出掛ける私も、傘をさしてぶらぶら歩く。
バイクでさっと通り過ぎていると気がつかないが、 道にはもう春の花が咲いており、雨の日でも楽しい。
梅が綺麗だったので写真を撮ろうと思ったが、 人様の家にカメラを向けるのは気が引けて断念、
ふと目を移すと道端に水仙が雨に濡れながらも見事にに咲いている。
その鮮やかな黄色とぴんと立った葉の緑が生き生きとしていて、 塞ぎこんでいた私の気持ちを励ましてくれるようだ。
やっと写真を撮り終えて満足している私に、 通りすがりのおばあさんが声をかけた。
この雨の中、もごもごと何をしていたのだろうと不審に思ったのか
「写真を撮ってるの?」とちょっと訝しそうな声だったが、
「あまり綺麗だったので・・」と答えたら、
「これはラッパ水仙って言うのよ」と教えてくれた。
その声にはもう初めの険しさはなく、昔母が小さい私に声をかけてくれたような優しさと暖かさが感じられ、その懐かしさが今でも心に残っている。