昨夜のMIT/Stanford Venture Lab 「蓄電池ベンチャー」


昨夜、スタンフォード大で行われた「Venture Lab」に久しぶりにいってきた。クリーンテック・再生可能エネルギー関連の時はなるべく行くようにしているのだけど、数ヶ月ぶりくらいかな。

昨夜のテーマは「蓄電池ベンチャー」。割と地味なテーマなのでそんなに興味のある人が集まるかな、と思ったら講堂を埋める盛況でした。司会者は、ベイエリアでのこの手のイベントではおなじみの、Greentech Media編集長のEric Wesoff氏。毎度のことながら、こんなイベントにどんどん出席しながら、あれだけの記事をほとんど毎日書き続ける生産性に脱帽。

Greentech Mediaを始めてから現在までに書いたクリーンテックの記事が1500本だって。その合間にヨガも教えているんだって!

さて、ご存じの方も多いと思うけれど、太陽光風力発電の一つの大きなネックは、発電できる時間が限られていること。太陽光は昼間だけ、しかも曇りの日はダメだし、風力はそれこそ「風のゆくまま」で全く当てにならない。なので、必要なときにいるだけの電力を確保するためにはやはり、化石燃料(米国では天然ガスが多い)を燃やし続けるしかない。

そこで必要になるのは定置型・大型蓄電池だが、現在のところこのコストが高く、それを加算すると再生可能エネルギーはとてもペイしない。この定置型は日本ガイシアメリカではNGKと呼ばれます)のNAS電池が圧倒的。このグラフで見るように、米国製のシェアは非常に低い。

でもそこは、ニーズがあるところにはベンチャー企業が続々出てくるアメリカのこと。昨夜の4名のパネリストのうち、2名は蓄電池ベンチャーのトップだったが、いずれもBill Gates、Vinod Khoslaなど先見的な投資家からの資金を受けた企業。

ちなみに、一般的に蓄電池のような分野はベンチャーキャピタルには人気がありません。研究開発に時間がかかる上、量産に移るときに大量の資金と量産技術が必要で、できれば数年内で資金回収(刈り取り)したいベンチャー資金ファンドのタイミングにはあわないからだそうです。

ちなみに2社のベンチャーAquion EnergyとLightSale Energyです。LightSailはコストを下げるため、蓄電媒体の一つに「空気」をつかっているということで最近、ちょっと話題になっている