鰤端末鉄野菜 Brittys Wake このページをアンテナに追加 RSSフィード

You have eaden fruit. Say whuit. You have snakked mid a fish. Telle whish.

-- J. Joyce, Finnegans Wake, Book IV

鰤端末 書庫閲覧についてWikimedia関係日誌 これは誰?

2010-11-18

[] 星を見る

払暁というにはまだ早い、十一月の四時。眼が覚めてしまったので、服を厚く着込んで深夜の公園に来てみると、先客がいて姿は見えないが話し声がしている。

一部に雲が厚く出ていて、オリオン座のあたりから東へと空の四半分を覆っている。深夜とはいえ人家のある辺り、公園の灯りもだいぶ落としたとはいえまだ残っている。それでもこの季節、目が慣れて来ると親しんだ星が見えてくる。リゲル、ベテルギウス。アークトゥルスがだいぶ高い。輻射点をきちんと調べておけばよかったなと思いつつ、黄道に沿ってだいたい見当をつけていく。

しし座流星群。

2001年の大出現を2人でみたのだった。このときも特にそれを見ようとは思わないで、ただ私は夜更かしをしたのでふとそのことを思い出し南向きの窓を開けてみれば、暗い空に流れる星がよくみえたのだった。家の脇は山裾で人家がないことも、観測条件をすこし良くしていたのかもしれない。もうだいぶ寒くなっていて、あんまり開けては寝ている人が風邪を引くかなと最初は遠慮がちにしていたのが、結局は窓を開け放してしまったのだった。

あの人が眠っていることはわかっていたが、不眠を無理に薬でまぎらかしていることを知りつつ、長年天体観測を趣味にしてこの大出現にも心惹かれていたことにも気づいていた身としては、呼んで、起こさずにはいられなかった。

それでも起き出てはこなかったところ、大きな火球があがっていった。覚えず声が出た。外の冷気もだいぶ入ってきてさすがに悪いかなと思い、窓を閉めて戻ってきたところ、あの人と眼があった。

「火球が流れたんだよ」

「うん」

「いまの、みた?」

「うん」

「起こしちゃったね。ごめんね」

「ううん。起こしてくれて、ありがとうね」

その柔らかな声音を、いまでも覚えている。それが、あの人と星を見た、最後になった。

hirofumitouheihirofumitouhei 2010/11/19 22:43 記事、拝読しました。月並みな言葉ですが、旦那様は今でもあなたの中に生きていらっしゃるんですね。残念ながら私は旦那様とはお会いしたこともないですし、fj.*でやり取りしたかどうかも定かではありませんが、真面目でいい方だったのだろうと旦那様が書かれた記事から勝手に想像しています。いつの日になるかはわかりませんが、いつか旦那様のお話を聞かせて下さい。

BrittyBritty 2010/11/21 19:53 ありがとうございます。しかしわたくしのほうに、さして存じ上げない方に対してそうする動機がございませんので、お気持ちだけいただいてお断り致したく存じます。

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