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Chikirinの日記 RSSフィード

2008-09-30 混乱を愛してる

ちきりんは混乱が大好き。なのでこれからちきりんのことは“KONRAN lover”と呼んで。“Chaos lover”でもいいけど、何となく“混乱”って語感がいいでしょ。

“混乱ラバー”ちきりん


ちきりんはずっと思っていた。自分の人生には至極満足している。だけどひとつだけとても残念なことがあるとすれば、それは余りに退屈に安定した時代に生まれたことだった。

戦争の国に行きたいわけではない。平和はありがたい。食べるものに困らないのもありがたい。でも“大きな歴史の転換点”にひとつでいいから立ち会いたかった。

たとえば明治維新。サムライワールドが明治の近代国家に変わっていく時に生きていたかった。戦争の前と後でもいい。子供の頃に米軍のジープを追いかけて「ギブミーチョコレート!」と叫びたかった。米兵相手のオンリーさんでもOKだ。もしくは、学生運動の真っ最中に学生やってるとか、高度成長期にサラリーマンとか、なんでもいいから、もうちょっと歴史が動く時にその舞台に立っていたかった。


そんなのもうほとんどあきらめていたのに、今日の朝、「もしかして歴史的イベントを体験できる?」と思えた。


もしかすると、もしかすると、もしかすると、

世界恐慌を体験できる?



とりあえず会社に行って仕事した。んで、さっき帰ってきてテレビをつけてみたけど、地上波を見てても全然“混乱”が実感できないので、さっきからブルンバーグを見てる。BBCもCNNも興奮してるが、ブルンバーグが一番臨場感ある。誰も彼も早口になって興奮しててアドレナリンが出まくってる。超素敵。

怒ってるおじさんとかいたよ。「政治家は何を考えてとんじゃ!」って。どこの国も同じですな。そうそうどこも政治家が悪いのよ。

「日本は危機の初期に税金を出し惜しんで10年を失った。その教訓を全然わかってない!」と叫んでましたね。そうそう、そこで失敗すると大変よ。


株はすこし戻り気味に始まるみたいだが、overnight $ LIBORが7%近くになってるって。昨日までの3倍くらいかな。LIBORがあがるってことはキャッシュが足りなくなるかもってことですからね、これは株が下がるのとは意味がちがう。短期資金マーケットがクランチし始めるとどこの会社もすごい大変でしょう。



おもしろ〜〜い。



というわけで、テレビ見るのに忙しいのでまた明日。

ばい!




(でも残念ながら、もう一段なんかないと“恐慌”にはならない感じ。短期資金はさすがに政府がいくらでも供給すると思います。なので結果としてはちょっと長い不況とかいう一番おもしろくない状況になるんだろうな。つまんないの。)

2008-09-29 彼我の差

海の向こうのアメリカとかいう国では“投資銀行業界”という業界が丸ごとひとつ消失しようとしております。そんな中日本では“保守本流、またの名を右翼系”政治家の大放言に関する報道が続いています。

この日米マスコミの報道ギャップに戸惑うちきりんなのでありますが、まあこれは、日本も大国であるってことなのよね。アメリカもそうなのですが大国ってのは大抵あんまり外国に関心がありません。外なんて見なくても食っていけるからね。

オランダなどでは皆3カ国語しゃべれますみたいなことが報道されますが、あれはつまり「オランダ語なんか話せても仕事は見つからない」ということであり、“小国”ってのはやっぱ「外のことにとても敏感」ですよね。スウェーデンなど北欧の国の人もみんな英語話しますよ。だってスウェーデン語なんて話せても日本で言えば「オレは犬と会話できる」くらいの価値しかない。


とか、ちきりんが言っても問題にはならないが、大臣が言えば大問題である。

ってことくらいわかれよ!

って感じです。


まあとにかく、

ロシアは相変わらず戦争真っ最中だわ、アメリカでは主要産業がひとつ消えつつあるわ、中国では16億人全員が神舟7号と宇宙遊泳のことしか頭にないわ、ドバイでは相変わらずにょこにょこ突拍子もない形のビルが建ちつつあるわ、シリアみたいなテロ輩出国でテロが起るだのと、世界はほんと大変なことになっている中で、「民主党が政権とったら日本全国大阪みたいになるぞ!」みたいなナイスな放言でみんなで騒いでいられるのは、本当にいい国に生まれたと思うですよ。


★★★


アメリカの金融業界だけを取り出せば、もう1929年とほぼ同じ状況なのでは?当時との違いはたぶんそれが他の場所に伝播していないこと。これは非常に大きい。

たとえばアメリカの中でさえ、金融が主要セクターであるNYやシカゴは大変だろうが、じゃあシリコンバレーが大変か?というと多分まだそうでもないのだろう。上にも書いたように、ロシアも中東も中国も日本も、またそれぞれ別のことに忙しく、「投資銀行業界が亡くなった!!」とか言ってても「なに?」って感じである。

これはつまり、知らず知らずのうちにやっぱ世界はすごく「多極化」していた、ということだと思う。


「アメリカが世界を牛耳っているように見えた」けど、実はそうじゃなかったということ。これは結構おもしろいことが証明されつつあると思うですよ。


なんですが、とはいえ全然影響がないわけではなく、次の2ヶ月、年末までは非常に重要な時期だと思います。混乱好きのちきりんとしては、なんともワクワクする次の2ヶ月であーる。これまではサブプライム問題とかいっても「アメリカの貧乏人が破産する」ということ“だけ”だったわけですが、投資銀行業界が消えるというのは「アメリカの金持ちが破産するかも」ってことですからね。こっちは結構大きな問題かも、なわけ。貧乏人が破産するのとはわけがちがう。


とか、ちきりんが言っても問題にはならないが、大臣が言えば大問題である。

ってことくらいわかれよ!

って感じです。


★★


もうひとつ。アメリカの金融業界の危機対応のスピードには驚くよね。日本が7,8年かけてやったことを1ヶ月でやってます、って感じだ。すごいっす。

この「早さ」がこの国の強さよね。

アメリカってさ、かなーりバカじゃん。たとえば「イラク戦争が間違っている」ということに、世界中がイラク戦争開戦の1ヶ月後くらいに気がつくのに、アメリカはそれがわかるのに約5年かかってますからね。なんでそんな時間かかるねん?っていうくらい理解力のない国です。

が、しかし、理解力はないが、行動は早い。

ジャイアンみたいな奴なわけだ。(腕力もそっくり)



まあとにかく「早い」。このことには感動する。


「朝令暮改」って日本語では否定的な意味があるでしょ?ころころ意見が変わる奴、みたいな。でもアメリカでは朝令暮改っていい意味だと思う。向こうに言わせると「ええっ、日本って朝と同じ意見なの?まだ?もう夕方なのに?」って感じなんだしょ。

すんごい間違えた道でも、どんどんやり直して、どんどん試して見る、(試しに爆弾落とされる国はたまったもんじゃない)そういうやりかたの国ですね。


というわけで、かの国から主要産業がひとつ消失し、対策が打たれ、もう一回くらい大混乱がおこり、その対策もすぐに打たれた頃、別の国では、「民主党が政権とったら全国は大阪みたいになるっ」とかと同じレベルの放言で、小沢民主党政権の大臣が次々と辞任に追い込まれてる、っていう、それくらいのスピードの差が、ある。


と思う。



(んっ? 結局どっちも進んでないじゃんって?)

(そっか。同じか?)


んじゃ。

2008-09-27 佐藤さんの任命理由が知りたい

麻生内閣の各大臣の出自を、まとめておきます。



総理 麻生太郎(衆)

高祖父:大久保利通(薩摩藩士、大蔵卿、内務卿など)

曽祖父:牧野伸顕(知事、外務大臣、内大臣、文部大臣など)

祖父:吉田茂 (首相)

義父:鈴木善幸(首相)

義弟:寛仁親王(実妹信子さんがお嫁入り)


総務 鳩山邦夫(衆)

曾祖父:貴族院議員

祖父:鳩山一郎(首相)

父親:外務大臣


法務 森英介(衆)

伯父:三木武夫(首相)


外務 中曽根弘文(参)

父親:中曽根康弘(首相)


財務・金融 中川昭一(衆)

父親:科学技術庁長官

叔父:参議院議員


文部科学 塩谷立(衆)

父親:衆議院議員


厚生労働 舛添要一(参)

★非世襲★ 東大法学部卒(学者)


農水 石破茂(衆)

父親:鳥取県知事&建設事務次官


経済産業 二階俊博(衆)

父親:県会議員、(建設大臣の秘書も)


国土交通 中山成彬(衆)

★非世襲★ 東京大学法学部卒(元大蔵省)

国土交通 金子一義

父親:大蔵大臣、科学技術庁長官

注:「やっぱり東大出身でも1代目の奴はだめだ。親父が大臣じゃないと!」ということで、国交省大臣は交代が決まりました。新大臣は道路族の古賀派からの抜擢です。



経済財政 与謝野馨(衆)

祖父:与謝野鉄幹

祖母:与謝野晶子

父親:外交官


防衛 浜田靖一(衆) 

父親:ハマコーさん(一応議員)


内閣官房 河村建夫(衆)

父親:県議会議員


行政改革 甘利明(衆)

父親:衆議院議員


国家公安 沖縄・北方・防災 佐藤勉(衆)

二世でも高級官僚の息子でも夏目漱石の孫でもない!!!


消費者行政 野田聖子(衆)

祖父:建設大臣、経済企画庁長官、(元大蔵省)


少子化 小渕優子(衆)

祖父:衆議院議員

父親:小渕恵三(首相)


環境 斉藤鉄夫(衆)

★非世襲★ ただし公明党ポストなので麻生氏の指名権限外です。




佐藤勉さんの任命理由が知りたいよね。なんで麻生さんはこの人を大臣にしたんだろ??

誰かのご落胤?*1



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*1:失礼ですみません・・

2008-09-26 野中さんが麻生さんを嫌うわけ

野中さんがなんであんなに麻生さんを嫌っていたのか、たたき上げの古賀さんがなんであそこまで麻生さんを嫌っていたのか、よくわかるよね。今回の内閣。


「親父か爺さんが総理大臣か知事か与謝野鉄幹あたりじゃないと、大臣にはむかんやろ。まあ、出自がイマイチなんやったら、東大出で官僚やってたいう奴でもええけどな。」ってことらしい。


選挙で人気があるかないかなんか関係ないで、と。オレの内閣や。育ちの悪い奴に用はない、と。


なるほどね。

2008-09-25 感慨、そして前へ?にっぽんの金融業界

三菱がモルスタに20%程度の出資をし、野村がリーマンのアジアと欧州部門を買うと言っている。ゴールドマンはまた住友に出資を依頼してきたらしい。長く金融業界にいる人にとっては、なんとも言えない思いのするニュースだと思う。

ある種の感慨深さ、でも、そう単純でもない苦い思い、期待と不安と疑心と希望の入り交じる、複雑な気持ちなんじゃないかしら。



思えばバブルの頃、日本の大手金融機関は皆、欧米の一流金融機関に“並ぼう”とした。日本生命はシェアソンリーマンに出資し、住友はゴールドマンに、そして野村もブラックストーンなど欧米の一流投資企業と次々と提携した。しかし、これらの時代、日本の金融機関と欧米の外資系金融機関の技術力格差は、「日本企業側が理解できないほどに」大きかった。

格差が大きいことが問題というより、「その格差がどれくらいか、わからないくらいだった」というのが本質的な問題だったと思う。



結局のところ、ものすごい額のお金をつぎ込んで彼らがえたものは、毎年数名、相手側に“研修生”を受け入れてもらう、という程度のことだった。30代くらいの“そこそこ”英語のできる社員がNYだのロンドンだのに送られて、1年か2年、相手側のオフィスですごす。

しかし相手側は日本企業ではない。机にぼーっと座っていても何かがわかるわけではない。ほんのちょっとお手伝い程度のことをしたり、定例のミーティングに同席したりするだけ。日本に戻ってきた彼らが何か貢献できるか?できることは唯一、「その格差が、日本側の経営者が考えているようなものでは全くない」と、ごくごく遠慮がちに報告することだけだった、と思われる。

欧米では純投資以外で株を買うのなら、きちんと自分の欲しいモノを主張し取りに行くのが普通だ。日本の金融機関がぼんやりと期待した「大株主になればそれなりに優遇してくれるかも」みたいな“あうん”の呼吸が通じる世界ではない。ということさえ当時の日本の金融機関は知らなかった。と思う。



そのうちに日本のローカル基準に業を煮やした欧米の“BIS基準攻撃”とバブル崩壊が重なり、日本の金融機関は巨額の投資からなんの見返りも得られないまま次々に海外事業や先進事業から撤退することになる。そして長い長い冬の時代。多くの金融機関が「国内のみ」「リテールのみ」に特化し始めた。彼らがこの期間に失ったものは不良債権処理のための資金だけではない。

“一流企業”の名前をほしいままにした金融業界はその座をすべりおち、優秀な人材の流出は甚だしい。15年前と今の銀行の人材の質がどれくらい異なるか、ずっと内部にいる人で嘆かずにすむ人はいないだろう。長きにわたり公的資金で縛られて経営の自由度を失い、すべての戦略は“後ろ向き”のものとなった。しかもその間、世界の市場では全く通用しない自分たちの姿を彼らは見続けていた。長い長い長い冬だった。

そして今、ようやく少し体力が回復してきたタイミングで、昨年まで我が世の春を謳歌していた欧米の金融機関が、いきなり再度こけた。



野村にとってリーマンを丸ごと買うチャンスがくるなんて、どれだけの僥倖であろう。日本の他の証券会社は潰れたり、外資に買われたり、銀行のグループ傘入りしたりして消えていった。純粋な日本の証券会社は大手では野村だけ、しか残っていない。

日本では盤石の力を持つ野村も、しかし海外では全くプレゼンスが出せなかった。地道にアジアでのビジネスを拡大し、欧米ではチームごと大金をはたいて外人を引き抜いた。ひとつひとつは成功したり失敗したり。しかしそんな“一歩ずつ”のうち手ではあまりにもゴールは遠すぎた。

その様子をみて“ほらね、単独では無理なのさ”と誰もにささやかれながら、それでもかたくなに“飲み込まれること”を野村は拒否してきた。“孤高の侍”みたいなプレーヤーだった。

遙か彼方の欧米プレーヤーの、時々見えなくさえなる背中に目を凝らしながら、“唯一日本の証券会社”として海外市場でプレーすることを祈念してきたこの巨人にとって、リーマンの破綻は千載一遇のチャンスと映っただろう。



これは本当に成功するのか?



そんなの誰にもわからない。



ひとついえることは、今回の買収判断のスピードは、従来の日本企業の経営判断の“想定範囲”を超えていた、ということだ。世界が理解できるスピードで、彼らは決断した。このことは、“もしかしたら今回は?”という薄ぼんやりとした希望を私たちに与えてくれる。

もうひとつ教科書的に言えば、このスピードは、「正当な準備をしていれば日本企業だってちゃんとしたスピードで決断できるのだ」ということを物語っている。最初に戦略目標があり、何が売りにでたら即買うのだ、という決断が先にあって、“玉は後から”でてくるものなのだ。そうすれば決断には全く時間がかからない。今回がそのケースだ。これは玉が出てきてからびっくりして「どうするべ?」と考えるのとは全く違う。


三菱のモルスタや、住友のゴールドマンの話はよくわからない。これがまた純投資としてさえたいした意味をなさないお金の無駄遣いになってしまうのか、なんらかの戦略的価値を生むオプション料となりえるのか。

少なくとも彼らは昔とは違う。少なくとも「彼我の差」の大きさだけは、さすがにもう知らない人はいない。どれくらいその距離があるかは、皆わかっているはず。

いや、こちら側には「頭でわかってはいるが、」という人も多いかもしれない。しかし、相手側にそれを知る日本人がたくさんいる、というのが今回と前回の大きな違いだ。モルスタにもゴールドマンにもリーマンにも、三菱や住友や野村で働いたことのある日本人が大量に在籍している。彼らは非常にビビッドに、そして、日本側が理解できる言語で「何が違うのか」を伝えることができる人たちだ。



しかし、そういった人たちを日本側の経営者が活用することが本当にできるのか?

よくわかんない。



「また高い授業料を払うことになる。」

「なんどやっても同じ。」

「金づるとして馬鹿にされている。」


という人たちがいる。



でもね、ちきりんは“いいじゃん”と思ってる。だって進歩ってのはそういうもんだ。一足飛びに一番前にでたりはできない。失敗して苦労して馬鹿にされて失って傷ついて唖然として、そうして少しずつ前に進めばいい。


「そんなのんきなことを。住友や三菱がつぎ込む金は結局は預金者やローン借りてる人の金だろ?無駄使いするなよ!」って?


そういうこと言ってちゃだめなのさ。5円を惜しむような生活しててもだめなんです。賭ける時はどどどーんと大きく張る!



それが大事なの。


どどどーんとね。



おもしろそう!

ふむ。


じゃね!

2008-09-24 いろいろ

ほんとアホだなNHK 22:32

昨日のロボコン世界大会の番組みました?

なんで決勝戦の中国とエジプトの試合を報道しないかな?

ほんとアホだな、NHK。


なんの話かというと“ロボットコンテスト”世界大会(高専じゃなくて大学の方)があって、日本代表チームがベスト4までいって、そこでエジプトにまけて敗退。

すると、NHKってそこまでしか放映しないんだよね。日本が予選とあわせて2回も負けたエジプトは、決勝戦に進出し、でもそこで中国に負けている。どうやって中国がエジプトに勝ったか見たいじゃん。その決勝戦を放映しないって・・どーゆーこと??

こういう「がんばったけど負けた日本選手」ばっかりフォーカスして、「世界トップのレベル」を完全無視するのって、オリンピックなど他のスポーツの報道でも同じですよね。


わけわからん。



NHKで働いてる人って“一流のものを見たい”とか“トップのものを見たい”という気持ちが理解できないのかな・・・知的好奇心が足りないのかしらん。

これからは“世界の一流&トップより、頑張ったけど負けた日本人を見たいんだ、オレは。”ってな人からだけ受信料を徴収することにして欲しいよ。

氷河期の発掘 22:32

冷凍庫の掃除した。そのために先週末から1週間ほど冷凍してあったものを食べまくった。で、よーやく空にしてお掃除できました〜。

f:id:Chikirin:20080925190733j:image

これを一年に一度やることにしてます。そーしないと、時々冷凍庫から、“長い長い氷河期の眠りから覚め、部位も判別不能な獣の肉”が発掘調査により見つかったりしますからね。

“おおっ、昭和期の動物だよ、これ!”みたいなね。

やばいです。

こういうところが非常識 22:32

昨日、夜お風呂からあがって髪の毛を乾かそうとしたら、ドライヤーが動かない。

あれっ?と思って、壁のコンセントが壊れてるのかな〜と思って、“いいや別の部屋で乾かそ〜”と思い、他の部屋に移ってコンセントに差し込んで・・・やっぱり動かない。

あれっ?なんでどの部屋のコンセントも壊れてんの?って。


そう、壊れていたのはコンセントではなくドライヤーの方でした。


ってか、友達に笑われた。「普通はドライヤーが壊れてると思うはず。なんでコンセントが壊れてるって思うねん?」とのこと。

正論かも。


この辺かなりあほだ。あたし。



で、今日早速買ってきた。松下の、おっと、パナソニックの、ナノだかイオンだかがでる機種。最近出たばっかの最新機種は1万8千円、半年前にでた型落ちが7千円。ご想像のとおり、実質的にはほぼ何も違いません。うーん、コレ新機種買う人いるのかね。ってか、これじゃーメーカーは儲からんわね。

というわけでおニューでハッピー


そんじゃね。


2008-09-23 “食べものが世界を駆け巡る時代”

中国で粉ミルクと牛乳に化学物質メラミンが混入し、赤ちゃんが死亡したり重体に陥る事故が起きているようです。

このニュースを聞いてちきりんが思い出したのは、1950年代に日本で起った“森永ヒ素ミルク事件”でした。日本が今の中国より貧しいくらいの経済状態であった頃、森永乳業の粉ミルクにヒ素が混入したのです。

この事件のヒ素中毒被害者は一万数千人とも言われ、死亡した赤ちゃんはなんと 100人以上。それに加え、多くの子供に後遺症が残りました。中国の事件より圧倒的に規模が大きな乳児向け食品事故であったわけです。


ふたつの事件の共通点としては、まず一流乳業メーカーが起こした事件であるという点があげられます。今回問題となっている「伊利集団」や「蒙牛」は、日本における森永乳業同様、中国の大手メーカーです。

さらにもうひとつの共通点は、今の中国と当時の日本の経済状態、そしてそこから派生する“暗黙の社会ルール”です。

森永ヒ素ミルク事件が起った1950年〜60年代、日本ではあちこちで公害が起こり、深刻な被害をもたらしていました。

しかし当時は、企業の活動を安全・環境面から規制する法律も監督する仕組みもありませんでした。日本で環境庁が設立されたのは 1971年なのです。

経済成長が人の命より優先されていたとまではいいませんが、そのバランスは今の日本とは大きく異なる時代でした。


ちなみに森永乳業が「あれはヒ素が原因でした」と認めたのはなんと事件発生の 15年後です。そして、森永乳業は今も存続しており、この事件で倒産したわけでもありません。

今の日本で、もし粉ミルクで 100人の赤ちゃんが死んだら、そのメーカーは存続できるでしょうか?

当時は行政も社会もそれを許していたのです。「生産設備と技術を持つ大手メーカーは潰せない」、そういう時代だったということなのでしょう。


★★★


一方で、中国でのミルク・メラミン混入事件と森永ヒ素ミルク事件には違いもあります。

それは、森永粉ミルクがほぼ日本だけで消費されていたのに対し、今回の中国のメラミン混入問題では、日本、香港、シンガポールなど多くの国がそれらを輸入していたため大騒ぎになっていることです。


今回は生乳だから近隣国が多いですが、アメリカでは中国製のペットフードを食べた犬の死亡例が報告されているし、中南米でも中国製の歯磨き粉や風邪薬で死者がでています。

いまや世界中が中国の食品や製品を輸入しており、中国の商品に問題があると地球の裏側の国で健康被害や、命が危険にさらされる可能性があるのです。


しかし、その中国はこの問題を日本や他の先進国同様に深刻にとらえているでしょうか? 日本における環境庁の設立は“東京オリンピックの 7年後”でした。そう考えると、今の中国との時間距離がわかりやすいのではないでしょうか。

もしくは、1960年代の日本から 2010年の日本に食料輸出が行われている状況だと想像してみてもいいでしょう。今では使用が許されていない農薬がたっぷりとかかった野菜が輸出されてくるかもしれません。


さて、この間、食べ物の流通は大きく変化しました。ひとつは、「食べ物」が世界中を駆け巡るようになった、ということです。

食べ物の長距離移動には、冷凍コンテナなどの装備、野菜を空輸する技術や、虫食いや腐敗を防ぐ薬品など様々な技術が必要です。家電や繊維商品と異なり、生食料が世界中をこんなに大規模に動き始めたのはここ数十年の話でしょう。


また、「食品の加工」を行う場所が家庭から工場に移り、食品が工場で作られるようになったことも大きな変化です。

昔は、流通する食品とは、野菜丸ごとや魚丸ごと、肉は切っただけの生肉だったのです。それ以上の加工(調理)は家庭で行われていました。ところが今は、この加工プロセスが家庭ではなく工場で行われるようになりました。

食品工場では、それぞれ異なる国から別々に調達された原材料が、工場の中でベルトコンベアに乗って運ばれ、機械で洗浄されたりカットされたりします。

原材料のひとつでも問題があれば、全体が汚染されますが、それらの原材料がどこでどのように作られたものか、組み立てメーカー(調理メーカー)が把握することも非常に難しくなっています。

今回の中国ミルクのメラミン混入事件でも、日本の食品メーカーがミルクを原材料として使っていたことで、商品の出荷停止、回収が行われました。


このように「工場で加工された食べものが、大規模に世界を動く」というのは、ここ数十年で起こり始めた“あたらしいモノの流れ”です。

ところが、その新しい流れに衛生面、安全面からどう対応するか?という方法論が、まだ国際的に確立していないようにも思えます。


日本では7年くらい前に輸入野菜の残留農薬が問題になりました。その後、日本の商社や食品メーカーは現地の農場を指導して農薬の日本基準を導入させ、検査も強化しました。

数年前にはうなぎなどの養殖魚に残る抗生物質が問題になりました。その時も日本の輸入元が現地指導をし日本基準に合わせて育ててもらえるよう改善を指導しました。

しかし、これではきりがありません。そもそも食料を輸出している国と輸入している国の基準が異なり、その基準はそれぞれの国の経済状況を反映しています。問題が発覚するごとに個別の対応をやっていては、問題はいつまでも続きます。


さらにいえば、こういった「経済状態や社会における優先順位が異なるレベルの国」から、世界中に食品が輸出されはじめていることにたいして、その動きに対応した食品の輸出入の枠組みやルールがまだ確立されていないことが根本的な問題です。

世界の農業議論といえば“自由貿易か保護貿易か”という視点ばかりが注目されます。けれど、これからは安全性の統一基準という、“食べ物の輸出入のルール”についても国際的ルール作りが必要と思われます。

問題はそれをどの国が、また、どういう機関がリーダーシップをもって提案していくか、ということです。各国の農業関係団体や役所が、関税問題だけではなく、こういった分野での検討や協調をより強力に進めてくれることを期待したいものです。


じゃね。


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2008-09-21 “政治影響力”方程式:チャンスなのにね。

よく話題になる「世代別投票率」についてみておきましょう。

下表は直近の日本の人口(10歳刻みで集計)と、直近の投票率です。これを見ると、20代の人数は40代とか60代の人数と同じなので、特に少ないわけではありません。ただ、投票率はかなり低くシニアの半分以下です。

若い人にしてみれば自分の周りは誰も選挙に行っていないから、「んなもん誰が行ってんの?」って感じかもしれませんが、「実はあなたたち以外はみんな行ってます」という感じです。


年齢区分人口(万人)構成比 投票率
9歳以下 1,143 8.9%  
10代 1,243 9.7%  
20代 1,533 12.0% 35.9%
30代 1,892 14.8% 49.0%
40代 1,568 12.3% 60.7%
50代 1,924 15.1% 69.2%
60代 1,577 12.3% 76.2%
70代 1,223 9.6% 73.5%
80代 560 4.4% 49.9%
90代 112 0.9%
100歳以上 3 0.0%  
合 計 12,777 100.0%

一番右の欄は、直近の衆議院議員選挙の投票率です。*1


さらに選挙への意味合いをだすため、選挙権のない19歳以下を除いて集計してみたのが下記です。

“世代小計構成比”として(赤字青字のところ)には、20代と30代の小計、40代と50代の小計、60歳以上の人の小計を計算しています。


年齢区分人口(万人)人口構成比 世代小計構成比投票人口=票の数(万票)投票人口の構成比世代小計構成比
20代 1,53314.9% 5509.0%
30代 1,89218.4%33.3% 92815.1%24.1%
40代 1,56815.3% 95115.5%
50代 1,92418.7% 34.0% 1,33221.7%37.2%
60代 1,57715.3% 1,201 19.6%
70代 1,22311.9% 89814.6%
80代 5605.4% 32.7%279 4.5%38.8%
合 計 10,275 100.0% 6139100.0%

真ん中の赤い数字をみると、「もし投票率の差がなければ、この3世代の“政治影響力”は、ほぼ拮抗している」とわかります。現時点では、全体数ではまだ若者は負けていないのです。

・20代+30代

・40代+50代

・60代以上の頭数は、

ほぼ3分の1ずつに分かれていますよね。


ところが、表の右半分の方を見てください。今度は人口に投票率を掛け合わせ、「投票にいく人数」を出したものです。すなわち、ずばり「票の数」*2ですね。

これをみると・・・60歳以上だけで4割近い票が手にはいるとわかります。39歳以下の有権者のことなんか切り捨てて、40代以上の人だけのことを考えてれば75%の票が手にはいります。

こんな数字を見れば、政治家や選挙対策スタッフがどう考えるか、一目瞭然です。


★★★


ちょっと上の表から離れて、「政治影響力」を要素分解してみると、こんな感じでしょうか。


( 人口 × 投票率 )×( ニーズの画一性 × 結束力 )=「政治影響力」


前半はさきほど書いた話です。後半の「ニーズの画一性」は、世代のニーズが画一的だと、票がまとめやすいだろうと思って加えました。

全員が経済的な豊かさを目指していた高度成長期だと、大半が(共産党や社会党ではなく)資本主義を守ると公約する自民党を支持します。けれど豊かになると「格差に反対」の人と「格差があるのは当然」という人に分かれてきます。

一般的に、経済的に豊かになると個々人のニーズが細分化され、政治影響力が分散します。今まで若者が政治影響力を持ちにくかったのは、この理由(大きな流れとして、昔より皆豊かになり、ニーズが多様化したこと)も大きかったと思います。

ただ、最近の若者は経済的に恵まれてないので、再度「ニーズが画一化」し始めています。反対にシニア層はここに来て格差が一気に拡大しているので、若者は相対的に有利になりつつあるのかもしれません。


「結束力」は、いわゆる「組織票」へのつながりやすさを表しています。これまでの中高年は、都市部では企業や労組、地方では農協や共同体を通じて、盤石の結束力を誇ってきました。一方の若者、特に都会の若者は全く連帯しないので、この点ですごく弱かったと思います。

ところがこれも傾向が変わってきました。特に若者がネット上で結束するきっかけが得られるようになったのは大きな変化でしょう。


この式に基づいて、若い世代の政治影響力を向上させようとすれば、これら4要素のいずれかを上昇させればよいということになるのですが・・、

人口は簡単には増えません。ニーズは、「社会に虐げられている若者」(世代間格差問題)というコンセプトで少しはまとまりはじめています。

後は投票率と結束力を上げることが必要です。本当はこのふたつは、若者が得意なITやウェブの活用が効果的な分野です。


携帯電話から指紋で個人認証をして選挙に投票できるようになったら、若者の投票率は大きく変わるはず。いろんな政治課題に関して“イエス&ノー”で答えていったら、「あなたが投票すべきはこの候補者です!」と表示される選挙ゲームもおもしろそう。

他にも、小選挙区ごとにリアルな年代別の有権者数が入力されたプログラムを作り、「○○地域では、20代の有権者のうちあと○%、すなわち、○○人がこの人に投票したら結果が変えられます!」みたいなシミュレーションソフトもいいですよね。そういうのがあれば、「おっ、だったら(選挙)行ってみるか」みたいになるかもしれない。


ちきりんが思うに、若い人が政治に求めるべきことは雇用対策やら福祉、景気対策ではなく、ただただ「電子投票制度の導入」と「ネットによる選挙活動の解禁」にその主張を集中させて実現させることだと思います。ここさえ突破すれば若い人の政治力は2倍にできるかもしれないのです。

今でも20代の人の10%が選挙にいけばそれだけで150万票・・・場所によるけど10人とか20人を当選させられる票数です。

けれど急いだ方がいい。次の何年かが最後のチャンスです。もう一回一番上の表を見てください。人口は急激に減りつつあります。若者が「投票率をあげれば勝てる期間」(=持ち時間)は限られているのです。

画面の右上に「残存Time」がちかちか点滅してて、どんどん減っていく。そういう運動を始めても実現までに数年はかかるから。



早くやったら?



そんなん言うならちきりんがやれよって?


やです。


だってちきりん若者じゃないもん。



じゃね。

*1:投票率は総務省のデータ: http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/data/touhyouritsu19/index.html 5歳刻みのデータだったので中間値を採用してます。80代のところに書いてある投票率は90歳以上等を含む数字

*2:90歳以上の人は投票率ゼロと仮定

2008-09-19 ご飯シリーズ

例によって、ご飯シリーズでございます。

写真が重いです。携帯でご覧になっている方、申し訳ないです。


まずは、最近結構凝っているイタリアン。トマト系で2種。

蛸とトマトの炒め物です。ワインにぴったり。しかし手抜きせずにトマトの皮はむくべきでしたね。口のなかでまとわりついて、作る時は時間がかからなかったが、食べる時はちょいめんどーであった。

あと、赤の具材に赤のお皿はどうかね?と思って疑心暗鬼で使ってみたら、案外よく合っていましたね。なるほど。

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こちらはよく作るバジルとモッツアレラとのサラダですが、注目は入れ物のバット。5年前くらいに大小ふたつセットで買ったホーローの料理用バットです。柔らかいクリーム色に赤の縁取りというのがレトロでかわいく、一番よくつかう調理用具のひとつとなってます。マリネ系は大抵これで作ります。

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つぎはエスニック。まずは韓国風で「焼き肉ナムル丼」

コチジャン入れてないので辛くありません。のでビビンバではありません。またナムルは既製品です。前はナムルも自分で作ってましたが、どうがんばっても韓国料理屋(デパ地下)で買う方が美味しいのであきらめて買うことにしました。ので、肉焼いて乗せただけ。“それで手作りっつーか?”みたいな一品です。

でもおいしそうでしょ!

もうちょっときれいに盛りつけろって?いーんです。質実剛〜健!

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こちらはレタスと手羽肉のスープ。ナンプラーを使いベトナム風のお味です。レタスのスープってめっちゃおいしいです。

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同じく手羽肉を使ってハーブソテー、レモン汁と塩胡椒のみのあっさり味。美味しいっす。

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次はかなり系統がちがいますね。夜に焼酎を飲む時なんかによく作るネギ焼き。それ以外の野菜は“ありもん”を使いますが、この「ネギを焼いただけ」ってのがなんでこんな美味しいかな??というくらい美味しいです。

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最後に、ごくごくごくごくごくごくたまーに持っていくお弁当。いやほんと、ごくたまに、冷蔵庫に食べ物が溢れている時に「詰めて」いくだけ。曲げわっぱのお弁当箱が気に入っている。だけであって、弁当作ること自体は好きではありません。


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そんじゃーね!

2008-09-18 季節のある国

先日の連休はすばらしかった。


初日は友達と神戸北野坂の和食店へ。友達が予約してくれていた“お任せコース料理”をいただいたのだが、秋の月見シーズンとあって器からお料理までたっぷりと秋の情緒。

ちきりんは器好きなのだが、こういう小料理屋さんで嬉しいのはその器の楽しさ。今回のお店でも、個人の家ではちょっと買えないような個性的な器がたくさん使われていた。(自宅だと使い易さを考えるのでどうしても無難な器が多くなる。だから小料理屋さんや料亭ではできるだけ個性の際だった器を使ってくださるところが好きです。)

食べ物のおいしさももちろんですが、とにかく演出が素敵。最初のお皿は立体的なまん丸の器で“まさにお月様”という感じ。その後も本物のススキが、大地を示す岩のような大皿に立ててあったり、兎型のおまんじゅうがちょこんと乗せてあったり。全部で10品以上かな、どれも見た目も素敵、カウンターのみのお店なので食べているスピードに合わせてテンポよくでてくるし(←これは品数の多い和食ではかなり大事なこと)、もちろんお味もすばらしく、大満足でした。



その翌日からは一泊で京都旅行。初日は嵐山、二日目は大原。いずれも久しぶり。京都では柊屋さんという老舗旅館の本館(旧館)に泊まったのですが、これがもうそりゃあ当然なのかもしれませんが、本当によいお宿でした。

何がすばらしいって?

(1)食事

(2)おふとん

(3)サービス

(4)たたずまい

いずれもすばらしかったです。


一番感心したのは夕食。どの品もどの品も上品ながら気合いのはいったまったく手抜きのないお料理ばかり。これくらいの老舗になると、材料が一流です、器が一流です、料理長が、ということで、お料理自体は「よくある感じ」に収まっちゃってるところもある。

でもこちらでは一品一品に“きちんと勝負してる”って感じがあり緊張感があった。お皿にのせているものにはたったのひとつにも手抜きがない。

これはとても大事なことなんです。なんでもそうですが人気が定着してくると“保守的”になる。“だいたいこんな感じでええやろ?”みたいな仕事をし始める。芸術家、芸能人、サラリーマンも(ブロガーも?)なんだけど、そういう人って実はすごく多いよね。人間ってのは“慣れるという罠”にすぐはまる。

それが180年続く老舗旅館がいまだに“勝負”してる感じを伝えてくる、というのは、本当にすばらしいと思いました。心意気が。


お布団も羽布団とかではなく綿の和布団なんだけど、旅館であんなに気持ちのよいお布団は初めて。

お風呂も檜で広くて朝まで冷めない。部屋の朝風呂に入ったんだけど、とろりとさめたお湯がみたされた檜風呂の気持ちよいこと。サービスももちろん言うまでもない。80歳を超えた大女将の京言葉での挨拶は心に独特のリズムを残す音楽のよう。川端康成氏が定宿にした気持ちもわかるし「帰るように訪ねる」というコンセプトも心より堪能できる。夕食の炊き込みご飯も朝の白いご飯も涙がでるくらい美味しかった。。。


価値あるお宿でした。ちなみにお値段は一泊2食付きで一人5万円程度から(部屋による)ですが、“洋風の一流ホテル+一流レストラン”よりよほどお“得”感があります。ぜひまた行きたいっす。


というわけで、日本食、日本旅館、風情ある場所の散策と、日本の早秋を(紅葉にはまだ早すぎなのですが)十分に楽しませていただきました。

★★★

長く読んでくださっている方はご存じのように、ちきりんはこの後、海外出張が多くなり、日本で秋、特に紅葉を楽しむことができません。だから一足早めに早秋を楽しんでまいりました。これで心置きなく?

いやいや、あとまだ秋刀魚と栗ご飯は食べておかないと。



ちなみにシリコンバレーに住み続けられなかった(住み続けたいと思わなかった)最大の理由も、ここにあると思う。ちきりんは「四季のない国」には住めないです。“アジアの多湿なべとべと感”も含め、日本が大好き。ご飯もめっちゃおいしいし。


以下、すばらしい“日本の緑”をお楽しみください。

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お庭ってのはこういうものなのよね。

ほんとに美しい国だよね。


じゃね!

2008-09-16 変じゃない?“事故米”報道

ミニマムアクセス米の“事故米横流し事件”に関する報道にあれこれ違和感を感じるちきりんです。現在マスコミが報道していることは“間違いではない”が、必要な情報をカバーしていないし、大事な点に焦点を合わせてない、と思う。


たとえばこの件でちきりんが知りたいのはこういうことだ。


(1)“基準の2〜6倍のメタミドホス”の意味

こういう報道が多いでしょ。これって“現在の日本の規制基準値の○倍”という意味だと思うのだが、日本は米に関しては特に基準値が厳しいのではないか、という気がするよね。

そうだとしても、理由はもちろん食の安全のためだ!ということなのだろうが、実はこういった農薬基準をすんごく厳しくすることは「海外からの輸入を抑制するために非常に有効な方法」のはず。非関税障壁としても意味がある。

なので、「日本の基準の2倍から6倍の農薬残留量」というのが、「世界の他の国では特になんの問題もない量」なのか、「世界でも大問題の残留量」なのか、というのがまず知りたい。

たとえばこの量が、「日本でも米国でも大問題の量だが、中国やベトナムでは問題ない量なのだ」ということになれば、みな「やっぱり中国やベトナムからの輸入品は危ないな」と思うのだろうが、「こんな残留量で問題になるのは日本だけ。アメリカでもフランスでもこの量ならなんの問題もないどころか、今回見つかった量は他の先進国での基準の10分の1にも満たない量なのである。」と報道されたら、「そうか、日本だけがすごく基準値が厳しいんだな」ということになる。

その上、「実は日本は米の残留農薬の基準値は世界で一番厳しいが、他の食品についての基準値はすんごくゆるいのだ」となってくれば「なんで米だけそんなに厳しい基準にするんだ?」という話になり、農水省が本当は何をしたいか、よくわかったりもする。

と、このあたりが知りたいところなんだけど、なかなかそーゆー報道はないですね。

ただ、農水省大臣はとある番組で“失言”し、「今回残っていたといわれる農薬の量は“一生食べ続けても健康被害はない量”だった」と言ってしまってる。大阪市の担当者も今日「この(汚染)米を毎日3合食べても健康には問題ない」って発表していた。

「ふーん、一生食べても大丈夫な量が“基準値の2〜6倍以上”なのね」って感じだ。しかも一生毎日3合食べるって無理だと思うよ。お茶碗何杯分やねん。

まあとにかく、日本は「米以外の他の食品=日本で栽培していない農作物に関しても、そんなに厳しいのか?」聞きたいところです。


(2)普通の米の事故米比率はどの程度なのか?

これもわかんない。だいたい年間80万トンのミニマムアクセス米を輸入していると思います。日本でのお米の総生産量はたぶん1000万トンくらいじゃないかな。

三笠フーズは事故米を年間2000トンくらい買い集めていたらしい。だとしても80万トンに占める割合は0.25%。これが事故米の全体かどうか、も知りたいし、日本で生産する米の事故米率も知りたいし、他の農産物(野菜)の事故率(基準値以上の農薬残留率)も知りたい。

現在この事件により「海外からの輸入米は危ない!」という印象が非常に強く日本人に植え付けられつつある。これは日本の農家の利益を守りたい農水省にとってはとてもラッキーなことだと思う。心より“超うれし〜”と思っているだろう。

でも、いったいその事故比率が他の米、他の農産物と比べて高いのか、同じなのか、低いのか。それがわからないと「本当に危ないのは何なのか?」わからないじゃん。それとも「事故率」もしくは「不良品率」ってゼロだという前提なのか??そんな商品は工業商品でさえありえない。ましてや自然商品で不良品率ゼロなんてありえない。

まあとにかく、「中国やベトナムの米」=「カビが生えたり農薬たっぷり」という印象を植え付けただけでも今回の事件で農水省はすんごい得をした、と思う。



(3)そもそもミニマムアクセス米の扱いはどーなっていたのか?

事故米じゃなくて、ミニマムアクセス米をそもそも政府はどうしようとしていたのか、っていう話が報道されないですよね。

今回の事故米は「農薬残留量が過大、もしくは、カビなどが生えたもの」と報道されているが、もしも輸入した米を売りさばかずにずうっと倉庫においていたらどーなると思います?

農薬が適正量しかかかってない米にはカビが生え、農薬が異常にたくさんかかっている米からは過剰農薬が検出される。つまり「必ず何らかの問題が発生する」よね。

そりゃそーです。食べ物なんだから、一定期間以上放置していれば腐るなりカビが生えるなりする。食べ物を倉庫に何年も放置しとけば問題が起こるのはごく当然なのだから、むしろ「なんでそんなことしてんねん?」ってことのほうが知りたいちきりんです。ミニマムアクセス米はそもそもどういう扱いをされていたのか。これがまずは報道されるべきでない?


ちきりんはカリフォルニア在住中アメリカのお米食べてましたけど、日本米の2割の値段で味は十分おいしかったです。でも、こんなのを日本人に食べさせたらみな「あれ?なんでこれを輸入しないの?」と考え始めるよね。だから強制的にでも輸入させられたお米は「食べ物としては流通させたくない!!!」と、もしもちきりんが日本の農家の利益を考える人であったら・・・思うよね。

そして実際そのとおり、これらの海外からの輸入米を農水省は最初から「食べ物としては売らない」と決めてしまっています。事故米じゃなくてもですよ。なんの問題もなくても“日本人には食べさせない!”と決めてしまっている。

食べ物を、飼料用、工業用としてしか売らない、と決めているってどうだかね、って思う。これだけ世界で飢えている人がいて、日本でも貧困にあえぐ人がいて、米の値段が今の2割だったらすごい助かる!という人がいても、「これらの米は食用には売りません」と決めている。たかだか60年前には米粒ひとつ無駄にしなかったであろうこの国の国民が、それを望んでいる?

その上、食べ物を食べずに他の用途でしか使わないってんだから当然余る。結果として長い長い間倉庫に放置される。農薬が少なければカビが生え、そうならないのは過剰農薬のかかったものだけだ。そしてそれが接待を受けた役人によって闇に流される。そして、結局「食用」となる。

「そもそも“食べられる米”を“食べさせない”と決めた」それが回りまわって「食べられるんだから食用で流通させよう」という人の手に渡る。ある意味、非常に自然な流れだと思いません?問題の本質はここ(食べられるものを食べさせないと決めたところ)にあるのではないのか?


ミニマムアクセス米の扱いはそもそもどうあるべきなのか?

ここに触れずしてこの問題が議論できる?



マスコミの今の報道を見ていると、「農水省の小役人が接待を受けて、過剰農薬のかかった米を売った」ということらしい。本当にそれがこの問題の本質か?


★★★

どこか一社くらいは、マスコミもきちんと全体の構図の解説をやるべきじゃないかな、と思うよね。

日本はずっと米の輸入を拒んできて、現在は「関税化」という方式で輸入を阻止しています。だいたい780%の関税率。(米の市況によって関税率は変化するため、最近は世界市場での食料(米を含む)の高騰により関税率は低く計算されることが多いです。)

こんなむちゃくちゃな関税をかけて輸入を阻止しているので、「日本は自分が得意なものは輸出しまくるくせに、自分の弱い産業は完全保護なんてずるいだろ?」ということで最低限度の輸入を義務付けられている。それを「日本人に食べさせて味がばれるとまずいから」食べさせないと決めた。そもそも人に食べさせる気がないから、輸入時に農薬でべたべたのお米でも返品もクレーム付けもしない。(輸出国側も“どうせ日本は食べる気ないんだから”って感じだろう。)その上、食べないと決めているから当然余る。で、倉庫に放り込んでおく。そしたらカビが生えました、と。



日本の農業の産業規模は1兆数千億円くらいです。そしてこの産業に投入されている補助金(税金)の総額が、ほぼ同等の1兆数千億円。産業規模と同じ規模の税金が投入されているということは、農業ってのは「半分、国有産業」なんです。言い換えれば私たち国民が税金で運営している産業、なんです。

だったら「ミニマムアクセス米をどう活用するのか」とかも含め、もっと全体感をもった議論を納税者はするべきではないのか?その判断のために必要な情報を農水省が隠蔽するのは当然としても、それを探り出して白日の下にさらすのは誰の役割なのだ?


議論すべきは末端の役人の焼き鳥屋での接待問題ではないと思う。農水省が三笠フーズを訴えるなんて茶番以外の何ものでもない。もしかして農水省は正義の味方のつもり?

毎日3合食べ続けても健康になんの問題もない米が実際にどのルートで売られたかを延々と報道し続けるわれらが公共放送のNHKもすばらしすぎる!そりゃあ、さぞかし重要な情報なのだろう。

せんべいの回収に至っては笑いを通り越して呆れる感じ。米3合分にあたる量のそのせんべいを毎日一生食っても健康に問題はないですよ。たぶん、そのせんべいの他の原料(合法的な保存剤や香料など)の方が危ないくらいかも、って思います。


しかも三笠フーズは“悪意”があるが、そこから米を買った末端の業者の多くには悪意はまったくない。知らずに事故米を買ったのだ。彼らだって犠牲者だ。NHKがあれだけ名前を連呼すれば、これらの業者のうち体力のない焼酎メーカー、せんべいメーカー、給食会社の中には倒産に追い込まれる企業も複数出るのではないか思う。

でも今回は農薬餃子の時とはぜんぜん違う。あの時は「食べたら死ぬかも」だった。すぐに回収が必要だし、どこで売られたかを報道することは非常に重要だった。しかし今回は、一回くらい食べても何の問題もない食品を、罪のない末端メーカーが回収させられている。

“意図的に混入させられた農薬の量”と“残留”している農薬の量ってのはレベルが違うってことがなぜわからない? ってか、日本人でも今40歳くらいの世代の人は、成長期には毎日そういうレベルの農薬が残った米を食べてここまで生きてきてるんではないのかしらん。あの頃の農薬基準ってそんなに厳しくなかったでしょう?



これまで一生懸命やってきた焼酎メーカーが、だまされて事故米を買ったという罪で(毎日米3合分飲んでも)健康にはなんの問題もない商品を回収に追い込まれ、当然その損失は誰も補填してくれず、加えてNHKの報道をみた大手企業から今後の納入契約を破棄される。そして・・

今、公共の電波がやっていることはそういうことなのだ。私たちは本当にそれを望んでいる?




誤解のないように書いておくと、ちきりんがこのエントリで主張しているのは「米の輸入自由化」ではない。「マスコミは何を報道すべきか?」「私たち納税者は何を考えるべきか」ということを議論している。米を輸入するかどうかは国民の総意で決めればよいです。


テレビから聞こえてくるキャスターの声は、接待を受けていた小役人と同じくらい“あほみたい”に聞こえます。どうでもいいことを報道するのに忙しい人たちだ。そんな感じ。



そんじゃあね。



9月24日に追記→http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20080924#1222263143

2008-09-15 915(きゅういちご)

あ〜、リーマン・ブラザーズぶっとびましたね。びっくり。

かなりの衝撃を受けているちきりんです。これ、日本でいうと長銀の破綻の時より大きなインパクト、だと思います。“投資銀行”と“IT”というのは「アメリカを代表する産業」なんです。その“国を代表する産業の大手企業”が、しかも事実上二つも一緒にぶっ飛ぶってのは、日本で証券会社(たとえば山一)が倒産するのとはわけが違います。

ちきりん的には、たとえば三井住友銀行が倒産するとか、三井物産が倒産するとか、そんな感じなんですけど。(三井グループにはなんの恨みもないです。念のため。例にすぎません・・)それだったらすんごいびっくりするでしょ?それくらいのインパクトが(アメリカ人にとっては)あると思います。

1929年の世界恐慌の再来になるかどうかは、これから1週間以内の世界の金融当局の力量しだいって感じでしょうか。

休暇から戻ってきたばかりでまだよくまとまってないのですが、今の時点で感じたことをいくつか書いておきます。

★★★

「政府は救済しないのか?」という点について。まあ「救済はないでしょ」と思っていましたがやっぱりしませんでしたね。

アメリカはそもそも市場原理の国。国による救済ってのは限定的。ファニーメイとかってのは民間銀行とはいっても存在事由にはたぶんに公共目的がある銀行。だけどリーマンなんて完全に「株主を儲けさせるための企業」ですからね。なんの大義名分もない。

それに一番大きいのは大統領選挙です。大統領選のある11月1週目までの間に投資銀行に公的資金をいれたら共和党は絶対に勝てないです。間違いなく民主党はそこをついてくるし、有権者もそれに同調するでしょう。

だってさ、今日つぶれるまでボーナスは出てないとはいえ基本給だけでも2000万円、3000万円もらってる人ばっかりですからね、リーマンで働いている人なんて。一方ではサブプライム問題で家を追い出されている庶民が山ほどいる中で、そんな高給取りの人たちのために税金は投入できないでしょ。

あと、連鎖についての考え方がある。春のベアスターンズの時は「これを支えれば乗り切れる」と思ったのでしょう。でも今回はアメリカの金融当局も「リーマンを助ければ乗り切れるかどうか」まだ見通しがもててない。アメリカって「まだまだいろいろでてくるかも」と思ったら、「全部の膿が出尽くしてから、ど〜んと根本的に打つ手を考える」という方式です。一個一個やってたら後追い後追い(昔の日本みたいにね)になるから、です。

というわけで、次の2〜10日ほど「世界で何が起こるか」を見てから打つ手を決めるってことになるんだと思う。それにしても選挙直前ってのは苦しい。打つ手が限られてしまうでしょう。

★★★

今日、日本が祝日ってのは結構ラッキーだったと思います。金融庁をはじめとする当局も、リーマン社の日本の幹部らも、他の市場関係者も丸一日準備時間がもてている。これは大きいです。

市場も、他のアジア、欧州、アメリカの状況を見た後で東京市場がオープンする。波乱は免れませんがそれでも「破綻直後に最初に開く市場」になるよりはよほどよかったと思う。

たとえば明日市場があけば東京のリーマン社の電話は鳴りっぱなしになります。顧客からの電話が鳴り続ける。それにどう応答するかについてだけでも、今日一日あれば対策をたてることができたはず。

「俺たちどーなるんだ?」と思っているリーマン社社員も、香港とかシンガポールの知り合いの社員に電話して「正式解雇通知でた?」って聞けば状況が把握できるはず。日本以外のアジアオフィスは今日は営業日ですからね。そっちの様子を聞けば準備ができる。

金融庁についてもいろいろ明日の朝イチでやるべきことの整理ができたはず、と思う。それこそ「香港の金融当局は何をした?」ってのを参考にできるでしょ。


不幸中の幸い。

★★★

救済会社が現れなかった、ということは今回非常に興味深い。たとえばシティが揺らいだ時にはアラブのファンドがお金を入れた。リーマンってそれなりの“名前”ですからね、誰かほしがるんじゃないか、とリーマンの幹部も思っただろうし、米国金融当局も思っただろうし、ちきりんも思っていた。


誰も買わないんだ!!


てのが、この件の一番の驚きだよ。


西欧の金融機関は「それくらい余裕がない」ってことだと思う。相当程度「助けたい」と考えたと思うけどね。業界の危機だし。でも無理だった。誰もその余裕がなかった。

日本や中国の企業は?日本のメガバンクにも中国の企業(事実上政府、ですが)にも、リスクとして大きすぎて手が出せなかった。これはまあわかる。

ちなみにバブル期の日本だったら何行もの銀行が「買いたい!」と手をあげたと思う。さすがに今の日本にはそういう余裕はない。

ロシアは?ウハウハなんじゃないの?

彼らは金融業にあんまり関心ないよね。エネルギーとかインフラ系にしか関心のない国なんだよね。それに最近アメリカとも喧嘩が多いし。「ほっといたれ」って感じでしょう。


アラブは?

なんでアラブの企業がお金出さなかったんだろ?

石油が下がり始めてるから?

もしかしてアラブまで弱気になっている???


ここがなかなかおもしろい。


とにかくですね。「誰も買わなかった」ということが、今回の件の一番の注目点なんです。最も面白い点です。そしてこの点こそが世界を不安にしている、と思います。



えっ?誰も助けないの??


ちきりん的にはこれが最大のびっくり。

★★★

これから各部門がばら売りされるわけですが、まあ、相当厳しいだろうなあと思います。だって工場とか持っているわけではないし、資産をすごく抱えているわけではない。基本は「優秀な=客をつかんでいる人材」しかいない。でもね、部門を丸ごと買い取らなくても、そういう人をチームごと雇えばいいだけですからね・・

部門ごと(もしくは地域ごと)で買うとしたら、その部分に新たに進出(もしくは大幅拡充)したいと思う同業者になるわけですが、「全体では買えないが、一部門なら買う」ってところがどれくらいあるのか。いくつかの優良部門が売れるだけじゃないかな〜と思います。後は解散ってことになるんじゃないかな、結局。


ただ社員は、たぶんもう半年くらいの間心の準備ができる(もしくは逃げ出す)期間もあったし、そもそもそういう業界だとわかっていたはずなので、それなりの衝撃があるとはいえ、心臓が口から飛び出したりはしていないと思います。

一番驚いているのは来年の4月に入社予定だった内定学生さんとかかな。親御さんも含めてびっくりかもね。なお、米国では9月から就職するのが普通だと思うのですが、今年の9月から入社予定だった(アメリカの)学生さんはおそらく1ヶ月前くらいまでに「内定取り消し」の連絡をもらっていたと思います。

大変なことだね・・



とりあえず今、思いつくことはこれだけ。


この日が“911”とならんで“915”と呼ばれるようになるんでしょうかね。


んじゃ。

2008-09-12 北朝鮮もしかするかも?

北朝鮮って「もうもたない」「崩壊が近い」と言われ続けて何十年。過去50年以上「あと50年で枯渇する」と言われて続ける石油と同じ狼少年系です。

ただ今回は、金正日総書記が脳疾患か心臓発作に見舞われたという報道もあり、おもしろくなってきました。

中国も韓国もアメリカも、すんごいいろいろ考えてると思います。まあ、日本はなんも考えてなさそうですけどね。

★★★

まず韓国は背筋が寒くなっているでしょう。万が一にも政権交代がスムーズに進まず権力の空白ができたら。万が一にも軍部が統率をとることに失敗したら・・・38度線を越えて北朝鮮から“同胞達”が押し寄せてきたら!(難民ね)

38度線なんて海や川があるわけでも高い山があるわけでもありません。ベルリンにあったようなコンクリ壁さえありません。単なる原っぱに鉄条網です。ここを人が超えられないのは、後ろから撃ってくる兵隊がいるから、というだけであって、物理的な障壁はなんもありません。


もしも国境で後ろから撃ってくる兵隊がいなくなったら?

国境警備隊の兵隊達がいきなり我先にと武器を捨てて韓国側になだれこみ始めたら?

何万、何十万、何百万人もの北朝鮮人民が雪崩をうって韓国側に越境を始めたら?

国境警備隊の将校一人が決断したら? 誰かが最初の一歩を踏み出したら? 誰かが「今だ!」と思ったら??


いったん始まれば、なだれ込み始める人を誰も押しとどめられない。それはもう一瞬の出来事になるはずです。


北朝鮮が崩壊するかどうかは、軍中央が全国の部隊をどこまでしっかりと統制できるか、それだけにかかっているということです。

なので金正日氏が「先軍主義」、すなわち「すべてに軍を優先する」という方針を掲げてきたことは極めて正しい政策でした。が、その金正日が倒れた!


そうなった時、韓国側はどう対応するでしょう?テレビは38度線を越えて続々とやってくる“同胞の大軍”を半ばパニックになりながら放映し続けるでしょう。その時、韓国はこの大群をどう迎えればよいの?

韓国側の国境警備隊だって、当然ながら「止まれ!」と叫んで撃ったりは出来ません。だって夢にまで見た(?)祖国統一ですから! 国民の悲願である(はずの)南北統一!なのです。

じゃあ、諸手をあげて歓迎して万歳!!と叫ぶ?


38度線からソウルまでは約60キロ。時速6キロで歩くだけでも10時間で到着してしまう距離。数日後にはソウルの町は大量の北朝鮮難民であふれかえることになります。それでも後から後から押し寄せる北朝鮮難民。

韓国の人口は4800万人、うち1千万人がソウルに住んでいます。北朝鮮は人口2000万人程度。うち数百万人は10日ほどでソウルに到着するでしょう。これはソウル人口の2割、3割に達する数の難民です。しかも“邪険に扱うことは許されない難民”・・・が町に溢れます。


まさに“ソウルの悪夢”


どうするどうする李明博!?


★★★


中国とアメリカも真剣でしょう。あの場所に位置する国を「親米の国」にできるか「新中の国」のまま維持できるかは、アジアにおける米中の安全保障バランスに大きく影響します。

韓国では米軍は高い自由度を持っています。半島全部が韓国になったら、中朝の国境にそっってずらずら〜とミサイルが並ぶ可能性もあり、中国にとっては「あってはならない」ことでしょう。中国からみれば、なんとしてもこの位置には「親中国家」を維持したいはず。

そのためには、いきなり「民主化だ!」と叫んで国を開放したり韓国と統一しようとする人は、後継の指導者として絶対に認めたくないところでしょう。


北朝鮮の現体制で権力をもっている高官だって国の体制が180度変わってしまったら「逮捕され、裁かれる」わけだから(下手すると北朝鮮の人民に虐殺されるかもしれない)、当然、国の崩壊なんて望みません。

というわけで、金正日の後継を担えるキャパがあり、中国側がコントロールできる人物は誰なのか。胡錦涛主席はじめとする中国当局上層部は今、後継候補者の“身体検査”の真っ最中なんじゃないかしら?


それが誰なのか知りたい!

超興味ある。


まあとにかくおもしろい。

日本のテレビは総裁選ばっかり報道してるけど、そんなんよりよっぽどこっちの方がおもしろいと思うので、「ポスト金正日」の分析番組でもやってほしい。

いやおもしろいだけでなくて、日本にとってさえ、自民党総裁選よりこっちのほうが影響大きいような気がするんだけど??


んじゃね!

2008-09-11 消費者庁 新設の意味

消費者庁設置の議論によりわかったことは、やっぱり「既存の省庁はすべて(消費者のためではなく)業者と業界のために存在しているのだ!」ということ、だったと思う。


福田首相の肝いりの“消費者庁のある世界”って

つまり、こーゆーイメージなわけでしょ。↓

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「消費者のための省庁が全然ないからひとつくらい作りましょう」って感じだったのでしょう。


でもこんなの作っちゃったら既存省庁に「これで、あなたたちは心置きなく業界の利益を考えていればいいですよ。消費者のことは消費者庁で考えることになりましたからね」っていうお墨付きを与えるようなもんじゃないかと。

実際、今後なんか問題が起ったら全部消費者庁の監督不行届きみたいな話になっちゃうんじゃないの?


それって変じゃない?





ほんとは、消費者庁なんて名前の省庁は要らないんだよ。

こういう世界なら↓消費者庁なくていいでしょ。(水色の箱は組織ではなく分類名ね。上下の図とも同じ)

書くの省略したけど「国民の命と健康と健全な労働環境を守るためにがんばる!」(厚生労働省)、世界に通用するリーダーと技術者と芸術家を育てる!(文部科学省)、食の安全を守る!!(農水省)とかいうふうになればこーゆー図↓になるんだと思うのよね。

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こっちが“あるべき姿”じゃないかと思うのだ。

もしこういう形だったら「もっと業者のための官庁を作ろう」という話にさえなるかも。


日本って本当「産業振興」の夢と泡沫から逃れられてない国だよね。




(ほんのちょっとだけ)関連エントリ:http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20070701

2008-09-08 “Web2.0最後尾”、イヤまたその後ろ

昨日コメントで「ちきりんさんはあえてネット世間からは距離をおいているようにみえる」、「あまりネット指向じゃないようにみえる」と言われました。

立ち位置をどこにするか、ということによると思いますが、少なくとも「すごくネット指向」が強いわけでないことは確かです。

ファッション業界、ネットとかガジェットの市場、ハイテク業界や自動車業界などで、よくマーケティングで使われる顧客層分類法があるでしょ。最初にごくごく少数の(1)「商品化前からその分野に注目してて常に最初にリスクとってトライする層」があって、次に(2)「新しい物にそれなりに早く飛びついてヘビーに使いこなす層」がいて、その後に大きな固まりとして(3)「ごく普通の人。かたくなではないが、ある程度普及しないと使わない」という人達がいて、その後ろに(4)「比較的保守的」なこれまた大きな層(なかなか動かない層)があって、残りは(5)「最後まで動かない人」みたいなね。

これでいうと、今のweb2.0とか言われるネットの世界ってのは(1)の人が開発&仕掛けてきて、(2)の人がヘビーユーザーとなって作り上げている世界で、(3)の人の一部が周辺に参加してる、という感じなんだと思うのですが、ちきりんはたぶん(3)のど真ん中くらいの人なんだろうと思います。

ということで、世間的には“ごく普通”のところに位置していると思うけど、母集団を社会全部ではなく「現在ネット社会に参加、活動している人」とした場合は一番最後尾にいるわけですね。「あんまりネット指向ではない」と見えるのは確かにそうだろう、と思います。はてなのサービスもブログ以外なんも使ってないし。

★★★

ちきりんは長く紙のノートに日記を書いてきました。だからブログを書く時間は、元々紙のノートに日記を書いていた時間がそのまま横滑りしているだけです。つまりツールが変わっただけ。しかもまだ圧倒的に「紙に書いていた時代」の方が長いです。

紙からネットに移ったのは、鉛筆よりタイピングの方が楽になったのが一つ。もうひとつは、誰にも見せないものとして書くと非常に差し障りのある内容が多くなるため保存できなくなるから、です。

誰にも見せないと思うと、登場人物を実名で書いてしまいます。そうすると長く保存するのは問題がでてきて定期的に破棄していたんです。自分が交通事故でいきなり死んだときにこれが全部残るなんてありえない!と思って。でも今は公開しているのでかなり昇華したレベルで表現してます。これならいつまでも残せる。これも紙よりいいかも、と考えた理由です。物理的な保存スペースも不要だし。

このように、ちきりんがブログを書きはじめた理由は「紙に書くより楽で、物理的にも中身的にも気軽に残せるから」ということだけでした。(その後、新しいおもしろみを見つけたという話は昨日のエントリです。)


ところが、ネットの世界の方から、つまり(1)や(2)の方から言えば、ブログってのはそういうツール、すなわち単なる「公開されてる電子的な日記帳」ではない、ということなのだと思うのです。

トラックバックにしろキーワード機能にしろブックマークや★マークにしろ、「どんどん見知らぬ人とつながっていくためのツール」として認識されている、作られているのだと思います。しかもネット上だけでなく“オフ”と称して実際にリアルの世界でもつながっていこうとかしてる人も多い。メールアドレスを公開してる人もたくさんいますよね。ブログの書き手と読み手という関係だけでなく一対一での対話を積極的にとっていこうという志向をすごく感じます。

ところが最後尾のちきりんはブログを「人とつながるためのツール」とは考えたこともありません。それってweb2.0的にいえば、「ありえない」んだろうとは思いますが。ちきりん的にはどっちかいうと「勝手につながっちゃうのって結構ややこしくない?」くらいの感覚。

「つながること」「コミュニティを作ること、入ること」に特にニーズがないと、キーワード編集なんかしてどーなんの?という感じです。はてなハイクとかTwitterとかもよくわかりません。

★★★

あと、“ネット上のコミュニケーションのルール”もちきりんはよく理解していないと思います。なんか独特のルールがあるように思えますが、わかってないです。だから基本はリアルの世界でのルールに沿って対応させていただくようにしてます。

たとえば現実の社会で道で知らない人に話しかけられたとするでしょ。もしちゃんと「こんにちは」と挨拶されて丁寧に道を聞かれたら、出来る限り答えるよね。会社で「ちきりんさん、こんにちは!」と声を掛けられたら、「ああ○○さん、こんちは!」と答えるよね。

でも道ばたで知らない人からいきなり「その洋服、色が変ですね。僕の趣味と違います。」とか言われても、返事のしようがない。「ああそうですか」って感じだが、道でこんなこといきなり言ってくる人がいても普通返事しませんよね。(「その洋服素敵ですね!」なら、もちろん問題ないです!)

リアルな社会なら講演会でスピーカーに質問する時も「大変興味深いお話をありがとうございました。私は○○の仕事をしているものなのですが、ひとつ質問がありまして・・」って始めるでしょう。

でもブログへのコメントだといきなり「それは違うのではないでしょうか?」とか書く人はたくさんいるように見えます。挨拶も自己紹介もせずに初対面の人の意見にいきなり反論するってのは、リアルにはちょっとあり得ない気がしますけど、ネットではそれが一定限度受け入れられているように見えます。そこから対話が始まってコミュニティに発展したりするらしい。(知らんけど)

ちきりん的には、たとえネット上であっても知らない人から挨拶もなくいきなり否定的に話しかけられるのは、リアルな世界の路上でそうされるのと同じくらい不可解だし、そんな人と“つながりたいか?”とか言われても“いえ、全然”って感じです。

つくづくちきりんて“ウエブ時代の最後尾、のまたその後ろ”にいるなあ、と思います。



ちなみに、長く読んでくださっている方はおわかりと思いますが、ちきりんはネットの可能性については高く評価しています。ネットやネット上の様々な仕組みは実際にリアルな世の中を大きく変えていこうとしています。これからもそうでしょう。

ただし、ちきりんは最後尾のそのまた後ろにいるんで、全然ついっていってません、っていうだけの話です。

★★★

ちなみにウエブに限らずIT技術全般にちきりんはついていってません。

たとえば、どなたかがブログで「現金でチャージしないといけないような電子マネーは意味不明」と書かれているのを読んだ時も驚きました。

ちきりんは携帯に電子マネー3種を入れてますが、そのうち2種類は「現金でチャージ」してます。コンビニのレジで。もちろん携帯操作によりクレジットカードから直接チャージできるようになってるみたいです(多分)。でもこれが面倒。そもそも3種類別々にIDだのパスワードだのがあって、パスワードの条件もばらばらだから(セキュリティ上はいいんでしょうが)、結局のところメモをみないとクレジットカードからチャージできない。

そのうえ、2ヶ月後にクレジットカードの明細にそれが掲載されるけど・・・そんなん覚えてないでしょ。確認するにはまたいちいちパスワード入れて携帯で履歴をみないといけない。めんどくさすぎて耐えられない。現金チャージならその場で終わりです。

これが“最後尾のそのまた後ろ”のちきりんの実感です。

というわけで、ナナコとエディはコンビニで現金をチャージしてます。モバイルSuicaも早く地下鉄駅で“現金でチャージできるようにしてほしい”んだけど、って感じです。

もしかして・・時代に逆行してます?

★★★

さらに(1)と(2)の方を驚かせてあげましょう。

ちきりん家には薄型液晶テレビがありますが・・・ちきりんはデジタル放送を見ていません。なぜなら録画する時の制限が面倒すぎるから、です。

アナログならHDDに録画して気に入ったらDVDにうつして、友達の家にもっていったりあげたり自由自在。ところがデジタル放送を録画すると、一回のダビングしかできない上に、まずはダビングできるDVDの種類に制限がある。これが面倒すぎてちきりんには耐えられない。

テレビなんてアナログで十分ですよ。別にデジタルでみたいほどのものは全く放映されておりません。韓国ドラマくらいしかみないちきりんには「デジタル」なんて無用の長物です。


★★★

以上です。ってか、こんなに「自分は遅れてますけど」ってのを堂々と宣言しちゃうってのはどーよ、とも思うけど。まあいいです。

ちきりんブログの読者は(3)の方が中心かなと思うけど(初めてのコメントの際、“はじめまして”って言ってくださる方も多いしね)、でももし(2)や(1)の方がこれをお読みになることがあれば、“へ〜最後尾のそのまた後ろって、こんな感じなんだなあ”とか思ってくださいませ。


そんじゃ。

2008-09-07 “声が聞こえるように”

ちきりんがブログを書く時に一番気を配っているのは、読んでいる人に「ちきりんの声が聞こえるように書く」ということです。

読者の方が画面の文字を目で追うと、まるで画面の向こうから声が聞こえてくるかのような、「ちきりん」が自分に話しかけてきていると感じられるような、そういう文章が書きたいと思っています。


書き手として読み手に「声を届けたい」と思うと、こちらも「相手を思い浮かべながら書く」必要があります。画面の向こうの読者を想像して書かないと「声」は届かないと思うんです。

別に誰か特定の人を想像するわけではないのですが、たとえば誰かと飲みにいって何時間もその人に向かってぎゃーぎゃーわーわー話し続けているというような感じで、「聞いてる?聞いてる?ほんとに聞いてる?」ってな感じで書いています。



何が言いたいかって?


つまり、ちきりんが伝えたいのは個別のエントリの中身ではない、ってこと。首相がどうしたとか、経済がどうのとか、正直どうでもいい。

伝えたいのは、それらの社会の出来事を「ちきりん」がどう見ているのか?ということなんです。伝えたいのは政治や経済の話ではなく“ちきりんの考え方であり人となり”だということ。

いろんな事象について「こー思う」「あー思う」と綴ることによって、そのこと自体について書いているように見えて結局のところ「あたしはこーゆー人間だよ!」ということを書いてます。ちきりんブログってそーゆーブログなんです。伝えたいのは「ちきりん」のことです。だから名前も「Chikirinの日記」が一番ぴったり。


ちきりんブログでは、社会事象についての意見や感想を書くのが中心だけど、時には個人的な内容も含まれます。料理の写真や旅行の話などですね。

個人情報を開示する気がないので仕事については基本的に書かないし、(知っている人も読んでいるので)一定以上プライベートなことは書かないようにしていますが、できる範囲で個人的な趣味嗜好関連のエントリも取り混ぜています。

これらは、このブログで伝えたいのが「ちきりんという人間そのもの」と考えれば非常に重要なエントリだとわかっていただけると思います。社会派系のエントリだけでなく、パーソナルなエントリも併せて読んでいただくことで、よりいっそ「ちきりん像」が形成され、より「画面から声が聞こえてきやすくなるだろう」と思ってます。

★★★


つまりちきりんブログの特徴は、“書き手”として“ブログ・プロファイリング”をやろうとしてるってことだと思うんです。


このブログを読んでいる人には実際のちきりんを知っている人も一定数います。でもじゃあ彼ら、彼女らがちきりんのことをどれくらい知っているか、っていうとたいして知らないと思う。

名前と勤務している会社とか外見とか、そういうものを知っているとなんとなく「私はちきりんさんを知っている」って言いたくなるけど、「ほんまに知ってるか?」というと何にも知らないよね、実は。

そういう意味では実際にちきりんという人間を「見たことあるか」(知っているか、ではなく)というのは、プロファイリング上のひとつのピースに過ぎない、とも言える。もちろん実際に話したことがある、見たことがあるというのは「大きなピース」だとは思います。百聞は一見にしかずっていうのはかなり正しいと思う。

それでも、それだから、と書くべきか。ちきりんが挑戦したいのは、「ブログを通じてどこまで正確にそしてビビッドに、読み手側の思考世界にちきりんプロファイルを形成できるか」ってことなわけです。

ブログのエントリを書く作業は、ジグソーパズルのジグソーをひとつずつ(読んでくださっている方に)渡していく作業、という感じなのです。


実際にちきりんを知っている人は最初にひとかたまりのピースを持っている。けど、実はそれが全体としてのプロファイリングに有利か不利かは言い切れない。強烈な一面を知っていると他の面が見えにくくなる、ということがあるから。

ちきりんがもしここで仕事内容を含む個人情報を開示したとしたら、多くの人が「そっちの情報」に引きずられてしまうでしょ。それによってプロファイリングの骨格が決まってしまう。そしてそれは正しくさえないし、むしろあまりに一面的で不正確だとさえ言える印象になってしまうと思う。

たとえば見えない何かが目の前にある。見ることはできない。見えない。なんだけど、いろんな情報を多角的にばらばらに大量に与えられて、うーん、こんな感じ?みたいな、イメージ形成のプロセス。帰納的な、インテグレーションの作業。それを情報提供側(書き手側)としてどうコントロールしていくか。実現していくか。(コントロールですよ、マニピュレートではなくて)


この作業が結構おもしろいな、と。チャレンジングだな、と思っているわけです。


もちろん個別のエントリだけを読んでくださる方にも感謝しています。別に皆が皆プロファイリングなどという面倒なゲームに参加していただく必要は全然ないわけで。

私が誰か当てろ、と言っているわけでも、私を理解しろ、と言っているわけでもないんです。文字が、見るとか聞くとか触れるとか、そういうものにどの程度迫れるのか、というのは、世の中のすばらしい文筆家の方々が過去に多くの作品を残してその挑戦を形にされている。

残念ながらちきりんはそういう才能には恵まれなかった。もしくは、そういう道を選ぶだけの勇気がなかった。だけど、ブログというツールで、ちきりんも「文字を使った挑戦」に参加することができている。しかもその対象はちきりんにとって最も興味をそそる“人間”というものなのだ。

文字がひとりの人間をどこまで表現できるのか。文字でひとつの人格をどこまで伝えることができるのか。


それは結構楽しいことだし、なんとか挑戦してみたいと思わせる、おもしろい試みなのです。

ってことが言いたいわけです。


そんじゃーね。


でかいピースだ〜、今日のは。

2008-09-06 名前が大事、まじで

地下鉄の中で広告が出てたです、武蔵工業大学が名前を変更するって。

来年の4月からは、「東京都市大学」になります。


武蔵工業大学が東京都市大学に。

英語だと、Tokyo City Universityらしい。





この大学に知識工学部っていうのがあります。これは2年前に新設された学部です。

この大学には他に工学部もあります。工学部と知識工学部があるってことです。これって微妙だよね。片一方の工学部は知識が要らんのか?それとも知識工学部は知識をつけるところなのか?違いがよくわかりませんが。まあいいです。

で、

その知識工学部の中に、応用情報工学科っていうのがあるんだけど、この学科も来年から名称変更します。新しい名前は“経営システム工学科”



★★★


2008年4月 私立大学の47%が定員割れ。47%ってほぼ半分なんですけど・・

武蔵工業大学より東京都市大学の方が行きたいですかね? やっぱり。

大学も大変だね。



名前なんか変えてもだめだろって?中身が大事なんだぞって?

そう思ってます?



それがそーでもないのよね。

どこの大学も海外から学生を集める必要があるんです。日本人なんか(少なくとも若者は)もーいなくなる民族だ。だから大学名に"Tokyo"とか"City"とかっていう単語、ネーミングを使うのがとても大事。中国でも知られている慶応とか早稲田以外のところにとっては、とにかく一目で“行きたい!”と思わせる大学名が必要。"Tokyo"ってそういう意味でまさにキーワードなわけです。海外の人や地方の人にとって。


集める学生、マーケティングの相手が日本人なら、もっと詳細に教育の中身を売りにするって手もあるだろうし、入試方法の工夫とか、アイデアはありうるでしょう。でも中国の、しかも上海とか北京ではなく田舎の方の都市で、リビングに日本の大学のパンフレットごっそりひろげて家族でワイワイガヤガヤ留学先を選ぶ時代になりつつあるわけですよ。お茶飲みながら。おじいちゃんとかも「ここがえーんじゃないか?」みたいに意見言ったりしながらね。

そしたらやっぱ“Tokyo City University”だろうと。武蔵工業大学よりはさ。正直言って中身なんかわからんじゃん?


そのうち一橋大学あたりも“東京一橋大学”とかに改名しかねないぞ。

そんなことないって?

ありえると思うよ。東京ディズニーランドも成田空港の最初の名前(新東京国際空港)も同じでしょ。“千葉”とか言いたくないんですよ、外人と地方の人にアピールしないから。「東京にあるんですよ!!」って“名前で言う”のが大事ってこと。




ちきりんブログも日本人減少によりアクセス数が減ってきたら名前でも変えるかね。

東京ちきりんの日記”とか?

メトロポリタンちきりんブログ”もいい感じ?



名前だけ変えてもダメだって?

いいの。名前が大事なの。


んじゃ

2008-09-05 市販のお弁当の卵焼き

市販のお弁当に入っている卵焼き、ってあるでしょ。

というか、市販のお弁当に最もよく登場するおかずって卵焼きですよね。あの奇妙な物体。


あれ、ちきりん最近はまず食べないです。食べずに残します。

だって、とても卵から出来ているとはおもえないのだもの。

色も、味も、歯ごたえ(歯触り)も


卵とはほど遠ーくない??


ぶよーんぶよーんの妙な弾力があってゴムみたいだし、味も人工的だし、なんていうか、化学物質です、みたいな感じがします。

市販のお弁当あまり食べない人はご存じないかもしれませんね。ちきりんは駅弁族なので食べる機会が多いのです。敢えて試して見たい方はコンビニ弁当にも入ってますので試食してみてくださいな。


とにかくアレ、一応“卵焼き”って顔して座ってるんだけど、でも家で卵からあれを“造る”のは無理だと思う。どうやったらあんなものが卵から?ってかんじの代物です。なんとなく卵焼きの形と色をしているだけです。


そのうち問題になりそうな気がしますけどね。

というわけで気味悪いので大抵残してしまうちきりんでありました。





そんだけ?

そんだけ。

つまらん話ですんません。


じゃね。

2008-09-03 二度目「そんなん言うなら辞めます」

福田首相の突然の辞任の件、ニュースやブログでは安倍さん辞任時との比較が多いみたいですね。「二代続けて突然に」みたいな。でも、ちきりんが今回の福田さんの辞任会見を見て思い出したのは安倍さんの辞任ではないです。むしろ福田さんの“前の”辞任の時のことを思い出しました。

この人、小泉政権の時の官房長官だったんです。年金未払い問題で辞任したんですけど、あの時の辞め方と今回の辞め方は全く同じです。同じ人だから当然かもしれないけど。

今回の会見を見てちきりんは思いました。「ああ、この人のこの辞め方二度目だ」と。


前も今回も「もういいです、僕は」っていう辞め方なんだよね。

年金未納問題の嵐が吹き荒れた時いろんな人が辞任したけど、大半の人はなんだかんだ理屈をこねて辞任を渋った。「なんでこんなことで大臣辞めなあかんねん!?」って感じだった。福田さんもそれらの人をかばっていた。ところが、自分の未納問題が文春に載ったら超スピードで「辞めます」と発表した。「ええっ??そんなあっさり辞めるんだ?」と驚きました。今回と同じです。

というわけで、福田さんは2回とも「同じ辞め方」をしました。官房長官も、首相も同じように辞めたんです。

★★★

この人、「皆が僕にやるべきだと言うならやります。」って人なんです。PTAで会長選ぶ時とか、そういうのあるでしょ。「ここはやっっぱり○○さんにやっていただかないと。」「そうですよ、そうですよ」「ほんとですよ、○○さん以外に誰もつとまりませんよ」みたいな感じで選ばれる人。

そういう選ばれ方の人なんですよね、福田さんて。


小泉さんの次の総裁を選ぶ選挙。安倍さんと一騎打ちする必要がある時にはこの人は出馬しないんです。「負けるかも、勝つかも」みたいな勝負はしない。つーか、そういうのを“勝負”というわけだから、この人は「勝負はしない」人なんです。

安倍さんの後みたいに「ほぼ全員が」「ここはやっぱり福田さんにやっていただかないと」って言わないと、引き受けない。最終的には町内会長に収まる、町内の、裏の家のおじちゃんみたいな人です。


なので、誰かがちょっとでも反対したり支持を取り下げ始めたら、すぐ辞める、んです。必死で抵抗したりはしない。しがみついたりはしない。最後までがんばったりしない。(←これを本人視点で言うと“僕は客観的にものが見られる”ということです。)

「そんなん言うんだったら、僕辞めます。」って言われて、これじゃあ文句を言った方の人が寧ろ驚かされる。「ちょっと言うてみただけやのに、そんな極端なこと言わんでも・・」「辞めんでもえーやろ、そんなことぐらいで。」って感じ。「飯がまずい」って文句言ったら「離婚します」って言われたようなもんです。こっちはびっくりするが、相手はいたって冷静。


そういう感じ。

前の辞め方も今回の辞め方も。


小泉さんも麻生さんも誰も支持してない時から選挙に出まくるでしょ。「オレがオレが!!」なんです、彼らは。こういう人もいるよね。やたらとうるさい。「オレがオレがオレ様が!!」って人。「うっせーなも〜」と思っていると、そのうち当選していたりする、ってやつです。


つまり福田さんって「昔の日本のコミュニティの長」なんだよね。皆に、8割以上の人に支持されて「ここはひとつ○○さんに!」で選ばれる人。小泉さんや麻生さんが「選挙で選ばれる人」(もしくは選ばれない人)なのとは全く違うモデルだと思う。

★★★

というわけで、彼は「自分が(総理総裁として)選挙をする」というのも最初から全く考えてなかったと思う。


繰り返しますがこの人、“勝てるかも、勝てないかも”の選挙なんてしない。父親が首相じゃなければ絶対政治家なんかにはなってないよね。それどころか父親が政治家でもなろうとしてなかった。でもお父さんが高齢になって自分も40歳になって、しかも後継者の弟が病気になっちゃって、んで周りから「ここはひとつ康夫さんにやってもらわなどーにもならん」って言われてから初めて出てるんですよ。上に書いたのと同じパターン。

中学生の頃から父親の選挙活動を手伝ってた安倍さんとも全然ちゃいます。周囲全員が「ここはひとつ康夫さんに」と言ってくれ、「選挙のことは全部我々がやりますから心配しないでください。康夫さんは出馬さえしてくれれば後は任せて」と言われれば、やっと「ん〜、まあ皆さんがそこまでおっしゃるなら仕方ないですね。やってあげますか、フフン」って言う人なんです。


だから最初から「来年の9月までのどこで辞めるか」を考えていた。だって来年の9月まで首相だったら否応なく自分が選挙やらないといけなくなる。そんなのありえない。もちろん解散して自分で選挙するなんて全く「想定外」。


一貫して「選挙は次の総理総裁にやってもらう」つもりだったんでしょう。そのためには来年の9月までのどこかで「次の総裁」にバトンを渡す必要がある。そのタイミングをいつにするか。最初からそう考えてた。とすると選択肢はふたつ。

ひとつが今、そしてもうひとつが来年の早春。


なんでか?

★★★

選挙をするのは次の人だとしても、当然自民党が勝てるタイミングを選ぶ必要がある。自民党が勝てる可能性を少しでも高めるためには、ひとつは「自民党総裁選」→「衆議院解散選挙」が連続する必要がある。“自民党総裁選をマスコミで大々的にとりあげてもらった余波”が衆院選を戦うのに必要不可欠だ。

もうひとつ「時間切れ衆院選挙」はだめなんです。「何かの政策論点で民主党と対峙して、それを争点にした解散選挙」が必要。そうすると選挙の争点を「民主党と対峙した課題」にもっていけるでしょ。たとえば「郵政選挙」みたいな例です。

争点を「自民か民主か」とか「政権交代ありかなしか」にすると負けるとわかってる。だからなんらか政策上の争点を探す必要がある。その争点で国会で民主党と激突して、で、「国民の真意を問う!」といって解散。このパターンしか自民党は勝てない(それでも勝てないかも、な状況だ。)

このためには「総裁選」(マスコミがとりあげる)→「国会審議」(民主党と、なんらかの政策争点で対峙し、その点が注目を集める)→「解散」(争点は政権交代ではなく政策争点)という流れが必要。


来年の通常国会中の解散の場合は、今回の臨時国会は乗り切り(消費者庁?とかなんとか、自分のテーマでいくつかでも成果を出し)、来年の国会の前半で総裁を変わってもらって・・・というパターン。

でも、今回軽くつまずいて(公明党問題含む)、“ああ、今回の臨時国会を自分でやってもなにひとつできないな〜”と明確にわかったんでしょ。「だったら、今の段階で次の人に譲った方がいい」と考えた、ということかなと。

どうせ来年9月までの「どこか」で次の人にバトンを渡そうと考えていた。検討していたのは辞任の「タイミングだけ」なわけですから、少々それが早まったのは彼にとっては大きな決断でもなんでもない。突然でもなんでもない。「自分自身を客観的に見たら」「今でも来年早々でも変わらん」と判断した、ってことでしょう。実際そーだし。


てな感じかな。と思います。

★★★

最後に追加ひとつ。「あなたとは違うんです」発言が盛り上がっているようですが、ちきりん的にはこれよりも冒頭の「次から次へと積年の問題が顕在化してきてその処理に忙殺された」という部分の方が印象的です。

これってつまり「前任者がひどかったから尻ぬぐいに忙しかった。だから自分の政策に手をつけることができなかった。」って言っているわけでしょ。

確かに彼は消費者庁とか中国や韓国との新しい関係とか拉致問題解決とか、いろいろ「自分だったら」という構想はあったんだよね。でもそれは全然実現できなかった。

「それは、小泉と安倍のせいだ!」

と言ってるわけね。




「指導者」「リーダー」の資質の欠如は、こっちのほうが如実に表していると思わない?



「オレが実力を発揮できなかったのは、あいつのせいだ」という人に、誰がついていく?



あんたの政策がなにひとつ実現できなかったのは、誰かのせいじゃないよ。あんたのせいですよ。


それとも・・・

「ここはひとつ福田さんしかいない。なんとかお願いしますよ。」と8割の人が言ったから自分は出てやったのだ。引き受けてやったのだ。それなのに何で自分の意見が通らない?なんで自民・公明からも反対される?自分の意見が通らないとしたら、それはアホな誰か他人のせいだ。小泉と安倍と小沢のアホのせいだ!

とおっしゃりたい?



誰やねん、こんなん選んだの?



てか、「日本の昔のコミュニティの人の選び方」は、もうこれで終わりになると思います。


能力は少しくらい劣っても「なんとしてもオレがやる!」という人にやらせたほーがいーのかも。

★★★


ところで、民主党にも同じタイプの人がいるよね。


「皆がそこまで言うなら引き受ける。」

ほーんのちょっとでも異論が出ると

「そんなん言うなら、オレはもうやらん」と言い出す。



そういう人、いるでしょ?


ねえ。

2008-09-01 最近のちきりんのおやつ

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最近ちきりんが気にいっているおやつは上記。やわらかいお餅?の中に、黒蜜と小豆あんが入っていて、外側にきなこがまぶしてある。小豆が大好きだわ、お餅が大好きだわのちきりんのために作られたようなお菓子です。


おいしすぎる〜


ということで、最近、毎日食べてます。駅前の夜遅くまであいてるスーパーに売っているのでいつでも手に入るのですよね。


って、こんなもん毎日食ってて大丈夫かね?

よくわからんけど。

まあいいです。はい。


食器もお気に入りのもの。お餅が乗せてあるお皿は普通の漆器と異なり、中に入っているのは木ではなく和紙なんです。和紙でお皿を作りその上を漆で塗って覆ったものです。だから厚みがあるのにものすごく軽い。それに、木では出せない柔らかい自然なうねりがあります。とても暖かい感じ。

左側のお茶を入れているお椀は、漆器には珍しいモダンなデザインですよね。ラインがおしゃれでしょ。お茶飲んだり、焼酎飲む時も使います。漆器ってお正月前になるとデパートに多く並ぶのですが、そういう時っておめでたい柄のすごく伝統的なものばかりで「こんなの今時誰が買うんだろ」って感じですよね。お正月しか使えないし。ちきりんは「モダン系の漆器」をたくさんもっているので日常でもよく使うです。

ちなみにこのお椀はその昔バブリーな頃、「輪島塗りのいいのが欲しいね〜」「じゃっ、週末に買いに行こうか!」とか言って輪島市までショッピングに行った時に買った物。1個2万円くらい。セットで黒のも買ったです。・・・あの時、一日でいくら使ったかは、さすがにまだブログでは書けない。

よくあんなことやってましたね。我ながらあきれます。


そんじゃね




とか言ってたら、福田さんが辞任だって!?