今や過激じゃないことが最も過激だったりするのかも。


重慶でのブーイング(id:Bonvoyage:20040802)の後日談。

第一感としては、この問題について(特に極端な意見を)話してる人って、実際にスタジアムに行ってエキサイトしたことがないのかもしれないな、自分もちょっと羽目をはずしすぎただけで同じことやっちゃうんだってことを知らないのかな、という気がして書いたんだけど、思いがけずたくさんの人が見に来てくれたので、目立ちたがり屋の僕としては大変うれしく、満足満足。


内田樹さんのところが(不毛に)盛り上がってるので、そこからたくさん来てくれたみたい。トラバした甲斐があった。


それから、『圏外からのひとこと』のessaさんが紹介してくださった(http://amrita.s14.xrea.com/d/?date=20040804)ので、そこからもたくさん来た。この人は本当に要約・紹介がうまい。僕も思わず読みたくなっちゃった。僕はこの話をどうやってまとめようか四苦八苦したんだけど、essaさんの要約のほうが話の流れがスムーズ。見習おうっと(とは言え、今回の話はつっかえつっかえみたいなところもそれはそれでいい味が出てて、なかなかよく書けたような気もしてる)。


実は、この話は自分ではすごく面白いと思って書いたんだけど、他人が読んでどうかってのには少しだけ不安があった。マス・メディアもブログなんかの個人メディアも、極端で威勢よく煽るような意見が多くって。そういうのしかウケないのかなあ、とも思ったんだけど、essaさんの紹介文を読んでこれだけ来てくれたということは、きっと極端じゃない意見へのニーズも割とあるんだろうな。
もしかしたら今、「過度に悲観すべきじゃないし、過度に楽観すべきでもない。」なんていう極端じゃない意見を言う人が一番異端だったりして。変なの。


essaさんはじめリンクしてくれた方、読みに来てくれた方へ感謝。

メルマガ配信開始決定。


ブログ更新をお知らせするメルマガを配信することにしました。

今後も更新がちょっと途切れることがあるかもしれないし、そういうときに、せっかくご縁があった読者さんに忘れられてお別れしてしまうのもお互いに残念なことじゃないかな、と思うので。それから、自分がやりたいと思っていることの中にはブログよりメルマガのほうがやりやすいこともあるんですよね。「ちょっとブログじゃ書けないよなあ」的なキワドイ話題も扱えそうだし。

当面は更新のお知らせと、オマケにボツネタや裏話などを載せていく予定ですが、状況次第では将来的にいろいろとコンテンツを充実させることも考えてます。まったくの未知数なので楽しみ! 僕のコアな読者(なんているのかどうかわからないけど)にはたまらない内容になるかも?


メルマガのタイトルは『僕らは踊る。生存の踊りを。』ってとこかな。とりあえず。なんとなく。

僕らは踊る。生存の踊りを。 (マガジンID:0000137629)

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うーん。もう登録できるのかな? ちょっとよくわかりません。まぐまぐから発行承認のメールが来るまでちょっとかかるみたいで。登録してくださる方は、数日後に行うのが確実だと思います。
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以下はサンプルです。実際には毎回毎回こんなに長くはならないと思いますが、今回はボツネタも載せてあったり、今日のブログ本文に書くはずのことがところどころ混ざったりしてるので、結構長くなってます。

■□■□■□■ 僕らは踊る。生存の踊りを。 準備号 ■□■□■□■


こんにちは、Bon voyage! です。


今回の目次
 ・ブログ更新 2004-08-02 (Mon) ●サッカーアジア杯●
 ・ウラバナシ ボツネタ掲載
 ・編集後記


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■



<ブログ更新> 2004-08-02 (Mon) ●サッカーアジア杯●


サッカーに興味がない方でも、サッカーアジア杯で、重慶での日本代表チーム及びサポーターに対する中国人観客からの限度を超えたブーイングやゴミを投げつけるなどの行為があったということをニュースか何かで知っている人は多いかもしれない。
この手のニュースに対しては、「いいネタがきたぜ!」と言わんばかりにマスメディア・個人メディアが反応を示すわけだけど、その論調は大抵が極端だったり不必要に危機感を煽るものだったりして、程度の低さにはもううんざり。「もうちっと冷静に、まともな意見を言えるやつはおらんのか!」と叫びそうになっちゃうところなんだけど、それなら自分で書いちまえ、と。ブログのおかげでこの辺はだいぶストレスが軽減されてるなあ。過激な論調に慣れてしまっている人は、かえって新鮮に感じるかも。


コチラからどうぞ→ http://d.hatena.ne.jp/Bonvoyage/20040802




<ウラバナシ> ※注 本文を読み終わった後にご覧いただくのがよいと思います。


本文にはすっかり書き忘れていたけれども、第三国の観客がどちらか一方のサポーターと化すときには、勝ってくれると自国が有利になるほうを応援するケースってのもある。例えば2002年のワールドカップの1次リーグ、ポルトガルvsポーランドでは、ポーランドが勝てば韓国は自動的に決勝トーナメント進出という状況だったから、韓国人サポーターがものすごい勢いでポーランドを応援してたのは(サッカーファンには)記憶に新しいね。



それから、書いたけどボツにした文章をオマケに掲載。


ココカラ―――



■妖精と重戦車


サッカーと政治に関して、思い出すことがもう1つある。


1999年のユーゴ空爆のときのことだ。

当時名古屋グランパスに在籍していたピクシーことストイコビッチは、遠い祖国の家族や親戚や友人のことを思って神経をすり減らしながらも、プロとしてピッチに立っていた*1

もともと小さい顔を一層やせこけさせたピクシーは、ゴールだったかアシストだったかを決めると、赤いユニフォームをめくり上げてアンダーシャツをカメラに向けた。白いシャツには、黒マジックでこう書いてあった。


NATO STOP STRIKES」


僕はこの映像を当時ではなく、ピクシーが引退してしばらく経ってからの彼の特集か何かで見たのだが、一方で「サッカー選手がメディアの露出の高さを利用して政治的メッセージを伝えるのっていかがなもんだろうか」と思いつつ、他方ではピクシーのやせこけた顔とそのメッセージに心を打たれた。

そして僕は、その行為の是非は「ま、当事者だし、ありにしとくか」くらいにしておいて、空爆の意味を考えて、ストイコビッチの言う「NATO STOP STRIKES」に納得してしまった。


僕は政治にも経済にも詳しくないから、どうしてNATOが旧ユーゴを空爆したのかわからない。そして、そのことが自分とどうつながっているのかもわからない。何人死んで、何人怪我したかもわからない。旧ユーゴスラビア、今のセルビア・モンテネグロがどんな国なのかもわからない。

ただ1つわかるのは、その国が素晴らしいサッカー選手を数多く生み出しているということだけだ。僕はそのことだけを手がかりに、「僕にとって」ユーゴ空爆がどんな意味を持っているのかを考えたのだった。


   ★


2002−2003年シーズンのリーガ・エスパニョーラを僕はよく見ていた*2。今でもたまに撮ってあるビデオを見返したりする。結果がわかってても面白いんだな。これが。


このシーズンは最終的にレアル・マドリーが優勝したのだが、終盤までトップを走っていたのはレアル・ソシエダだった。レアル・ソシエダはマドリーと熾烈な優勝争いをし、勝ち点2差で惜しくも2位に留まったが、攻撃も守備もアグレッシブで、決して有名ではなく高くもない選手がよく動き、見ていても楽しいサッカーをしていた。

特にレアル・ソシエダの2トップの破壊力は強力だった。1シーズン38試合の間に、2人でなんと43点取った。2人のコンビネーション、それからそこにボールを出す中盤の選手との絡みは、やっている1つ1つのプレイはシンプルなのに重厚で、見ていて本当に楽しかった。その年のチームとしての完成度は、もしかしたらレアル・マドリーを上回っていたかもしれない。


2トップの1人は23点(得点ランキング2位タイ)を取ったトルコ代表のニハトという選手だ。彼は小さいが足が速く、ディフェンスラインの裏側に抜け出してはゴールを決めていた。

もう1人はコバチェビッチという選手だ。20点(得点ランキング4位)取った。
彼は背が高くてごつい重戦車のようなストライカーで、中盤を作るときはポストプレイをし、ゴール前ではディフェンダーを吹き飛ばしてはヘディングを決めていた。わかっているのに止められない、みたいなフィジカルの強さがあって、彼が競り合いながら豪快にゴールを決めたときは僕はすごく興奮した。

僕はこの2トップにすっかり魅了されてしまっていたわけだが、このコバチェビッチという選手がセルビア・モンテネグロの人だ(当時はまだユーゴスラビアだったかな)。


妖精と呼ばれるような華麗なテクニックを持った選手から、重戦車のような選手まで。それから、フォワード以外のポジションでも、セルビア・モンテネグロからは様々なタイプの優秀な選手が出てくる。今後もいい選手が次々出てくるだろう。もし空爆によって、これから出てくるはずの僕を魅了してくれる選手が出てこなくなってしまうとしたら、なんかもったいないことをしてる気がする。だから「NATO STOP STRIKES」という言葉に、僕はうんうんと頷く。

そういう意味では、あのユーゴ空爆は、僕にとって割と身近な出来事だったんだな。


ちなみに、ニハトという選手もピクシーとは違った理由で、やせてコンディションが落ちることがある。それも毎年。その理由は… う〜ん。これはクイズにしておこうか。
(わかった人は小躍りでもしてください(笑)。忘れなければ、そのうち、このメルマガで答えを書きます。そんなに難しくはない…と思うけど、どうだろう。ヒントを出したいけど、言ったらほとんど答えになっちゃうのしか思い浮かばないからヒントなし。)


―――ココマデ




<編集後記>


この日(8/2ね)はアップした本文とボツネタを合わせて9000字以上書いた。いやあ、自分がこんなに文章書くのを好きになるとは思いもしなかったなあ。それも読者の方がいてくれてこそ、かな。僕は基本的に目立ちたがり屋なので、人が見てくれてると思うとパワーが出てくるんだよね。ありがたい。


またサッカーの話をしちゃうんだけど、選手とサポーターってサービスの売り手と買い手ではあるけれど、買い手であるサポーターが「金払ったんだから、お前が俺を満足させろ。俺は何もしない。」とか言っちゃうと、全然面白くない。サポーターって「売り手のサービス向上に能動的に関わろうとする買い手」なんだな。もちろん、ときには厳しく味方チームにブーイングすることもあるけど、それも含めて。

面白いと思うんだよ。「大声で応援してる俺らは、お前らが提供してるサービスの価値(つまり試合の面白さ)を引き上げてるんだから、その分観戦チケットを安くしろ」なんて言う人は誰もいなくて、むしろ「敵がPKはずしたのは絶対俺らの応援が効いたんだよな。あんときの「のりお(以前仙台にいたキーパーの名前)コール」は過去最大級だったもんなあ。今日のゲームは俺らが勝たせたようなもんだよ」とか言って嬉々として酒盛りやったりしてるわけだ。
僕はこういうメンタリティが好きだ。マグロもせこいのも嫌い。


僕のブログ・メルマガも、読んで面白いと思ったら紹介してくれたりする他のブロガーさんとか、メールやコメントで応援のメッセージやアドバイスや厳しい意見や僕とちょっと違った視点をくれる方とか、そういう「書き手の向上に能動的に関わろうとする読者」がいてくれることは僕にとってすごく大きい。

あなた方は僕が面白いことを書けた日には「ときどき紹介したりしてる俺のおかげだ」とか「この前メール出した俺のおかげだ」と言って酒でも飲んでください。いや、別に飲まなくてもいいんだけど。


サッカーを見てて、選手とサポーターの関係を見てて、選手がすごくうらやましくて、「俺も俺の持ってる何かであの選手たちのようになれればなあ」とか思ったものだけど、もしかしたら、その夢は今かないつつあるのかもしれない。…なんて考えると、ちょっとわくわくする。



それでは、またブログ更新の際にお知らせします。

Bon voyage!


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(終)

*1:考えてみると、ピクシーはその才能とは裏腹に、不遇と言えば不遇の現役生活を送ったかもしれない。ピクシー自身が最高潮にある頃、そしてユーゴスラビア代表がものすごく強かった頃、政治的な問題でワールドカップに出られなかったりもした。

*2:その次のシーズンからリーガの放映権がJSPORTSからWOWOWに移ってしまって、それからはリーガを見ていない。WOWOWとも契約しようか悩む。だって、僕はJSPORTSの実況・解説も含めて好きだったんだけど、WOWOWのそれはJSPORTSのを知ってる人にはすごく評判が悪いんだもん。