Syrinx Pour La Fin Du Temp 〜2eme Serie

07-01-23-Tue The Killing

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<補足作品情報>

上映時間:85分

製作国:アメリカ

初公開年月:1957/10

モノクロ


監督:スタンリー・キューブリック

製作:ジェームズ・B・ハリス

製作補:アレクサンダー・シンガー

原作:ライオネル・ホワイト『見事な結末“Clean Break”』

脚本:スタンリー・キューブリック

追加台詞:ジム・トンプソン

撮影:ルシアン・バラード

音楽:ジェラルド・フリード

出演:スターリング・ヘイドン(ジョニー・クレイ)

   マリー・ウィンザーシェリー・ペティ)

   コリーン・グレイ

   ヴィンセント・エドワーズ

   ジェイ・C・フリッペン

   テッド・デ・コルシア

   ティモシー・ケリー

   エリシャ・クック・Jr

受賞履歴:

英国アカデミー賞(1956年)

作品賞(総合)

 スタンリー・キューブリック監督がハリウッド進出を果たした作品。フィルム・ノワール。この作品のみそは、同時に起きている出来事を、時間を少しずつ引き戻しながら並行的に順列で提示する、というテクニックを映画において行なったことらしい。

 最初の人物相関が複雑で少し混乱するが、核となる人間関係はしっかり差別化されている。人間の欲望、失望、脆さが極めて現実的に描かれている。強奪までは首尾よく事が運んでいるが、誰一人として幸せになったものはいないし、ある意味、関わった者全てが抹殺されたと言える。フィルム・ノワールだけに恐らく低予算であったのであろうが、映像の特殊技術をうまく取り入れて、人物内の動揺と客観的な事態の描写が映し分けられている。何と言っても圧巻なのは、妻の、愛人との関係を知った男が、その愛人とともに強盗仲間をも射殺してしまうシーン。そして、盗んだ金が滑走路内でばらまかれてしまうシーン。何とも言えない無常観が漂う。「渋滞」という不慮の事態に見舞われてほんの少し計画の時間がずれただけで、全ての歯車が噛み合わなくなってしまった。もし時間通りに全てが動いていたなら、何事も無かったかもしれない。もし滑走路に犬が走り出さなければ、何事も無く海外に逃亡できたかもしれない。ほんの少しのトラブルが、思わぬ重要な事態を招いてしまう。それに誰も抵抗する事はできない。正にカオスである。この作品が、ただのサスペンスに終わっていないところは、そこにある。表題の「The Killing」が指し示すものは、正にこの無常観ではなかったか。

 最後のシーン、すごいセンスです。しびれました。