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Chikirinの日記 RSSフィード

2007-04-27 エコで餓死

バイオ燃料だかバイオマス・エナジーだかが流行りそうな感じだね。テレビでやっていた。「食料からエネルギーができる」って。エコに敏感な人が好きそうな話だ。んだけど・・・なんだか、ちょっと、わけがわからないと感じるちきりんです。


日本は少子化とか言っているが、世界的には人口問題と言えば「人口過多」。人が多すぎで困る、というのが地球規模で起こっていることで、少子化とか言っているのは、贅沢な先進国だけ。

人が増えすぎることにより、ふたつのものが足りなくなるだろうと言われてる。それは「食べ物とエネルギー」。”グローバルには”「人口問題と言えば、食糧問題、エネルギー問題」のはず。

なんで、ふたつのものが足りないのに、そのうちのひとつ(=食料)から、もうひとつの足りないもの(=エネルギー)を補おうなどという話になるのか?

普通は有り余っているもの、たとえば太陽光とか、空気=風とか、そういうものからエネルギーを生み出そうって話になるはず。そうでなくて、足りないもの2つの中で「変換しよう」みたいな話になるのはなぜ?


理由は簡単。

地球規模ではエネルギーと食料のいずれも足りないのだが、先進国でたりないのはエネルギーだけだから。先進国では食料は「文字通り」「捨てるほどある」。日本始め多くの先進国は半分近い食料を廃棄してるんだから。

でも、中東と戦争するアメリカはもちろん、エネルギーの方は、捨てるどころか、どこも「備蓄」が必要だと考えるくらい「入手への不安感」がある。OPECもあるし、最近は価格も高騰しているし。

だから、「食料でエネルギーを!」みたいな発想になるんだろうと思う。

バイオ燃料の原材料として、トウモロコシとか砂糖とか言われているのだが、既に、このトウモロコシが値上がりを始めていて、その粉を主食としている南米で、貧困層の食糧入手に悪影響がでてる。

日本で置き換えればこういう感じ。戦争中の、銀シャリなんて全然手に入らない時代に、日本人が芋の蔓くってる時代に、アメリカだか欧州だかで「石油がたりんから、お米でクーラーを回そう!」ってな話になっていると、そういう感じ。

勘弁してくれよ!

って思う人がいると思うんだけどね。

貧乏人の食料をとりあげて、食器洗い機だの空気清浄機だのを動かすエネルギーを得る必要がどこにある?


って思います。



エコで飢餓なんて洒落にもならない。

★★★

同じような、変な話。

介護ヘルパーにフィリピン人が入り始める。そのうちフィリピン人ばかりになると思う。インドの病院は欧米の患者を集め始めている。入院費を始め治療費が4分の1ですむと。欧米の多くの会社が、電話でのセールスや請求業務をインドやフィリピンに任せ始めている。コールセンターを自国につくるより10分のいちくらいのコストで運営できる。事務処理部門をこういう国に移す企業も多い。


これらのおかげで、先進国の企業は利益が出るし、先進国の老人は、お金持ち以外でも介護がしてもらえる。


こういうのって、「常に貧乏な国が存在する」ということを前提とした経済システムなんだよね・・。比較優位とはちょっと違うでしょ、って思う。

これらの国が一生豊かにならないわけではない。



しかし大丈夫!!!

だって、貧しい国は他にもたくさんあるんだから!



これらの国が豊かになったら、そっちに下働きさせればいいのさ、ってこと。日本がそうなり、韓国がそうなり、中国がそうなったように、下働きをしていた国がいつしか人を使うようになる。

だけど大丈夫。貧しい国は無限にあり、絶対なくならないのだから!!

という考え方なんだよね、これ。



どうですかね。


★★★

なんだかね。って思うだす。

バイオ燃料でエコなんて、ちきりん的には、すんごい“のーてんき”なことに聞こえます。自分が食べないからって、他人の主食を油にしちゃうようなことしてていーんだろうか。


ねえ。

2007-04-26 挺身隊

相変わらず韓国ドラマにはまってます。「ソウル1945」というドラマ、1935年くらいから1960年くらいまでの朝鮮半島を舞台にしたドラマで、恋愛ドラマでもありますが、それ以上に歴史物語です。“朝鮮の人からみたあの時代”がビビッドにわかっておもしろい。

日本の敗戦が色濃くなったあたりで、親日派だった韓国の人(名前は日本式にして、奥さんにも着物を着せたりしている人)もいろいろ裏で動きはじめたり。


日本の敗戦が濃くなる中、「挺身隊」というのが募集される。工場とか学校とかで「挺身隊にいく愛国心の強い婦女子」を募集する。

男性は兵隊さんにいく。だから、挺身隊は残っている婦女子が募集される。

「挺身隊でお国のために尽くせば、お腹一杯のご飯が食べられる」とか、

「挺身隊で兵隊さんの身の回りの世話をして、愛国心を示そう!そしたら、あなたの家族も街の英雄!」みたいなプロパガンダが行われる。

ちなみに「お国」とは日本のことです。占領も長いから、朝鮮半島の人も「日本」のことを「お国」と呼んだりしている。史実として正確なのかどうかしりませんが、「優秀なら朝鮮人でも東京帝国大学に行ける!」とか言ってます。

というわけで、貧しい家の女工さんや子供の多い家の女の子には「挺身隊に行こうかな、応募しようかな」と考える人がでてくる。

よくわからない親も「そのほうが貧乏なうちにいるより、お腹一杯食べられていいんじゃないか」とか「この子のためなんじゃないか」、「我が家から挺身隊が出れば、肩身も狭くないし」みたいな感じだったりする。


この挺身隊、若い子なら15歳くらいから応募するし、40歳くらいでも応募する。40歳くらいの人は多分予想通りの仕事をする。兵隊さんの身の回りのお世話。洗濯とか掃除、炊飯。ケガの手当とかもするかも。


もし18歳だったら、何をする?


なるほどね。


他にもいろいろ勉強になります。玉音放送の日の様子も、日本のドラマだと、もんぺの人たちが庭に直立してラジオを聞く、すごくワンパターンな映像が多いでしょ。外地で、親日派の人や朝鮮の人が、どうそれを聞いたかとか、ドラマとはいえ映像で見られるのはおもしろい。


日本が負けた直後、朝鮮総督府は最初は朝鮮人に行政権を渡す。んだけど、すぐに東京のマッカーサーから指令がくる。アメリカ軍がそちらに着くまで行政権を(日本軍が)維持しているように、と。つまり、「日本軍が持っている朝鮮半島での権益は朝鮮人ではなくアメリカ人に渡せ」と、そういう指令が終戦後にすぐにくるわけです。

既に北の方ではソ連軍が「解放軍」として入城を始めてる。半島の未来を暗示する場面。街では、まだ朝鮮人が解放された!、日本からの独立だ!と狂喜乱舞している時に、既に“次に何が起こるか”が暗示される。


場面設定など、時代考証がきちんとされてるのかどーかはわからんと思いつつ見てますが、少なくとも日本側ではなくあちら側の視点で作られたドラマなので、その点ではとても貴重。

ちなみにドラマの中で玉音放送が流れ、ハングルの字幕がついてるんだけど、音声は昭和天皇のあの声です。本物を使ってるです。


おもしろい。


じゃね。

2007-04-24 掃除機の選び方講座

掃除機買ってきたよ。いろいろ勉強したあげく、ちきりんはどんな掃除機を買ったでしょう?


掃除機に関する勉強の結果、商品を分ける特徴は下記の8点だとわかった。(掃除機選びも大変ですね。)

(1)コード式か充電式か?

(2)サイクロンか紙パックか

(3)音が小さいか?

(4)排気がきれいか?

(5)お手入れが楽か?

(6)ブラシにモーターがついてるか?

(7)大きさ、デザイン

(8)価格



(1)は、明確。6畳ワンルームか、一家に二台目の掃除機なら充電式。それ以外なら充電式はあり得ない。パワーなさ過ぎですから。


(2)サイクロンか紙パックか。これは悩みました。現場でもさんざん試用してみて、家でネットで調べて消費者テストレポート読んで。

結論として・・サイクロンはやめました。サイクロンである必要がわからなかったです。紙パックはゴミが増えると吸引力が落ちるというが、紙パックを取り替えればすぐに吸引力は元に戻ります。

紙パックなんて純製品でも一枚200円です。コピーなら一枚50円です。高いサイクロンを買わなくても、紙パック取り替えればよいだけ、に思えました。


(3)音が小さいか?

これは大事。ちきりんはマンション住まいだし、必ずしも真昼に掃除できない場合もあります。一軒家に住む専業主婦の方とは違うので、音は極力小さいほうがいい。この点でもダイソンは却下です。ダイソンやミーレなど海外商品はそもそも消音設計をしていないので、ひどいでかい音です。

日本のではシャープの高級品が「すごい静か!」でした。でも総じて日本製は音が静か、もしくは、そういう“モード”がついてます。


(4)排気がきれいか?

花粉症持ちのちきりん。窓を閉めたまま掃除機がかけられるといわれるダイソン始め、排気のきれいさをウリにしている製品は心引かれました。しかし、紙パックのものでも「排気がきれい」とうたうものは8万円近い。ダイソンもそういう値段。

うーん。


やめました。花粉症の季節はせいぜい2ヶ月。その間はクイックルワイパーで掃除して、掃除機は最低回数しか使わない。それで十分です。

それに、「安いモノ」=排気がきれいとうたってはいない商品でも、昨日まで使ってた14年前の掃除機よりはかなりマシだと思う。


(5)お手入れが楽か?

紙パックとダイソンは楽。日本メーカーのサイクロンは手入れが大変すぎです。シャープの掃除機の取扱説明書(“とりせつ”)をメーカーのHPで見てみました。お手入れ方法を読んでると、「あたしにエンジニアになれって言ってます?」と思いました。

なんで消費者が、機械を分解掃除しなくちゃいけないのよ!?

んなもん、売るなよ。

って感じでした。というわけで日本メーカーのサイクロン式は却下。


(6)ブラシにモーターがついてるか?

四輪駆動かどうか、みたいな話です。たしかにブラシにモーターが着いていると、絨毯もきれいになる。でもフローリングだけならなくてもいいかも。

ただ、ブラシの作りによって「壁キワ」のゴミの取れ方がかなり違うことに、今回店頭で試用してて気が付きました。キワにゴミの残る機種がたくさんある。ブラシは案外大事です。


(7)大きさ、デザイン

ダイソン、ミーレなど外国ものはでかすぎ。重すぎ。ただし、素敵なデザインです。日本メーカーの高級機種もでかい。紙パック普及品は、おしゃれではないがデザインがこなれていてまあまあOKです。


(8)価格

4つに別れるんです。価格帯が。

・7〜9万円・・・サイクロンの大半と紙パックの最高級品

・4〜6万円・・・サイクロンの格安品と紙パックの高級品

・2〜3万円・・・紙パックの普及品

・1万円未満・・・アジアメーカー品、紙パック格安品

掃除機に7万円以上ってのは・・・ちょっと出す気になれなかった。昨日、あんな計算した後だけに・・

★★★

実際のちきりんの意思決定プロセスは下記の通り。


「ダイソンは音がでかすぎ」→却下

「日本メーカーのサイクロンは、メカ的掃除が必要。」→ヤダ→却下

これでサイクロンは消えました。



次に紙パック掃除機を見ながら・・・「掃除機に7万円もだしたくない」かつ「1万円未満のモノも不安」という感覚的な価格判断により、2〜6万円のモノに限定。


機能をみて、キワのゴミが残らない、ブラシのモーターを入切できる、デザインと価格がそこそこ、音がまあまあ、一応排気も気を遣ってるなどを総合的に考え、松下、シャープ、三洋、東芝製品などを比べた結果・・・三洋のを買いました。・・・また三洋かい?


そうなの、こないだ三洋電機のレンジ買ったばかりだよ。


店員さんに聞きました。


ちきりん「先日もレンジ買ったの、三洋電機のなんです。三洋って商品悪くないように思うんですけど」

店員さん「そうなんです。三洋さんの商品、決して悪くないんですよ」

ちきりん「じゃあ、なんで三洋さん倒産しそうなんですか?」

店員さん「うーん、そーですねえ、ええっと、多分、戦略がよくないんだと思います。」



ほお〜。


なるほど。


というわけで、2万9千円でサンヨーの掃除機買いました。家でちょっと使ってみたけど、なかなかグーな感じです。


んじゃね。

2007-04-23 誰にやらせて誰を守る?

近くのスーパーやコンビニ、飲食店のバイト募集を見ると、時給は低くて800円、高くて1200円かな。

さて、時給1100円で一日8時間、朝9時〜6時半まで働くとしましょう。昼休み1時間と休憩30分を含み、9時間半の拘束。バイト先まで30分かかるとすれば、日々の拘束時間は8時半から19時までの合計10時間半となる。

これで1100円×8=8800円。月に21日(土日祝日分で、月9日お休み)働くと、18万4800円。年収だと221万7600円。もし時給が900円だと年収は181万円ちょい。

なんの税金も社会保障も引かれないと仮定すると、上記が手取り。実際には全く何も引かれないってことはなさそうだけど。

★★★

東京だとしましょう。都心まで住宅地で駅から徒歩圏、家賃、管理費込み8万円でお風呂付きかな。(30分で仕事場に行ける、という前提だから、素敵なマンションではありません。ただし通勤時間を1時間にすれば6万円で探せそう)

光熱費は、電気、水道、ガスで合計5千円くらい。電話は携帯だけで月に4千円。ブロードバンドでネットを利用すると加えて3千円。計1万2千円。

食費は一日千円としましょう。ランチはバイト先近くのファーストフード店で500円以内ね。朝のパンと牛乳が200円。夕食は300円で適当に自炊。贅沢をしなければ材料費なら300円でもなんとかなるかなという仮定。

毎日一本だけ発泡酒を飲む。120円。他の酒、煙草はなし。

ここまでの食費の月額が、34720円。

生活雑貨(トイレットペーパーやシャンプーや洗剤などなど)が月5000円としましょう。

地下鉄とバスを使うので、一日250円×往復の500円で、25日分として、12500円。家に洗濯機がないので、週に一度コインランドリーで洗濯と乾燥。一回に400円かかるので月1200円。

月に“一度だけ”友達と飲みにいき、超安い居酒屋で3千円。

月に“一度だけ”DVDを借りてきて映画を観る。300円。

月に“一冊だけ”漫画雑誌を買う。300円。

ここまでで、月14万9020円×12ヶ月=178万8240円。

★★★

健康保険は地域によるけど3千円くらいだとして年3万6千円。

年金は月に1万4千円だっけ。年16万8千円。あわせて20万4千円。

これを加えると、年199万2240円。

★★★

・年に1万円だけ、洋服を買う=ユニクロだとGパンとTシャツとシャツくらい買えるかな。翌年は、靴下、下着と、トレーナーを買うという感じか。

・3ヶ月に一度、1500円の散髪に行く=6千円。

・年に一度だけ、風邪をひいたりケガをして薬を買う=2千円。

ここまでで生活費合計=201万円。

時給1100円だと、年収221万7600円なので残金が21万円。時給900円だと181万円なので、20万円の赤字です。その間に「最低限の生活に必要な時給」があるってことね。

★★★

上記には突発的な支出は何も加えていない。PCや家電や家具を買ったり、帰省を含めて旅行をしたり、友達の結婚式も送別会にも行っていないという前提だ。

もっと重要な前提は、病気もせず毎日きちんと働いているということ。有給休暇もGWもお盆や正月休みもカウントせず、毎月21日間コンスタントに働いており、かつ、“仕事がある”=一日も仕事にあぶれていない、という前提です。

一日の拘束時間は10時間半ですが、これも片道30分で職場にたどり着くという、かなり甘い前提のもとでこの拘束時間です。

当然一人暮らしで、子供であれ親であれ誰かを養うのは無理そう。賃貸に住んでいるが、2年に一度の“更新料”として家賃分が必要。この1年4万円分は、何かを切りつめて(何を??)捻出しなければならない。

娯楽も最低限だ。月に一度DVDを借りてくる。月に一冊マンガを買う。月に一度だけ飲みに行く。毎日発泡酒をあける、だけ。世の中で話題の娯楽施設に行くこともないし、話題のお店でご飯を食べたり、ということもない。

★★★

たとえば更新料が払えずに家をでると、ネットカフェに寝泊まりすることになる。一日千円で泊まれるとしたら月に3万千円でいい。家賃や光熱費、雑貨費等の分6万円ほどが浮く。これは大きい。

しかしタマにサウナにいったり、横になりたくて月に2度ほどカプセルホテルに泊まれば、また、夕食の自炊ができなくなることを考えると、差し引きで月4万円くらいの余裕しかできないだろう。

“リクライニングの椅子で寝ることと引き替えに、4万円手に入る”ってことです。

効率的なのは「ルームシェア」だ。同じような時給で働いている外国人の大半は一人で住まずルームシェアしてる。日本人同士だとなぜだか少ないみたい。なんでだろ?実際には寝に帰るだけなのだから、部屋は共有すればいい。そうしたら「横になって寝ることができて」4万円くらい浮くだろう。

もし一度ネットカフェ暮らしになったとしよう。東京の場合でもアパートを借りるのに家賃の3倍は必要だろう。24万円。関西など別のシステムのエリアではもっと必要かも。

★★★

今日はちきりんは何を書いているのかって?

ちょっとビビッドに理解したかっただけよ。フリーターで生きるってどういうことか。こんな時給ではやっていけない。細かく計算するとよくわかる。

今日生きるのがせいいっぱいであり、なんの“のりしろ”もない生活だ。緊急への備えも、将来への投資や貯蓄も、結婚したり子供を持つなど人生を築いていくための経費もない生活、だ。

★★★

アメリカは負け組にこれらの仕事、こういう生活をやらせ、勝ち組が守られる。欧州先進国の場合は、移民にこれらの仕事・生活をやらせ、自国民を守っている。日本は若者にこれらの仕事・生活をやらせるという選択をし、中高年を守った。


なくせないよ。こういう仕事も、こういう生活をする人も。


誰にやらせて、誰を守るのか、という選択なのだ。



ちなみに、どの国も「反対方向の社会保障制度」を持っている。アメリカは金持ちが貧困層に寄付をする。欧州では宗教やNPOに参加する余裕のある人たちが移民の子供達を支援し、日本では若者に守ってもらった中高年が、自分の子供を家に同居させて救う。




ふうん。


じゃね。




[rakuten:bookfan:10548598:detail]

2007-04-22 ダイソンの功績

掃除機が壊れた。家電の壊れる時期のちきりん家です。

まだ動くんだけどね。スイッチのある手元のプラスチック部分が割れ、スイッチを入り切りするたびにその割れ目をパチンとあわせないといけない。

ちきりんは花粉症なんで、できれば排気がきれいであの時期に窓を開けずに掃除機がかけられるようなのにしたいな、と前々から思っていたので、現在買い換えを検討中です。


家電ってのは過去10年くらいですんごい変わりましたね。何が変わったって、まずは「日本企業が生き残る」ということが決まった。(決まった??)

皆さんよくご存じのように、戦後の高度成長の中で、日本の家電メーカーは世界を席巻し、アメリカなどの家電メーカーは軒並み「消失」しました。GEとかフィリップスとか、ごく一部の大企業を除いて、消えちゃった。

その後、“同じコト”、いや、“同じように見えたこと”が起こった。日本のメーカーも、プラザ合意以降の急激な円高の中で「韓国・中国メーカーに負けて、日本家電メーカーは無くなってしまうだろう」と言われ始めたのだ。

日本メーカーが欧米メーカーを駆逐してしまったように、日本メーカーも新しいプレーヤー達に駆逐されてしまう、と多くの人が考えた時期があった。

ちきりんも(ほんとに恥ずかしいのだが)短絡的にも「そうなるかも」と思っていました。ところが、全然違う動きが起こった。

「技術革新をおこし、お客が驚くような新製品を出せば、マーケットが変わる」というマーケティングの教科書が新しいチャプターを加えなければならないような「きれいな」事象が起こったわけです。

というわけで、今でも日本の家電市場では、日本メーカーのものしか売れないくらいの状況で、液晶やプラズマのテレビ、乾燥も一体型のドラム型の洗濯機、フロンのでない消費電力の超低い冷蔵庫、10年もフィルター掃除不要のエアコンなどが現れたわけです。

★★★

一方で、家電は「ものすごい複雑になった」と思います。これは上記の「きれいな現象」の副作用だと思う。

昔は掃除機買うなんて簡単だった。ところが今は、“たかが”掃除機を買うのに、パソコンを買う時と同じように、ネットやらなんやらで各商品を比較し、自分のニーズと商品の機能をマッチングさせ、などの比較検討が必要になってしまった。

今、大きな量販店にいって「掃除機ください」なんて言っても話が通じません。質問攻めにあい、自分のニーズを超クリアにしてはじめて「じゃあ、このカテゴリーですね」と言われ、そこからまだ6個も7個もの商品の比較をしなくちゃいけない。

難しすぎるって!!

しかもこんなデータまである(下記)。ネットのおかげで「どうしよう?」と思う消費者は「掃除機を買うために勉強が必要」という「なんやねん?」の状況に追い込まれた。

(国民生活センターの比較レポート)

http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20060406_1g.pdf

★★★

話をもどそう。上に「技術革新でヘゲモニーを取り戻した日本家電メーカー」という話を書いたが、「やっぱりすごいね、日本企業!」ということでもない一面がある。彼らはそれに「独自に」気が付いたわけではない。

ちきりんが理解するに「高い家電が売れる」ということを証明したのは、日本メーカーではなく、ダイソンだ。日本メーカーは、ダイソンの掃除機に大衝撃を受けたのだ。「なんで8万円の掃除機が売れるんだ?」と。

今でこそ各社のサイクロン掃除機は5万とかしますが、ダイソンがでてくるまでは全部2万円以下だった。しかも、各メーカーはコスト削減、価格低減のために日夜血のにじむ努力を重ねてた。そこに8万円の掃除機が現れ・・・売れまくった。

欧州の家電で、高いのはこれまでもあった。しかしそれらは「デザインが素敵」という路線だった。家電にもデザインを求めるセグメントは一定数ある。

しかし、日本メーカーはこの方向には動かない。当然だ。彼らは「デザイン力」で勝とうという会社ではない。それは欧州メーカーに任せておけばよい。「あれは違う市場」と位置づけた。

だが、ダイソンは違った。「機能で高く」の路線だった。「技術で」だった。これは日本メーカーショックを受けた。「それは日本企業がやるべきことのはずやんか!」と。

そして、掃除機だけでなく、すべての家電の「高機能化」が始まった。ダイソンは掃除機市場を変えただけではない。この掃除機の出現を通して、松下もシャープも東芝も気が付いた。「高くても機能が圧倒的であれば、日本の消費者が選ぶようになっている。」と。

そこからなのだ。クーラーも洗濯機も、すべての家電が高機能化し始めたのは。

ダイソンさん、ありがと〜、って感じだろう。韓国・中国メーカーに押されて「消失するはずだった」メーカーの多くが生き残る活路を見いだした。



今、日本の家電メーカーがあるのはダイソンのおかげ、くらいの感じだと思います。いや、まじで。

こうも言える。韓国や中国の家電メーカーは、ダイソンのせいで世界の家電市場のトップに君臨する夢を打ち砕かれた。半導体でサムソン電子が成功したのとは対照的だ。最後の勝負は自動車市場だろう。(話ずれすぎ・・)

それくらいダイソンのクリーナーはインパクトがあった。まさに「サイクロン」だ。

★★★

再度、話を変えよう。ちきりんは欧米でホテルに泊まることが多い。一日中部屋にこもって仕事をしている。お掃除の人がやってきて、ちきりんが部屋にいる間に掃除するのだが、最後に「掃除機をかけますか?」と聞いてくる。

掃除機をかけると音やほこりがでる。だから許可を求めるわけ。その時の英語が、米英で異なる。

「今、掃除機かけていいですか?」って皆さん、なんて訳しますか?



米国だとたいていが「Can I “バキューム”now ?」と言われます。バキュームってのは吸い込むってこと。掃除機はバキュームクリーナーだから、まあこれは普通。

しかし、イギリスだと「Can I “フーバー”now ?」です。フーバーってご存じでしょうか。もともとアメリカの家電メーカーだと思うのですが、イギリスではフーバーと言えば掃除機、掃除機と言えばフーバーというくらいになった有名掃除機です。

まんまるい掃除機で、下が黒、上が赤、その赤の部分に大きなおめめのついたかわいい掃除機が人気。あと縦型の、ゴミパックがタコのように拡がる形のもあります。

日本のwikiには乗ってなかったけど、英語のwikiには載ってました。

In Britain Hoover has become so associated with vacuum cleaners as to become a genericized trademark. The word "hoover" (without initial capitalization) often is used as a generic term for "vacuum cleaner". Hoover is often used as a verb, as well, as in "I've just hoovered the carpet".

http://en.wikipedia.org/wiki/Vacuum_cleaner


でも、いまやイギリスの掃除機と言えば、ダイソン!

なんだけど、ちきりんが「Can I “ダイソン” now?」と聞かれる日はないと思う。多分22世紀になんないと無理だと思う。


あとね、日本のメーカーはあれこれ作ってるから「Can I ナショナル now ?」ってのも、ないよな〜と思った。一種類しか造らないメーカーじゃないとこういう言い方をしてもらえないのよね。

ふーむ、ホント余談だわ。



ええっと・・ほんとは、どんな掃除機を買うか検討中で、それについて書きたかったのですが、長くなったのでもうやめます。


じゃ!

2007-04-20 社会が悪いのだ。オレじゃなくて。

池袋での無差別殺人事件の犯人にたいする死刑判決が確定しました。あの事件、覚えています。1999年だから8年前ですね。犯人は今31歳だから当時は23歳だったのでしょう。

事件を覚えている理由は、当時、彼の23年間の人生について報道されているのを読み、「ああ、こういうの、ボタンを掛け違えてこういうことが重なると、こうなっちゃう気持ちもわからなくもないかも」と思ったからです。

彼は岡山県の倉敷市で高校に通い、大学進学も目指していました。ところが、両親がギャンブルにはまって借金で首が回らなくなり、夜逃げしてしまいます。彼はアルバイトで通学を続けますが、ほどなくして高校を中退。その後は身寄りもない場所で仕事を転々とし始めます。事件当時は東京に出てきて、住み込みで新聞配達をしていました。

そして、何もすることがない休日に、同僚といざこざがあり、携帯電話に悪戯電話があって、ブチ切れ、池袋の繁華街で購入した包丁を振り回し、2人を殺し、6人にケガをさせました。


★★★


犯行の数年前から被害妄想がひどくなっており、自分はこんなに努力しているのに認められない、世の中の人は努力せず楽に生きている、などと繰り返し訴えています。外務省などに、やや意味不明な手紙を出したりもしていたようです。

世の中への不満で犯行に及んだとも言えるし、やや精神不安定、もしくは精神障害があった可能性も窺わせます。


ちきりんは、自分とこの人が「すごい違う人」という感じがしなくて、印象深く、この事件をビビッドに覚えています。自分だって、こういう環境におかれたら・・・とも思えたんです。もしも自分が同じ環境におかれたら?と考えた時、少なくても「なんでこんなことするの?」という疑問はもてませんでした。

高校二年生の、まだ親に庇護され、親に反発しつつも甘えながら、ごく普通の友達関係の中で、何の迷いもなくすごしている高校時代。

この後も大学に通って楽しくすごすのだと、そう信じている時期に、親が自分だけを家に残して夜逃げし、その後に借金取りが押し寄せてくる毎日・・・。

もしもそういうことが我が身に起こっっていたら、どのような心持ちになるのか。私はいったいどうやって食べていっただろうか、どうやって生活していこうと考えただろうか。ちょっと想像もできないです。


いきなり働くことになったといっても、覚悟も訓練もないし、何かといえば「なんでオレだけ」と思うのは当然ですよね。

普通に就職したって文句ばかり言ってやめてしまう人がたくさんいるのに、同級生が高校に通っている時代から働き初めた彼が仕事を転々とすることになったことを、誰が責められる? 誰が「根性がない」とか「我慢できないやつだ」とか言える?

ちきりんだって、きっと、すぐに職場を逃げ出してしまうと思う。そしてそれを繰り返すうちに、世の中に無性に腹が立ってくると思う。


そんな状態で、友達や信頼できる人に巡り会えないことは、本人の責任とは言えないよね。親に捨てられた不幸な自分を知っている昔の田舎の友達には会いたくもないだろうし。

かといって、一人で出てきた東京で、どうやって友達を作るの? 余裕のない、つらい自分にたいして、守られて楽しそうにすごす人たち・・・。


新聞配達店に住み込む仲間には、同じような境遇の人もいたかもしれない。でも、諦めてしまっている人や、自分の将来を否応なく見せてくれる人生の先輩達の中に、本当に分かり合える友達候補が含まれていなかったことは、彼のせいではあり得ない。

おそらく共同部屋の二段ベッドに、やることのない休息の時間に横たわりながら、なんかのきっかけで、包丁を振り回したくなる。誰かに復讐したくなる。誰かに自分の存在を強烈に問いかけたくなる。エネルギーが溢れ余る23歳という年齢の時に、そのうっぷんをどうはらせばいいのだろう。


★★★


彼の両親は、この8年間、彼が裁判と拘置所ですごした8年間に、彼に会いに来たのかな?


こういう人たちに死刑を宣告せねばならない状態になる前に、社会ができることはないんだろうか?


彼の31年間の人生は、17歳までの田舎での子供時代と、犯行に至るまでの鬱屈した、世の中にいたぶられ世の中を恨み続けた6年間、そして刑務所の中での8年間。それが現時点での彼の人生の内訳です。

もしもここで死刑が執行されたら、この合計31年が彼の人生のすべてであり、もしも5年後に死刑が執行されるなら、彼の人生の内訳には「死刑囚としての5年間」が追加される。



これだけ?


17年間の子供時代と、世の中を恨み続けた6年間と、拘置所の8年間、そして死刑囚としての何年間か。

彼の人生がこの4つの時代だけで終了させられてしまうことを、私たちはどう思うの?


ほんとにこれで(私たちは)いいんだろうか?



豊かな社会が実現するために、ちきりんにできることはなんなのか。ちょっとずつでも、考えていきたいと思うです。


そんじゃね。

2007-04-12 “よい子ブリッ子”の野球界

野球の(裏?)契約金問題が騒ぎになってますが、「あの選手で5億円。いったい松坂は????????」って目が点になったちきりんです。

ところで、この件、ちきりんは「いーかげんルールをなくせばいいのに」って思ってます。誰も守れないルールを決めてても仕方ないでしょ。そもそも法律でもないから、破っても公的には何の処罰もないし。

FXで4億円儲けた主婦がそれを隠してたっていうけど、本当は1億円以上の税金を払う必要があったとか。契約金も同じでしょ。もし5億円もらっていたと「公表」されていたら、それだけの税金を払う必要があったはず。

変なルールがあるせいで、それしか払ってない、ということにされ、私たち「全然関係ない人」までソンしてます。本来国に入るべきお金が少なくなっている、という意味で。

★★★

このルールそもそも「破っても法的に問題ない」どころか、「ルール自体に法的な問題があるのでは?」って感じですよね。これカルテルでないですか?プロ野球というひとつの業界の「全社」が申し合わせて、とある主力原材料の購入価格を決めようとしている。こんなの他の業界だったら公取が入ると思うけどな。

そもそもこんなルールが許されていること自体が理解できないちきりんです。選手側=労働者側は、すごいソンしているはずだよね。


もうひとつ。このルールがなぜ全く守られないか、というと、資本主義経済をとる国において、明らかに無理のある=原理原則に反したルールだから、です。私たちの経済体制は、「いいものには、それなりの価格がつく」、もしくは、「価格が需給を調整する」という、例のグラフによって運営されているんですよ。

いいものが高いのは当たり前!

それなのに「統制価格を入れましょう」みたいなことされても、誰も守らないよ。「全ての人が大トロを食べられるように、大トロの値段は一貫300円までにしましょう」ってなルールを作ったら、全ての大トロは闇に流れてしまう。

当然でしょ、そりゃー、って感じだ。

★★★

野球界は「嘘」が多い。金と闇ブローカーに牛耳られた高校野球を「健全な青少年アマスポーツ」と言い切れる厚顔さには驚かされる。

契約金ルールも全く同じ構造だと思う。日本の野球界は、なんつーか、「きれいな建前」というのをやたらと重視するのだ。これね、巨人から来てると思うのよね、この文化。

「長髪・茶髪はだめ」みたいなこと言うでしょ、巨人って。「強けりゃいーじゃん」という「本質的なルール」に重きを置く、というセンスがない。ものすごく「時代遅れ」な球団だ。そして、この業界の「時代遅れさ」はそこから来てるような気がします。

★★★

いい少年野球の指導者のもとには、優秀な小学生達が全国から集まる。彼らは必ずしも裕福な家の子供ではない。その「野球留学」の費用を出す人が、将来、彼らがプロに入る時に、契約金の一部をキックバックされる。

そんなん当然では???

って思うよ。

それを否定する、隠すから、「闇ブローカー」がすんごい儲けて、税金が少なくなってる。

きちんと「あるべき姿」を表面に見せるべきだ。

優秀な選手や優秀な指導者に、多額の報酬が支払われるのは、当然だ。

当然のことを「だめだ」と言ってるから、野球界はだめなんだ。

と思います。

はい。



ではね。

2007-04-10 負けるが勝ち

さっきテレビみてたら、プロフェッショナルの流儀とかいう番組で、建築家の熊さん、イヤ違った、隅さん・・・ん〜、隈さんかもしれない、の特集やってました。(とりあえず、ここではクマさんと呼びます。)

ぼんやり見てたのだけど、キャッチに共感したのでご紹介。



「プロフェッショナルとはなんですか?」という問いが、毎回出演者に問われる。クマさんの回答は「同じコトを二回しない人」。

うん、これ共感できます。プロとはなにか?って、最近よく見るんです。書籍や雑誌で特集されることも多い。「これができなければプロではない」とか、「プロってのはこういうモンだ」とか。

でも、今日のクマさんのが一番ちきりん的にはぴったりする。


同じコトを二回しないというのは、いろんなことを意味する。

まずは「マニュアルが書けない仕事」ってことです。だって同じコトを2回はしないんだから「方法論」は一般化できないでしょ。する意味もないし。

それから「人によって答えが違う」ということでもある。Aさんがやっても、ちきりんがやっても同じ答えになるなら、意図しなくても同じコトが二回起こってしまうからね。

つまり「正解がない仕事」ということだと思う。6÷2は誰がやっても3だから“3が正解”として認識される。何度やっても同じ。だけど、やる人により、もしくは、やるたびに答えが異なれば、それは「正しい答え」ではない。「正しい答え」ではなく、「オレが選んだ答え」が大事なのがプロってことでしょう。


「効率を追わない」ということでもあるだろう。同じコトを何回も繰り返せば、「うまくできるようになる。」よね。てか、世の中の大半のことは「反復練習」なのよね。小学校の九九から始まって仕事も大半は「反復練習」です。

あなたが他の人よりその仕事をうまくできる理由は、「毎日やってるから」「何年もやってきたから」です。大半の場合ね。

なんだけど、「同じコトは一回だけ」なら、「反復してるからオレはお前より良い物ができる」ということにはならない。“それ以外の理由において”“オレの価値”を出す必要がある。


矜持も感じるよね。同じコトを二回しないという矜持。

だいたい「価値あるものには再現性がない」と思う。子育てとか結婚とか、「誰かと同じ」とか「本に書いてあるお手本通りに実行」とかないでしょ。「前と同じやり方」とか「誰かがやったやり方」でできるようなコトには、結局たいした価値がないんじゃないか、という気がする。

★★★

もうひとつ、なるほど、って感じだったのが、「負ける設計」という言葉。説明は省略しますが、これは、この人の独自のキャッチというより、ほぼすべての原則だとちきりんは思う。

「負けるが勝ち」なんです。「負けた方が絶対いい」と言ってもよいくらいだ。

「とにかく負けろ」って感じでさえある。


だいたいね、勝っていいことなんてないですよ。リアルな社会においては。


なぜなら、私が勝つということは、「私に負けて悔しいとか悲しい」人が存在しちゃうってことですからね。その人は私のことが嫌いになるし、頭に来るし、協力したくないでしょう。反対に私が負ければ「私に勝って嬉しい!」人が周囲に生まれる。「ちきりんに悪いな」って思うかもしれないし。


だいたい何で昔は負けるのがヤだったのか。子供の頃に負けるのがヤなのは、悔しいから、とか悲しいからヤなだけだったと思う。今は、そんなんどーでもいいじゃん、と思える。自分の気持ちだけの問題ってことだもの。

負けて、何かすごく実害があるとか、そういうことってほとんどないよね。寧ろ「勝ったことの実害」が大きい。



ちきりんが強く後悔しているのは、それに気が付くのが遅すぎたということだ。まあ死ぬ前に気が付いただけでも良しとしよう。


んじゃね。

2007-04-09 結婚してても“推定親子”でしょ?

「結婚中に生まれた子供は夫婦の子供である」、「離婚後 300日以内に生まれた子供は、離婚前の夫の子供とみなす」という法律が問題になっています。この法律があるために、


・長い別居生活の間に、新しいパートナーとの間に生まれた子供が、前夫の戸籍にしか入れられない。

(長い別居の理由としては、二人が合意しての別居のほか、夫が出稼ぎに行って戻らないなども含まれます。たまに戻ってくるけど、居所もわからないという場合もあるし、夫が何年たっても離婚に同意せず、離婚届が出せない、という場合もあります)


また、

・夫の家庭内暴力に耐えられず、妻が逃げ出す → 夫に居場所を知られないよう、住民票も動かせない

・その後、他のパートナーとの間に生まれた子供も、前夫との子供と見なされる。前夫に知られないようにするため、出生届けが出せず、子供が無戸籍になる


といった問題が起こっています。


★★★


これねえ。なんで今どき親子関係に関して、「推定」とか「みなし」なんていう意味不明な方法をとるのかが、そもそもわからない。

推定するのはいいけど、今や遺伝子検査で親子関係は証明できるんだから、そっちで証明されたらさっさと「推定を破棄」すべきじゃん?

そもそも「結婚している夫婦の子供は、二人の子供とみなす」ということ自体、今や「ほんと?」ってことも多いはず。


この法律ができた時代には遺伝子検査などの方法は存在しておらず、誰の子供かという「真実は誰にもわからない」から、「婚姻中に生まれた子供は夫婦の子供とみなす」方法しかなかったわけです。

だけど、今はわかるわけです。遺伝子調べりゃいーんだから。


なのに今回の改正案でも「離婚後 300日が長すぎるというなら、別居してから 300日でどうかとか、実質的な夫婦関係の破綻から○○日に変えたらどうか?」みたいな意見があって、びっくり。

「婚姻関係にあったかどうか」ということと「誰の子供か?」のふたつのセンテンスの間に、何の関係もないことは、今や中学生でも知ってるはず。

「いずれかから異議申し立てがあった場合は、遺伝子検査で父&母であると証明された人を、父&母とみなす」っていう法律にすればいーじゃん!と思うのは、ちきりんだけ??


★★★


他のケースもあります。婚姻関係がない男性と女性が性交渉を持ち、女性が妊娠しました。子供が生まれました。男性は「オレの子供ではない」といい認知もしないし、当然養育費も払わない。

こういうケースも世の中にごまんとありそうです。

この場合、男性は「この子供の父親」と、法律上は見做されません。なぜなら「ふたりは婚姻関係にないから」です。


女性側が認知を求める裁判を起こし、遺伝子関係を証明できれば、「法律的に父親と認めさせる」ことができます。しかし、男性側は遺伝子検査を受けること自体を拒否することもできます。

(ドラマとは違うので、夫の髪の毛やたばこの吸い殻をもってきて勝手に検査しても、有効な検査結果とは認められません)

そして子供の養育費を払う義務を逃れ得るのです。


変じゃない?


何年も会ってない男性でも「婚姻関係が法律上、終わっていない」という理由で、父親だと推定され、何年つきあっていても(籍を入れてないと)、相手が「オレの子じゃない」と言えば、「父親ではないだろう」と推定され、遺伝子検査さえ強制できない。


ほかにも、

今のパートナーが「オレの子だ。遺伝子検査も済んでる」と認めても、前の夫が「オレは離婚しない」と判子を押すのを拒否し(もしくは居所がわからないため)離婚が成立してない場合、生まれた子供を、今のパートナーの子供として籍に入れられない、という無茶なケースもあります。


変でしょ?


こんな理由で、無戸籍のまま生きざるを得ない子供が毎年何百人も生まれてるなんて、ほんとーに意味不明。


んじゃね。

2007-04-08 やっぱ石原さん、でしたね。

石原氏、開票開始直後の圧勝。もうちょっと接戦?と思った人も多かったのではないかな。ちきりんもここまで、とは思いませんでした。

でも、石原氏だろうな、というのは、そう思ってました。周囲の人でも「石原さん以外ないでしょ」って感じの人が多かったし。

Kabaさんが、この件について書かれているので(都知事選の結果: 2001年 夢中の旅)、ちょっくら書いてみたいと思います。別にちきりんが都民を代表できるわけではないですが、少なくとも、その一人ではあるので。


まずは「いい選択肢がなかった」です。石原氏と本気で悩む対象、他の「ありうる選択肢」がなかったです。

石原氏は「いろいろ問題はある」人ですが、決定的に「悪い」「ひどい」「許せない」わけではありません。汚職をしたわけでも、明らかに変な政策を推進したわけでもない。寧ろ、彼の様々な政策は悪くなかった。

だから、「誰でもいいから別の人にしたい」という状況ではありませんでした。


ところが浅野さんは「“石原だけはもうごめんだ”という声が多く届いている」と言ってました。もちろんそういう声もあったでしょう。でもそれは、石原氏のことを「すごく嫌いな人たち」の声だったと思います。一般都民の声ではなかった。

「石原氏をすごく嫌いな人たち」ってのは、“左な人たち”です。石原氏が中国ではなく台湾を盟友とすることが「許せない」人です。

ちきりんも、あの(石原氏の中国に対する)姿勢はどうかと思いますが、でも、別に私たちは彼に外交を任せているわけではないし、実質的に変なこと(大陸からくる中国の人にいじわるするとか)しているわけでもないし、「そういう思想の人」というだけです。

というわけで、「誰でも良いから、石原さん以外を選びたい」わけではなかったです。彼には評価できる部分もたくさんあったから、「ある程度まともな選択肢」がないと話にならなかった。

★★★

別の視点から。

ちきりんが彼の何を評価しているかと言えば、集約すれば「東京は、他地域のために我慢しろ」という思想に「NO!」と言った最初の都知事だ、ということ。

東京は便利で恵まれているのだから、高い税金を我慢し、その税金が東京の改善ではなく、地方の美術館や高速道路の整備に回されていくのは当然なのだ。都民はとことん我慢しろ。東京の人はいつまでも渋滞する首都高に700円払い、ひどい地下鉄に乗っていればいいのだ。というのが、今までの東京都と国の関係なんです。

「東京は勝ち組のいるところで、勝ち組が傲慢なことを言っている」という構図にされるから、皆大きな声では言えないけど、本心では「いい加減にしてくれ」と思っています。なんで私たちが、地方を支え続けなければならないのか・・・

彼は、「国のための東京」ではなく「東京のための東京」を明確にしてきた。これは大きかったです。浅野氏はふたつの点で不安だった。ひとつに彼は地方の知事だった。地方の知事って「東京はずるい」的な感覚が強い。

東国原知事も言ってるでしょ。「東京の増収分が我が県の年間予算と同じだ。」って。ちきりんに言わせれば「それの何が問題なの??」って感じです。なんで宮崎と東京の財政規模を比べるのか、意味不明です。

「東京はずるい」的な人はヤです。少なくとも東京のリーダーになろうとするなら、です。

二番目に、結局浅野氏は官僚です。上記の「東京は国のために」は官僚の思想でもある。国にNOという東京が必要なのに、国の手先だった人はヤダ!という気がします。

例えば現在の大阪の府知事は元官僚です。「大阪まで」って感じです。基本的に「東京からお金を引っ張ってくる必要のある、地方の知事は、国とのパイプが太い官僚出身が望ましい」のです。東京は「その必要のない、唯一の都道府県」です。


「東京のための東京」を明確にし、「東京のために国にNOを言う」という点で石原さんを高く評価しているのは、ちきりんだけではないと思います。

★★★

千葉に遠慮して成田をいつまでも「たててあげる」必要なんてないよ。羽田から国際線飛ばしましょう!

都立高校にも競争原理を持ち込むべきだ。ほんとその通り。(左の人はこういうのも嫌いです。)

オリンピックも「地方の交通網整備」のためにあるものではないです。東京は上海と競争しているのだ。

2万円を超えるホテルにホテル税を課して何が悪い?地方の知事で怒ってる人がいたけど、「だったら来るな」です。もしくは、安いところに泊まればいーじゃん。

銀行は税金払えよ!その通り。法律的には負けたけれど、今の制度の方が変だ!と思う人は沢山いる。

東京を横切るトラックからお金をとるべきだ。排ガスを規制すべきだ。ほーんと、その通り!


いくつか失敗した政策もあるけど、少なくとも彼は「いろいろ実現させた」し、思想的には一貫してる。「東京が一番有利になる政策を、採るべきだ」という考えです。「国全体のために一番いい政策を」ではなくてね。そして、東京に一番有利な考え方とは「資本主義的で実利的な政策」ということです。

★★★

一方でもちろん、彼の傲慢な、いくつかの「調子に乗りすぎた態度」(家族の登用を含む)に「頭にきた」人は沢山いた。だから、「きちんとした対抗馬」がいれば、可能性はあったと思う。

でも、いい人は誰もいなかった。「地方の知事で官僚」という、上記の視点で見れば条件的に「最悪」って感じの浅野さん、老後の暇つぶしのために立候補している黒川さん、「東京ではなく、足立区のために都政を!」と言っていた吉田さん。

また、上記以外の候補者の方々は、まずはもうちょっと知名度をあげないと。仮にも東京のリーダーになりたいなら、まずは自分の分野で一流になったという成果がないと無理です。

ただ、今回まともな対抗馬がいなかったのには理由がある。だって次回はまず間違いなく「現職がいない選挙」ですからね。「でるなら次」と、まともな人なら思うでしょう。だからしゃーなかった、です。現職は強いです。地方首長選は。

★★★

ちきりん的には、本当は、74歳の人を再選したくはなかったです。いったいどうなるの?って気はします。しかしこれについては、ちきりんは最近かなり「微妙でクリアな将来」が見え始めた。その件については、また別の機会に書きます。

というわけで、わりと「当然」って感じの結果でした。それでも投票率があがったそうで、危機感もあったんでしょう。

まあ、あと一期、頑張って欲しいです。

んじゃね。

2007-04-05 生んでくれてありがとうです。

明日(というか、正確には今日なんだけどね)、ちきりん誕生日です。何回目かはもう忘れましたけど。

今日母と電話で話をして、「ちきりんを生んだ日のことを思い出していたのよ」と言われ・・・涙がでそうになりました。

「こんな感じだった」と言われ「そうだったんだ〜、全然覚えてないなあ・・」などとアホなことをいいながら。(覚えてる人なんていないです。)

★★★

本当に、生んでくれてありがとう。って感じです。


誕生日って、今までは「一年無事に過ごすことができ、一年分成長し、また新たな一年を迎えられること」をお祝いするものだと思っていたけど、今回は「自分をこの世に届けてくれて育ててくれた人に、一年に一度くらいちゃんと感謝するために存在する日だよな〜」という気がしたです。


ちきりんは両親にすごい感謝しているわけです。ほんとに感謝しています。前提として、自分の人生がとっても楽しかった(なんで過去形さ??)ってことがあります。やりたいこと、やりたいと思ったことは、ほぼ全部実際にやってみた、という気がします。ほとんど何一つ諦めたことがない。

しかも、そんなに好き勝手やらせてもらいながら、超手厚く守られていたと大人になってから気が付いた。

親ってのは本当すごい。何の見返りも求めず我が子に最大限の愛情を注ぐよね。親になったことのないちきりんには、それは本当にびっくりするような理解を超えたこと、と思えます。


というわけで、これからは自分の誕生日は、両親に感謝し、世の中に感謝し、ありがたさをかみしめながら過ごす日にしたいと思います。

どもども、ありがとさんです。ちきりんは幸せです。


んじゃね。

2007-04-03 ブラジルのビザは東京と名古屋で

現在GWの準備中です。

どこにいくかって?


アマゾン!


です。アマゾンね。ええっと本屋じゃなくて、密林の方です。ブラジルにある。で、ブラジルはビザが必要。南米で日本人がビザが必要な大国はブラジルくらいじゃないかな?なんでか。相互主義だからです。ビザは。日本がブラジル人にビザを要求するから、ブラジルが日本にビザを要求する。

なんで、日本はブラジルにビザを要求するか。チリやアルゼンチンと違って黒人が多数の国だからですね。つーか、そんなこと誰もオフィシャルには認めませんけど。


で、ビザの互恵主義は今に始まったことでもないんでどーでもいいんですが、ビザをとるには大使館とかに行かないといけないわけですが・・・日本だと、たいていこういうのは東京にあります。

だから、東京でとるんだけど・・・実は一緒に行く友達は関西の友達なんです。んで、その人は・・・名古屋でビザを取るんです。もちろん郵送で、ですが。



これ、変でないですか?


普通、東京の他にもうひとつ総領事館を置くとしたらどこに置きますか?


普通、大阪に置くよね?


なんで名古屋ですか???



ん〜って考えた。



わかったよ。トヨタの工場で在日ブラジル人が働くためです。



なるほどね

2007-04-02 SANYOの電子レンジ

新しい電子レンジを買いました。

(1)単機能で高性能の電子レンジが欲しくて探していた。

(2)通販生活が「まさにこれ!」というのを売っていたので買おうとしたら売り切れ!

(3)通販生活で紹介していた商品の“元商品”をビッグカメラに探しに行った。

(4)結局、SANYOのオーブンレンジを買った。(オーブンレンジなので単機能ではないです。)


通販生活って、メーカーに専用の電機製品を開発させ、通販生活でしか買えない商品を作らせてかなりのプレミアム価格で売る、という戦略の会社です。

ただし(あたりまえですが)メーカーだって通販生活のために商品をイチから開発するわけではなく、既存商品を「通販生活のリクエストにあわせてマイナーチェンジ」します。

つまり、通販生活で売っている家電には「モデルとなった既存商品」が存在するんです。ちょっとだけ違ったところがあるだけで、基本は同じという商品が、家電量販店にいけば3割安で売っているはず!というわけで、それを探しに行きました。

そしたら、ちょっと驚きました。

通販生活で紹介されていた「単機能・高機能の電子レンジ」の元商品は「オーブンレンジ」でした。「電子レンジ」ではなく、オーブン機能が付いていたんです。

・・・

つまり、「元のモデル商品」に「付加機能」が追加されて通販生活で売られていたのではなく、元商品であるサンヨーのオーブンレンジから、オーブン機能を除き単機能レンジとして通販生活は売っていたのです。

「複数機能・高機能」という市場によくある商品が、「機能を除くことで、単機能・高機能にされ、同じ値段以上で売られている」、ということなんです。


なるほどね〜。ほーんと、通販生活ってのはマーケティングが巧い。花王だのソニーだのどころではない。こずるい、と言えるくらい巧い。



で、ちきりんの買ったサンヨーのオーブンレンジ、これがまたいい商品です。

まずは「フラット底」です。あの丸いターンテーブルがありません。これで床面積が広くなり掃除もしやすいし、超嬉しい。

さらに赤外線センサー付です。食べ物の温度を直接測って加熱時間を自動で調節してくれ「できあがりの温度設定」もできるから、熱々のご飯が好きな人は設定温度を高めにすると、そこまで暖めてくれます。

その上最高1000Wなので今まで使っていた500Wレンジのほぼ半分の時間で加熱可能。冷凍のご飯もすぐ温まる。一方で200Wなど弱いレベルで解凍や、はぜやすいものの加熱も巧くできる。

ほんと高機能!


とある「口コミサイト」に「この三洋の電子レンジはすばらしい。なんで、こんなすばらしい商品を作っているのに三洋電機は業績がよくないのか不思議です!」という書き込みがあった。


なるほど確かに。


商品は口コミどおりのいい商品だと思います。

が、そんなすばらしい商品を作っている「から」、潰れそうなのだ、とも言える。家電部門なんて全然儲からないのに、なんでこんな「いい」商品を開発してるんでしょ。お金と手間とかけて?そんなことやってる場合ではなかったのですよ、彼らは。

潰れる会社の多くは、「良い商品を作ることしか」考えてない。んです。


いやほんと、このレンジはいい商品です。


んじゃね。


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→続編) 「そして掃除機も・・

2007-04-01 三洋電機

“ガバナンス”という言葉、数年前からよく使われるようになりましたが、意味がよくわからないのだよな〜という人もいると思う。

そういう人のために、もしも教科書を書いてくれと言われたら、この会社を例にとって書くのがベストと思えるのが、三洋電機でしょう。

まさに「ガバナンスとは何か」を教えてくれる、お手本のような会社でしたね。


って過去形にする必要も無いけど。


いくつかステージがあったと思います。(ってか、昔のことはそんなに知らないのですが。)


第一期:創業期〜松下の衛星企業としての成長期

第二期:創業家と住友銀行の上昇期

第三期:創業家と住友銀行の下降期

第四期:リストラとんでも期

第五期:金融による解体期


って感じかしら。

★★★

第一期は、創業間もない松下電産で職工として働きはじめた井植歳男氏が、戦後のGHQの松下解体時期に幸之助氏をかばって退職。その庇護の元に三洋電機を創業する。

ここからしばらくは、ごく普通の電器メーカーだったと思う。創業家が経営の実権を握っている会社は特に珍しくもない。松下もソニーもトヨタも本田も、この時期は創業者が経営をしていた。

銀行もまさに「日本の産業を支える」という立ち位置で設備投資を可能にする融資をし、企業は成長を続けて銀行に配当と利子という二重の恩返しをする。企業と銀行が「二人三脚」で成長した「日本経済高度成長 夢の時代」だ。



第二期は、日本が高度成長の波に乗り、三洋も住友銀行も含め、全日本企業がバカ踊りをし始めた時期。

普通の企業と普通の銀行の間でも問題は多々あったと思うけど、「創業家が経営をしている企業」と、「独裁的な経営者がでた金融機関」という組み合わせの場合、よりひどいメチャクチャが行われた、ってことだろう。

井植一族が困った時には、銀行が様々な法律やルールを破ってでも融通をきかせ、銀行が困れば井植家が株主を騙してでも銀行を助けた。

「トップ同士の信頼感」が、契約や法律や社会ルールを超えて優先された。それが「有るべき姿」だと思っている人たちがずっといた。



第三期 企業も銀行も「遊んでいても成長できる時代」の終焉を迎える。

銀行側に先にガバナンスの適正化が起こる。当然だ。独裁的な頭取、中興の祖とか天皇とか呼ばれても、住友銀行の頭取は既にサラリーマンだ。住友一族の経営ではない。だから、そちらに先に適切なガバナンスが持ち込まれる。

企業側も、三洋電機やダイエーのように「創業者が一生経営し続ける」というモデルの他に、「創業者の子孫は優遇はするけど、実権は持たせない」という松下・トヨタモデル、そして、「もう関係ありません」というソニー、本田モデルの3パターンくらいに分かれていく。

三洋は残念ながら、もっとも遅れたモデルを選んでしまう。



第四期 ここがね〜、さすがにこれは避けられたんじゃないかと思うのだが、なんでこんなことになったのでしょう。リストラと称して野中氏を呼んできたりしたところです。

「創業家が実権を握り続けたい」が、「リストラをする6,7年の間だけ、それらしく見えない方法が必要だ」ということで、「お飾りのトップ」が必要になった。んで、野中ともよ氏。

これをのぞんだのは井植家だと思うが、「それではもたない」と言えない住友銀行は、経営者の懐不足か、それとも、それくらい過去の膿が汚かったか、ということだ。

井植氏に「話して(ばらして)欲しくないこと」が住友側には「ありすぎ」た。



第五期 その住友銀行が「覚悟」し、ゴールドマンなど「異なるガバナンス」の企業を意思決定グループに迎えた。井植氏、野中氏のふたつは追い出される。

ガバナンスもゲームのルールも、ここで「初めて」大きく変わるのだ。

ここもやはり住友銀行の意思の変化がキーポイントではないかと思う。なんだかんだいっても、銀行は経営者が変わる。「前の経営者のやったこと」を否定できる。創業者一族がずっと経営をやってるのとは違う。

ゴールドマンは「電池事業を売却しろ」と言っている。これがどれくらい残酷な案か、この世界を知っている人ならわかるだろう。“プロジェクトX”好きなちきりんなんて、涙がでそうになっちゃうよ。

三洋電機は解体されるのだ。






現在のガバナンスは資本の論理に掌握されている。それ以外の解決案を私たちは持っていないのだ。



悲しいことだよ。



ちなみに三洋とは、三つの海を渡ってビジネスを展開するような企業になると、まさにグローバル企業を目指すぜ!っていう期待を込めての命名だった。

松下電器産業は社名に創業家の名字を掲げたままで、まさにそういうグローバル企業になった。

社名に「井植」を入れずに、わざわざ「三洋」と掲げた三洋電機が、創業家から自立できずに消えていこうとしているってのは、ちょっと皮肉な感じよね。ふむ。


んじゃね。