スプートニク1957 − かーらの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005.07.11 (Mon) 鞄の中身は文庫本と競馬新聞。

恩田陸図書室の海 (新潮文庫)」についての私見

夜のピクニック」が本屋大賞を受賞、「ユージニア」が直木賞にノミネートとついに一般的にも飛ぶ鳥を落とす勢いとなってしまった恩田陸女史の最新文庫本です。10編からなる短編集です。

この人の本を手にしたのは名前がかっこいいことと学生生活を題材とした本を書いていて楽しそうだ、と思ったのがきっかけです。「球形の季節 (新潮文庫)」にはさんであるレシート(ボクは文庫本のレシートを巻末にはさむようにしている。といっても数冊まとめて買うこともあるので、その数はそれほど多くない)には01/5/22と書いていました。それから「ネバーランド (集英社文庫)」が2001年の夏クールドラマ化されたりして(ジャニーズばかりのやつだが、良いドラマだった)、気がつけばよく読む作家さんになってました。

六番目の小夜子」はドラマも良かったです。鈴木杏すごい、松本まりかかわいい。

この本を読むのに3週間ぐらいかかったのは風邪を引いてて読めなかったからです。こないだの土曜に車を点検に出したのだけど、その間に結構進みました。良い話が多かったので「感想書かなきゃ!」と思って昨日枕元で完読しました。

  • 春よ、こい ★★★★

悪い未来が少し見えたことでそれに対処する、というファンタジー。「バタフライ・エフェクト」みたいで好きだ。

  • 茶色の小壜 ★★★

グレン・ミラージャズの曲から取られたそうだけど、中身はサイコホラーでした。

戦争が題材。先月沖縄の資料館を回ってきたばかりで、やけに脳内に映像がはっきり出てきた。

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)」の主人公である理瀬が出てくる学園ファンタジー。理瀬モノはなぜか少し苦手なんですけど(苦笑)。

「私」がある映画についての記憶をたどったことから始まるミステリー。たった30数ページでこれだけ密度の高い作品ができるのはすごい。

  • ピクニックの準備 ★★★★

夜のピクニック」のプレリュード。この話だと始まっているけど終わってないという(苦笑)。ピクニックに対するワクワク感が詰まっていて良い。本編を読むことをオススメします。

  • 国境の南 ★★★★

恐いけど面白かった!

いまオデュッセイアというのを調べてみたけど、「オデッセイ」のギリシア読みだったんですね。

ココロコという住民がいる移動物体(移動できるコロニーといったところ。ボクは天空の城ラピュタを思い出した)が旅をするのだけど、ココロコには意識がある。ココロコが長い旅で見たものは。

この短編を車の点検待ちで読みながら、鳥肌が立ってくるのを抑えられず、辛うじて涙を抑えてハナを拭いた。江國香織「デューク」以来のすごい短編です。まぁどちらも児童文学風ではあるのだけど。この短編を読むだけでこの本を買う価値があるようなものです。しかしそれ以外にも良作があるのがこの本のすごいところだけど、これは一枚抜けている。

  • 図書室の海 ★★★★

六番目の小夜子 (新潮文庫)」の番外編。貸出カードにまつわる話は岩井俊二監督の「Love Letter [DVD]」とかにもありますが(ボクは読みながらそれを思い出した)、楽しいですね。「どんな人がどんな本を借りているんだろう?」それとサヨコ伝説が絡んで、普段冷静な主人公は…ああ面白い。しかしオデュッセイアが抜けているので★は4つしか与えられない。

夢の話というとその話を思い出す。「ねぇ、夢の話するでしょ?で、それを熱心に聞いてくれる人がいたら、その人と結婚したらいいよ。だって、なんの脈絡もなく筋も通ってないあなたの話を熱心に聞いてくれるってことは、それだけあなたに興味があるってことだから」

人の夢の話を聞くのは苦手です。え、もし好きな人だったら?それは大切に聞きますよ、彼女シンパシーを感じたいから。

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