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Chikirinの日記 RSSフィード

2010-02-07 アフリカが発展しない理由

ちきりんは 2005年に「なぜアフリカは発展しないのか?」というエントリを書いています。

「アジアも南米もそれなりに発展してるのに、なんでアフリカだけ戦後 60年ずっと暗黒大陸なわけ?」と長く疑問だったのですが、下記の二冊の本を読み、ようやく少し理解が進みました。

で、だったらこーすればいいんじゃない?という案も浮かんだのですが、ちきりん仮説が実行される可能性はほぼゼロなので、アフリカは今後もずうっと発展しないかもしれません。


ちきりんが理解できなかったのは、

・なぜ、アフリカにおける国際援助は実を結ばないのか。

・最大産業である“国際援助(ODA)獲得産業”を超える他の産業が生まれないのはなぜか。

・なぜアフリカには「長期的な国家建設を私利私欲に優先するリーダー」がでてこないのか?

などでした。


食料を配布すればその分だけ一部の人の命が延びるのかもしれないけど、「自律的に生産・生存の制度が現地で回り始める、ということがあの大陸だけ全く起こらないのはなぜ?」という疑問だったわけです。


なるほどと思わせてくれたのは下記の 2冊。

ひとつは、ロバート・ゲスト氏が西側ジャーナリストの視点で、アフリカの腐敗したリーダー層の発想と行為を指摘した本。

もうひとつはクリスチャン援助者として、作家の曾野綾子氏がアフリカで体験した貧困支援の苦労を描写した本。

ふたりとも多くのアフリカの国を訪れ、体験的な話が多くて具体的です。

そしてアプローチや焦点は違うけど、結論としては同じことを言ってます。

すなわち、このまま従来型の援助をしていても多分アフリカはなんにも変わらないと。


アフリカ 苦悩する大陸

アフリカ 苦悩する大陸

貧困の光景 (新潮文庫)

貧困の光景 (新潮文庫)


私も「援助物資が港から内陸の村に運ばれるまでの数百キロのトラック行程の間に、十数回もの公的・私的な“検問”があり、

そのたびに物資の一部が“納税”され、最後の村に着いた時には支援物資は2割ほどしか残っていない」という程度の話は知っていたし、想像していました。

そんなのは、国際援助を受けているほぼ総ての国で同じです。

でもやっぱりアフリカではそのレベルが違うんだな、と思いました。たとえば、


アフリカでは子供の HIV 検査は行わないほうがいい。

なぜなら HIV ポジティブだとわかると、親はもうその子にミルクを与えない。つまり検査をすると、子供はエイズで死ぬ前に餓死させられる。


HIV ポジティブの人に治療薬を渡したら、家族はその薬を(どうせ死んでしまう病気の家族には飲ませず)密売人に売り払って、他の家族メンバーの食費にあてる。

だから薬は家に持ち帰らせず、必ずその場で飲ませないといけない。


有能な少女がいて学校に行きたいというから教育費を援助することになった。

親に渡すと教育費に使わない可能性があるので、学校に直接払い込んだ。そしたら・・学校の先生がその学費を引き出していなくなった。


貧しい子供に無料でいきわたるように、抗生物質などの薬を各地の病院に無料で配布する医療援助は意味がない。

そんなことしても医者はその薬を、金持ちの患者に高額で売って代金をポケットにいれ、貧しい人には相変わらず「お金がないと薬は手に入らないものなのですよ」といい続けるだけだから。


井戸を援助して貰った。井戸の水を飲料に使えば、これから何十年も伝染病を防げるのに、一年もたたないうちに井戸の部品は売り払われ、生活費に充てられてしまう。

などなど。


ここまで“性悪説”にたたないと援助できない現状って、善意の援助者を疲弊させますよね。

その他にも現地の人と共同で支援活動をしている人が、現地のパートナーに資金を持ち逃げされるケースも後を絶たない。


さらに国を率いる政治家は、自国の現状の悲惨さは、過去の欧米帝国主義の悪行(植民地化と搾取)のせいだと考えている。

だから「欧米がアフリカを援助するのは当然」であり、「自力で、援助を受けないで済む国を建設せねば」などという気持ちは全くない。

自分の国が上手くいかないのは自分達のせいではなく“あいつらのせい”だから。


すなわち自国の最大産業が“国際社会からの ODA 受け取り産業”であることには歴史的正当性があり、

被害者が搾取者から富を取り返すのは、共産主義思想的な観点から見て、極めて正当な行為である、ということらしい。

そのくせ各国のリーダーは自分達だけは“自国の人”と同列にはおかず、

西欧諸国のリーダーと同じ生活水準や富や権力を得るために、自国の唯一の財産である資源利権を私的に流用することに全く頓着しない。


簡単にいえば、今回ちきりんが理解したのは、

(1) 国際援助の半分〜 80 % は途中で搾取され、貧困層に届かない=援助の効率が非常に悪い。

(2) 圧倒的な貧困しか知らない無教育な人たちに、社会秩序、投資の概念や効果、道徳や約束の概念、家族の助け合い、などは期待(共有)できない。

(3) アフリカの指導者の多くが、被害者意識を振りかざした国際援助詐欺と、特権意識に基づく自国民からの搾取にいそしんでいる。彼らこそ、アフリカの貧困の大きな理由である。ってことかな。


というわけで、援助資金は一切、未来につながらず、その日の食料と指導者のポケットに消えていく。そして世界からこの大陸への援助は未来永劫必要ってことで。



これらの本を読んでの個人的な解決案仮説は「この際もう一度、アフリカ大陸を西欧の植民地にしたほうがいいんじゃないの?」ってこと。

香港・マカオみたいに「 100年租借」で西欧諸国の植民地にして 100年後に返す、っていうのが一番いい方法なんじゃないかな。

西欧諸国にもメリットが必要なので、資源の出る国と出ない国をセットにしてね。

いうなれば、「次の 100年間の国家運営を、先進民主国に委託する」ってことです。


それくらいのことをしないと何も変わらないと思うんだよね。

100年あれば 3代の教育ができるから、そうすれば彼らの中から指導者がでてきたり、社会規範を構築して援助が実効性を持つ土壌も作ることができそう。


まあ、これは「結果のためには手段を選ばず」的考えで、世の中には「手段も善でなくてはならない」という考えの人が多いので、この案が実現する可能性があるとは全く思いません。

が、今のままいくら国際援助しても、20年後も 50年後も 100年後もアフリカは今のままではないかという気がするので、個人的にはそんな援助をし続けることに意味があるのかないのか、よくわかんない。


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そんじゃーね。



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