鰤端末鉄野菜 Brittys Wake このページをアンテナに追加 RSSフィード

You have eaden fruit. Say whuit. You have snakked mid a fish. Telle whish.

-- J. Joyce, Finnegans Wake, Book IV

鰤端末 書庫閲覧についてWikimedia関係日誌 これは誰?

2009-11-27

[][][] WCJ2009、おわる

東京から帰ってまいりました。日曜日にウィキメディア・カンファレンス・ジャパン2009に出席し、そのあと二日ほどのんびりしてまいりました。

発表は色々聴きたかったのですが、なにしろ同時並行で6トラック、うち2齣で発表(ひとつは「ウィキメディアにおける多言語化と翻訳」、もうひとつは共同発表のプロジェクト紹介 "Wikimedia in a nutshell")とみっしりした日程だった上に、聴きたい発表同士が同じ時間に重なることが多く、弱りましたた。とはいえスタッフの皆様はもっとお忙しかったわけで、ほんとうにお疲れ様でした。ありがとう。

朝は近くに宿*1をとったせいもあって、すこし遅めの始動だったのですが、いや受付はすごい人でした。なんでも当日受付だけで100人超えていたらしく、計280人が出席ということでした。おかげで刷ったものが足りなくなり、ていうか基調講演の部屋でまず席を取って朝ごはんを食べに一度でたところ(飲食禁止だったのだ)、ぼくのプログラムがどこかへ消えてしまったよ……。とはいえそういうカオスはごく局所的なものだったようで、いやまあよかったです。はい。

基調講演は2本、ウィキメディア財団広報部長 (Head of Communicatios) Jay Walsh によるプロジェクト&財団紹介に続き、国立国会図書館館長・長尾真先生による講演「辞書・事典とは何か−その体系性・網羅性・信頼性を求めて」。前者はわたくしにはほぼ既知の情報でしたが、後者は事典論・知識論として非常に興味深く伺いました。実はわたくし情報工学系の方々の「オントロジー」というのがわからなかったのですが(わたくし自身の専門は存在論的美学なのに――オントロジーというのは存在論という意味なのですよ)、長尾先生のお話で、現在の知識科学でいうオントロジーとはアリストテレス的な範疇論の延長なのだ、賓辞の分類学なのだ(そしてその分類そのものが極めてアリストテレス的だ)ということに気づかされ、なるほどこれはある意味ではオントロジーを名乗るに相応しい(たとえそれが在るものについての外的な叙述の学にとどまり、在るという事態そのものの学には至らないとしても、前者は伝統的な形而上学一般の姿そのものなのだから)、と感じ入りました。そうして後半は、長尾先生の事典論、つまり、語彙の総体としての世界をいかに差異化しまたふたたびひとつの体系として事典という形態に整序していくのか、いろいろな方向性が語られるのですが、わたくし個人としてはこの講演だけでも東京へ来た甲斐があったように感じました。基調講演については 岡本真さんのまとめが読みやすいので、そちらもご覧下さい。

自分のメインの発表は「ウィキメディアにおける多言語化と翻訳」。

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八田真行さんの Wikileaks 紹介や takot こと太田尚志さんの Wikimania 報告会と同じ枠で、この辺りの話ももっと聴きたかったのですが、まあ別の機会に拝読する機会があるといいなと思っています。発表自体は上記のとおりスライドを公開しているので、どうぞご覧下さい。ただし二点補足する点があり、ここに記してお詫びし訂正いたします。

  1. 発表時、MediaWiki多言語化ウェブサイト Translatewiki.net の名前を間違いました。申しわけございません。
  2. コンテンツ翻訳について、ウィキペディア日本語版の取り組み「……ウィキペディア日本語版にまだない記事」のリストは自動更新といったのですが、あれは手動ではないかという指摘を受けました。どうも他の統計とごっちゃになってるかもしれないです。いや面目ない。これについてはもう少し調査してから再度ご報告をと思います。

なお id:yomoyomo さんはなんでウィキメディア・カンファレンスで Wikileaks なんだというようなことをおっしゃっていたけれど、まあ Wikimania も非 Wikimedia な発表は多々あるわけだし、それを言い出したら WikiEducator とかも out of range だということになるけれどそういうことをいうのは野暮だし、まあどちらも MediaWiki を利用しているサイトなのでよいのではないでしょうか。もっとも Wikimania と違って WCJ2009 で「MediaWikiを利用する非ウィキメディアサイト」を積極的に包摂していたのかは知らないのですが。

MediaWiki 開発にあまり日本人が参加していないこともあり、技術トラックにはウィキメディアコンテンツの学術的利用の話がほとんどで、MediaWiki 等ツール開発の話がほとんどなかったのですが、将来はそういう phpgeek な方々の姿も見られるといいなあとエンドユーザは思っております。とここまで書いて、しまったまた「たん清」に行き損ねたということに気がついたのですが、またそれは次回の課題ということで、しばらくは地元で活動する日が続きます。

*1:ちなみに機山館。信玄ゆかりのホテルなんだそうだ。

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