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2007-05-06

Boaz2007-05-06

今日の「ガキの使い」を見ていたら、スパゲッティにマヨネーズと醤油だけを

かけて食べていた頃を思い出しました。

貧乏この上ないものでしたが、それなりに食べられたのです。

[]百物語

手塚治虫名作集 (3) (集英社文庫)

手塚治虫名作集 (3) (集英社文庫)

手塚治虫ゲーテの「ファウスト」が気に入っていたらしく、何度もマンガにしている。

この作品は1971年少年ジャンプに連載されたもので、時代劇の設定だ。


死を間近にした主人公の前に悪魔が現れ、願い事をかなえたら魂をもらう、という契約をもちかける。

そして、生まれ変わった主人公は欲望のままにいろんなことをするが、最後には満足して死ぬ、とい

う原作の基本は押さえつつ、巧みにアレンジを加えており、少年向けになっている。


特に素晴らしいのは、主人公の魂を奪う悪魔スダマの造形だ。

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なぜか美少女に化けて主人公を「ご主人さま」と呼ぶあたり、かなり萌える。

このマンガを、主人公が三つの願いをかなえて死ぬまでの話と読んでもいいが、私はスダマが主人公

を好きになる話として読んだ。


というのも、ある日さえない男の子のところに美少女が現れ、非日常的な力を得る話は、それこそ山

のようにあるが、手塚治虫の「百物語」はその元祖のひとつではないかと思うからだ。

劇画全盛時代に、このような萌えるマンガを描いていた手塚は、やはりすごい。


最初、主人公の一塁半里(いちるい・はんり=ハインリヒ・ファウストのもじり)は薬の力でイケメ

ンに生まれ変わり、名前を不破臼人(ふわ・うすと)と変える。

そして玉藻というキツネが化けた美女をモノにしようとするが、失敗する。

このとき、スダマはまだ不破のことを好きでも何でもない。むしろ母親のように叱ったりする。

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少年マンガなので、不破は自分の非力を反省し、山にこもって修行をする。

やがて本当の力をつけた不破に、スダマは恋をするのである。

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これはそのあたりの話の扉の絵だが、ほとんどラムちゃんみたいな可愛さだ。

(いや、時系列ではラムちゃんの方が後なんだけど‥‥)

決して自分には振り向いてくれない相手を好きになったスダマは、かいがいしく主人公に尽くす。

時に拗ねてキスをせがむこともあったりする。

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もう、それなんてギャルゲー? という世界である。


その後、不破はスダマの力を借りて小さな国の主になり、これまでかまってこなかったスダマに愛を

打ち明ける。

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スダマとの契約では、

1.満足いくまで人生をやりなおす

2.天下一の美女を手に入れる

3.一国一城の主になる

の三つを達成すれば、魂を渡すことになっていた。


不破は、すべて達成したとスダマに告げるが、同時にそれは不破の死を意味する。

スダマは魂を手に入れることを拒み、もっと生きろと言うが、不破は満足して死ぬ。

悪魔としてはこれでいいのだが、不破を愛してしまったスダマは、魂を手放してしまう。

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このあたりに、手塚マンガの女性に特有の母性を感じてしまうのは私だけではないだろう。

今でも十分おもしろい作品だと思う。