ブログトップ 記事一覧 ログイン 無料ブログ開設

Chikirinの日記 RSSフィード

2008-12-02 あまりに危機感のない人たち

政治家やそれを報道する人たちが「景気対策」という言葉を使うことにものがすごく違和感があるちきりんです。だって今必要なのは景気対策じゃない。セーフティネットの拡充なんです。しかもすごく急ぐ必要がある。次の3ヶ月、6ヶ月、本当に大変なことになるよ。


景気対策というのは、「需要を刺激してもっと買ってもらえるようにして、供給側が赤字にならないようにする。」ということです。これは“通常期”にはよいと思うのですが、“危機的状況”においてこんなことをしても「誰が消費を増やすねん、今?」って思うのです。あほちゃうか、と思います。

定額給付金もそうですが、今少々手元に入るお金が増えても「よっしゃ、じゃあ車買い換えよう!」とか「カシミアのコート買うことにした!」とか、いやそこまでいかなくても「じゃあ、今日は皆でぱあっと焼き肉にいこう!」とか思うような経済状況だと思ってるんだろうか、今が?

公共事業を増やしてゼネコンに再度お金を回したら建設会社の社員が「やった〜お金が入った〜」とかいってテレビを買い換えたりするんですかね??今。


ありえないでしょ。世界中の人が先行きに不安を感じ、これからどうなるか戦々恐々としているっていうのに“景気対策”なんかでお金がどんどん消費に回るなんてことは考えられない。ほんとに意味不明です。

11月の国内の自動車販売台数って、前年同期比で27%減少ですよ。ものすごい数字です。売り上げが3割おちたら、人件費は4割は削減しなくちゃいけなくなります。期間工どころか正社員だってリストラが必要な段階に入っています。(ちなみに軽自動車もごくわずかですが減少。またアメリカは10月にもっと下がってます。)

10月のスーパーマーケットの衣料品部門も10.8%減少(前年同期比)です。百貨店全体でも6.8%減ですがこの数字は11月は10%台にのってもおかしくないと思います。

家電もパナソニックが来年の営業利益が約3割減少(1600億円の利益減少)見通しを発表しました。こちらは連結ですので世界全体です。日本の家電は新興市場に弱く、欧米での人気が高いので非常に落ち込みが大きいです。ちなみにこの1600億円というのは、人件費コスト500万円の人を32000人解雇しないとひねり出せない額であり、それは連結パナソニックの社員数30万人の1割にあたります。


こういう“危機的状況”において“景気刺激”が可能だと思っていること自体がお笑い?って感じです。今必要なのは景気対策ではありません。“危機対応”なんです。それは経済・社会対策で言えば、“セーフティネットの拡充”です。

★★★

こういう“危機感”が社会に溢れはじめると、お金のない人はもちろん、当面のお金には問題のない人まで“将来に備えて”消費を抑制しはじめます。その結果が上のような状況に結びついているのです。脳天気に“2万円あげますからお金使ってくださいね”などと言われてもホイホイ消費しようなんて人はいないでしょう。ある人はある人なりに、ない人はそれこそ必死で節約し、少しでもお金を蓄えておこうと思うでしょう。経済は完全に冷え込んでしまいます。

こういう時に必要なのは少しでもその“不安感”を取り除くことなのです。使え使えとハッパをかけることではなく「いざと言う時には助けますから大丈夫ですよ!」と確固たる決意をもって宣言することなのです。


つまりね、

経済の停滞期なら→景気対策

だけど

経済の危機期には→セーフティネット拡充

が必要だと言っているのです。



セーフティネットってたとえば何を言っているか?

(1)最低限の“住”の提供・・・都市圏で格安で住めるアパートの提供が必要です。期間工の人は仕事を失えば住む場所を失う人もたくさんいます。どうせ彼らが住んでいたアパートの方だって次の入居者を見つけることはできません。これらを国が借り上げて、敷金礼金はなしで、週払いで、友達と共有でもOKという条件で貸し出すべきです。対象は期間工だけではなく、倒産した不動産会社や中小企業に勤めていて職と共にローンのある家を失った人なども同様です。

現存する公的アパートは、入居の優先順位がお年寄りや母子家庭などに厚く(それはそれでいいのですが)若い失業者には非常に厳しいです。また入居手続きも煩雑で機動性に欠けています。

ホームレスが街に急増したら国の行き先に不安を感じない人はいません。みんな「自分も明日はそうなるかも」と思えば、一切の必要最小限以上の消費をやめてしまうでしょう。まずは“路上の人はこれ以上絶対に増やさない”という強い意志を見せることが必要です。


(2)最低限の医療提供

医療はたとえ保険に入っていても3割負担ですが、慢性病があったり病気がちの家族がいる場合、これ自体が大変な人もいると思います。また生活保護を受給するとその間は医療費が無料になりますが、保護がうちきられると医療費も3割負担に戻ってしまいます。保険料を納められなければ10割負担です。

病気で生活保護になった人にとってはこのダブルパンチ(生活保護と医療費補助がセットになっていること)がとても厳しい。一定の条件の人(生活保護を打ち切られてから2年間の間とか、母子家庭とか、年金など年間収入が200万円以下で貯蓄のない人とか)は3割負担をゼロに近くするということが必要ではないかと思います。

麻生さんは党首討論で「世界第二位の経済大国の日本」という言葉を使っていました。ほんとに2位だっけ?というのはさておき、“お金のために病気の治療が受けられない人が多数発生する経済大国”というのは納税者としてものすごく情けない感じがします。


(3)フードスタンプ制度の導入拡充

食については、日本も“フードスタンプ”のような制度を検討すべきと思います。(福祉事務所が食べ物だけを購入できる金券を配る方式)たとえば生活保護でもらったお金は、それでお酒を購入したりパチンコをしたりするのにも使われています。孤独でやることもない生活の中、それが一概に不道徳なことと責めるつもりはありません。しかし効率的な資金の使い方という意味では、何でも買えるお金8万円を1名に渡すより、食べ物しか買えない金券1万円分を8人に渡す方法の方がいいのではないかと思います。

また田舎でずっと何代も住んできたボロ家でも、持ち家があれば生活保護は受けられませんが、困窮している人にはそういう場合でもフードスタンプだけは配るとか、そういうことができるでしょ。自治体の負担も少なくて住むのではないかと思うのですが。


いずれにせよ、とりあえず“あの2兆円”は(“そのお金で消費してください”という景気刺激ではなく、)こっちに使うべきでしょう?


★★★

先日のニュースは麻生首相が経団連の御手洗会長に会い、「賃上げを要請した」と報道されていました。御手洗氏もさぞかし(心の中で)苦笑されたことでしょう。「春闘についてはいろいろ検討中です。」と答えたそうですが、その意味は「春闘による一律の賃上げの時代は終わったと思っています」ということだよね。

麻生さん、正社員の、しかも経団連企業のような大企業の正社員の「賃上げ」って、いったい何人くらいの非正規雇用を切らないと実現できないかわかってますかね。っていうか、今のこのタイミングでそんな大企業の“賃上げ”がまじで必要と思ってます?それがあなたのいう“雇用対策”なの??

ほんと殿様だな、この人。


積極的にバイトを正社員化させているというロフトを見学したそうです。この「バイトや契約社員を正社員登用する」のは一年前に非常に労働市場が逼迫していて、どの企業も派遣社員やバイトの人の確保に四苦八苦していた時期にその流れが始まったもので、ロフトだけではなくユニクロやワールドなんかもやっていたと思います。イオンとかもやってたんじゃないかな。

でも、それは一年前の話です。あの時はホントに人手不足で、マクドナルドなども都会の店のバイト代の高騰に困って、大都市の店だけ値上げしたりしていたのです。

今とは状況が違うんですけど!!!!!


このあまりの世間とのずれ、世間知らず、世の中知らずなのは、麻生氏なんでしょうか?それとも彼の取り巻きの政策秘書とかが世間知らずなの??それとも厚生労働省の役人が余りに世の中を知らなくて「ロフト見に行きましょう!」とか提案してんのかしら。

余りの“アホ振り”にちょっと驚愕なんですけど・・

★★★

今日のニュースでは「赤字を垂れ流してきた厚生労働省所管の独立行政法人“しごと館”への雇用保険での赤字補填をやめる」と厚生労働省がようやく決めた、と報道していました。

07年の赤字が14億円強でこのうち13億円ちかくがサラリーマンが払っている“雇用保険料”から補填されています。なんで14億円も赤字になるかというと、全く不要な“しごと館”に厚生労働省OBを天下りで送り混んで高い給与と、2年あまりの任期の後には多額の退職金を払う必要があったからでしょう。“しごと館”で使う備品の購入や内装や運営を委託する会社の方にも多数の“厚生労働省OB”を受け入れてもらっていますから彼らの給与分の利益補填をしてあげる必要もあったんでしょう。

雇用保険って、失業者を助けるためにあるんでしょ?

自動車工場の期間工は既に1万人が契約非更新が決まってるんだよ!?その一万人が“しごと館”でどう支援されるの???13億円あれば1万人が2ヶ月、アパートを維持することができるっていうのに・・





公務員が日本を滅ぼすよね。






税金の使い道にはふたつあります。ひとつは、上に書いたように、医療費や食料代補助として、もしくは生活費などとして「現金、現物」を困っている人に支給する方法。もうひとつは、そういう困っている人を助ける、支援する、という大義名分の下「しごと館」みたいな意味不明な組織を作ること、です。

彼らは「現金、現物」支給を求められると「財政赤字だから無理」とか「大きい政府はおかしい」と言いますが、それでも世論が「困っている人を助けろ!!」と言い始めると、すぐに「わかりました。そこまでいうなら困っている人を支援します」と言って、後者の方法をはじめます。“しごと館”しかり、“ジョブカードシステム”しかりです。

「ジョブカード制度」って知ってます?

厚生労働省による厚生労働省のための厚生労働省の仕事です。税金使っての。信じられないくらい意味不明な政策です。


景気がいい時は税金つかって一生掛けてつまらん仕事してる人が霞ヶ関辺りに一定数集まって忙しそうに暮らしてるのも別にどうでもいいんですけど、今はちょっと世の中大変なんで、すみませんけどアホみたいなことばっかりやらんと、じっとしててもらえませんかね?って感じです。



小沢さんもね。党首討論で勝ったとかいって喜んでる場合かね?


ああ意味不明。


そんじゃね。