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コットン・ラボ

2009-02-18

氷点下。での話。

| 17:52

まだ時代は始まっていない。

もう時代は始まっている。


もう時代は始まっていない。

まだ時代は始まっている。


ドウデモイイ氏はまばたきもせず、ソンナコトナイ氏はあくびをしたりしなかったり。

決して融けない氷の下で、人々は生活していた。

そこでは毎日殺人が起こり、それでも金と愛と欲望で、巨大な生命スパイラルは回っていた。


「ここはもう百年ともたないらしい」

「は?」

「だから。俺たちはここでいつまでも生きてられないってことだ」

「だから?」

「だから。この先どうするかって話だよ」

「なんで」

「なんでって・・・ああ、今年も寒いな」


そんな会話が、もう何千年と繰り返されていた。


ウチュウノハテノ星で、長旅を終えた小鳥たちは会話していた。

「人がいっぱい死んでいたよ」

「どこもかしこも血の臭いでいっぱいだった」

「そして氷の臭い」

「そして氷の臭い!」




それでも。それでも私は。それでも私はいつまでも。薄く強固な氷に透かして宇宙の破片を見ている少女に恋している。

血と肉でできた透明人間のような君に透かして、宇宙の破片を探している。

2008-11-21

雨が降っている。

| 14:42


今日は朝から雨が降っていた。

あたしはベッドの上で、さかさまになって窓の外を見ていた。

下から上に、雨がこぼれていた。


テレビは映らなくなっていた。アンテナの故障?

砂嵐の画面。外界と内界がコンタクトを取ろうとしている。


昨日の夜中から、トムウェイツが流れっぱなしになっている部屋で、あたしは雨を眺めていた。


トムウェイツには強い酒が似合う。

そんなことを昔言った気がする。

眉間に寄ったしわ。くしゃくしゃの髪。タバコの煙と洗剤の匂い。

そんなものは全部、昔々の出来事だ。


昔々、あるところに・・・

そこまで口に出して言ってみて、ちょっと嗤ってしまった。

2008-11-08

前髪が揃っている。

| 23:02

彼女の前髪はいつも綺麗に揃えてあった。

スウィング。スウィング。

彼女の前髪は、いつもきちんと行儀よく揺れていた。

あたしはそれが面白くなくて、彼女の頬をぶった。

「あたしの男を盗りやがってこのアマ!なめんなよ!」

そう言って、思い切りぶった。


彼女は何も言わず、彼女の前髪はきちんと正しく揺れた。

雪が降っていた。きっと、その日は雪が降っていた。

2008-10-09

さかむけ

| 21:48

あたし最近指のさかむけがひどいのよね。

彼女は言って、僕の方を見た。

親不孝なんじゃない?

僕は言って、彼女の方を見た。

親不孝なのかも。

彼女は自分の指を見つめて、言った。

冷たい響きだった。


僕らは裸のまま、

タバコの煙に巻かれている。

寂しくて、空虚な、すがすがしい朝。

ノルウェーの森みたいだ。

2008-10-05

意味の無い話、の話。

| 22:26

今度煙の出ている煙突から飛び出してきたら、殺すよ。

猫に言われて君は頷く。

本当はそんなこと思ってない。

今度リンゴの木を降って登校したら、殺すよ。

猿に言われて君は頷く。

分かった、分かったよ。

もうそろそろ流星群の通る時間だから、殺すね。

鯨に言われて君は頷く。

もうそろそろってあと何百光年先なんだ?


あー、疲れた!紅茶はもういらないよ。だからサンタベアーを抱きしめるよ。

さようなら、明日。こんばんは、昨日。

月は役目を終えてご帰宅でしょうから、太陽の神殿ユピテルにお願いするよ。

「モップがけが上手になりますように!」


と、以上のような意味の無い話をしていたら、疎外感を感じられます。

と、笑いながら教えてくれたあの人は、今日もどこかで笑いながら意味の無い話に花を咲かせているのでしょう。

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