ママのお見舞い

 今日は仕事をきっちり定時で締めて慌てて帰宅。ネクタイを緩める間もなく息子を追い立ててママのお見舞い。

 息子が騒ぐようだと困るなぁ、と少しだけ思っていたけれど、全然そんな心配はなく。(そういえばウチの息子は空気は読めるクチだった)
 むしろ、隣のベッドの患者さんとその見舞い客の方が非常識にうるさかった。(イヤホンで聞けといわれてるテレビは音ガンガンだわ、大声で喋ってるは──非道いもンである)

 さておき、息子もママもはしゃがないように静かに喜びをかみしめつつ、制限時間に追われ早々に退散。名残惜しいったらない。

 で、帰りのこと。

息子:「ママに会いたいよぉ」
パパ:「明日また会いに行こうな」
息子:「ちがうっ、ママが帰ってくればいい」
パパ:「それはできないんだよ。今、無理に出てきたら元気な赤ちゃん産めないだろ?」
息子:「ママに会いたいっ」

 もう車の中で大泣きである。
 それまで良い子で上機嫌にしてたのが、突然。落差が大きいだけに、溜めてたものの大きさが分かる気がした。

 そうだよな、ママに会いたいよな。
 実はな、パパもちょっと寂しいんだ。言わなかったけど。──秘密だぞ?