木曜日

彼は考えていた。

馬鹿らしいな。


そう思いつつものめりこんでいる自分がいることを彼は知っていた。


馬鹿らしいな。

彼は自分にそう言ったのかもしれない。


彼は、いや彼を含む7人は必死に紙飛行機を作っていたのだ。

小学生の頃休み時間に良くやったアレだ。


それをセミナーの授業で6週間かけて真面目にやっているのだから、笑うしかない。


馬鹿らしいな。


そう思いつつも彼は焦っていた。

揚力が足りない。


落ちるしかない彼が設計したそれに対して彼はもう一度こう言った。


「馬鹿らしいな」