Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(6)

Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(5)」の続きです。
今日も2ページ。

  • n
    • ネットワーク内の(内部)ノードの数
  • m_j
    • ノードjのサーバの数
  • \lambda_{0j}
    • ノードjへの外部到着レート
  • c_{0j}^2
    • ノードjへの外部到着過程の変動パラメータ(再生過程の近似における再生間隔の2乗変動係数)
  • \tau_j
    • ノードjの平均サービス時間
  • c_{sj}^2
    • ノードjのサービス時間分布の2乗変動係数
  • q_{ij}
    • ノードiでサービスを終え、次にノードjに行くものの割合

 行列記法において、Q\eq(q_{ij})n{\times}n行列であり\Lambda{\eq}(\lambda_{0j})1\times{n}ベクトルである。ユーザはノードj\tau_jあるいはその逆数\mu_j、サービス・レートの入力を選択することが出来る。(全てのノードについて同じ形式を使用しなければならない。)


 ユーザは変動パラメータc_{0j}^2c_{sj}^2を指定する必要はない。この場合、それらは等しくデフォルト値の1が設定され、これはポアソン到着過程と指数分布サービス時間分布を持つM/M/1モデルに対応している。(やはり、この選択肢は全てのノードに適用される。) あるいは、ユーザはサービス時間変動パラメータc_{sj}^2のみ指定でき、この場合、全ての到着過程変動パラメータは自動的に1が設定され、これは個々のノードについてM/G/1近似をもたらすか、あるいはQNAアルゴリズムが適用される。


2.2 客の生成と組合せ
 QNAは、サービスの完了に続いてノードでの客の生成や組合せを許す選択肢を持つ。例えば、あるノードで処理されたメッセージはいくつかの他のノードに送られるメッセージを引き起こすこともあるだろう。あるいは、メッセージはあるノードでのサービスの後でパケットに分解され、のちになって別のノードでのサービスのあとでメッセージに再構成されることもあるであろう。ジョブショップにおいて、注目点はユニットとロットの間を行き来するだろう。たとえば、さまざまなノードで我々は瓶や6パックやケースやトラックの積荷さえ考慮するだろう。


 このオプションでは、ユーザは個々のjについてノードjでの客の生成や組合せの乗数\gamma_jを指定しなければならない。もし\gamma_j>1 \left(\gamma_j<1\right)ならばノードjで客の生成(組合せ)が存在する。もし客が生成も組合せもされないならば、\gamma_j=1である。もし\lambda_jがノードjへの総到着レートであるならば、この修正後は、出発レートは\lambda_j\gamma_jであり、ネットワークjからの出発のレートは

			\lambda_j\gamma_j\left(1-\Bigsum_{k=1}^n{q_{jk}}\right)

である。人工的なノードを使用する場合、生成や組合せをサービスの前に置くことも出来る。


 我々の近似公式を得るために、客の生成と組合せの以下のモデルを用いて作業する。これらのモデルは整数値を必要とするが、近似公式とQNAインプットは必要としない。客の生成については、ノートjからの個々の出発をサイズ\gamma_jのバッチで置き換える。客の組合せについては、\gamma_j^{-1}個の連続する出発間隔を1つの出発間隔で置き換える。これらのモデルから\gamma_jの影響を計算するのは困難ではない。例えばノードjでの出発レートは単に\gamma_jをかけられる。


2.3 クラスとルート毎のインプット
 QNAはさまざまな客のクラスを定義するオプションを提供する。個々のクラスは訪問するノードの順番を指定するそれ自身のルートあるいは訪問地リストを持つ。よって、個々のクラスについてルーティングは確定的である。個々のクラスはルートの最初のノードに向かう外部到着過程を持つ。通常、外部到着過程はレートと変動のパラメータによって特徴付けられる。また、個々のクラスがそのルート上の個々のノードでそれ自身のサービス時間分布を持ってもよい。サービス時間分布は、異なるクラスについてだけでなく、同じクラスの同じノードへの異なる訪問についても、異なってよい。これらのサービス時間分布もまたレートと変動のパラメータによって特徴付けられる。(あるいは、ユーザは個々のノードについてサービス時間パラメータを入力することを選ぶことが出来る。すると全てのクラスは特定のノードへの全ての訪問で同じサービス時間分布を持つ。)


 標準インプットの時と同様に、ユーザはノードの数と個々のノードでのサーバの数を指定しなければならない。今や我々はルートの数も必要である。要求されるデータは、

  • n
    • ノードの数
  • m_j
    • ノードjのサーバの数
  • r
    • ルートの数

以下はネットワークのk番目の客クラスについてのインプット・データのリストである。

  • n_k
    • ルートk上のノードの数
  • \hat\lambda_k
    • クラスkの外部到着レート
  • c_k^2
    • クラスkについての外部到着過程の変動パラメータ
  • n_{kj}
    • 客クラスkが訪問するj番目のノード
  • \tau_{kj}
    • クラスkj番目のノードでの平均サービス時間
  • c_{skj}^2
    • クラスkのルートのj番目のノードでのサービス時間分布の変動パラメータ

 QNAはこのクラスとルート毎のインプットをセクション2.1の標準インプットに変換する。次にそれは典型的、あるいは、集約した客のパラメータを計算する。後に、個々の客の滞在時間すなわち応答時間を計算するときに、QNAはその客クラスのサービス時間パラメータを使用する。QNAの最初のバージョンは、近似として個々の客は個々のノードで平衡分布の独立なバージョンを見ると仮定している。よって、個々のノードでサービスを開始するまえの待ち時間は全てのクラスと全ての訪問で同じであると仮定されている。

Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(7)」に続きます。