政権交代の余波

優秀若手研究者海外派遣事業。。。私は、全然優秀若手研究者でもないし、申請するのはおこがましい感じだったけど、とりあえず資格は満たしていたので出してみようと。
この事業は、昨年初め、今後5年間で1万5千〜3万人の若手研究者や大学院生などを海外へ武者修行に送り出すために、文部科学省が補正予算で300億円を計上して実現したものだったんですね。理系離れとか、博士課程進学者の減少とか、ポスドク問題とか、いろいろあって、その辺のことはいずれもう少し書きますが、そのテコ入れとして作られたわけです。
すでに、2010年1〜3月に留学を開始することが求められた第1回の募集が始まっており、その締切は8月末でした。私としては、4月以降に渡米したかったので、第2回の募集で申請することにしました。
ただ、気がかりなことはその時点であったのです。
そう、8月30日に行われた総選挙。大方の予想通り、民主党が大勝し、政権交代が成し遂げられちゃったんです。
私自身、今の閉塞した日本の状況を打破するためには政権交代が必要だろうと思っていたので、それは良かったのですが(現状はともかく)、民主党は自民政権時代に組まれた補正予算について大幅に見直すことを明言していたのです。
まず、学術振興会の該当ページの更新が止まりました。受付中止というアナウンスは出ないものの、第2回の募集要項や申請書類のダウンロードができるようにならない。でも、締切日はそのまま掲載されてるんですよ。こちらとしては、ほのかな期待を抱きながら、第1回の募集要項にしたがって、書類の準備は進めるしかないじゃないですか。急に受付が始まって、締切日はそのままですとか、言われても困るし。でも、まぁなんとなく駄目なんだろうなとは思ってました。私は申請もしてないわけだから、まだいいけど、もう第1回を申請してしまった人は、多大な労力を要して申請書を作成したにもかかわらず、奨学金が当たるかどうか以前に事業が執行されるかどうかも分からない状況で、ただ待たなくてはいけなかった。ほんとつらかっただろうなぁと思います。
私としても、ただ待ってるのは嫌だったので、できることはしましたよ。民主党へ、そして、文部科学副大臣の鈴木寛氏へ、資源のない日本にとって、人材こそが資源であり、その育成は日本の発展に必要不可欠であると投書しちゃいました。自分がそこまでの人物ではないのは棚に上げて。でも、なしのつぶてでしたね。。。以前、民主党に投書した時は、きちんとした返事が来たんですけどねぇ。まぁ、政権をとって、そんな投書も増えたのでしょう。それに、これは民主党を責めても仕方のない面もあるし。こういう日本にとって必要不可欠な予算を、景気対策を目的とした補正予算で組んだ自民党にも責任があるわけです。大規模な補正予算だったから、各省庁がこれまでしたかったことを一気に詰め込んだ感じでしたからねぇ。
そして、ついに、10月16日、本事業の執行停止が閣議決定されてしまいました。第1回の募集についてはすでに受け付けられていたので、執行されることになり、それはよかったんですが、結局その後ばたばたしたみたいです。こちらに来て知り合った先生は、その第1回に当たっていたらしいのですが、手続きがいっこうに進まず、結局渡米に間に合わなそうだということで辞退されたらしいです。額は少なかったけど、他の奨学金も当たっていたのでそちらを選んだと。アメリカでの生活資金の証明がないとビザもとれないですからね。ほんとみんな振り回されました。。。

こんな人も……
民主党さんへ、僕は内定取り消しになりました。 - それマグで!

さて、これで私が奨学金を取れる見込みは全くなくなっちゃいました。。。
仕方ないので最後の手段です。