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Chikirinの日記 RSSフィード

2006-03-30 「初期雇用契約」(CPE)

フランスの新雇用関係法のお話。「26才以下で雇用年数の短い人たちを、理由の如何をとわず解雇できる」というのが、今回検討されている法律です。なかなかにおもしろい法律だと思う。

日本もですが、「解雇が難しいから雇わない」という流れがある。解雇が難しいから、解雇しやすいパートとか派遣社員しか雇わない。派遣社員なんて、時給だけでいえば新人を正式雇用するより高い場合もある。でも解雇は圧倒的に楽チンだ。だから少々費用が高くても企業は非正規雇用を好む。

中国でも「正社員の待遇改善が進みすぎちゃったので正社員を雇わない」という流れがでている。これも構造は同じ。中国も給与以外のコストが極めて重い。日本では大企業の人件費総額は給与の倍、とよく言われるけど、中国だとおそらく給与の3倍くらいになると思う。年収100万円の人雇うのに300万円くらいかかるらしいです。

★★★

ところで解雇にはふたつの理由があり得る。


(1)本人が能力がないから、解雇する。

(2)会社が雇い続ける余裕がないから、解雇する。


(1)の場合は、会社がどんなに儲かっていても、「ダメな奴は切る」ということです。(2)は、どんなにダメな社員でも「利益がでている会社は解雇しちゃだめ」です。でも、会社がつぶれそうになったら「ちゃんと仕事している社員も含め、解雇してOK」ということです。

この二つは、全く異なる議論だ。アメリカは(1)も(2)もアリなんだけど、日本はじめ社会主義的な制度の国では(1)で解雇するのは非常に難しい。

日本は(2)もかなりぎりぎりまでやらせてもらえない。だから、会社の体力が非常に弱くなる。経営が苦しくなってもすぐには解雇できない。で、最後の最後に倒産して一気に大量の人が職を失う羽目に陥る。

★★★

次に誰が解雇されやすいか、とうい問題。

アメリカの工場などで、(2)の理由でリストラをやる場合、労使協定に「雇用期間の短い人から切る」というルールがあることが多い。つまり、長期に働いていれば首を切られる可能性が低い。就職したばかりの人がまず首を切られる。次の仕事を探す、また(年数が短いという理由で)数年後に首を切られる・・・悪循環が起こりますよね。

欧州もそういうのが多い。だから欧米では失業と言えば若年者失業の問題だ。今回のフランスの法律は、その若年者層の失業問題を、完全なる企業目線で解決しようとした案と言える。


一方の日本では、今までは「失業問題といえば、中高年問題」と捉えられることが多かった。なぜなら、上記(2)の理由で解雇(リストラ)をやる場合、たいてい「人件費負担の重い層」を切る。中高年狙い打ちで、「年齢45歳以上の希望退職者を募る」というようなパターンが多い。

これは若年者なんかリストラしても給与が安いから、リストラ効果が出にくい。給与の高い人を先に切る方が「効率的」なのだ。これは、年功序列給与制度を持つ日本ならではの発想だ。欧米では、年功序列賃金は一般的ではない。工場でテレビ組み立てている人は、20才でも50才でも「同じ仕事をしている」から基本は同じ賃金だ。であれば、誰を切ってもリストラ効果(削減できる人件費)は同一だから、誰をまず切るか?という時に、「最近入ったばっかりでスキルのない奴を切ろう」という話になる。

日本は、「全く同じ仕事をしていても」20才の人より50才の人は給与が高い。下手したら倍くらいもらっている。だから「給与の高い層を切る」という話になる。

日本では「年をとっているという理由だけで給与が上がる仕組みだから、経済合理性よりも優遇されている中高年がリストラ対象にされる」わけです。

★★★

話がずれましたね。ホントは、「解雇しやすくしたら、正規雇用が増えるのだ」というのは本当か?ってのが考えたかった。


今回のフランスでデモをしている人たち。彼らが、

「解雇しやすくしたら、正規雇用が増えるというのは嘘だ」ということで反対しているのか、

「解雇しやすくしたら、正規雇用が増えるというのは本当だと思うが、それでは雇用されても安定性がないからイヤだ」という理由で反対しているのか。

Aなのか、Bなのか? これが、ちきりんの知りたいことなんだけどね。フランス語のサイトも読めないしよくわかりません。


Bの場合は実は能力のある人は問題ないです。

「新規の雇用機会」×「継続雇用」=「雇用の総量」

と考えると、

能力の高い人は「新規の雇用機会」が増えたら嬉しい。継続雇用は自分の能力で確保できるからです。

しかし、能力が低いと「継続雇用」が保証されることの方が重要だ。新規雇用の機会だけ増えても、より首になりやすくなる今回の法律は、全くメリットがない。

結局・・・「新規雇用」を増やす策、というのは、余り意味がない、ということかな、と思う。「継続雇用」が維持される方法を考える方が大事なんだよね、失業問題というのは。

そしてそれは、企業側がどんどん成長して継続的に「雇うキャパ」を増やしていくか、個人視線でみれば、どんどん能力開発がなされていって生産性の高い人材になるか、しか方法はないってことだと思う。


そういうことで。

また明日。

2006-03-28 貴族の生活

「椿姫」を読んだ。著者はデュマ・フィスという1824年にフランスで生まれの作家。売れた作品は椿姫だけ。それも文芸作品としてではなく舞台化されて売れたみたい。たしかに椿姫ってオペラの定番ですよね。

この人、有名な作家の父とその愛人の間に生まれた非嫡出児です。で、椿姫を始め、社会弱者に同情的な視点をもった作品を沢山書いています。

この本を読んでいて、内容とは全く関係ないのだが、「こういう時代の貴族って、いったい何をしていたんだろ?」と思いました。

だって貴族って基本は「不労所得」で食べてるでしょ。地代とか利子とか。夫人も育児も家事もやりません。じゃあ毎日なにやってるわけ??


もし、ちきりんが「働く必要もなく」「家事も誰かがやってくれたら」毎日何やるかしら??遊ぶったって・・・人生ずうっと、何もしなくていいなんてどういう生活なんだろう??

というわけで、ちょっと想像してみました。。(相変わらず、わけわからないことに関心をもつ私・・)貴族の一週間。男性と女性で。

★★★

<貴族のおじさん>

月曜日 

 AM:貴族の会合へ出席(話題は、今年の収穫の様子(←地代のあがりに関係するので)や王室のゴシップなど。誰が勲章もらったとか、どこの息子が誰と結婚したとか。)

 PM:領地の視察(馬で廻る。各地で管理人が出迎えて説明する。)

 夜 :父親の屋敷での音楽会に馬車で出かける


火曜日

 AM:新馬の品評会へ出かける。息子と自分用の新しい狩猟用の馬を購入。

 PM:肖像画を描いてもらう(モデルとしてソファに座ってる)

 夜 :奥様と食事(親族関係の冠婚葬祭などについて相談したりもする。)


水曜日

 AM:手紙や小切手を書くなど事務仕事。羽根のついたインクペンで書く。手紙は蝋をたらして個人印を押したりするので時間かかる。

 PM:会員制クラブ(男性貴族のみが入れるクラブサロンね)で、カードゲーム、情報交換、談笑。

 夜 :奥様とオペラ観劇


木曜日

 AM:弁護士&会計士から財産管理などの報告を受ける。

 PM:乗馬。その後、狩猟用の鉄砲をチェックする。

 夜 :友人とキャバレーへ(今のキャバレーと違いますよ。レビューショーとかやってるムーランルージュみたいなところ。)


金曜日

 AM:競馬観戦

 PM:こっそり浮気相手の女性のマンションを訪ねる。ネックレスを無心される。もちろん「貴族用」の売春宿なんで、それなりに「高級な女性」がいる場所です。出がけに「わきまえた」宝石商に寄って希望のネックレスを買ってあげる。

 夜 :そのままギャンブルハウスへ。夜中まで飲み明かし、ゲームに興じる。


土曜日

 AM〜夜 友人と馬車で郊外の別荘へ。狩りを楽しみ、夜は仲間と食事&お酒。暖炉の前で、高いお酒を飲みながら、ロッキングチェアで。「いやあ、昨日は高いネックレス買わされちゃったよ」とかなんとか。


日曜日

 AM:礼拝(別荘のチャペルで)

 PM:都会の本宅へ移動。途中、売りにだされている小さなシャトーを見学。自分の領地であるワイナリーにも立ち寄り、新作のテイスティングも。

 夜 :子供を交えて家族と食事


★★★

<奥様>

月曜日

 AM:子供の勉強を見学(子供には家庭教師がやってきて教える。)

 PM:パリでショッピング(帽子と宝石など注文)

 夜 :夫と共に義理の父親の屋敷での音楽会に出かける


火曜日

 AM:新しいダンスステップの練習(講師が館にやってくる)

 PM:肖像画を描いてもらう(モデルとしてソファに座ってる)

 夜 :だんなと食事(いろいろ愚痴る)


水曜日

 AM:領地内の森を散歩&ピクニック(遊びに来たお友達と)

 PM:美容院へ(ヘアセット、お化粧、爪のお手入れなど)。その後、新しいドレスを試着。

 夜 :旦那様とオペラ観劇


木曜日

 AM:別のドレスの仮縫い(仕立屋が館にやってくる)

 PM:来週、主催する食事会の料理や準備の指示。誰を招待するとか、席順とか、音楽の演奏はどのバンド?に頼むとか、細かく執事や料理長へ指示をする。

 夜 :子供と食事


金曜日

 AM:競馬観戦

 PM:館内の模様替えの指示。玄関のお花について執事に注文をつけたりする。その後、占い師を館に呼んでいろいろ相談したりもする。

 夜 :お屋敷のプチシアターで若い男性のダンスショーを観賞。ショーの後、個別にお話(えっ?)


土曜日

 AM:お買い物(一族の娘さんの結婚祝いなど)。その後、お気に入りの画廊に寄る。

 PM:奥様仲間と紅茶パーティ(新しいチョコレートがベルギーから届いたので)

 夜 :自宅にバイオリニストや、若手画家を招いてプチパーティ。(奥様は若くて貧乏な芸術家のパトロンなの)


日曜日

 AM:礼拝

 PM:子供達をつれて、孤児院訪問。お菓子などを「めぐんで」あげる。

 夜 :子供を交えて家族と食事


★★★

こんな感じ?

忙しそう? ヒマそう?

楽しそう? 退屈そう?



1週間ならいいけど、この生活を52回やっても1年しか経たない。貴族が出てくるいろんな本を読んでいると、季節ごとに「夏の館に行って過ごす」とか「イタリアにでかける」などで一ヶ月過ごすこともあるようですが、別に「夏の館」に行ったからといって用事が増えるわけでもないし。

現代の世の中なら、もっと遊びも多彩とは思いますが、それでも「仕事も家事も不要」と言われたら、結構毎日ヒマなのかもしれませんね。憧れてはいるのだが、そーゆー生活に。


ではでは



椿姫 (新潮文庫)

椿姫 (新潮文庫)

2006-03-26 権力による不作為犯罪

車の運転中に人を殺してしまった場合は、業務上過失致死罪が適用されます。

・ちゃんと練習して資格(免許)をとってやっている行為(=運転)だから、「業務上」

・殺す気(意志、故意)はなかったから「過失」

・でも死んじゃったから「致死」ってことです。


ちなみに、「業務上」でない「過失致死罪」とは、駅の階段をおりようとしたらつまずいて、前にいる子供にぶつかった。と、その子供がころげおちて打ち所悪くて死んじゃった、というようなケースですね。車の運転というのは、階段おりる、というような日常的な動作ではなく、「十分に注意して行うべき行為」だし、「免許が必要な特別な行為」。だから「業務」。(「何が業務か?」というのも議論多々あります。)

★★★

さて、この業務上過失致死罪の、懲役は最高5年です。

基本的に「故意」のない罪ってのは、結果的に人を殺したとしても、たいして重くありません。懲役は最高5年と言っていますが、普通の交通事故・・・たとえば・・・

「夜道で見えなかった人や、飛び出してきた子供がよけられなくて事故発生→被害者死亡。運転手はすごく反省しているし、保険もおりたし、もちろん運転手は今まではゴールド免許で・・・」というような事故では、普通は執行猶予がつくので、牢屋にはいる必要はありません。


これはまあ合理的かな、と思うんです。だって、仕方ないことはあり得る。避けられない事故はある。それなのに自動車事故で「殺人罪」って言われて死刑になったりしたら、車を運転する人は堪らない。仕事で車を使わざるをえない場合もあるし、田舎では車は必須の移動手段。どんなに気をつけていても、一定数の事故は起こる。

自動車というのは、そもそも凶器。それを世の中に存在させ使用しよう、というのは社会の合意。自動車を受け入れる社会、というのは、事実上、一定数の事故、それにともなう命の喪失は、「仕方ない」と考えている社会、ということでしょう。なので、自動車事故を全面的に個人の罪にするのは問題がある。それはわかる。


さて、何年か前に起こった事故。酔っぱらい運転のトラックにぶつかられて子供を殺された被害者が運動を行い、「危険運転致死罪」というのができた。最高刑は懲役20年。(併合罪なら30年)。既にかなりの適用例がでています。


★★★


疑問点が3つ。

(1)なぜ殺人罪適用ができないのか?

(2)なぜ被害者が多大な自己犠牲を伴い運動するまで、その危険運転致死罪という法律さえ作られなかったのか?

(3)運転手以外にも罪を問うべき主体があるんでないの?

の3つです。


(1)世の中には、日常的に酔っぱらい運転を繰り返している人、無茶な量のお酒を飲み、泥酔状態で運転して人を殺す人もいます。というか、そういう人が起こす交通事故少なくないのです。これって「殺人罪」ではないのでしょうか?

危険運転致死罪ができてからはまだともかく、それまではずっと最高刑5年の業務上過失致死罪で裁いていたなんて驚きです。


(2)これも変でしょ。なんで被害者があそこまで頑張らないと法律って変わらないの??刑法学者は勉強だけしてればいいのか?法務省は、被害者が動かないと、いつまでも変な法律を放置して問題ないのか?*1不作為による殺人罪だよ、彼らも。とちきりんは思います。


(3)もうひとつ、交通事故の責任がある人がいる。それは、「運送会社」です。特に居眠り運転による事故に関しては、高速道路ででかいトラックの運転手をしている人にも多い。理由は無茶苦茶な運送スケジュールを強いられているからです。

真夜中の東名なんて大型トラックだらけです。そして多くの物流トラックの運行スケジュールは、「不可能でしょ?」みたいな短い時間で到着することを前提として組まれている。これじゃあ、十分な休息をとるのは不可能、と思えるスケジュールです。居眠り運転は「不可避」みたいなスケジュールです。こういう運転をさせている運送会社には何の罪もないのか?一個人である運転者だけの罪なのか???


これ一番難しい問題です。法解釈上の問題というより、超パワフルな「抵抗勢力」が存在するから。

誰?

大手メーカーです。・・・「財界」・・・という人たちです。

大半のメーカーの商品が、そうやって日本国中を駆けめぐっている。物流コストはメーカーにとって「利益をどれだけだせるか?」ということの要でもある。運転手のスケジュールにゆとりをもたせたら、一気にコストが跳ね上がる。財界は絶対に「運送会社の責任を問う」ような法改正に反対するだろう。と思う。

でも実際にはこれが一番問題だと、ちきりんは思ってる。なぜなら、これは「構造的な問題」だから。「仕組み的に居眠り運転が不可避な制度」だから。「たまたま」ではないのです。毎日毎日、極めて多くの大型トラックが、無茶なスケジュールで走っている。夜の東名を走るなんて、死にに行くようなもんです。

★★★

もひとつ。逮捕監禁罪。

新潟で監禁されていた少女の事件。9歳から9年以上、監禁されていたのに、逮捕監禁罪の刑罰は最長で5年。この法律、論理的におかしいよね。だって、「あかちゃんの時に監禁をはじめて、死ぬまで監禁してました」ってあり得るでしょ。今回は9年だけど30年監禁するってのは、論理的かつ現実的にありうる。それなのに、なんで最初から刑罰が「3月以上5年未満の懲役」などと決まっているわけ??

「監禁した期間の倍の期間までの懲役」とか、もっと重い刑罰(無期懲役とか死刑とか)を加えるべきでしょう。どうして、ここまで明らかに変な法律が放置されているの?


上のケースでは、併合罪という概念をつかって(複数の罪を犯したら罰も重くなります、というルール)、逮捕監禁罪のほか、傷害罪と窃盗罪を併合させ、15年の懲役の求刑。一審は14年の判決をだしました。

しかし、これがまた変。

まず、傷害罪はわかる。9年も小さな部屋にいたのだから、心なり体なり「傷害を受けた」と言えるでしょう。しかし、窃盗なんて、パンツ盗んだ、とかです。これはもう「併合罪にして、罰を重くさせるために、とにかく罪を見つけてくっつけた」という感じです。こんなことを認めたら、検察はいくらでも「嫌いなやつ」を長く牢屋にぶちこめます。

「万引きしました、そのとき、爪が本棚にひっかかって、本棚の塗装がちょっとはがれた」ってのを、「窃盗罪」だけでなく「器物損壊罪」との併合です!とか言ってるようなもんです。客観的に見て「言いがかり」、難しく言えば「権力の乱用」です。

上記のケースでは、一審は「15年の求刑、14年の判決」だったけど、「変だ!」という控訴により高裁では判決が11年となりました。今は最高裁に行っていると思います。いずれにせよ、罪は15年以上には絶対なりません。

こんな言いがかりみたいな起訴・公判をしなくても、9年も他人を監禁して、一人の女性の青春を奪ったあほんたらあを、一生牢屋にいれておくくらいのことはできる刑法に早く変えたほうがいいでしょうが。



個別の問題ではなくてね、こういう古い法律をそのままにしておくという、専門家や立法府の「不作為」が問われないことが、一番問題だと思う。


んではまた。


★★★

追記)平成19年(2007年)に刑法改正が行われ、自動車運転過失致死罪が業務上過失致死罪に変わって適用されることになりました。最高刑は懲役7年です。

*1:理屈的には立法府である国会の責任

2006-03-25 各国歴代トップ数

1945年。終戦の年ですね。終戦と呼ぶのか、敗戦と呼ぶのかこだわる人もいるし、また、戦争の名前自体も複数の側面があります。日米大戦、日中戦争、大東亜戦争、第二次世界大戦などなど。大東亜戦争って言葉自体を嫌がる人もいるらしいですけど、よくわかりません。大東亜共栄圏の概念を支持するかどうかという問題とは別だと思うんだけどね。

★★★

1945年から2006年まで約60年ですが、その間の日本の首相は何人でしょう?


(1)日本・・・28人です。終戦直後の東久邇宮氏から小泉純一郎まで。(28人の数え方は、首相交代ごとにカウントしてます。連続してる時は1回とカウント。吉田茂氏は2回とカウントしてます。一回別の人に移ってから、再度首相になっているので。)


(2)韓国・・・9人。大韓民国の建国時(1948年)の李承晩氏から、現在の盧武鉉大統領までね。ただし、クーデター、スキャンダルなどのために、「大統領代行」とか「国家再建最高会議議長」とかいうトップが存在した時が2度ほどあります。


(3)中国・・・6人、かなあ。共産主義体制で文化大革命とかもあって、数えるのがとても難しい。1949年の毛沢東氏が、最初の「中華人民共和国」国家主席。そこから、華国鋒、胡耀邦、趙紫陽、江沢民、胡錦涛と数えると6人です。ただし、胡耀邦&趙紫陽の時代の「事実上のトップ」は小平氏なんで、そう数えると5人。少ないねえ・・


(4)アメリカ・・・トルーマン大統領からブッシュ(呼び捨て)まで、11人。


(5)イギリス・・・13人。チャーチルからブレア首相まで。日本と同じ数え方です。チャーチルさんなど(間隔をあけて)2回なっている人もいます。


(6)ソビエト(ロシア)・・・ソビエト連邦の期間が、スターリンからゴルバチョフまで7人。ちなみに、ロシア革命からでも、これにレーニンが加わるだけの8人。ちなみにスターリンの治世合計31年。長すぎ・・・被害者が多いはずだ。

その後、ロシアになってからが、エリツィンさんとプーチンさんで2名。1945年当時から、で数えると、合計9人ですね。


★★★

もっ、もしかして、日本って一番「トップの数」が多い国なんだろうか??先進国とかメジャーな国の中で??

反対の言い方をすれば、「最も国家トップになれる可能性が高い国」とも言えるだろうか?だって、60年で6人しか(国家トップに)なれなくて、しかも人口10億人ってのよりは、1億人の人口で28人って、「ちょっと簡単そう」・・・かな??

ところで、昨日テレビ見てたら、中国の映画やっていて、ちらっと見てたら、お母さんが子供に勉強しなさいっ!って怒ってて、子供は嫌がってて、お母さんがヒステリックにどなっていた。「英語くらい話せないとどーするの!!ライバルは10億人以上もいるのよっ!」って。

そうか、中国ってそういう育て方するのか。確かにすごいな。ライバル10億人・・・

でもさ、よく考えたら、それ違うでしょ。なんで「人口全員」ライバルなのさ。赤ちゃんからおじーちゃんおばーちゃんまで・・・。同じ年に生まれる人数は・・・単純計算だと2000万人くらいでしょうか?それもすごい数だけど。いや余談でした。

★★★

一応、なりゆきで、ドイツとフランスも見てみよう。

(7)フランス・・・大統領だと1945年当時から7人目がシラク大統領。ちなみに、ファーストネームで歴代大統領をお呼びしてみると、ヴァンサン→ルネ→シャルル→ジョルジュ→ヴァレリー→フランソワ→ジャック。すごいな。星の王子様みたいだ。

(8)ドイツ・・・ドイツもややこしい。大統領と首相がいるんだけど、首相の方が「実権」保有者です。なんでこーなってるんだろ??西ドイツから統一ドイツで数えると、8人ですね。今の首相のファーストネームは「アンゲラ」。ううむ。おもしろい。(←なにが??)

★★★

シンガポールとかインドネシアとか、東アジアの国や、中東なども関心あるのですが、めんどくさいのでやめます。誰か関心ある方、続けて頂いてOKです!(←OKって・・・)

調べなくてもわかる国もある。北朝鮮は、金日成→金正日の2名だけで60年余。キューバは、たぶんずうっっっとカストロ議長だと思う。パレスチナも(国家かどうか要議論だが)、この前までずっとアラファト議長。アラブの国は名前は変わっても基本的には「王家」が続いている国多し。イスラエルは??知りません。南米はどーなってんのかな。少なそうですね。基本的に独裁系は任期(?)が長いから。

★★★

しかし、ホントに日本って首相の数多いよね。なんでだろ。「誰でもよかったから」かなあ。こんな多くちゃ世界からみて「力がない」と思われて当然だよね。国内的には「自民党なら、誰がなっても一緒」というかんじが醸成されるよね、たしかに。ふむ。

ただし、佐藤、吉田、岸、中曽根、小泉の5氏の合計で28年と約半分の期間を占めます。もし、そういう人ばっかりだったら、日本も60年で8〜10人くらいにおさまったわけです。それくらいの方がよかったんじゃないかと思うよね。あんま短いと、いいことも悪いことも何も進まないと思います。


まあ、何やってんだ?と言われると、「別に」と答えざるを得ないような作業やってみました、今日は。何がどーってこともないんだけど・・・


まっそーゆーことで。

また明日

2006-03-24 直接投票制度について

今日のトピックは「直接投票の意味」です。この前、岩国市が「基地増強反対」という結果を出してたでしょ。今は(憲法改正をにらんだ)国民投票に関する法整備が議論されています。(かばさんもこのトピックを書いていらっしゃったので、リンクしておきます!)   国民投票法案: 2001年 夢中の旅 & 住民投票: 2001年 夢中の旅





直接投票の目的って何さ?

(1)政策を決定する

(2)民意を問う

(3)「特定の主張」をアピールする

の3つのどれかだと思う。これが混乱してるから、ややこしい。

★★★

(1)政策を決定する・・・これは、「国民投票」か、「地方で完結することに関する、住民投票」のいずれかしかあり得ない。「地方で完結しないこと」(基地問題など)について、特定エリアで投票して政策決定するなんてあり得ない。

(2)これ、変でしょ。政治家が民意を知る方法論として、決して効率的でも効果的でもないよ、こんな方法は。まず、コスト高すぎ、という意味で効率的でない。民意を知るだけなら、ネットでもプッシュホンアンケートでも葉書でもなんでもいいけど、別にコスト掛けて「“住民投票”という形式」を整える必要はない。

効果の方をみても、「Yes/No」の二元論にしてしまうこの方法は、欠陥が多い。本来は「基地がない場合→税収と雇用が○○円、失われます。基地があることで優遇されていた交付金も○○億円なくなります。したがって、住民税は○○円あがります」とか、総合的な状況を示して「基地があるべきか」「なくすべきか」を選択しないといけないよね。基地(増強)がYesかNoか?なんていう単純化した投票をして民意を知るなんて、無理でしょ。

その上、どの単位で投票するかによって、民意は完全に逆転するでしょ。「騒音エリア」だけで投票したら「反対」。基地の従業員が飲み食いする繁華街エリアでは「賛成」。自分の行政区にあるとはいっても、基地からすごーく離れた場所に住んでいる人を入れたら「棄権」が増えるじゃん。「町・村」レベルで投票するのか、「市」なのか「県」で投票するのかによって、すごく結論がかわっちゃうよ。

(3)岩国は結局これだったと思う。「市長が官邸に陳情書を提出するだけでは、アピール度が低い」「住民の反対意思が強いことを示して、アピールしたい」でも「市長が街頭にたって署名運動をするなんて変」だから「住民投票」、ってことかと。

住民と国の中挾になった市長が「税金を使って」自分の「説得力やリーダーシップの欠如」を補った、ということだ。極めてあほらしい。今日、他のエリアで「新型原発の運転差し止め」裁判の判決がでていたけど、「本当に反対なら」訴訟を起こすべき。市長は、訴訟では勝てないとわかっているから、かつ、自分では国も市民も説得する自信がないから、「住民投票に逃げた」と思う。税金の無駄遣い以外のなんでもありません。

★★★

というわけで、直接投票は、

  • 「国会議員の多数決という、今の日本の民主主義のルール」に委ねられないと思われるほどの重要な問題について、国民投票を行う

  • 完全に地方だけで完結する問題について、住民投票を行う

のいずれかしかありえない。後者は新しくできた地方空港の名前を決めるとか、新合併市の名前を決めるとかね。前者は極めて限られたケースだけでしょう。だって、一応私たちは「国政は国会議員の多数決」っていう制度を受け入れているわけだから。

あとさ、投票しても何も効果もないようなことを「税金でやる」のやめたほうがいい。単なるアンケートに多大な税金つぎ込まない方がいい、と思う。やる前に、この結果をどう使うか、明確にすべきだよね。「結果になんの違いもおよぼさないこと」にコストかけられるほどの「豊かな地方財政」じゃないでしょ、今。

★★★

まあ、というわけで、いろいろあるわけだが・・・長くなるので、終わり。


んではまた。

2006-03-22 果報は寝て待て

経営者や役者さんなど様々な分野で一流の成果を残した方がご自身のキャリアを振り返って書かれている回想録などを読むと、「鶏口牛後」の大切さを感じることがよくあります。

「若い頃、希望していたキャリアは得られず、全く異なる道を進むことになった。」とか、「当時はお荷物とされていた部門に配属になった。」などと振り返る人が少なくないからです。

★★★

世の中には、いい仕事をしながら成長を続ける20〜30代の人はたくさんいますが、40〜50代に入るとそういった人は大きく減ってしまいます。大企業に入っても、経営者になるのはごく一部だからです。

経営者になれない人も終身雇用下では定年までずっとなんらか仕事を割り当てられますが、必ずしもやりがいを感じられる仕事とは限りません。

じゃあ、それが不満で会社を辞められるかといえば、給与は仕事の対価ではなく「その組織に所属していた期間」に比例しているため、「転職したら、年収は半分」ということもあり、容易には動けません。

このため40代半ばで仕事へのモチベーションを失い、“流す仕事”を始めたり、「仕事より家庭が大事だと気がついた」と言い出す人が現われます。


一方、40〜50代で「お〜、輝いてますね!」という働きをしている人が若い頃からずっと王道を歩いてきたのか、というとそうでもありません。

全然勉強していなくて留年したとか、三流大学生だったなどの理由で、さらには、家庭の事情や何らかの就職差別のために、意に沿わない仕事につかざるをえなかった人もいます。

ところがそういう人の中には、環境の整った大組織に入れず、それがために寧ろ、若い時から歯車のひとつとしてではなく、「リーダー」として仕事をすることになる人もいます。恵まれていなかったからこそ、「鶏口」として仕事をする機会を得るのです。

そして鶏口の立場で必死で働くと、(ライバルの少なさもあって)若くても「お前が一番前を走ってみろ」といわれ、それに努力と能力で応えることができると、どんどんおもしろい世界が拡がっていった。そういうパターンの人も世の中には結構いるのです。

★★★

ところで、大注目のインド市場において、日本のスズキはトップの自動車会社です。

あんな混沌とした国に大企業は早くから進出しません。リスクは大きいし、商習慣もわけわかんない。でもスズキにとっては、トヨタやホンダが注力する日米欧ではトップにはなれないし、中国でさえそれらの一流企業が早くから目を付けています。

「トップになれる市場」を確保するためには、他の一流企業がとらないリスクをとるしかありません。そのため早期にインドに進出し、苦境にもめげず頑張り続けてトップになったというわけです。

このように、企業においても「トップ企業ではないからこそ、リスクをとらざるを得なかった。そして成功した。」という場合があります。


つまり、「一流企業に、他の一流大学生と共に入社」すると、「リスクをとらない企業」×「歯車としての自分」という掛け算の仕事になるのにたいして、

「三番手企業に、少ない人員の一人として入る」と、「リスクをとらざるを得ない企業」×「前に立たざるを得ない自分という組み合わせになり、この差が、20年たった時にでてくるのです。

★★★

最近オフィス街では、就職活動中と思われる学生とよくすれちがいます。今年は景気回復で売り手市場になりつつあり、多くの学生が「憧れの一流企業」を目指しているとのこと。

でも、景気回復で大量採用を再開する大企業に「何百人かの一人」として入社しても、大半の人は一生「牛後」のままです。しかもその「憧れの大企業」自体、大企業であるが故にリスクをとる必要がなく、チャレンジングな仕事より「書類を右から左に動かす」仕事が多くなりがちです。


ちきりんは時々、「就職活動なんて、ぼーっとしてればいいんじゃないか」と思います。出遅れて、いくところがなくて、「なんとなく、ここに入りました」という感じでもいいと思うのです。どこに入るかより、入ってから頑張れるかどうかの方が重要でしょう。

最近は「就職浪人」までする学生もいると聞きます。親も「納得いくまで就職活動をすればいい。」と、進学や留学の費用を出してくれることもあるとか。

まじ?、と思います。たかだか学生の頭で考えた「この企業に入らねば、将来はない。」などという思いこみのために、20代の1年間を浪費するなんて余りに馬鹿げています。

「周囲から“すげ〜”と言われるような人気企業」に内定をもらっても、その企業の中で自分に「鶏口」のチャンスが回ってくる可能性はほとんどありません。寧ろ、「なんで、そんなとこにいくの?」と言われる企業に入って鶏口のチャンスをつかむ方が、よほどリターンは高いでしょう。

キャリアというのは、「牛後」で始めると一生「牛後」になってしまいます。だから若い時こそ、鶏口を狙える場所を選ぶことがとても大事なのです。

若者よ、鶏口を目指せ!


ではでは〜

2006-03-21 カストロ議長はほんとかっこいい

WBC(World Baseball Classic)・・・準決勝は出張中に、決勝戦は飛行機に乗っている間に終わってしまった。

それにしてもキューバに勝っての優勝とは日本もすごい。(しかも何度も韓国に負けたのに・・)実力なのか、運なのか・・・


ところで今回の決勝戦、もしもキューバが日本に勝っていたら、優勝賞金はアメリカで甚大な被害を出した台風、ハリケーン・カトリーナの被害者救援に当てられることになってたらしい。

これはキューバにたいして経済制裁をしている米国が、「キューバに賞金が与えられる可能性があるなら、WBC へのキューバの参加自体を認めない!」との了見の狭い暴言をはいたため、

カストロ議長が「大丈夫。キューバが優勝したら、賞金は災害で苦しんでいるアメリカの貧しい庶民に寄付する!」と答えたため。


ニューオリンズで被害を受けた人たちは、米国とキューバのどちらを応援していたのでしょう?


それにしても、カストロ議長はうまい。

スポーツに政治を持ち込む米国政府に対して、「賞金はあんたの国の困っている人に、くれてあげましょう」だもん。

世界の「他の」貧困地域に寄付するという話なら、凡人でも思いつく。

そうではない。「アメリカの」困っている人に寄付する、というのが素敵。

格差を放置する資本主義への痛烈な皮肉を放ちながら、一国のリーダーの度量の大きさの違いを国際社会に印象づけた。

カストロ議長の老獪さに比べれば、ブッシュなんて子供みたいなもんだよね。


しかも・・・決勝戦進出が決まったキューバチームへのカストロ議長のメッセージが、

「勝てとは言わない。ベストを尽くせ」


かっこよすぎる。

最後の革命家だよね。この人は。

VIVA CUBA!


★★★


もうひとつ。WBCで優勝したチームの監督は、「世界の王貞治」さん。

日本人じゃないという理由で、甲子園優勝投手でありながら、国体に出場を拒否された王選手。

その王が「ジャパン」を率いて世界一を達成。しかも呼称が「王ジャパン」だよ。国体に出られなかった選手が「王ジャパン!」

ジャパンなんてどーでもいいけど、王選手(王監督、ですね)には「おめでとう」といいたいよ。「ありがとう」といいたいよ。「ごめんなさいね」と言いたいよ。


韓流ブームで日本を訪れた韓国の俳優に、在日朝鮮人のおばあさんが涙ながらに御礼を言った。

「つらい人生だったけど、最近は若い子に韓国語を教えてくれと言われるようになった。韓流スターには感謝してもしきれない」と。若い韓国スターも涙ぐんでいたよ。


人間の了見の狭さが歴史を作る。


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ほんじゃまた。


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2006-03-15 ほんとにウイニー問題か?

Winnyのウイルス感染による情報流出が相次いでいます。いろいろ考える。ふむ。

★★★

全日空は、空港の職員用出入り口の暗証番号一覧が流出していました。すごいたくさん、職員用の入り口があり、そのそれぞれのドアを開けるための暗証番号がずら〜と表にならんでいるものです。

ちきりんの感想・・・「こんなのウイニーだのウイルスだの以前の問題だと思う。」

・暗証番号の一覧表を作ってもいいのか?そんなもん作らないべきでは?

・その一覧表のファイルデータを、社内の人にさえ、配って良いのか?配るのは紙のコピーのみにすべきでは?

別にウイニーじゃなくても、ウイルスじゃなくても、そんなデータファイルを配ったら、流出の危険は非常に高いでしょう?ちょっとわけがわからない。

★★★

警察だか防衛庁(自衛隊?)から、暗号表とか職員簿が流出。職員が家で仕事ができるよう、個人のパソコンの公的利用を認めていた。

ちきりんの感想・・・・・・「こんなのウイニーだのウイルスだの以前の問題だと思う。」

ありえないでしょ。警察だとか防衛とかに関わる人が、「家のパソコンに機密データ入れて良いです。」なんてルール自体が・・・国防に関わるデータが、個人のパソコンに???家で、子供がいたずらしたら、どーすんの??パソコン盗まれたらどーすんの??

★★★

ちなみに、ウイニーが原因かどうか不明ですが、少し前から、「芸能人の住所リスト」がネットに出回っているんだよね。で、ここ半年くらい、芸能人の家の「空き巣」が多発しています。

★★★

今回の騒動の問題として、下記の3つがあると思いますが、「ウイニーウイニー」と騒ぐのは、問題の本質と、その名称の乖離があるから、あまり適切でないと思うよね。

問題3つ

(1)ウイニーというソフトの問題

(2)ウイルス対策という問題

(3)個人のパソコンに業務データが入っているという業務管理問題


(1)に関して言うと、別の問題(著作権等々)の方が本来、議論されるべきことであり、「データ流出」という問題が、必ずしもウイニー問題ではないと思う。


むしろ、まず(2)のウイルス対策。これね〜、「“パソコンを持っている個人にウイルス対策をやらせる”ということ自体が問題だ」という視点に立たないとあかんと思うよ。


近年、小学生からお年寄りまで、ありとあらゆる人がパソコンを使うし、パソコンを使うのには免許もいらないし、何の勉強もいりません。買ってきて、「初心者楽々サポート」とかのサービスを使うと、ボタンふたつほどでネットにつながるわけです。もしくは、詳しい人(家族とか友達とか)にセットアップしてもらって、いきなりネットにつながるでしょう?

でも、その後、ウイルスチェックソフトをきちんとアップデートするとか、日々のウインドウのアップデートをやるとか、「わかんないから、やってない」なんて人、たくさーん、いそうだよ。仕方ないでしょ。ユーザーは素人なんだからさ。ユーザー側に特定のスキルを求める商品には、免許や資格が必要なんだよ。自動車とかね。免許持ってない人に販売したらだめ、とかさ。そういうのなしで売るなら、ユーザーがなんもしなくても大丈夫、っていうように作らないと・・・

ネットにつながるには、とりあえずプロバイダーとの契約が必要なんだから、プロバイダー側で個々のクライアントPCをコントロールするような仕組みにすべきだと思うけどな。(これはこれで、また別のややこしい問題を含んでいるのですが。)

★★★

あとね〜、(3)の問題が一番大きい。これは深刻な問題です。ふたつのレベルがあります。ひとつは、「社員のパソコン」問題。もうひとつは、「業務の外部委託問題」です。

まず最初の方。正直言って、個人のパソコンで家で仕事している人はゴマンといるでしょう。実際「五万」ではすまない数の人が、個人のPCで仕事していると思います。

しかし、それを「できるだけ避けるべきコト」として位置づけるってのは、最低限必要だ。「私有PCの公的使用を“認める”」なんて、ありえない。認めるなら、会社のPCと同様のセキュリティ管理を、会社側が責任もってやるべきだ。

きれいごともやめた方がいい。「仕事は会社でやるべき」ったって、「終わらないじゃん!!」って量の仕事を押しつけといて、「家では仕事してないはず」なんていわれても無理です。

これは、携帯電話もこれから同じ問題が起こるよね。携帯電話にいろいろ大事な情報を記憶させている人多いでしょ。USBメモリも同じ。「事実上、仕事に携帯電話は必須」という状態でも、よほどの大企業(余裕のある・・)でないと、業務用の電話を社員に配っているところなんてないと思う。大半は個人が自分の機器を使っています。でも、それが悪用された時は、誰が責任持つのか?

仕事に必要なものは、会社側でちゃんとセキュリティ対策したものを配ってください。個人が自分のお小遣いで買って仕事で使うって、そもそも変です。ではないか?と思うちきりんです。

★★★

もうひとつ。業務委託問題。基本的に、最近、大企業ってのは、自社で仕事してません。パートや派遣の人たちに大事なデータを社内でさわらせるのはもちろん、アウトソーシングしている会社に、仕事を丸投げするために、いろんなデータを渡しているなんて、なんも珍しくないでしょう。

今回もTBSの使った番組製作会社の社員のPCから、タレント等の連絡先一覧が流出してますが、今は、こういう「外部委託会社」の情報管理について、委託元である(大)企業の方がなんらかコントロールしている(どころか、気にしている)ケースは、非常に少ないと思われます。


製造業では、もう同じコトが起こり始めているはず。たとえば、大手のメーカーってのは、もう部品を全部自社で作ってるなんてありえない。それどころか、部品はほぼすべて他社に作ってもらって、それを購入して組み立ててるだけ、というのが、消費者が名前を知っているような大メーカーの実態です。

でも、その部品が、たとえば「人権侵害が行われている刑務所で作られた」とかいうと、メーカー自体が責任を問われるような動きがでている。産業廃棄物処理問題もそうです。そのメーカーからでたものだけでなく、部品製造をしている他社からでた産業廃棄物が違法投棄されたら、発注者の親会社の責任が問われる方向に法的整備も進みつつある。

製造業以外にも、情報管理について同様の仕組みが必要だと思います。ゼネコンから通信会社、メーカーに、マスコミに・・・ほぼすべての「一流会社」なんて、自分ではなんもやってないのだから。子会社がやってる?そんなの超まれ&超ましなケースです。実際の業務は、「子会社の子会社の関連会社の子会社が、外部委託している会社の派遣社員」がやっていたりするんです。誰が管理するねん、それ?って感じです。

★★★

ということで、これが「ウイニー問題」と言われてること自体、問題の根本解決を遅らせる、と思うちきりんです。

それにね、安倍官房長官とかまで「最も確実な防御方法は、ウイニーを使わないこと」とまで言い出している。これって「別の意図があって、ウイニーを使わせたくないのでは?」と疑わせるに十分な発言だ。今や、ネット接続機能を含むソフトウエアなんていっぱいあるじゃん。もしも一太郎がウイルス感染して、勝手に情報流出を起こしても「最も確実な防御方法は、一太郎を使わないこと」と言うのだろうか?あの人は・・・言わないと思うな。なんか変だよ。


まっ、そっいうこと。

ではね

また明日

2006-03-13 好きな国?

あちこち旅行しているちきりんが好きな国、いくつかあります。


(1)スペイン語圏・・・スペイン、メキシコ、ペルー、キューバなど。将来是非、短期ステイしてみたいですね。数ヶ月くらいかな。午前中はスペイン語学校に行って、午後は映画や美術品を見たり、町歩きをしたり!

ガウディの建築って、サグラダファミリアが有名ですが、実はスペイン各都市にガウディの作品はあって、本当に一目で「あれ!」ってわかります。あの辺りのラインもちきりん好みですね。

基本は「ラテンなノリ」が好きなんです。なんでもかんでも「キャハハ〜」で笑い飛ばすような。それでいて、ちょっとエロティック、ちょっと皮相的、みたいなね。でも、イタリアやフランスは、ちょっとバタ臭すぎる。こねくり回しすぎ。素直さがないんだよね、スペイン的な。

スペイン語圏は、あけっぴろげで、明るいけど、無用に深くない。でも、映画とかもそうなんですけど、「人生を斜めに見ながら笑い飛ばす」独特のペーソスがあります。それに料理も素材がいいから、オリーブオイルと塩こしょうだけでシンプル系のが多くて美味しい。お気に入りですね。

★★★

(2)土着系アジアも好きかな。ベトナムやカンボジアなんて、「この国のためにできることはないかしら?」と思わせる「一生懸命さ」があるよね。あと、好きなのは「混沌」。ちきりんは秩序だったものが好きでないです。特に休暇をすごすなら。(仕事相手は秩序だった人が好きです・・)

ウイグルはねえ・・・別にウイグルでなくてもいいんですけど、あのエリアね。シルクロードの真ん中。砂漠の中の街。あの辺りは、本当「ロマン」を感じます。たぶん数千年で全然変わってないものが残っているからだと思うけど。すごい乾いた空気も、悠久の時の流れを体感させる。ちきりんは、死ぬならあのあたりの砂漠でのたれ死にたいのだ。そしたら、「自然にミイラになって」何千年もかけて朽ちていくんです。そうして人は大地に戻る。

そういう場所です。

なお、アフリカも同じ感じです。「文明ってなんだ?」って思わせる迫力があるよね。こういう場所には。価値観が変わりそうになります。

★★★

(3)ビーチ系の国・・・誰でもかもしれませんが、ほんとリフレッシュできます。モルジブやタヒチなんて「天国?」って感じです。でも、一番雰囲気が良いのは、カリブでしょう。一番最初の「スペイン語圏」に含まれるわけですが、やっぱりロマンチックですよね。あと、お酒や音楽もすばらしく、「人生は享楽!」と思えます。海は、沖縄よりきれいなのは、このあたりまででしょ。アジアのビーチも人気だけど、海だけでいうと沖縄の方がきれいだと思う。ただし、ちきりんは琉球料理が苦手なんで沖縄はイマイチなんですが。

★★★

(4)中国の各都市は、まーおもしろいよね。ちきりんは中国には何度も行っていて、「共産主義が資本主義になる過程」と「経済発展するということ」を時系列に見ていて、なかなか興味深い。しかし、なんといっても中国旅行の醍醐味は、そのエネルギーレベルの高さです。パワー!です。すごいよ、あの国は。中国も将来、数ヶ月滞在してみたいなと思いますね。若返る気がします。

★★★

(5)国として好きってことではないのですが、観光地として「大好き」なのは、古代遺跡系です。アンコールワット、マチュピチュ、パレンケ、エフェソスなどなど。すばらしいです。ちきりんは妄想力が優れているので、こういう場所にいくとすぐ「古代人」になっちゃいます。気分がね。イースター島もすばらしいです。

あとはアラブの国々にある遺跡にいきたいのだけど、治安問題とイスラムのために女性の自由旅行が不便なので余り行けてないです。平和になればいいな。是非行きたいです。

★★★

(6)ヨーロッパの諸都市もキライではないです。すばらしい美術館がたくさんありますからね。ただ、料理が今ひとつ美味しくないところが多いのと、天気が暗いところが多いので、「知的には満たされる」けど、「精神の解放」にはいまひとつ向かないかも。あと、妙にコスモポリタンな都市もいまひとつかも。文化はやっぱり「極端」な方が楽しめます。(住む場合は別ですが)

★★★

嫌いな国は? 

そもそも写真もないのでおわかりと思いますが、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどは、「タダで行ける」と言われても、自分の有給休暇を使うのがもったいないから行かないかもしれない。アメリカ文化もあまり好きではないです。演劇だって、NYよりロンドンの方が、落ち着きがあって観やすいし、グランドキャニオンやナイアガラなんて5分感激、はい終わり、って感じです。ご飯も「BBQしかないんかい?」って感じだし。かろうじて雰囲気のあるSFやボストンでさえ、欧州に何度も行っている人にとっては「うす〜い」ですよね。「たかだか200年の国に用はないぜ!」って感じです。

その他の国で、いまひとつなのは、シンガポール、北欧。シンガポールは、浦安みたいな都市ですね。特定のセグメントに媚びて設計しまくった人工的な都市。北欧は・・・なんもないですから。観るモノも明るい人も美味しいモノも、我らが太陽も。

複雑なのはインド。ちきりんの好きな「混沌」「極端な文化」はあるんですけど、なんせ疲れる国だからな。あまりにも国が「二極化」していて、どっちとして旅行するのか、を選ぶ必要があるんだけど、そうするとどうしても一面しか体験できないし。難しい国です。

まあ、そういうことで。

そのうちまた、おもしろかった体験について、書いてみたいと思います。


あと・・・ちきりんは日本も好きなんですが、とりあえず若いうちは海外に行こうかなと思っています。体力がなくなったら、まったり日本を旅行したいです。行きたいところたくさんあるし。

ということで、

終わり。


また明日!

2006-03-10 メールオーダーブライド

先進国の男性に、アジアなどの貧しい国の女性を結婚相手として斡旋する会社(仲介業者)は、今は日本にもあるみたいですけど、

アメリカにもずっと前から、 MAIL ORDER BRIDE ってのがあります。

実はちきりん、学生の頃にこのビジネスを知り、「おもしろそ〜」と思って登録したことがあるんです。


登録してみたのはアメリカ人向けのカタログサービスで、アジア人専門で“お嫁さん”候補を紹介する会社。

募集広告は、東京の外人向け情報誌に掲載されています。

「結婚して、夢の国アメリカへ行こう! アメリカ人のエリート男性が、日本人の奥さん大募集!!」みたいな感じです。


そういう情報誌には、この手の会社の広告がものすごく沢山、しかも毎月載っていたので、大きな市場なんだな〜と思って、その中の大手と見られるエージェントに、写真やプロファイルを登録してみたわけです。(ネットなんかまだなかった時代です)

女性の登録はもちろん無料。こちらが出す情報は、名前、住所、年齢、学歴、結婚歴、あとPR文章くらいかな。


そしたら大変なことになりました。


なんと 1ヶ月後くらいから、毎日毎日ポストに英語の手紙が大量に届くんです。

全部で(半年で) 100通くらい来たんじゃないかな。


手紙を送ってくるのは大半が 50才以上のアメリカ人で、大学教授とか、自分でビジネスをやってるとか牧場経営者だとか(ホントかどーかは知りませんが)いろんな人です。


共通点は

  • 年齢が高い( 50才 〜 70才)
  • 金持ちっぽい(嘘付いてる可能性もある)
  • アジア人女性好きの人が多い(前の奥さんは韓国人だったとかベトナム人だったとか・・)

です。


手紙に書いてあるのは、職業に年齢にルーツ(白人だとかイタリア系だとかなんとか)に、住んでいる場所に・・・などの自己紹介に加え、「僕と結婚したら、こういう生活が送れるよ!」みたいな売り文句がたくさん。


家がどれくらい広いとか、庭があるとか車があるとか、家にはプールがついてるとか・・・。ベッドルームの写真を送ってくる人も。


すんごいおもしろいな!と思って、いくつかの手紙にお返事を書きました。で、根掘り葉掘り、このシステムについて質問しました。

「男性は、このサービスにいくら払ってるの? 成功報酬?」とか「なんで、こういうシステムでお嫁さん探すの??」とか。


そういう手紙を書くと、大半の人は「あっ、これは違う」ってことで、返事をくれなくなるわけですが、

中には「君は知的好奇心が旺盛だね! 僕はそーゆー知的な女性が好きなんだ!」とかいって、いろいろ教えてくれる人もいるんです。


で、いろいろ学びました。


しかも一人は「私の掲載されたカタログを見たいからぜひ送って!」という私のリクエストに応じてくれ、私は初めて自分が掲載された「アジア人お嫁さん候補カタログ」を目にすることになりました。

笑っちゃいましたよ。売春してる気になった。

いえ、もちろん私は(20代だしね)、かわいく写ってましたよ!!


★★★


カタログには女の子の写真がずらりと掲載されてて、各写真の下に、年齢、既婚歴、子どもの有無、最終学歴などが載ってます。

なんで女性側の学歴が重要なのか疑問なのですが、国によっては小学校卒だと字が読めない人とかもいるからなのかな。


で、私が(大量の手紙が届くほど)モテモテな理由もわかりました。

だって登録してる中に、日本人なんてほとんどいないんだもん。


大半がベトナム、フィリピン、タイ、中国などの女の子です。

つまり、貧しい国から逃げ出すためにアメリカ人と結婚したい!ということなんでしょう。


男性の方も、こういうシステムを利用して(女の子に会いに行くなどを)経験している人もいるわけで、いかにも「お金のために!!!」ってのが前面にでている女性より、日本みたいに裕福な国の女性のほうが安心ですよね。

だって、結婚したとたんに「フィリピンの家族に仕送りをお願い!」とか言われると大変でしょ。


カタログに載っている女性の中には、40才近くで子供が 5人います、とか書いてる人もいて、ちょっとは嘘つけばいいのにと思ったりもしましたが。


で、数人と文通している間に

「チケットを送るから、一度アメリカまで会いにこないか?」とか

「今度日本に行くから会えないか?」とか言う人が現れるわけですが、

私は怖がりで保守的な性格なので、調査はここまで。


いきなり家に来られるなんてメチャやばいなと思って・・・引っ越しました。学生だったので引っ越しは簡単。


★★★


バンコクのパッポン通り(でしたっけ?)、あそこでバーのカウンターの上で踊っている少女をみると、本当に衝撃を受けるでしょ。

12才〜15才くらいの女の子が、ほとんど裸みたいな格好でカウンターの上で“くねくね”してる。

そのカウンターの下で、欧米人と日本人がビールを飲みながら女の子を品定めし、適当に「買って」帰る。


毎日毎日、裸でカウンターの上でクネクネして・・・いろんな男性にホテルにつれていかれて・・・もらったお金の大半はバーの経営者にくすねられて・・・


そういう生活よりは、誰かと結婚して「豊かな国に行きたい」と思う子がいるのは、全くもって不思議じゃない。

そうしたら「今より幸せになれるんじゃないか」と・・あたしだって、切実にそう思いそう。


★★★


最近は、日本人男性向けの同じようなサービスもありますが、そういうのを使って女性を探してる男性が行うお見合いって、

男性側が自費でアジアの都市を訪ね、(日本にいる間に写真と書類で選んでおいた)数人から10人ほどの女性にまずはざっと面通しをし、

その後は気に入った子と一日すごして(たいていの場合、相手の家に行って、家族にも挨拶して)、それで結婚を決めるみたいです。

「この子」と決めた場合は(後から揉めないよう)、家族にしてあげられることもその場で話し合ってしまう。「現地の家族に買ってあげられる家は、これくらいのレベル。毎月の仕送りはこれくらいが限度」みたいにね。

んで、家族も合意すると、その娘と結婚して日本に連れて帰れる。


渡航費含め 200万円くらいをはたいてお嫁さんを輸入する感じかな。これは男性側にとっても小さな金額ではないです。「これだけ投資したのだから」と思うに十分な額でしょう。


こうやって書いてくると、体の良い人身売買のようにも思えます。まるで本人の自由意思のように装った人身売買。


もちろん結婚後、うまくいっている家庭もあるでしょう。


でも、お互いの思惑がずれまくることも多いでしょう。

男性側は「貯金をはたいて、お前の親に家までたててやったんだぞ」状態だし、女性の方は日本に来て初めて、夫の収入や資産は「日本で豊かな生活を送れるレベル」では決してないと気が付くわけで。


それでも、幸せになっている人もいると信じたい。


そうそう、それと今は、日本の女性向けに「国際結婚斡旋」をしているエージェントもあります。

これは昔のとは違って、「日本の女性側」がお金払うんです。で、海外の男性側が無料。男性は欧米先進国の白人限定だったりする。

日本も豊かになったモンです。


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ではまた明日


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2006-03-08 話せばわかる、かな?

5.15事件で犬養毅首相が将校に殺されました。

その時、犬養毅氏は「話せばわかる!」と言い、将校は「問答無用!」と言って刺し殺したと。

あまりにもできすぎた話で、実話ではないと言われてるようです。確かにできすぎ。「問答無用」と、「話せばわかる」の対比が。


相変わらず韓国ドラマを楽しんでいるちきりんですが、韓国ドラマでは、主人公達が全然話しません。

話せばわかるのに・・・という状況ばっかりです。

悪役がいていろいろ意地悪する。主人公の男女は全く「話し合わない」ので、誤解が誤解をよび、状況はどんどんこんがらがる。で、主役の二人はすれ違う。

ドラマだから、なんでも“話してわかって何の誤解もなく円満円満”ではお話にならないので、仕方ないのでしょうが。


★★★


現実の世界では、そこまで何も話さないということはないと思うのですが、それでも結構みんな話さないなあ、と思います。

ちきりんは、どっちかといえば「話して解決しよう」という人です。

言葉で解決しようという志向(指向?)が強いと思います。

でもこれは個人差があって、態度とか言葉のトーンとか表情とかで何かを伝えようとする人もいて、時々困ります。「言葉派」のちきりんとしては、どーしてよいかわからないことが多いです。


言葉以外で何かを伝えようとする人は、どーして言葉を使わないのか??と考えてみました。

(1)言葉を使わなくても伝わると思っている。

(2)なんらかの理由で言葉を使いたくない。

(3)言葉を使って伝えたいのだが、スキルの問題でそれができない。

のどれかだと思います。


(1)は大いなる誤解です。

言ってもらわないと全くわかりません。

世の中には、「他人も皆自分と同じように考えるはず」と思っている人がいます。

こういう人たちは、言葉を使わなくても通じると思っています。「ある出来事を自分はこう感じるので、相手もこう感じているはずだ」と思っています。

でも、そんなことありえません。人は皆違います。


一方で、ちきりんは自分が「言葉で伝える人」だから、何も言わない人は「何も感じていないのだろう」と理解します。

でも、そんなこともありえません。何かを感じていても、それを言葉にしない人もたくさんいます。


どちらも大いなる誤解です。そして状況はどんどん混乱します。


(2)は、「逃げ」です。言葉にだすと、極めて明確になります。

何が問題なのか、何が重要なのか、何がどーでもいいことなのか、とても明確になります。それを無意識に嫌がるため、言葉にすることをためらう人がいます。


別の理由の人もいます。

自分の感情をさらすことがイヤだと思う人です。

言葉にして説明すると、自分がどういう人で、何を感じているのか、をさらけ出すことになります。それが恥ずかしいとか、悲しいとか、情けないと思う場合もあるでしょう。

それでも話そうとする人もいるけど、だから話さない、という人もいます。

できれば自分は自分の感情をみせず、また、自分から問題点を指摘することもなく、すなわち、自分が傷つくことを避けながら、なんか突然問題が解決する、ってことがおこらないかな〜と期待する。

そういう表情をして、誰かが「意をくんで」解決してくれることを期待する、待つ。


んなもん、伝わらないってば!

この場合も、問題はこんがらがるのみ、です。


(3)のスキルがたりない場合もあります。

前にかいたように、自分の感じていることを、相手の受動体に感じさせる、というのは結構難しい。

特に感情に関わることでは難しいです。そのスキルがないため、伝えられない人もいます。

でもこれは未来があります。そうやって苦労していれば、誤解や問題を起こしながらも、伝え方は学んでいけます。一時のトラブルを避けなければ、長期的にはなんとかなるでしょう。


★★★


仕事では、「言葉で解決すること」は「義務」だと思います。話さずに解決しようというのは、業務放棄です。

個人関係、友人関係とかにおいては、よりややこしい。

ちきりんは基本的に「言葉で解決する志向」の人としか友達にならないです。お互い気を遣い合って、それでも誤解でめんどーなことになって・・・ってのは、ごめんです。一時的に問題がおこっても、言葉で解決したいと思います。その方がとても楽だし、気持ちが良い。


恋愛は・・・言葉で説明しすぎると「恋愛自体が始まらない」です。ところが、言葉で説明しない関係のままでは「続かない」です。これがなかなか難しいところ。始まるための方法論と続けるための方法論が、全く逆なんですよね。


恋愛のまま結婚してうまくいかない場合にはふたつのパターンがあって、

  • 言葉を使わないからこそ始まった恋愛モードのまま結婚し、言葉をつかわないまま関係を継続しようとして破綻。

か、

  • 言葉を使わず始まった恋愛から、言葉で関係を築ける状態になったので「この人だ!」と思って結婚した。しかし、(婚姻)契約が終わったとたんに、また言葉を使わない(でもいーだろ)状態に戻って破綻。

のどっちかです。

継続には言葉が必要です。みんな他人なんだから。


★★★


「話せばわかる!」と言って、相手から「問答無用!」と言われると、絶望的な気分になります。

「あいつに話しても無駄」というのは、関係性自体の拒絶です。


ちきりんは「言葉志向」です。

因果関係は不明ですが、言葉で関係性を築くのが「得意」だとも思います。

そうすると、仲良くなるのはいいのですが、トラブル解決には、相手にはプレッシャーになります。

「言葉では勝てない」と思うからです。

夫婦げんかで「手を出す」のは、ほとんどこのパターンです。言葉で勝てないから、(あきらめて)他の、自分が勝てる方法論に訴えるわけです。

他の方法には暴力もあれば無視もある。笑顔もあれば、プレゼントとかもあり得る。でも・・・言葉ほどには何も伝わらない、と思います。


まあ、別の解決方法もあればいいと思いますけど、ちきりんとしては「言葉」ってのは、本当によくできた仕組み(コミニケーションの仕組み)だと思うので、皆が言葉で解決しようよ!となってくれたらいいなあと思います。

言葉で解決しようと言う志向さえあれば、伝わりにくくったっていいと思う。一生懸命、理解しようとつとめます。がんばります。



。。。別に、何かトラブっているわけではありません。



また明日

2006-03-06 ショウジョウバエ

ショウジョウバエって聞いたことありますか?

ありますよね。


ショウジョウバエって、生活の中で見たことありますか?

ないですよね。


私たちは見たこともないショウジョウバエを、なぜ知ってるんでしょう?


ショウジョウバエって、カタカナで書くでしょ。これは実験動物としての表記だからです。人間も“実験動物”としての表記は「ヒト」です。つまり私達は、実験動物としてショウジョウバエを知っているのです。そう、それは理科の教科書に出てくるんです。だからみんな、この不思議な生物の名を知っている。

ショウジョウバエには、生物実験に適した特徴があります。寿命が短く、細胞や遺伝子がシンプル、繁殖が簡単などですね。


「とある物質がある動物にある病気を引き起こす。そしてそれは遺伝する」という仮説があったとしましょう。これを、ヒトみたいな動物で実験するのは(人権うんぬんを除いて考えても)とても大変です。

なぜなら人間の寿命は長いので、例えばちきりんがこの実験に使われたとして、「遺伝するかどうか」は、ちきりんが子供生んで、その子供が成人しないとわかりません。いえ本当は、ちきりんの孫までかかるんです。なぜなら誰で実験しようかな〜と考えた時、「は〜い、ちきりん、やります!」って言っても、ちきりんは実験対象として適していません。

だって、それまで普通に生きてきているわけだから、もしかすると、既に別の理由で、その病気の因子や要素を摂取してしまっているかもしれない。

だから、「ある物質を、実験のために投与するまでの人生において、勝手にその物質を摂取したりはしていない!」と確実に思えるヒトに投与して実験する必要があります。つまり、管理して育てた個体が必要なわけ。すると、

ちきりんの子供を管理して育て、ある特定の物質を投与し病気になるかどうかを見て、んで、その子供(ちきりんの孫)に遺伝するかどうかを見る。ざっと考えて、70年くらいかかります。


しかも人間の細胞、遺伝子はとても複雑。さらに、ある物質を投与すれば「9割のヒトがその病気になる!」と証明するためには、実験個体数も増やす必要がある。

さらにちきりんが不妊症だったり、その子供が不妊症だったり、という可能性もある。トラブルで、別の要因で実験個体が若くして死亡する可能性もある。70年かけた実験の55年目くらいで実験個体が死んじゃったら・・・泣けるっしょ。


★★★


ということで、医学的な実験、生物を使った実験は、本当に大変。だからショウジョウバエが出てくるわけです。

もちろんショウジョウバエで実験が成功しても、それで終わりじゃない。ショウジョウバエで成功→もう少し複雑な動物で成功→中略→マウスで実験→ラットで実験→サルで実験→人間で??というプロセス。

大変でしょ〜!? 


「この病気は遺伝する」とか「あの物質がこういう病気を引き起こす」とかを、ピュアに科学的に証明するのは、本当に大変。こういう実験をするためには、大量の実験動物が必要となります。しかも、市場から買ってくればよいわけではない。上に書いたように「管理して育てた個体」が大量に必要。

つまり、生物、バイオ、遺伝子工学の進歩のためには、大量のショウジョウバエ、カエル、マウス、ラット、豚、牛、サル等々を・・・「管理して飼育する」という仕事が必要、ってことです。


こういう実験、研究を行っている大学の研究室。最初の「仮説を立てる」部分は頭を使うけど、手間的に大変なのは、実験動物を大量に管理して飼育することなんです。それがないと実験できない。論文にならない。


んで・・・何が行われているかというと、東大とか京大とか筑波大学とか・・・国が大量の予算をぶちこんだ大学の研究室において、もくもくと、もくもくもくもくと、もくもくもくもくもくもくと、毎日、ショウジョウバエやマウスやラットやカエルの世話をしている人たちが存在するのです。

彼らには、休日も正月休みもありません。もちろん何人かで分担はしますが、基本的に365日、毎日マウス(ねずみ)に餌と水をやり、寝床を掃除して・・・という作業をする。雨の日も風の日も台風の日も大雪の日も・・・


これ、誰がやっているの??


「大学院生」です。修士の学生さんです。東大とか京大とかの・・・


まじ?

って思いません??そういうヒト、もとい、人って、日本の知性の卵なんじゃないの?すごく優秀な人なんじゃないの? しかも、彼らの学費&研究費の多くはなんらかの形での税金でしょ??

でも、お仕事は「ねずみ(ネズミ)の世話」です。


なんか、壮大に無駄なことが行われているような気がしませんか?

でも、今は大御所の教授も、自分が大学院生だった頃はそれをやっていた。だから誰も疑問を感じない。相撲部屋の下働きみたいなもんです。

解決方法は、ないことはないわけです。きちんとした「実験ラット育成機関」を人件費の安い国に作り、きちんと管理し、日々の作業はその国の人にやってもらう。普通の製造業がやっているのと同じです。そういう仕組みを作れば、優秀な人の人生を何年も「ネズミの世話」に費やす必要もないし、実験だってどんどんスピードアップできる。

でもそういう話はなかなか実現しない。


★★★

バイオやら遺伝子工学やらの仮説をたて、実験方法を考える部分は科学者、「サイエンティスト」の仕事です。「研究者」の仕事です。

ただし、研究を効率的に進め、短期間で高い成果を上げるには、「マネジメント」もとても重要。ところが日本では、技術分野にプロのマネジメントをいれないという伝統?が強くあります。

病院だって同じ。日本では法律により、病院長は医者である必要があります。そりゃあ病院の大半が赤字になるよね。彼らは医学のプロであって、病院経営のプロではありません。


研究組織の経営を、研究者が「見よう見まねで」やっている。彼らにとっては、研究の方が経営より優先順位が高いし、そもそも経営なんて学んだことも関心をもったこともありません

今やどんな技術系の製造業の会社でも、成功している企業には、かならず優れた経営者がいます。日産の悲劇と、ゴーン氏の役割をみればよくわかることです。トヨタの奥田さんもGEのジャックウエルチ氏も、IBMのガースナー氏も、技術者としてのキャリアはほとんどありませんよね。そういう人が「技術の会社」を成功させているわけです。


なーんで、日本の研究機関はいつまでも「研究者が見よう見まねで」経営を続けるのでしょう。多大な知性と、若者の青春と、働き盛りの研究者の時間を無駄に浪費しながら。

多くの研究者が、研究とは本来関係のない事務仕事に忙殺され、疲弊しています。それは教授になっても変わらない。上にいけば、予算を獲得するための書類作成、組織や構成員の管理業務、中間の人たちは、様々な会議の運営や事務資料の作成。若い人たちはネズミの世話・・・それがアホらしくて、この世界から出てしまう人もいます。


なんだか、もったいない話よね。

「真理を追究する」という科学者の仕事と、「生産性をあげる」という経営者の仕事は、それぞれを専門として勉強・訓練した、別の人が担当した方がいいんでないの?と。思ったりします。



また明日。

2006-03-04 都会と田舎の悩み

今日の日本経済新聞の「大機小機」(金融面の小コラム)、おもしろかったです。今日の担当は、ペンネーム「墨田川」さん。書いている内容は簡単に言うと・・・


一番出生率が低いのは大都市。でも、大都市は田舎から人が流入してくるので困っていない。

反対に、田舎は人がどんどん流出して過疎化が進んでいる。その流出を「出生率アップ」で乗り切ろうとしている、と。

つまり、少子化対策をしたいなら、「一番、子供を産まない大都市の人に子供を産ませる対策が必要」なのに、「少子化対策に熱心なのは、出生率は低くないけど、人がでていっちゃって大変な田舎」ばっかり、ということ。


これ、とてもおもしろい視点だと思った。

田舎が少子化対策をする、と。

でもそこで生まれて育った人は、教育を終えると都会に出ちゃう。

そして、結婚もせず子供も産まず東京で働き続ける。

これじゃあ、いつまでやっても問題解決できない。必要なのは、

  • 田舎 → 大人が定着する工夫
  • 都会 → 子供を産ませる工夫

です。


で、考えてみた。

都会で子供を産ませるのは大変。

最近の新聞にも載っていたけど、やっぱ晩婚化も少子化もすごい勢いで進んでる様子。

特に全国平均と東京平均はすごく違う。東京なんて、確かもう合計特殊出生率とかいうのが1を切っているんじゃなかったっけ? 初婚年齢も女性で30代のせが目の前です。大変なことになりつつある・・。


★★★


これだけ少子化対策が言われているのに、都会で有効な手だてはなかなか打たれない。

無認可保育所とか、膨大な待機児童数とかがよく問題になります。

「少子化を止めたいなら、保育所くらい作れよ!」と思いますよね。

でも、それが難しい。理由は、コストが高いことと、長期見通しのため。


幼稚園作るにも保育園作るにも、都会ではコストが膨大。だってまずは土地・建物が必要ですからね。

アパートの家賃なら「東京は地方の倍」でもいいけど、保育料が倍ってわけにはいかないでしょう。

それに田舎なら「児童手当一万円/月」はそれなりに役にたつかもしれないが、東京で1万円もらって、広い部屋に住めるか、っつーと・・・つらいところです。


加えて、長期的展望。この国では、長期的には「子供は絶対減る!」ことが確実なわけです。

それなのに、今の時点で足りないからといって、保育所や学校をガンガン作るわけにはいかない。縮小市場に大規模な投資はできない。

今からレコード針の会社に投資しよう!という人がいないのと同じです。


東京のリバーサイドに高層マンションがすごい勢いで建っています。購入者の多くが小さな子供を持つ家庭。

で、校区の小学校が満杯状態。でも、行政は小学校を増やしたくない。

教員という公務員をやとって、学校という建物を建設して・・・どう考えても元がとれない。10年もしたら、今満杯の学校はガラガラになる、と、皆わかっているから。


★★★


この辺りがなかなか難しい。

これからの有望市場は明らかに「シニア市場」。どの企業もこのマーケットを狙うし、行政もここに注力しようとする。

政治家だって、(もしも投票率に世代間の差がなくても)数=票の多いシニアに配慮を傾ける。

でも、必要な対策は少子化対策。でもさ、一般的に言えば・・・老人は子供生まないあるよ・・・む〜。難しいね。


反対に回れば、実はすべてうまくいく。

若い人が田舎に住むようになれば、安いコストで少子化対策ができる。

子供が増えて田舎に定着すれば、少子化だけじゃなく過疎化問題や都会の環境改善もできる。一石四鳥くらいです。


でも、超非現実的、に思えます、かね? よね? かな?


で、ちょっと思った。

少子化対策だって、超非現実的。


少々児童手当もらったって、今の東京で「おっし、子供生むぞ」とか思う人はどれくらいいるわけ??

どうせ、どっちも非現実的なら、別のアプローチも試してみればいいんでないの?って。


★★★


道州制については、またそのうち書きますが、これはやっぱりかなり大事な政策だと思います。

中央集権、それに伴う都会偏重&集中が、限界に来ているということ。

それは、先進国に追いつけ追い越せの富国興業政策に適したモデルなんだよね。

まあ、そろそろ、全然ちゃうモデル、ちゃう考え方、がでてくるとおもしろいかな、と。



んではまた〜



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2006-03-02 死蔵切手とプリペイドカード

私が郵便局も NTT も JR も嫌いな理由の一つは、「金儲けのために、ユーザーの利益に全くならない金券を発行しまくる」からです。

JRのオレンジカード、NTTのテレホンカード、そして極めつけが郵便切手。これらはどれも「死蔵されること」が非常においしいカードです。


どのカードも、使いにくければ使いにくいほど発行元企業は儲かります。

だから発行部数の少ないデザインを作ってプレミアム感を高め、使われにくくしたり、

結婚記念写真や孫の写真をカードにするサービスを提供して、使われにくくしたり、

「切手はシートごと保存すると価値が上がる」などという噂を流布して、使われにくくするなど、

各社「使わせない」工夫に必死です。


実際これらのカードが何枚も“死蔵”されている家はごまんとあるはず。おじいちゃん、おばあちゃんのおうちの引き出しに、忘れられた切手が山ほどあったりしませんか?


この「公共3兄弟」の真似をしたのが、英会話スクールとエステショップ。

いずれも 50回券などの大量チケットを一括売りしたあげく、予約を取りにくくしたり、やる気をなくさせるなど様々な方法を駆使して、

「 15回くらい通ったところで止めてしまい、残りの受講券は後は死蔵してくれますように!」と願います。


というか、最初から全部は使われないことを前提に仕入れをする。

NOVA の教室スペースも外人講師も、売ったチケットが全部使われたら足りない数しか用意されてないのでは? 最初から“その日は予約いっぱいです〜”とか言うつもりなんだから。


でもね。英会話ショップやエステショップはまあいいです。だって民間だから。

彼らには、一円も税金は投入されていないし、競合もある。あまりに予約が取りにくければ客が競合に流れます。

でも、事実上の独占企業であり、有形無形の税金補助を受けている公的事業体が、そーゆーあくどい商売をやっていいの? と思います。


だからちきりんは、JR も NTT も郵便局も(ついでに NHK も)好きじゃない。年賀状も出す気がしないし、電話もできる限り他の会社を使う( DoCoMo も使わない)。


NTT から請求書がくるといつも思う。

未だに封筒に上質紙に印刷された請求書が届く・・・・他の通信キャリアから届く請求書は、はがき方式(剥がすと4面くらいになるモノ)ばかりなのに。

NTTが、如何にコスト意識のない会社か、よくわかる。まだまだ無駄なコストだらけなんだよね。

そしてそのコスト分は、ユーザーに請求される電話代に上乗せされている。なんで、あんなきれいな紙に印刷し、わざわざ封筒で、請求書を送ってくるの?


理由は、そういう封筒や紙を納めている会社に、NTTや郵政省(今は総務省)の役人が天下っているからですよね。


★★★


郵便局も「いったいいくらの切手が死蔵されているか」の開示さえしない。アメリカでさえ、数千億円の死蔵切手があるといわれてる。(←ちゃんと開示されてる)

日本は世界有数の「記念切手発行国」です。先進国としてはダントツに多い。

たぶんアメリカの倍の額ではきかない。少なくとも 5000億円、へたしたら兆の額の死蔵切手があると見られている。


切手は「郵便を運ぶことの対価」です。

一方、死蔵切手とは、対価を伴わない収入です。お金をとってサービスを提供していない、ということ。それをまるで「ユーザーがそれを望んでいる」かのように、仕向けてる。


もしもこれが民間事業で、どこの会社でも切手を発売できたら、郵便局の切手だけがコレクション対象になることはありえないんです。

「郵政公社しか発行できない」という独占保証があるから記念切手ビジネスは成り立ってる。独占的地位というのは、こんなことのために与えられているわけ??


しかも、郵便局は非常にえげつない「記念切手営業」をやってる。

田舎の高齢者に「○○さんのために、この記念切手“お取り置き”しておきましたよ」とか言って、売ってる。今年からはきっと“この投資信託、○○様のためにお取り置きしておきましたよ〜”とか言うに違いない。


やめなさないってば。


「もっと重要な」問題もあります。

切手に収入印紙・・・郵便局は「事実上、お金を印刷する権限を持っている」んです。

けれども、そこに適用されてる規律も監督も、ホントのお金を印刷している場所より圧倒的に緩い。


お札の印刷局は文字通り「お札を印刷できる」けれど、勝手にそんなことができるわけではない。でもね、郵便局が「今年、いくらの切手を印刷するか」って、誰かきちんと管理してるの?


切手は金券ショップに持ち込めば、すぐに現金化できます。郵便局は、合法的な錬金術を保有しているとも言えるんです。

特に収入印紙は高額額面だし、小さいから「 1000万円分」くらい、持ち出すのもすごく簡単。


銀行だったら「 100万円が課長のデスクの引き出しに入ってる」なんてことはありえない。

ところが郵便局では、いつでも現金化できる切手も収入印紙も、その辺の引き出しからホイッっと取り出されてる。


こんな管理体制で、よく問題が起こらないよね? 

てか、起こってるけど、わかってないだけでは??


こういう特権がなくなるだけでも、企業会計が適用される民営化には絶対反対! したい人たちがいるんだろうなと思います。


★★★

今までNTTは2種類のプリペイドカードを発行していたけど、ICカードの方は発行を中止しました。

ICカードが使える電話機も撤去する予定とのこと。ICカードシステムの開発のために投資された資金は全部無駄になる。

それらのコストも、未だに大半の人がNTTに払わざるを得ない「電話の基本料金」に上乗せされてる。

こういうシステムの値段は巨額だから、その設計を受注したシステム会社は、よろこんでNTTや郵政省の使えない中高年社員を高額給与で受け入れてくれてるんでしょう。


★★★


私は仕事に必要だったため、すごく早くに携帯電話を使い始めました。

全国津々浦々へ出張をする仕事だったから、当時は DoCoMo 以外のチョイスはなかった。DoCoMo と他社のカバー範囲が全然違っていたから。

でもね、DoCoMo が他社より圧倒的に早く全国をカバーできたのは、国民の税金で作られた全国の電話局がアンテナをたてる場所を提供・サーチしたからでしょ。

新規参入の会社はいちいち全国の市町村まで出張して、アンテナをたてる場所を探しまくらねばならなかった。ものすごい不利だったわけです。


でも・・・全国の電話基地局はもともと税金で作られたはず。それで他社より有利になって、だから DoCoMo だけ高い価格を設定します、ってのはおかしいじゃん。国民に還元すべきじゃん。と思う。

当時はそれしか選択肢がなかったから DoCoMo を使っていたけど、もう一生使わない。年賀状もださない。JRに乗らざるを得ないのだけが、残念なところです。


私はほんとに“公的な会社”が嫌い。

独占企業が多く、客に他にチョイスのないことを利用して、「それはないんじゃないの?」みたいなことを平気でやってるのがとても腹立たしい。


みなさん、家の引き出しの奥深くに眠っている各種プリペイドカードや切手を使いましょう!!


くだらないものを集めるのはやめましょう。


記念切手をよくよく見てみてほしい。それは単なる「紙に模様が印刷されたもの」にすぎません。そんなもの集めて何の意味がある??

今なら同じものはいくらでもパソコンで作成できます。パソコンで作ったものに価値がないのは、それには「公的な郵便制度のお墨付きがないから」です。

お金の対価は「デザインや記念性」ではなく、「郵便局しか発行できない」という特権に対して払われているってこと。


ちきりんに言わせれば、記念切手を買い、使わず保存するという行為は、「公的な郵便制度への寄付行為」と同義です。

「税金を多めに払っていただければ、小さな紙にパソコンで模様を印刷して差し上げます」と言われているようなものです。


まったくもって腹立たしい。


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また明日



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