いまだ輝かざる暁の数は、げに多かり (リグ・ヴェーダ)
2011-12-23
■[待ち行列理論]「待ち行列システムGI/G/1における待ちについての近似公式」の内容検討(4)

『「待ち行列システムGI/G/1における待ちについての近似公式」の内容検討(3)』の続きです。
H2/M/1の場合のの値を何とか求めることは出来ないでしょうか? ここでH2というのはバランスの取れた超指数分布を表しています。超指数分布については「バランスのとれた平均を持つ超指数分布」を参照して下さい。バランスの取れた超指数分布は1より大きい変動係数を持っています。そしてその変動係数はバランスの取れた超指数分布のパラメータを調整することでいろいろな値を取らせることが出来ます。例えば変動係数の2乗が2になるような超指数分布を考えることが出来ます。
さて、H2/M/1待ち行列はGI/M/1待ち行列の一種です。ということはGI/M/1待ち行列について述べられた
・・・・(28)
が成り立ちます。(「GI/M/1待ち行列の到着時状態分布(2)」の式(16)参照。ここでは番号を振り直して式(28)とします) ここには到着間隔の分布関数です。H2/M/1の場合、この
が
のバランスのとれた超指数分布になるわけです。そこで、まず
を求め、それを式(28)に代入して整理し、そして得た式から
の値を数値計算してみようと思います。そしてその結果が私の近似式
・・・・(8)
による計算結果と、Wolfgang Kraemer氏とManfred Lagenbach-Belz氏の近似式
・・・・(11)
- ただし
(
)・・・・(12-2)
による計算結果のどちらにより近いか比較してみようと思います。
まず、のバランスの取れた超指数分布
を求めます。超指数分布は以下のように表されます。
・・・・(29)
- (「バランスのとれた平均を持つ超指数分布」の式(1)参照)
そしてバランスのとれたという言葉に対応してバランス条件
・・・・(30)
- (「バランスのとれた平均を持つ超指数分布」の式(2)参照)
があります。この分布の変動係数と
の間には
・・・・(31)
- (「バランスのとれた平均を持つ超指数分布」の式(8)参照)
という関係があります。今、欲しいのはであるような超指数分布なので、式(31)に
を代入して
よって
・・・・(32)
となります。
次にと
を求めます。
と
については
・・・・(33)
・・・・(34)
- (「バランスのとれた平均を持つ超指数分布」の式(3)(4)参照)
という関係が成り立ちます。ここでは確率分布
で変動する確率変数
の平均値を表しています。今の場合は到着間隔の平均値です。これは少し考えれば
であることが分かります。よって
・・・・(35)
となり、これを式(33)(34)に代入し、さらに式(32)を代入すると
・・・・(36)
・・・・(37)
となります。式(32)(36)(37)を式(29)に代入すれば欲しいの式を得るのですが、これはあまりに複雑な形になってしまいます。あまり複雑になると今後の積分の計算に支障をきたすおそれがあります。そこで
はそのままにしておくことにします。式(33)(34)に(35)を代入して
・・・・(38)
・・・・(39)
これらを式(29)に代入して
・・・・(40)
となります。

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