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Chikirinの日記 RSSフィード

2005-05-20 関西人

ちきりんは関西出身です。既に東京に住んでいる期間の方が長くなりました。が、DNAは完全に関西人です。

言葉に関西イントネーションがでないので、普通にしている限り気が付く人はいません。でも仲良くなってから、出身が関西だというと多くの人が納得します。そういう性格みたいです。


初めて大学に入って東京に来た時、男の子の言葉があまりに甘いというか、ちゃらけてて気持ち悪かったです。

重いモノを持っていて「僕が持ってあげるよ」と言われ、背中がゾゾゾとしました。嬉しいんじゃなくてキモイんです。これが気持ち悪いって、東京の人はわからないでしょう。

でも、ちきりんは環境適応性が高いので、すぐ慣れました。その数年後、関西に帰省した時、高校の友人から「おう、べっぴんさんになったやんか。どないしてんねん?(=最近どうしているの?)」と言われ、「関西人ってみんなヤクザ?」と感じました。すんません、出身地なのに・・・


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関西と東京の人の違いをいくつか挙げてみましょう。

「関西の人は安く買ったことを誇りとし、東京の人は高く買ったことを誇りに思う」という顕著な違いがあります。

関西の人は、「これが安かった、あれも安かった」と自分の持ち物を説明します。東京感覚で聞いていると「もしかして貧乏人?」と思います。

東京の人がそれとなく「これは高かったんだよね〜」と嬉しそうに言うのを聞くと、関西人は「あほちゃうか」と思っています。

モノを高く買うことは、関西では「値切る能力も情報収集力もないアホな奴」という扱いです。


テレビで「関西の人は、オレオレ詐欺の電話がかかってくることを待っている人が多い」と話していました。うちの母も「かかってこうへんかなあ」と心待ちにしています。

最近、東京の山の手の奥様ターゲットに「関西ツアー」が企画されています。ツアーで大阪に行く前に値切る練習をするんですって。

東京の人は、“値切る”なんて発展途上国の慣習だと思っています。


関西はある意味外国です。発展途上国ちっくとも言えるでしょう。関西で一番ハイソな街ってどこでしょう? 神戸の山の手から芦屋とか、梅田のメインストリートとか?

東京の人が見たら、あれはハイソには見えません。関西のハイソなものは、東京からみるとケバイだけです。


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もうひとつ大きく違うこと。それは「笑いの質」と「笑いのヒエラルキー」です。

関西には「自分をおとしめて笑いを取る」というお約束があります。

自分の「どんくささ」とか「ダメっぷり」を強調して笑いをとります。いわゆる「自虐ネタ」ですね。

本人がどんなに能力があり、お金もあり、イケメンでも、なんらかのダメな経験を自分でちゃかして笑いをとります。


それにたいして、近くにいる人がすかさずつっこみをいれます。場が和みます。多くのトークはネタです。ほんとのことではありません。本当の事でも大きく誇張されています。

関西では、それは笑いを取るためのツール、ネタとして受け入れられますが、東京的に言えば単なる「嘘つき」です。


お金持ちが何かをトコトン値切って買った話を、美人の女子が詐欺師にナンパされた話を、そして頭のいい人がひどいドジをした話を、自分で笑いながら話したら、

東京では結構な確率で引かれてしまいます。空気が固まり、「なんだか嫌みな人だよね・・」って感じになります。誰もつっこんでくれず、場がしらっとする・・・。悲しいです。


関西では、「笑いのヒエラルキー」が、人の価値を測る最重要基準です。学校でモテる人は笑いが取れる人です。「おもろい」人が、「イケメン」よりヒエラルキーが上なのです。

どんなにイケメンでも、ボケもつっこみもできないようではモテたりしません。「あの子、かっこいいのにおもしろない」などと、理由無き非難を受けることさえあります。


女性も人気のある人は、笑いのセンスがあります。こういうセンスは東京ではあまり役にたちません。

レベル差も大きいですね。私は関西では普通の人ですが、東京ではやたらと笑いをとることができます。レベル低いな〜って感じです。(こんなことを誇っている時点で、私は極めて関西的です。)


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もうひとつ。関西の人は、世界中すべて関西だと思っています。関西人と違う行動をする人に対して「なんで?」と不思議がります。これも笑えます。

東京には日本国中から人が集まっているし、海外の人もたくさんいます。いろんな考え方があり、いろんな人がいるという前提があります。

関西の人は、自分たちと違う行動・言動をする人に対して、「なんで?」と本気で不思議がり、下手をすると「あほちゃうん」とか言います。「なに考えてんねん」と切り捨てたりもします。許容度低いというか、ホモジニアスな社会なんです。


関西だっていろんなところから人が入っていると思うけど、部外者に対して、むりやり関西の価値観に合わせさせる力が働きます。ある意味、排他的と言えます。

京都の排他性には歴史的な理由もあると思うけど、大阪も神戸も同じです。自分の出身地以上にいい場所はない、と心の底で断言しています。


ちきりんは、関西が経済的に地盤沈下している最大の理由は、この価値観の排他性だと思っています。

一時期アジア経済圏を引きつけようとしていましたが、完全に失敗しています。

自分と異なるものへの許容度が低く、自分と同じ価値観を強要するので、外の人がどんどん入ってくる、そこから新しい学びができる、自分たちも変わっていくという好循環が起こらないのです。排他的とも言えるけど、保守的とも言えます。


ブラジルやアメリカなどには、日系人コミュニティがあります。オリンピックでも日系3世が活躍していたりします。

彼らの日本語がすごく丁寧であることに驚いたことはありませんか? あれは 100年前に移民した時、当時の日本人が話していた言葉+教科書で習う日本語を変わらずに話しているからです。

日本にいると自然発生的に新しい言い回しや言葉がどんどん生まれますが、移民地では言葉は発展しません。習った言葉がずうっと残ります。レベルは少し違うけど、私は関西も同じ傾向があると思っています。

若者のはやり言葉が生まれる量は東京の方が圧倒的に多いでしょう。関西弁、関西にしかない言葉はたくさんありますが(つまり方言ですね)、関西で生まれた新語というのはあまり聞きません。

新しいモノをどんどん取り入れ自分自身が変わっていく、というのが余り起こらない地域だという気がします。


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もうすぐ閉まりそうなエレベーターに手だの足だのをつっこんでこじ開けてくれる関西の友人は、時に便利というか、ありがたい気もします。

でも、閉まりゆくエレベーターの扉を目の前でそのまま見逃した時に「なんであけへんの? あほちゃうん」という感覚は勘弁して欲しいです。

彼らは自分の価値観ですべてを判断し、自分たちを変えてまで経済発展したいとは思っていないようです。

「ええねん、これで」って感じです。まあ、私もそれでいいと思います。どこもかしこも資本主義的に成功する必要はありません。


関西という概念を誇りにおもいつつ、「京都は関西じゃない」とか「神戸は関西じゃない」というこだわりの強いのも関西の特徴です。

関東圏では、埼玉の人も神奈川の人も自分たちは“東京の人”だと思っています。京都や神戸の人が「大阪とは一緒にせんといて」と言うのとは全然違います。関西はそんなことにこだわって連帯しないから、(経済的には)成功しないのです。


公的機関の不正系の多さも関西の特徴です。警察なんて“やくざ”だと思っている人は、関西にはいっぱいいるでしょう。

東京の人に「警察なんてやくざと同じ」と言ったら、本気で「???」と思われます。


最近の大阪の公務員のむちゃくちゃさなんて、ニュースで聞いているとびっくりだけど、関西的には「かなわんな〜」程度の受け止め方です。

そもそも「お上」に対する期待感もリスペクトも、東京に比べると極めて低いんです。最初の期待感が低いから、本人達の規律もゆるゆるだし、選挙民ものんきなものです。


青島幸男を都知事に選んだのは東京の人の「誤解と失敗」ですが、横山ノックを府知事に選ぶのは「おもろいから」です。。

一方でやくざ系の人達に対するリスペクトが高いのも特徴です。阪神大震災の時に、「ダイエーと山口組は、ほんまに偉かった」と言う友人がいます。

ダイエーは震災の翌日に店を開け、一切値上げせずにモノを売りました。山口組は組長宅の井戸水を住民に提供し、治安維持のため警察よりしっかりしてた、という人さえいます。

東京的価値観では、ダイエーは単なる負け組企業だし、やくざのポジティブな意味を語る人は、東京にはほぼ皆無です。


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関西における東京に対する潜在的なライバル意識はすごく強いです。関西の人は「東京なんて気にしてへん。関心ないわ」と言いますが、それは嘘です。

阪神ファンの基本的な心理は「アンチ巨人」です。阪神を応援することは、誇り高き関西人が、唯一体面を気にせず「東京に勝ちたい」という気持ちを表現できる機会です。スポーツだったら勝っても負けても、それをコンプレックスとつなげなくても済むからです。


自分たちのエリアが“イチ地方都市”のままではイヤだだと思っているからこそ、関空なんて作るんです。最近は神戸に空港という話まででてきてます。

神戸は大阪と違うんで、独自の空港が必要という意識なのでしょうか。神戸って独立国なの?

周りと協力して一緒の空港使えばいいじゃん? 東京なんて、千葉に空港をおいといて「東京の成田空港」とか平気で言うんですよ?

関西経済を見ていると、力がないのに背伸びをし、破滅に向かって突き進むって感じがします。

東京に潜在的なライバル意識を持ち続ける限り(あくまで関西の人は認めませんが・・・)、無駄な出費ばかりがかさみます。経済圏としては、東京と名古屋、って感じに早晩なっていくでしょう。


一方で、ちきりんが関西出身だからという理由ももちろんあるのですが、関西に帰ると夜のテレビがすごいおもしろい。

たかじんとか大好きです。たかじんは東京のテレビにでないので、誰も知りません。(こういうと、関西の人は言います「なんで知らんの?」・・・知りません、そんな人。こういうことに「なんで?」という感覚が関西です)

ああいう人をテレビに出し続ける関西のハチャメチャさがおもしろい。

東京ではもうテレビの中でタバコなんか吸えません。昔あった「夜はくねくね」という番組、ちきりんは大好きでした。帰省した時は必ず見てました。

なんでケーブルテレビに関西限定番組だけを集めたチャンネルが無いのかな。絶対流行ると思うけど。

むちゃくちゃなことに対する許容度が高いから、文化はおもしろいと思います。横山やすしさんだって、関西じゃなければメジャーになれなかったでしょう。


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私は、大学を受けるとき関西の大学を全く考えませんでした。基本的には経済系の人なんで、関西にいてもしかたないという感じでした。

あと、「東京へのライバル意識を認めない、いさぎ悪さ」が嫌だった気もします。就職するときも戻ろうとは全く思わなかった“裏切りモン”です。

一方、DNA 的には完全に関西人です。「笑いもとれへんようでは人間しゃーないで」と思ってます。


ではまた明日〜



追記)関西関連エントリ

「僕が持ってあげるよ!」の気持ち悪さは東京人には理解不可能!

“ミナミ”はアジアです(写真必見!)

たかじんさん さようなら

たかじんのそこまで言って委員会 収録見学


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