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CINE-PAKA シネパカ

2018-05-15

[] レディ・プレイヤー1(2018) 21:03  レディ・プレイヤー1(2018)を含むブックマーク  レディ・プレイヤー1(2018)のブックマークコメント

製作国:アメリカ

監督:スティーヴン・スピルバーグ

原作:アーネスト・クライン『ゲームウォーズ』

脚本:ザック・ペン

音楽:アラン・シルヴェストリ

出演:タイ・シェリダン/オリヴィア・クック/ベン・メンデルソーンサイモン・ペッグ 他

★★☆☆☆

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オタクも子供もナメている

この映画、観終わった後、どうにも違和感が残ったんですよ。で、それは何故かと考えてみるに、主な舞台となる「オアシス」というVRゲーム内の世界が、主に80年代の様々なゲーム・アニメ・マンガ・映画・音楽などの「ポップカルチャー」のサンプリングによって成立しているため、ちょうどその頃に思春期や青春時代を過ごした、俗に「オタク」と呼ばれるような人々にとってはたまらん仕様になっているのに対し、物語自体は、『E.T.』を連想させるような、子供たちが協力して悪い大人に一泡吹かせるというジュブナイルな感じになっていることから来ているのではないかと思うんですね。

詳しく説明すると、本作のようにネタが80年代に特化されている場合、本来主要なターゲットとなる客層は、やっぱり40〜50代の「オタク」だろうと思うんです。すると主人公はイイ年のおっさん・おばさんということになるだろうし、物語も自ずとそういう層に届くようなものにならざるを得ない。例えば『宇宙人ポール』などは良い例かと思います。

ところが、この映画は、主人公・ウェイド(タイ・シェリダン)をはじめ仲間たちも全員10代くらいで、上記のように「悪い大人」――それもかなりデフォルメされた、リアリティの薄い感じの――と「オアシス」を守るために戦うという物語になっていて、どう見ても「子供向け」なんですよ。これがどうにも気になったわけです。何故こんなちぐはぐなことをしたのかと。

まあ、身も蓋もないことを言えば、オタクも子供も客として取り込みたかったというところなんでしょうけど、その両者をナメているとしか思えないほど本作にはちょっと難ありな部分が多いと感じました。劇中の「オアシス」パートでの謎解きはなかなか小技が効いていて感心させられたんですが、「現実」のパートについてはいくら「子供向け」といってもちょっとひどくないか?というレベルの雑さ。「オアシス」の所有権と莫大な財産がかかっているからとはいえ、そのために平然と殺人を犯す大企業の社長ってのもひどいし、殺人が起きても警察に通報さえしない主人公もひどい。そもそも主人公が何をして暮らしているのかもわからないし、主人公が恋する少女サマンサ(オリヴィア・クック)が属しているコミュニティも何を目的としているのかさっぱりわからない。相当に雑です。

制作側としては「オアシス」に登場するガンダムやらアイアン・ジャイアントやらで観客は満足するだろうとたかをくくっていたのかもしれませんが、そうだとしたら、やはりあまりにナメてると言うしかない。「オアシス」パートと「現実」パートが組み合わさって『レディ・プレイヤー1』という作品になっているわけですから、こう片手落ちな感じだと観客の、作品への没入が阻害されると思う。というか、僕はまさに阻害されたクチなわけですが。

最後に一点。『シャイニング』の、個人的には最も怖ろしいシーンだと思っているあるシーンのほとんど全部をギャグに使っているのはどうなんだろうか。『シャイニング』をすでに観ている人なら問題はないですが、この作品を観て興味を持ち、初めて『シャイニング』を観た人は、問題のシーンを観ても、もう恐怖を感じることなどできないと思う。僕はいわゆる「ネタバレ」には寛容なタイプですが、これはちょっとどうかと思いました。

[]2018年05月15日のツイート 00:16 2018年05月15日のツイートを含むブックマーク 2018年05月15日のツイートのブックマークコメント

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