ブログトップ 記事一覧 ログイン 無料ブログ開設

Chikirinの日記 RSSフィード

2010-03-30 祝100万PV

「Chikirinの日記」は2005年の3月5日に始まり、今月で丸5年が経過、6年目に入りました。日々おちゃらけてきた甲斐があり、今月は初めて月間 100万PVを超えました。読んでくださっている皆様に心より感謝しています。


f:id:Chikirin:20100329235019j:image


下記は昨年3月からの過去1年間の数字の変化です。今年分は29日分なので1日平均も29で割ってます。一年間でだいたいどれも倍になってます。

・月間ページビュー合計= 402,751 → 1,004,165PV

  (一日平均PV= 12,992 → 34,626PV)


・月間ユニークアクセス合計= 271,532 → 569,432

  (一日平均= 8,759 → 19,635)


・はてなアンテナ登録数= 498名 → 1142名

・ライブドアReader,fastladder登録数= 893名 → 2156名


・Google page rank 4 → 5

・ブックマーク数=約14,000 → 41,595

今年からGoogle analyticsでもデータを取り始めたのですが、そちらも3月は100万PVを超えました。

最近はTwitterから読みに来られる方も多いので、今後はまた傾向や指標も変わっていくのかもしれません。


★★★

ここまでこれたのは毎日読んでくださっている皆様のおかげなのですが、今日は月間100万PV記念ということで、中でも特にアクセスアップに貢献度が大きいと思われる3名の方にお礼を申し上げておきます。


まずは第3位の発表です。

じゃじゃん

3位は・・某ネット生命保険の社長さんです。この方があちこちで、しかも保険を売るのとほぼ同等の熱心さで、ちきりんブログを宣伝してくださっている効果はとても大きいです。特に、主婦の方向けや、東京以外に在住の方などにも講演で多く会われており、そういった方に宣伝していただいていることで読者層の幅が拡がっていると感じます。ありがとうございました!

というわけで、皆さん、生命保険は是非こちらでお買い求め下さい。


第2位の貢献者は、ニュースサイトのビジネスメディア誠の担当者の方です。いろんな方との対談に誘って頂いたり、昨年半ばからは過去エントリをベースにしたコラムを掲載してくださっています。それらの記事がmixiなど他サイトに載るなどし、アクセス数拡大に貢献しています。

非常に早い時期に、こんな名もないブロガーの文章を商業メディアに載せていただけたことに、とても感謝しています。

というわけでみなさん、ニュースサイトは是非“誠サイト”をご利用ください。記事が独特でけっこう笑える感じなので(おちゃらけニュースサイトなのかも・・)最近はちきりんもよく読んでます。


そしていよいよ優勝者の発表です。

ちきりんブログは2008月半ばにいくつかのエントリが大量のブックマークを集めたのがきっかけで読者が急増したのですが、その理由は、当時 id:FTTHさんがこのブログに注目して下さり、ほぼ毎日のようにブックマークしてくださったからです。

ちきりんブログを見いだしてくださったFTTHさんには、とても感謝しており、ずっと「お礼を言わなくちゃ!」と思っていたのですが、怖くてなかなかいや怖くはないんだけど、なんか恥ずかしくて言い出せ・・、100万PVはいい機会と思い(勇気を出して)書いてみました。

というわけでみなさんも、こちらをフォローしておくと“第二のちきりんブログ“を早期発掘できるかもしれません。


以上、皆様どうもありがとうございました!


あともちろん、まとめサイトや有名なブログからリンクしていただいたり、いろんな方にイジられたりするたびにアクセス数が増えました。当初はよくわかっていませんでしたが、今はこの世界は「いじられてナンボ」なのだと理解しています。


これからこのブログがどーなっていくんだか、どーしていきたいんだか、よくわかってはいませんが、まあ書きたいことを書きたいように書きながら、ぼちぼち続けていければいいのかもと思っています。


そんじゃーね。



追記:現在は月間150万PVとなりました→ 2012年夏のPV

2010-03-28 “何が”問題なのか

名古屋の河村たかし市長が、市議会議員の数と給与を半分にするといいだして、議会と真っ向から対立している。

名古屋市議の平均通算在職期数は3.4期(1期は4年)に上り、「多くの議席が指定席化し、新しい人が出られない」(河村市長)。

 こうした実態を突き崩すため、河村市長が提出した今回の条例改正案では、

(1)議員年収を約1600万円から約800万円に半減

(2)議員定数を75から38にほぼ半減

(3)議員1人当たり年600万円の政務調査費の完全廃止

−を打ち出した。市長自らは就任直後に年収を800万円に減額している。

元ニュース)http://www.jiji.com/jc/zc?k=201003/2010032700263&rel=j&g=pol

なお、名古屋市の人口は225万人。比較するため書いておくと、世田谷区の人口が86万人、練馬区が71万人、もしくは、大阪市が266万人、京都市が146万人、神戸市が153万人だ。


議員年収 1600万円に、活動費が600万円・・

“平均”の在職年数が13.6年・・・これ、親から子供に引き継いでいる家もあるだろうから、“家族での独占年数”を計算したらもっと長いはずだ。

みなさん、このすこぶる高給取りの市議の皆さんが何を議論されてるか、ご存じですか?市民のために何を議論し、どんな条例を決めているの?住民税を払っている人達は、この総額に納得できる?市民の中に、一生の間に一度でも“年収1600万円”になれる人は何%いるのか?


この条例案を否決した議会にたいして、河村市長は議会リコールを求めて活動を始めるらしい。彼の主張(議員数半減、報酬半減等)が実現するかどうかはわからないし、できたらすごいとは思うけど、“できなくても、すごい”ともちきりんは思ってる。

問題を解決するためには、最初に「何が問題なのか」を明確にするステップが不可欠であり、問題の明確化自体に大きな価値がある。最初に必要なのは、“問題の定義”なのだ。

Step1) Issue definition


一昨日の「事件は会議室で起きている」というエントリで、ちきりんは名前の長い業界団体が地方公共団体の議員に働きかけ、自分達に有利な条例を作らせている、という話を書いた。あのエントリを読めば、

・既得権益者=業界団体

・それに利用される人=地方議会の議員

という構図を頭に浮かべる人が多いだろう。

しかし、その認識は誤っている。あのエントリではちきりんが「問題はどこにあるのか」を明確に書けていないため、そういう誤解をよんでしまった。多くの人が“名前の長い団体”が悪の親玉であり、地方議会の議員は“悪に利用される人達”と理解し、業界団体に悪態と溜息をついたと思う。でも、悪態をつくべき対象は、“そっち”じゃない。今日のエントリはそれを訂正しておくために書いている。


本当は、次のような構図なのだ。


・既得権益者=地方議会の議員

・それに利用される人=様々な業界団体


市や県や区の議員には、事実上たいした存在意義がない。なのに1000万円を大きくこえる年収をもらい続けるためには、自分達を「役に立つ」と理解してくれる人達が必要だ。地方議員を頼ってくれて、何かを依頼してくれる人達が必要なのだ。それが、業界団体などの圧力団体だ。

彼ら(議員の方)がこうささやくのだ。「有権者の皆様、何かお困りですか。おーなるほど、そうですか、それは大変ですね。それではこういう解決方法がありますよ。私におまかせ下されば条例を作って・・・ええ、もちろん、これで問題は解決できますよ。はいはい、すべて私“○○××”におまかせ下さい!」

と。


★★★


河村市長には、とりあえず市長としていくつかの実績をあげるために、議会と妥協し、自分の顔を立ててくれる目玉政策(で、かつ議員に直接的な危害が及ばない政策)を“議会に通してもらう”、という現実路線を歩むこともできたはずだ。

しかし、今回彼がとった行動は全然違う。


それが実現するかしないかを、ちきりんは問わない。(問えない)

「何が問題なのか」を明確に示した、彼の行動の価値は非常に大きい。


こんな本気の戦いを始めたら、相手も本気になる。自分が指をさされた方にいれば、すぐに市長の私生活を洗いまくるだろう。女の問題、お金の問題、若い頃の言動の中に、なにかないか。本人だけではなく、その家族の誰かに“市民の支持を失わせることができるような何かおもしろい話はないか?”と、血眼になって彼とその大事な人の身辺を洗うだろう。

世の中には「何が大事なのか」がよく理解できない人もたくさんいる。すべてが潔癖でなければ政治家であるべきではないと思う人は山ほどいるのだ。楽しいスキャンダルを見つければ、そういう人達の潔癖さを利用して議員達は勝利を得られる。しかも、少々作り話でもかまわない。マスコミが騒いでくれさえすればよいのだ。選挙は、どちらが善良なる市民の信頼を多く得られるか、という勝負だから。


私生活を含め自分の全部をさらす覚悟がないとこういう言動はとれない。

こういう人がいて初めて、社会は変わる。


先日書いた既存理容店の業界団体が条例を作って新規参入者を追い出そうとしている話。あれを読んで「選挙に行かないとだめだ!」と思った人もいるだろう。それは正しい考えだし、そう考えた人は善き人だ。

でも実際には、地方議会の選挙になんて行っても「選ぶべき人」は立候補していない。そんなアホみたいな仕事を引き受けてくれるまともな人がたくさんはいないからだ。


それなら、一歩立ち戻って考えるべきだろう。


「そもそもそんな条例を作っている地方議員なんてものが、ほんとに必要なのか?俺の税金で養う必要がある人達なのか?」と。


そして、そういうことを言い出す首長を選ぶ選挙や、彼らが議会との決着をつけるための選挙にこそいくべきだ。(昔、田中長野県知事も同じような選挙をしていた記憶がある・・)



ちきりんは、河村市長を応援してる。


勝てなくても、すばらしい。

今の行動だけでもすばらしい。


「何が問題なのか」を明確にした価値は、第一歩として本当に大きい。

なぜならこの問題は「名古屋の問題」ではないからだ。

彼は、日本中の人に教えようとしている。「問題はどこにあるのか」を。


2010-03-25 事件は会議室で起きている

最近、私を悲しくさせるのが、“1000円カットハウス”(1000円散髪屋)が、存続の危機というニュース。

「全国理容生活衛生同業組合連合会」=いわゆる普通の床屋さんの業界団体が、「洗髪設備がない1000円カットハウスは不衛生である」と言いだし、全国の自治体で洗髪台の設置義務を条例化する動きが拡がっているんです。


1000円カットはコストが勝負。洗髪設備を整えると大きなコストがかかるし(洗面台代金だけでなく、給排水工事が必要)、駅前や地下街の小さなスペースで開業している場合は、そもそも設置場所が確保できない。

設置できても洗髪は時間がかかり、「15分で終わって1000円」という回転率も維持できなくなる。事実上、1000円カットハウスは消滅させられるかもしれない。


これ、どー思います?


「本当に不衛生だから、市民のために条例ができたのだ」と考える心の清らかな人もいるんでしょうけど、「客を取られた床屋が怒って、新規参入者を追い出しにかかっている」と思ってしまう、心の汚れたちきりんのような人もいる。

もしかすると「1000円カットがデフレの元であり、日本経済不振の元凶だ」みたいなファンタスティック!な意見もあるのかも?

1000円カットハウスを潰せば、既存の床屋は嬉しいでしょうが、この仕組みがあったからこそ店が持てた人、就職できた人、そしてなによりも、客として1000円カットハウスを選んでいた消費者には大きな不利益になる。


いやもちろん、そんな消費者だの、起業家だの、新規参入者だのの利益は、長年にわたりナンも考えずに頑張ってきた既得権益者の利益に比べれば、取るに足りないものなんだろうけどね。

なにしろ“既得権益者の保護”はこの国の基本ルールだから。たしか憲法にも書いてあった。1874条めくらいに。


ちきりんの読んだ新聞記事には、全国理容生活衛生同業組合連合会の広報部のコメントが載ってました。

いわく、「洗髪自体の義務化は現実的には難しく、最低限の措置として洗髪台設置の条例化を求めています。子供の毛ジラミなどの問題に対応する意味からも、洗髪台は必要です」と。


へっ? 求めているのは洗髪自体の義務化じゃないの?

そうか、洗髪を義務化したら、お父さんがひとりでやってる既存の床屋も手が回らなくて困るからね。

だから名前の長い団体の人が要求しているのは、洗髪義務化ではなく“洗髪台を置け”ということらしい。なるほど、これなら困るのは1000円カットハウスだけです。

・・・でも、読解力が弱いちきりんには、“洗髪と毛ジラミ”ならまだしも、“洗髪台の設置と毛ジラミの関係”が、一晩考えてもわからない。



とか、アホみたいなことばっかり書いてないで、そろそろ本題に入らねば。


今回ちきりんが不思議に思ったのは、「何を食べたら、こういう発想になるのか?」ということです。

もし、ちきりんの実家が昔ながらの床屋だったとする。実家の近くに1000円カットハウスができ、実家の売上が減っている。これじゃあ生活できなくなると、父や母が嘆いていたら?

ちきりんだって両親を助けたい。じゃあ何をするか? いきなり市会議員を菓子折持って訪ね、条例作ってくれって頼むなんて、私には全く思いつかない。


あたしが考えることは、せいぜい何か工夫をして、商売を盛り返せないか、ということくらいです。

すぐに考えつく浅はかなアイデアは、「何かいいサービスを始めて客をとりかえせないか?」とか「うちも1000円カットを始めたらいいんじゃないの?」とかでしょう。

安普請とはいえ、新規出店の1000円カットハウスは初期投資の減価償却費も家賃も必要。だけど、古くからの理容店である我が家は設備投資も家賃も不要。コストならこっちの方が有利なんだから、なんなら800円で営業して、あいつらを追い出すのはどうよ?とまで考えるかもしれない。

そのためには、何日か1000円カットの店の前を見張っていて、どんな客がどんな時間に入っていくのか“正の字”を書いて数えるくらいのことは、愛するおとーさんとおかーさんのためにやってあげる。

だって、特価の800円にするのは相手の店に客が多い時間帯だけでいいし、そこに入っていく客のタイプだけ(たとえば子供とか)だけでいい。


そうなんです。私が考えつくのは“市場でどう戦うか?”というくだらないアイデアばかり。

そうではなく、「洗面台の設置義務を条例で作って、市場から新規参入者を追い出そう!」という根本的な解決策を考え出せるようになるには、どんな勉強が必要なんだろう? 高い金でも払ってもう一度、MBAにでも行く必要があるの?


とはいえ、実際にこの対策を考えたのは個別の床屋さんではないでしょう。彼らがそんなことを思いつくわけがない。

このすばらしい案を提案したのは、床屋ではなく、やたらと名前の長い業界団体「全国理容生活衛生同業組合連合会」のメンバーに違いない。彼らが定期会合かなにかで話し合って出てきたんでしょう。


妄想再現テープによると・・

「1000円カットハウスが消費者に選ばれてるで。子供や金のない会社員がどんどん流れてる」「しかし頭ごなしに“アカン!出て行け!”とは言えへんやろ」「ほな、なんかええ言い訳が必要やな」

「おっ、ええこと思いついた!」「なんや?」「不衛生やとか言うたらどうや?そんで洗面台設置せなあかんてなことにすんねん、ほんならあいつらみんなアウトやで。」「おお、ええ案やなそれ」みたいな。


そう、ちきりんが言いたいことは、つまりこれ↓


「事件は現場で起ってるんじゃない。会議室で起きているんだ!」




とか、アホみたいなことばっかり書いてないで、そろそろ本題に入らねば。


名前の長い連合会から相談された市議の人も、そりゃーなんとかしてあげましょう、と思うはず。

なぜならここで尽力すれば、次の選挙の時に連合会組合員の組織票が期待できる。それだけじゃない。床屋さんがみんな「店の前にポスターを貼ってくれる」じゃん。

それも、連合会の事務局の人にポンと100枚渡せば、市内の床屋に自分達で届けてくれる。これだけでも市議にとってはどれだけ有利なことか。


1000円カットハウスで起業する人も、そこで働く(引き継ぐ親の店を持たない貧乏な)理容師も、そこを利用する客も、選挙なんか手伝わない。それどころか、国政ならともかく“市議選”なんて一生、投票にいかない人達だ。そんなやつらは絶対、条例に勝てない。


そうさ、これこそ民主主義!

選挙に行く人のために、市会議員は存在するのだ。選挙に行く人のために政治家は汗を流すのだ。社会は小沢先生のおっしゃるとおりに動いている!


ところで、そんなことして1000円カットハウスを追い出さないといけないほど、床屋が多くて余ってるのか?というと、実はそうでもないらしい。こちらの記事によると、

理容師国家試験の受験者が過去最低を記録した。美容室で髪を切る若者が増え、「床屋離れ」が影響した。また、理容室の9割が個人経営で、高齢化、後継者不足による閉店もあり、理容店の数は年々減っている。このため業界団体、専門学校、行政が一丸となり、担い手不足に歯止めをかけようと動き出した。


えー、ということは、

客:1000円カットハウスに取られて減っている

理容室:後継者不足で減っている

理容師:なりたい若者も減っている


あれっ?

供給側も減ってるのに、客を取り戻してどーすんだろ。これなら、ほっとけば全部なくなって、それでいーんじゃないのか?

という自然な疑問を、またしても名前の長い団体の担当者に聞いてみると

東京都理容生活衛生同業組合の担当者は、

「今後はフリーターの若者に理容室に就職してもらい、雑務をしながら収入を得て、資格学校に通うという仕組みを作っていきたいと考えています。理容室は地域密着を強化することが生き残る道。お年寄りの家庭に出向く出張理容も構想しており、まだまだビジネスチャンスは見つけられます」

http://news.biglobe.ne.jp/social/031/jc_091006_0314596605


ちょっとちょっとフリーターの皆さん、聞きました?

あなたたち、何でもやると思われてますよ。農業に介護に理容師まで とりあえず後継者のいない業界にはフリーターでもつっこんどけと。そういうのが大人の社会のトレンドみたいです。


しかも上の記事をもう一度読んでみると、「業界団体、専門学校、行政が一丸となり」と書いてある。

つまり、需要と供給が両方減って市場が消えたら困るのは、客ではなく「業界団体」「専門学校」「市議会と行政」の皆さんなんです。“一丸”の意味は“癒着”ってことだよね。


さらに「雑務をしながら収入を得て、資格学校に通うという仕組みを作っていきたい」との記述も。なるほど、フリーターを“雑務”で働かせて、その給料は専門学校様にお納めしろと。・・・世の中は深いね。実に深い。おちゃらけていては、とてもついて行けなくなる。


つまりは、

洗面台設置を義務づけて、1000円カットハウスを市場から退場させる

→そこで働いていた理容師が失業する

→その人はフリーターになる

→後継者不足に悩む理容室で採用する

→フリーターに雑務をやらせて給与を払う

→その給与を専門学校が巻き上げる

→巻き上げたお金の一部を次の条例を作る時の献金原資とする、

という壮大な作戦です。



とか、アホみたいなことばっかり書いてないで、そろそろ本題に入らねば。


と思ったけど、既にすごい長文になってるので、もうやめます。かわりに 20年前のベトナム、ハノイで撮った写真を載せておきましょう。

街角の壁を利用して開かれる“青空床屋さん”です。なんの規制もないから、手に職のある人がこうやって自分でビジネスを始められる。まさに“1ドンカットハウス”です。

彼らには理容店を開くようなお金はない。それでもはさみと鏡だけ手に入れれば、自分で事業が始められる。

人気がでて儲かるようになれば、店を構えることも可能になるでしょう。自由な競争の中で実力のある人がのぼっていき、自分の店や収入を手に入れる。これぞ資本主義!


f:id:Chikirin:20100325135435j:image


と思ったけど、ベトナムは社会主義の国でした・・


そんじゃーね。


http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/  http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/

2010-03-24 “3Dテレビ”とかまじなのか

最近、日本のテレビメーカーが一生懸命作り始めている“3Dテレビ”なんですけど・・これはマジなの? 誰向けに作ってんの?

これって、ほんとに正しい方向なの?この商品を作るためにサービス残業しているメーカーの社員さん達は、本当にいつの日か報われる日がやってくるの??


★★★

というわけで、過去のテレビの進化に関して、それぞれ「どの程度の価値がある進化だったと思うか」、グラフにしてみた。判断基準はちきりんの独断。皆さんも、自分ならどれを高く評価するか、考えてみてね。

とりあえず、白黒がカラーになったのを基準値として“100価値”とおいてみた。他の進化はそれとの比較で相対数値化しました。


ちきりん的には、こんな感じです!

f:id:Chikirin:20100323235658j:image:w450


白黒からカラーへの転換は画期的だったのではないかということで基準値に。で、ちきりん的にはそれに匹敵するテレビの進化は“リモコン”ができたことだと思ってる。

昔のテレビって、電源をいれたりチャンネルを変えたり、なんとボリュームを変えたい場合も、テレビに近寄って、つまみを回さないと変えられなかったわけでしょ。今もしテレビがそんなだったら、もう見ないかも。電源を入れることさえ面倒で、使わなくなってしまいそう。なので、テレビにリモコンがついたことの価値は、ちきりん的には90%と非常に高いです。(参考:SANYOのリモコン付きテレビのCM


その他の進化では、値段が安くなったのは大きい気がする。10万円で30型、40型が楽しめるのはすごい。薄型になって体積が小さくなったのもグッド。部屋が狭いと(すごく圧迫感があるので)たとえ値段が安くてもブラウン管テレビで40型を部屋におきたいとは思わなかった。

画面が大きいのもそこそこ価値はあるが、まあね、って感じ。ちきりんはアクション映画もスポーツもそんなに見ないんで、32型以上はあんまり意味ないです。


携帯でワンセグが見られるとかPCで見られるとかは、意味がよく分かりません。PCなんてYou Tubeもustreamも見られるのに、わざわざ地上波のおもしろくもないコンテンツが見られてもしゃーない。


デジタルも「若干綺麗」だが、画質に関してはどうでもいいレベル。デジタルは「録画コントロールが簡単でデータ転送が早い」のはいいのだが、“コピーあっと何とか”のせいで余りに面倒。

なので、ちきりんは「テレビはアナログ、録画機がデジタル」が一番いい組み合わせだと思ってる。これならコピー規制はかからず、でも頭出しやコマ送りも簡単で転送、保存も楽々。というわけで、「テレビのデジタル化」にはあまり価値が感じられません。


ハイビジョンに関しては、ちきりんにはほぼ無価値。録画容量が大きくて面倒なだけ。にもかかわらず既に“スーパーハイビジョン”とやらも開発中らしい・・そのうち“ウルトラスーパーめちゃくちゃすごいビジョン”とかにする気かも。

3Dテレビに至っては邪魔すぎる。こんなもんが普及したら寧ろ不便そう。なのでマイナス価値にしてみた。


という感じです。


まとめると、過去10年のテレビの進化において「すばらしい」のは、リモコン、物理的な進化(薄くなった、でかくなった)と値段ですね。デジタルとか映像が綺麗とか立体とか、まじどーでもいいです。

映画館でたまにアバターとか3D映画観るのはいいとは思うよ。お金持ちで家にシアタールーム作っちゃう人にもいいのかもしれない。でも、そんな人どんだけいるのか?、家で、普通の家庭で・・・わざわざ特殊な眼鏡かけて・・・テレビ見るかな? てか、眼鏡なしの3Dテレビでさえ、酔っちゃって気分悪くなる人だって多そう。


家族4人が、みんな眼鏡かけてテレビ見ながら食事してる絵を想像してみてくださいな。やくざの一家みたいな感じで。んで、お父さんが言うわけ。「おお、この眼鏡かけてると、茶碗もサンマも3Dに見えるな」って。


おいおい、お父さん、


茶碗もサンマも元々3Dである。


そんじゃーね。



--------------

追記)3Dテレビが「イケる!」と思ってる人も結構いるんですね。びっくり!

f:id:Chikirin:20131006113522j:image:w650

f:id:Chikirin:20131006113523j:image:w650

2010-03-22 レシピ 今日の料理は“ちきりんブログ”

本日は“Chikirinの日記”の作り方=レシピを書いてみます。

Chikirinの日記を美味しく作る手順は以下の通りです。


手順1:材料を集める

材料となる情報を集めます。わざわざ情報を買いにいかなくても、手元にある残りものの情報を巧く使って美味しい料理を作りましょう。


手順2:メニューを決める

集まった材料(情報)を眺めながら、何ができそうか、何を作るかを考え、メニューを決めましょう。最終的なできあがりの姿を具体的にイメージすることが大事です。


手順3:構成を考える

作り始める前に、どの材料をどう調理しどこに使うか、という手順を考えます。いきなり調理に入るのではなく、最初に全体像の構成を考えるのです。この作業を“ストラクチャーする”といいます。


手順4:調理する

手順が決まったら調理を始めます。(文章を実際に書いてみます)


手順5:味見をする

食卓に出す前にきちんと読み直して、細かい間違いなどを直します。


手順6:スパイスをかける

お好みに応じて“おちゃらけスパイス”を加えます。かけすぎると食べた人の舌が炎上しますので気をつけて下さい。


以上です。作り方は頭に入りましたか?

では次に、今日の材料を説明します。


<材料その1>

3月9日の日経新聞トップ記事は「電機大手 アフリカ開拓」という見出しだった。ソニーや東芝、日立などがアフリカをBRICSの次の市場と位置付けて市場開拓に乗り出す、という内容の記事だった。


<材料その2>

ちきりんストアでも紹介している「ネクスト・マーケット」とか、最近でた「アフリカ 動き出す9億人市場」など、アフリカを“市場”として位置づける本が最近非常に多い。


<材料その3>

ライフネット生命の出口社長と対談させていただいた時に、欧米の保険会社は、初めての国(海外)に進出する時、最初にその国で生命保険事業をやってみたい人を広く募集するんだとおっしゃっていた。

すると、元々はその国の人なのだが、欧米に留学して教育を受けて、さらに欧米の保険業界で働いていたような人が、企画書を作って応募してくると。それらの人に自分の企画をプレゼンさせて、一番いい人を選ぶと、最初からその国の文化や社会に詳しく、保険業務にも精通しており、欧米流の教育を受けて自分達とスムーズにコミニケーションできる、しかもプレゼン能力や起業家精神に溢れた現地責任者が見つかる。ので、まずはその人に現地進出を任せるのだ、という話を聞いた。


<材料その4>

3月15日の日経新聞。2011年春の新卒採用についての記事がある。全体的にはまだ厳しいが、

中国市場の拡大などが刺激となり、将来の需要を取り込むため人員拡充に転じる動きもある。

一方、海外展開のための外国籍人材採用は全体で15%(*)。実施していても規模は「3年前と同程度」が8.5%だった。業種では新興国市場の開拓を進める精密機械(30.6%)、科学(25.5%)などが高い。ただ、全体で規模を3年前より拡大したと答えたのは3%にとどまった。

(*ちきりん注:全体の15%の企業が外国籍人材の採用を行う予定、という意味)

と書いてあった。


<材料その5>

ちきりんは20年くらい前、バックパッカーとしてアチコチの発展途上国を回っていた。その頃、どこに行ってもスーパーとか小売店の棚に特定のブランドの商品が置かれていることに気がついた。

たとえばニベアのクリーム、ネスレのインスタントコーヒーやスナック、ユニリーバのシャンプー、それとコカコーラやファンタなど。コダックのフィルムも当時はよく見かけた。

「すごい大企業なんだろうなあ」と思った。だってモロッコの路地裏の薄暗い小売店の棚にも、南米の国境近くの森の中にある掘っ立て小屋のような売店にも、こういうのが売られていたりするのよね。「ものすごい販売網があるんだなあ」とびっくりした。もちろんそんなところに日本の商品はひとつもないわけで。


<材料その6>

先日紹介した英治出版さんがおくってくださった本。アフリカとバングラディッシュでの起業に関する本なのだが、実は中身がかなり異なる。

“グラミンフォンの奇跡”の方は、「アメリカに留学してアメリカで働いていたバングラディッシュ人が祖国で起業する物語」で、ブルー・セーターの方は「アメリカ人の女性が、銀行で3年働いた後、アフリカでビジネス投資ファンドを運営するまでのストーリー」だ。

後者の本の3分の1は、白人で、スタンフォードMBAで、アフリカ開発銀行やロックフェラー財団などの大機関に所属したり支援されたキャリアを持つ主人公が「そんな自分がアフリカ人に受け入れて貰うのがどれくらい大変か」とか「アフリカがアメリカとどう違うか。アメリカの常識がどこまで通じないか」とか、「先進国のエリートである恵まれた自分が、現地の人達の間でどう見られるか」というような話に費やされている。

しかし、グラミンフォンの奇跡の方には、そういった種類の苦労の話は全く記載されていない。主人公はその国の出身者であり、見かけでも母語でも苦労しない。こちらに書かれている苦労は、純粋な起業の苦労の話であり、巨大な国家利権との駆け引きや、海外投資家にバングラディッシュへの投資を決めさせるための営業活動の困難さであったり、という内容だ。

この2冊では、主人公は同じようなことを成し遂げていながら、苦労したことの種類が全然違うのだ。


<材料その7>

総合商社という業態って、日本と韓国にしかないんだよね・・



★★★

材料は以上です。結構いい材料が揃っていますね!これなら美味しいお料理ができそうです。

では、次のステップに進みましょう。まずはメニューを決め、手順を考えてから調理に入ります。


えっ?

自分でやってみたいですって?


なんといい心がけでしょう!


そうですか。ではみなさん、ここからは宿題にしましょう。各自、自分の家に帰ってご自身で作ってみてくださいね。もちろんちきりんも作ってみますので、どんな料理ができあがったか、そのうちご報告します。

お料理にはなにかひとつ正解があるのではなく、それぞれに美味しいと思える料理ができあがればよいので、あまり堅苦しく考えず、自由に発想しながらトライしてみましょう。複数の材料を巧く組み合わせることで、思いがけないおもしろい味が生まれます。そこがポイントです。


そうそう、ひとつお願いです。、作ったお料理が旨くできた場合は、是非ご自身のブログで紹介してください。くれぐれも、ちきりんブログのコメント欄に5000字とか5万字のお料理論文を投稿しないでね。そんなことはマジでお勧めしておりませんし、承認するかどうか定かじゃないです。


と、ここまで書いて思いました。「材料だけ渡されて調理しろと言われても、どうしたらいいのか全然わからないよ。料理なんかやったことないし」という方もいらっしゃるかもしれません。実は、そういう方向けに

「コレさえ読めば、あなたにもChikirinブログが書ける!!」

という怪しげな情報商材を作ると売れるんじゃないかと思ったのですが、それも結構めんどくさい話だと気がついたので、既に売られている良書を下記にお勧めしておくです。


それではみなさん、美味しいお料理に挑戦してみてくださいね!

ではでは


↑情報を料理するための必読書です。中学校くらいで国語の教科書に採用すべきです。


大好きな炒めもの

大好きな炒めもの

↑食材を料理をするための必読書です。中学校くらいで家庭科の教科書に採用すべきです。

2010-03-20 経済成長に必要なインフラが変わることの意味

発展途上国の開発援助といえば「インフラ投資」というのが、一種の定番というか常識です。

「本当にそれが一番いい方法なのか? もっとミクロな生活改善の方がいいのでは?」という点については議論もあり、私も 2005年にこちらで書いています。 

しかし、一般的には途上国にとってはインフラ投資のインパクト、その乗数効果は(日々に必要な生活物資を配るというような方法に比べ)非常に大きいとされています。


この“途上国へのインフラ投資”に関して、先日も紹介した「グラミンフォンという奇蹟」を読んで学んだことを書いておきます。


この本の主役であるイクバル氏というバングラディッシュ人の男性は、米国に留学して教育を受け、米国の金融業界で働いていましたが、祖国で携帯電話事業を立ち上げるという事業を始めて成功させます。

彼が最初にひらめいたアイデアは「つながることが価値なのだ!」ということでした。“つながる”とは「携帯電話で人と人がつながる」ということです。

電話があれば、バングラディッシュの田舎町と NY さえつながることができます。これが、彼が携帯電話事業に大きな可能性を感じた理由です。


★★★


電話のない世界では、たとえば政府の許可が必要なビジネスをしたいなら、政府高官の自宅や政府機関の近くに住む必要がありました。そうしないと、話をしたい時に相手がつかまらないからです。

電話もないし(=ファックスもインターネットもない)、手紙もきちんと届かない環境であるなら、「待ち伏せして会って話す」しか方法がありません。


しかし当然ながら、この方法はものすごいコストがかかります。話がしたい人の近くに“不動産と人”を確保する必要があるのですから。

そしてそれは、海外の投資家や企業にとっては事実上、“アクセス不可能”を意味します。アクセス不可能なところに投資する企業家はいません。


しかし電話が通じれば、「そっちで、こういうビジネスが流行ると思うかい?」という市場調査や、

「あの商品の売上げはどう?」という営業管理や、「注文した商品が届いてないけど、どうなってる?」という物流管理が、遠方からでも可能になります。

「この前、投資したビジネスはうまくいってるのか?」という投資管理もきちんとできます。

つまり、「通信ネットワークこそ、ビジネスを可能にするインフラ」なのです。これをイクバル氏は「つながることが価値を生む」と表現しています。


最初に“インフラ投資は、途上国にとって経済開発の基本である”と書きました。ここでいう“インフラ”とは何を指すのでしょうか?

従来は経済発展のためのインフラと言えば、電力、水などのユーティリティと、輸送手段(道路、鉄道、空港、港湾など)を意味していました。

電力と水の安定供給については、“ダムを造る”こととも読み替えられます。

つまり、インフラ投資とは、ダムを造り、高速道路を作り、港湾や鉄道を造る、ことであり、「インフラ投資=土建業」だったのです。工場は、そのインフラの上に建てられるのです。


しかしグラミンフォンの創始者が“これがインフラだ”と考えたのは、電気でも水でも道路でもありませんでした。それは“通信ネットワーク”だったのです。

なぜ彼は通信ネットワークが、従来インフラと呼ばれてきた電力や水、港湾や鉄道より重要だと思ったのでしょう?


それは、“経済発展のために必要な産業が変わった”からです。

今までは、経済発展のために必要な産業は製造業でした。「経済発展には工場が必要だ」と思われていたのです。

工場を誘致するためには、安定した電気と水の供給が必須です。加えて、部品を輸入し商品を出荷するための港湾、および、そこからの道路も重要です。


しかし、もしも“経済発展のために必要な産業”が製造業ではなく、“金融業”や“IT業”や“小売り業”だとしたら?

海外のメーカー(たとえばコカコーラ社)が、バングラディッシュでコークを売りたいと思った時、「その営業所で先月、何ケース売れたか?」という基本的な売上情報を得るだけでも、現地までいかないと情報が手に入らないとしたら? 

営業所のそばに不動産を確保して社員を常駐させないといけないとしたら?? そんな国に進出しようとは思わないですよね。

海外の投資家や銀行家だって、自分の投資(融資)したお金がその後どうなってるか知るためには、再度現地にいかないとわからないなんて、ありえません。

グラミン銀行だって同じです。今日何人借りにきたか、いくら返済が行われたか、携帯電話があれば、それを日々管理できるようになる。金融にとっての基礎インフラはダムや道路ではなく“通信”なのです。


ちなみに、これがビジネスと援助の違うところです。援助で井戸を掘ったら、その後その井戸が解体されて売り払われちゃっても、援助者はせいぜい1年後に「あれ、使われてるかな〜」と気にするくらいです。

しかし、ビジネスや投資、融資なら確実に“その後どうなったか?”を毎月、みんな気にします。だから通信ネットワークが必須のインフラとなるのです。


つまり、「工業化以外の経済発展モデルがでてくると、インフラと呼ばれる産業が変わるんだ!」というのが、ちきりんがこの本を読んで学んだことでした。

さらに、この「インフラの定義が変わる」ことは、日本にも影響を及ぼします。なぜなら、インフラがダムや道路や橋であるなら、それは“土建国家にっぽん”“製造業の国にっぽん”にとって非常に有利な分野だからです。


そうなると、ODAのお金は「日本政府→現地政府→日本のゼネコン」というふうに流せます(もちろんその一部は、英語の話せないゼネコンを補佐する商社、および、現地政府高官のポケットに流れます。)


★★★


しかし、「必要なインフラは携帯ネットワークだ!もう土建業じゃないよ!」と言われると?

残念ながら日本のゼネコンにはお金が流れてきません。じゃあ、携帯端末を作っている日本のメーカーやドコモなどに流れるか?

流れませんよね。ご存じのとおり、日本のけーたいは、世界で使うには向いていないです。

グラミンフォンの創立に関しては、北欧の企業が重要な役目を果たしています。

そのうち韓国製の端末が大成功する可能性だって大いに想像できます。携帯がスマートフォンに代替わりすれば米国のIT企業の独壇場となるでしょう。


ここまで書いてきたことを絵にするとこんな↓感じです。


f:id:Chikirin:20100320140857j:image:w500


下段は、日本が経済発展をしてきた時のモデルそのままです。

その経験とそのモデルを活かして、日本は国際援助をやってきました。しかし、今、途上国の経済発展モデル自体が変わろうとしています。工場ではなく、金融やITや小売り業で経済がたちあがっていくのだとしたら?

工場だけが生産性が高く、工場のためのインフラを整える土建業を中心産業として経済発展してきた日本は、日本の経済成長という意味だけではなく、国際援助の側面でも、その立脚点を失いつつあります。


今後、途上国の開発支援をしたければ、土建技術でも工場技術でもなく、携帯ネットワークや金融業務のノウハウと提供が必要なんだぜ!と言われたら・・・日本には出番がなくなってしまうのです。

もちろん、お金を出すことはできます。

実はグラミンフォンにはひとつだけ日本企業がでてきます。それは丸紅で、資本出資者として登場します。日本がこれらの市場に今後も関わっていく方法はただひとつしかありません。それは「金を入れて、儲ける」という投資業務なのです。


ここまで読むと賢明な皆さんにもおわかりでしょう。「経済成長モデルが変わり、必要なインフラが変わりつつある」というのは、バングラディッシュではなく、今まさに日本で起きていることだということに。

工場で画一的な商品を間違いなく組み立てて大量に出荷するというモデル、

山を切り崩し海を埋め立てて港や空港を作り、巨大な建造物を建てまくって成長するというモデル、

そのために必要であったインフラ、すなわち、画一的に訓練された人員を育てる教育、

お上の考えを日本全国津々浦々まで通達する中央集権機構、

形のないものに価値を認めず、モノ作りと技術にこだわりまくる伝統意識(?)の伝承・・・


この国は“あの産業”に必要なインフラをとことん整備することで、世界第 2位の経済大国を築いたのです。

けれど、世界に向けて「その方法を教えてあげるよ!」と言っていたら・・・世界の成長モデルは、日本よりすっかり先に行っていました、というお話・・・


「経済成長に必要なインフラが変わることの意味」は、実はバングラディッシュの話でも、途上国の経済援助の話でもなく、今まさに日本について考えるべき話なんだと。

それがこの本を読んでの感想です。

そんじゃーね


http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/  http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/

2010-03-18 「その時歴史が動いた!」 (未来編)

2013年 仏滅 @首相官邸

緊急招集を受けて集まった、数人の男達が緊迫した表情で総理を囲んでいた。


財務省理財局長「総理、たっ、大変です。遂に心配していた事態が現実になりましたっ!」

総理「なにっ! それは、もしかして・・!?」

理財局長「はい。国債の入札が大幅未達となりました。」

総理「なっ、なんと。いよいよか・・・」

理財局長「はい・・、一部の金融機関が応札をしないと決めたようです・・・。総理、どうしましょう」


総理「どっどうしましょうって・・・どうすればいいんだ?」

理財局長「今後の入札ではもっと応札額は減ると思われます。既に既存の国債相場も暴落を始めています。今後償還を迎える国債はもう借り換えはできないとみた方がいいかと・・・つまり、期限がきたものからすべて償還していくことが必要になります。」

総理「・・・すると、年間いくらくらいの金が必要になるんだ?」

理財局長「最低50兆円は必要です・・」

総理「ご、ごっ50兆円!?」


主計局長「何を驚いているんですか?4年間は消費税を上げないと決め、“友愛”の名の下に弱者へのばらまき政策を推進し、事業仕分けも結局は支持母体の労組の反対で雇用に関わるところには一切踏み込めませんでした。その時点でこうなることはわかっていたはずです。」

総理「いや、確かにそう言われればそうなんだが・・・それにしても50兆円は大きいな。で、どうすればいいのだ?支出を大幅に減らせばいいのか?」

主計局長「総理、我が国の予算では、支出を全部なくしても50兆円ぎりぎりです。支出を全部なくすというのは、日本政府が解散するということです。さすがにそんなことは・・」

総理「うむ、できないな・・。では、消費税を20%にしたらどうだ?」

主計局長「それは確かに助けにはなります。しかし、今からそんなことをしたら消費は一気に落ち込むでしょうし・・収入増はせいぜい20兆円程度ではないでしょうか。それでは間に合いません」

総理「うむ・・・仕方ない。では、ちきりんに聞いてみよう」


その場の全員「・・・はっ?」


総理「知らないのか? Chikirinの日記というブログを書いている社会派ブロガーだ」

理財局長「いや、しかし彼女はおちゃらけ、ですよ?」

総理「お前はまじめだな。危機の時こそ笑いが必要なのだ!」

理財局長「はあ?」

総理「とにかくすぐに、ちきりんに電話をつなげ!」

主計局長「はっ」

・・・・・


ちきりん「もしもし〜」

総理「もしもし、ちきりんか?」

ち「そうだよ。元気?」

総理「おお。しかし実は大変なことが・・」

ち「知ってるよ。国債の入札、大幅未達なんでしょ?」

総理「おお、話が早いな。それで知恵を借りたいのだ。何か、いい手はあるか?」

ち「いい手なんてないけど。毎年50兆円も必要なら何でもやらざるを得ないよね。覚悟はあるの?」

総理「もちろんだ。どんな手があるんだ?」


ち「まずは、経済移民を受け入れましょうよ。カナダなんかがやってるやつ。一定の投資をしてくれた人に永住権を与えるの。アジアには日本の永住権を手に入れたい人はそれこそ億の単位でいるんだから。」

総理「なるほど、具体的には?」

ち「そうね。ひとり500万円分の日本国債を買ってくれたら、それを保有している間は滞在権を与える」ってことにすれば?たぶん中国人が1億人くらい応募してくるから、そのなかから1000万人くらい筋のよさそうな人を選べば、500万円×1000万人で50兆円でしょ。まずはこれで1年目は乗り切れるよ」

総理「お〜、一気に50兆円! 最近日本の人口は減ってるし、1000万人も来てくれたら内需も一気に盛り上がるな。しかも金持ちばかりだから治安も問題ないだろう。すばらしい案だ。さすがちきりんだな!」

主計局長(渋い顔)「で、2年目はどうするんですか?来年ですよ」


ちきりん「うーん、次は国の資産を売るしかないわね。何か高く売れる物を売りましょうよ」

総理「なにが一番高く売れるんだ?」

ち「えーっと、大学なんかいいんじゃない?東大とか京大とか売っちゃいましょうよ。一流企業の時価総額は10兆円くらいだから、東大京大ならそれくらいで売れるんじゃないかな?」

総理「おお、それなら東工大と一橋も一緒に売ったら一気に40兆円になるのか?」

ち「ん〜、その辺りだとたいした値段にならないから、売ってもしゃーないかも。」

総理「じゃあ、慶應はどうだ?ブランドだぞ!?」

ち「いやそれ私立だから勝手に売れないし」

総理「あっそうか」


ちきりん「寧ろ羽田空港の方が高く売れるよ。成田空港もいいかもしれない。」

総理「なるほど、さすがちきりん、目のつけどころが違うなあ」

ち「でしょ?50兆ならもうひとつ必要だね。じゃあもうひとつは・・・」


主計局長「事業仕分けで廃止されそうになってる科学技術研究センターなんかはどうでしょう?種子島のロケットセンターとか、大型望遠鏡とか、作りかけのスパコンとか・・これからはもう予算がつけられない豪華な研究や実験用の設備があちこちにあるんですが・・」

ち「あ〜確かにその辺、売れそうだね。官僚もたまにはいいこというね。じゃあ、そーゆーのまとめて売って来年の50兆円を工面しましょう!」

総理「おお!ありがとう。これで向こう2年は大丈夫だな。でも、その後は?」


ち「ん〜、その後はもう、どっか土地を売るしかないよね。」

総理「土地か? 佐渡島とか?」

ち「そんなとこ売ってもたいした額にならないでしょ。しかも地方切り捨てとかいうと選挙に勝てませんよ。友愛はどこいった?とか言われるよ」

総理「ふむ、ではどうすれば?」

ち「思い切って港区とか売ればいいんじゃない?」

総理「みっ港区を?」

ち「どうせ今だってやたらと外人が多いんだから、違和感ないっしょ。」

総理「確かに港区なら高く売れそうではあるが・・」(・・止めて欲しそうにチラリと局長らの方を見るが、ふたりとも目をそらす)


ちきりん(全く気にせず)「港区は管轄が、本所、麻布、赤坂、高輪、芝浦の5カ所にわかれるんだけど、全部いい場所だからそれぞれ数十兆円になると思うよ。上海や北京なんて共産党独裁であるかぎり、ホントの意味の不動産は手に入らないんだから、日本の土地建物の私的所有権が手に入るとなれば、在住権を得てる中国人の富裕層が入札に殺到すると思うよ。今の時価より相当高く買うんじゃないかな。」

総理「なるほど・・」

ち「それに大規模開発権を与えるとか、芝浦とかお台場はカジノにしてもいいぞとか言えば、港区売るだけで3年分くらいにはなるかも」

総理「よし。そうしよう。」


主計局長「いや、そーり、そんな簡単に決められても・・」

総理「だまれ!こういうことは政治主導で決めるのだ!」

局長2人「・・・」


★★★

5年後・・・


日本は高度成長時代を思わせる活況に沸いていた。大量に移民してきた中国人達は一人っ子政策の制約がない日本で多数の子供を生み、少子化問題は一気に解決した。彼らの旺盛な消費意欲により内需は大幅にのび、まさに「アジアの活力を取り込む!」とうたった民主党の経済政策が実を結んだ形だ。

消費税や所得税などの収入が増え単年度では財政が均衡しはじめていたし、国債もどんどん償還が進んでいた。また、移民達は介護分野等に就職することが多く、介護不足問題も解決していた。

清華大学京都分校(旧京都大学)と上海交通大学文京分校(旧東京大学)では、日本語での授業をやめ、授業の半分は中国語、残りの半分は英語で行われていた。そのため、様々な国からの研究者や留学生が来日して学んでおり、日本人でもこのふたつの大学への進学者は、日・中・英語のトリリンガルである必要があったため、日本人の語学力も飛躍的な伸びを見せていた。

・・・

2013年、もはや不可避と見られていた日本の財政破綻はこのようにして土壇場で回避された。そして、それは同時にその15年後に出現することになる、“中華人民共和国日本省”への歴史の扉が開かれた瞬間でもあった。


〜〜〜  「その時、歴史が動いた」  〜〜〜

           最終話 

“ニッポンの選択、その時、おちゃらけブロガーは・・” 

      〜〜〜  完  〜〜〜




2010-03-16 やっぱり援助じゃないよね、というお話

1ヶ月ちょい前に、2冊のアフリカ援助本を読んでの感想を「アフリカが発展しない理由」というエントリに書いたところ、英治出版の方が関連書籍をいくつか送って(贈って)くださいました。読んでみたらいろいろ勉強になったので、それについて書いてみます。

紹介するのは下記の2冊。最初のは、米国に留学、ベンチャーキャピタルで働いていたバングラディッシュ人が、祖国で携帯電話事業(グラミンフォン)を立ち上げる起業体験を描いた本です。非常におもしろかったです。


二冊目は、銀行勤務をしていたアメリカ人女性がアフリカでマイクロファイナンス事業立ち上げに関わり、その後、自分でアフリカの起業家向け投資ファンド(非営利)を立ち上げる話です。もちろん両方とも実話です。


前回のエントリでちきりんは「アフリカへの国際援助はこのまま続けてもあんまし意味がないのでは?」と書きました。理由は、“現地の政府の価値”がゼロもしくはネガティブであることと、末端の人達に先進国の常識(規律、人道意識、投資の概念など)が期待できないから支援の効果がない、ということでした。

この点については、今回、よりその思いを強くしました。以下は上記の本からの抜粋ですが、いずれもいわゆる“アフリカへの資金援助”の効用をゼロどころかほとんど「マイナスである」と断じています。

経済開発のための援助はほとんどの場合、百害あって一利なしだ。支援したい人に届くことはまれだし、援助金が押し寄せると市場にゆがみが生じてしまう。(グラミンフォンという奇跡より)

しかし二十代で“アフリカを救いに”出かけた私が思い知ったのは、アフリカ人は救いなど求めていないし、必要としてもいないということだった。慈善事業や先進国からの援助がもたらした、ひどい結果をいくつも目にした。援助プログラムが失敗すれば、状況は変わらないどころか悪化さえした。(ブルー・セーターより)

実際、これらの本を読んでいると上記以外でも、いかにODAや既存の国際援助という仕組みがお話にならないか、ということがよく分かります。援助の効用がゼロ以下ということは、「先進国や国際機関からのアフリカへの援助額を半額にしたら、現地の状況は今よりよくなる」ということです。ちきりん的には「いっそヤメちゃえば?」くらいに思います。


そういう現状認識に基づき前回ちきりんが提案した案は「国家運営の外部委託」だったのですが、今回の2冊の本が提起する解決方法は「ビジネス」です。

ご存じのようにちきりんは“市場機能の信奉者”ですから、これは比較的受け入れやすい考えです。ちなみに上記の2冊の本の主役はいずれも“市場原理の国”であるアメリカで高等教育を受け、ふたりとも市場主義の聖地ともいえる金融業界の出身です。

サブプライム危機以降、先進国ではその社会的意義を問われているマーケットメカニズムに基づくビジネスが、形を変えて遠く離れたアフリカやバングラディッシュのような土地で“援助”よりも意義があることを実証しつつあることは、とても興味深く思えました。

というわけで、ちきりんの前回の提案である「ひどい政府をあきらめて、少しはまともな政府へ取り替えたら?」という案より、今回の本が提起する「ひどい政府はほっといて、ビジネスでやろう」という方法は、より実現性が高いし(それにしてもめっちゃ大変ですが)、政府を一気に取り替えるよりは迂遠な道のりであることは確かながら、“ポリティカリーコレクト”だし現実性がある。というわけで、よりよいんじゃないか、と思えました。


また、これらの本の感想のひとつとして、日本でも「私は国際援助に携わりたい。途上国の開発経済に関心があります」という人は、まず金融業界(できれば米系の会社)を最初のキャリアとして目指したらいいんじゃないかと思いました。だって、上記の本を読めばよくわかりますが、外資系投資銀行で生きていけないようではアフリカやバングラディッシュではまず生きていけないです。

それに、最初から公務員、NGO/NPO,政府系機関に就職して、他人が稼いだお金をせっせと配るより、「どうやったら富が生まれるのか」というメカニズムを知ることが重要なんじゃないかと再認識しました。

なぜならああいう国でビジネスを成功させるのは、先進国でビジネスを起こして成功させるより圧倒的に大変だから。その辺は上記の本(特にグラミンフォンの奇跡)を読んでるとよくわかります。そういう意味では、最貧国への援助に関心のある人は、まずは起業するとかベンチャーで働くのも悪くないかもと思います。


さて、というわけで最初に理解したのは、「アフリカはやっぱり国際援助では救えない。でももしかすると営利ビジネスで救えるのかもね」ということでした。なのですが、今回は他にもいろいろ学びがありました。その一つが、NPOとNGOの違いです。実はちきりんは2005年に「このふたつってどう違うの?」というエントリを書いています。「なぜこのふたつの言葉を併用してるんだろ??」ってのがずっと疑問だったんです。

それが今回「グラミンフォンの奇跡」を読んだら、あっさりその答えが書いてあって感動しました。すなわち、発展途上国には組織というのは“政府”しか存在しないのです。ところがその政府が(何度も書くように)機能価値がゼロ未満だと。でも他に何の組織もないから(価値がネガティブの)政府という組織を通して動くしかない。何度も書いているように、当然巧くいかない。で、「じゃあ、非政府でやったらどうか?」という話になり、NGOという概念がでてくるわけです。

それにたいして西欧先進国の世界では、社会の価値機関は「営利企業」なんです。もちろん公務員もいるけど、基本は株式会社が世の中を回してる。それにたいして「営利じゃない機関でもできることがあるんじゃないか。いや寧ろそのほうがいい場合があるんじゃないか?」という考えがでてきた。これがNPOです。

つまり、地球上には「政府が動かしている世界」と「株式会社が動かしている世界」のふたつの世界がある。だからそれぞれのアンチテーゼとしてNGO, NPOというふたつの概念が生まれてきている、ということなわけ。

お〜、きれいに分かってすごく嬉しい。こういうずっと“???”だったことがすっきりわかると本当に嬉しいですね。この点だけでも英治出版さんにお礼を申し上げたいです。

★★★

実はもうひとつ「あーなるほどーそーゆーことー!」みたいな発見があったんですが、それはそれで大きなトピックでまた長くなりそうなので、そのうち別エントリとして書いてみることにします。いずれにせよ、いろいろ勉強になりました。

実はちきりんはアフリカにも国際援助にも開発経済にもほとんど興味がありません。(旅行先としては「アフリカすばらしい!」と思いますけど→http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100116) その上あまり読書もしないんですが、たまにこうやって本を読むと、そんなに興味の無かった分野からでもいろいろ学べるもんだな、とあらためて認識しました。

もしかすると韓国ドラマばっかり見ていないで、もうちょっとは本も読んだ方がいいのかもしれません。というか、シムシティと韓国ドラマに出会っていなければ、ちきりんだってもう少しは大成したんじゃないかと思います。


本日の格言=「後悔、役に立たず」


(冗談ですよ!わかってますよ!だけどほら、おちゃらけだし!)


そんじゃーね。

2010-03-14 将来の夢@幼稚園

<第1話>

先生「みなさーん、大きくなったら何になりたいですかー?」


僕「ぼく、うちゅうひこおし〜」

私「わたしは、およめさん〜!!」


先生「そうなんだ〜、でもごめんね〜、あなたたちが大人になった頃には、そういうのはもう無理かもしれないのよ〜。

だから・・

将来の夢は、次の3つから選んでね〜!」



-------------------------------------------------------------

f:id:Chikirin:20100313210132j:image:w400

-------------------------------------------------------------



僕「・・・」

私「・・・」





<第2話>


私「せんせー、もうひとつの絵はなんですかぁ?」

僕「あっ、ほんとだ。次のページにも絵がのってるよ!」


私「先生、私わかるよ! 青いのが男の人で、赤いのが女の人でしょう?」

先生「あら、よくわかったわね〜、えらいわ〜」


僕「でも、字がむずかしくてよめないよ〜! せんせーよんで〜!」


-------------------------------------------------------------

f:id:Chikirin:20100313013245j:image:w400

-------------------------------------------------------------


僕と私「先生 よんで〜!!」

先生「そうね、たしかに漢字が難しすぎるわね。先生が全部ひらがなに直してあげるわね」


僕「はーい! ひらがなだったら僕よめるよぉ!」

私「わたしも〜!!」


-------------------------------------------------------------

f:id:Chikirin:20100313013244j:image:w400

-------------------------------------------------------------



僕「・・・」

私「・・・」





うげうげ





inspired by この記事↓ (日経新聞3月10日朝刊社会面)

f:id:Chikirin:20100314000931j:image:w400

「こんな記事が載ったらまた友愛政権が“よし、ケースワーカーを増やそう!”とか言い出しかねないな〜」と思った。んで、「そんなことしたらそのうち、町中が生活保護受給者とケースワーカーばっかになっちゃうだぜよ〜」とか想像して書いてみた。

2010-03-11 市場の魅力 <質&量> 

昨日の日経新聞のトップ記事に、現代自動車が日本から撤退すると書いてあった。これはとても興味深い。(現代=ヒュンダイ、韓国読みだと“ヒョンデ”)

下記データにあるように、現代自動車は、世界ではホンダや日産より売れている。その上、昨年は他社がみんな台数を減らす中、一社だけ二桁の伸びを示している。

2009年の世界新車販売ランキング


順位(前年):メーカー、販売台数(前年比増減率)

1(1):トヨタ 781万台(▲13%)

2(2):GM 650万台(▲22%)※

3(3):VW 629万台(1%)

4(4):フォード 482万台(▲11%)

5(5):ヒュンダイ 475万台(15%)

6(6):ホンダ 339万台(▲10%)

7(7):日産 336万台(▲9%)

8(8):PSA 319万台(▲2%)

9(9):ルノー 231万台(▲3%)

10(10):スズキ 231万台(▲2%)


ソース)池原照雄の単眼複眼 http://response.jp/article/2010/03/03/137142.html


でもヒュンダイの車なんて日本では全く売れない。過去最高に売れた2004年(冬ソナブームの翌年)でも年間2500台程度、2008年はなんと年間500台だ。日本中に販売店が50店くらいあると思うので、ひとつの店で年間10台しか売れてない。一月に一台売れないの??だったら通販でいいんじゃないの?くらいの規模だ。

日本は多数の国産車メーカーがひしめく特殊な市場だし、韓国製にたいする不信感やブランドイメージの問題もあって、世界ではホンダより売れているヒュンダイも全然売れない。

こんな屈辱的な状況にも関わらずヒュンダイはずうっと日本での販売を継続してきた。おそらく最高販売台数の2004年でさえ大赤字だったろう。それに本来、韓国企業は日本企業より経営判断もシビアだし迅速なはず。

それなのになぜ、いままで撤退しなかった?


ここに「日本市場の特殊性」がある。


日本の市場はアジアの人と企業にとって、特別な市場なのだ。アジアには、「日本で売れたら一人前」と信じる人がたくさんいる。彼らは日本が大好きで、彼らにとってはアメリカで売れるより日本で売れる方が遙かに“ステイタスが高い”。

これは利益の問題ではない。日本の消費者というのは、“世界一の目利き”だと思われている。“本物がわかる人達”“ものすごい厳しい目で商品をみる人達”“違いのわかる消費者だ”、と思われているからだ。

アメリカ人はでかければ買う、安ければ買う、と彼等は思っている。「でも、日本人は圧倒的な品質とクールさを備えた商品しか買ってくれない。」 だから、中国、台湾、韓国などの企業にとって「日本で売れた!」ということは、ものすごく誇らしいことなのだ。

日本の映画界がよく「ハリウッド興行成績、2週連続一位!」みたいに宣伝してるでしょ。食品、雑貨、アパレル、化粧品、家電、耐久消費財等々の世界において、日本市場は、アジアの人、企業から「映画におけるハリウッド」のようなステイタスを認められている。彼等がどれだけ“日本”に憧れていることか。だからたとえ赤字でも、日本で売ることをなかなかやめない。

★★★

“市場の魅力”には“質と量”というふたつの観点がある。量において、日本市場は今後ずっと衰えゆく市場だ。人口が減って高齢者ばかり増え、特に消費意欲のある層が激減する。市場の量の魅力において、インドや中国に日本市場が勝てると考える人はいない。

しかし質という面では、日本は今まで圧倒的に価値ある市場だった。(今でも完全に崩れ去ってしまったわけではない。)多くの“世界を目指すアジア企業”にとって、日本市場は“商品テスト市場”として、“マーケティング目的のハイエンド市場”として、意義をもつ市場だ。ステイタス的な意味で、世界市場への登竜門だ。「日本市場(日本の消費者)のお墨付きを得る」ことこそが大事なのだ。

ヒュンダイだって、だからこそずっと日本にとどまり続けていた。「車の世界において、日本で売れない車」なんてのは完成していない商品のようなものだ。この「世界一車選びに厳しいこの国でこそ、我が社の車を売らなければならない!」と思っていたはずだ。


それを彼等はやめた。「もぉええわ」と思った。ケンチャナヨ〜と判断した。

「日本市場で売れなくても、欧米で売れて、中国とインドと南米で売れたらそれで十分じゃね?」

「日本市場で売れないのは、日本市場がすごいから、ではなく、日本市場が変だからじゃね?」

「背に腹は代えられない。いくらクールかしらんが、いくら最先端の消費者かしらんが、あんな市場にはつきあっとられんやろ」

とね。



アジア企業と違って欧米の企業は、日本市場に質としての価値を(自分達で)感じていたわけではない。なんでもおおざっぱで大味な彼等には「なんやねん、あの変な市場」って感じだった。

しかしその彼らも今までは、「日本市場で売れればアジア市場で売れる」ということは認識していた。「アジアには日本に対する多大な憧憬と尊敬の念がある」と彼等は気づいていた。だからアジアに進出したい欧米企業にとっても、日本は大事な市場だった。まずは日本市場を攻略しようとした。

しかし、アジアの人達が日本市場を特別視しなくなるなら、彼らだって(商慣習もやたらとややこしい)日本市場を他に優先する理由はなくなる。

アジアの人達が、

「日本ラブ!」

だからこそ、欧米企業にとっても日本市場は価値があったけど、アジアの人が

「日本? 別に」

となるなら、欧米企業にとっては市場の量として圧倒的な中国やインドの方が大事に決まってる。

P&Gが長らく日本においていたアジアの商品開発やマーケティング機能をシンガポール移管すると決めたのは昨年後半だ。


今のところまだ、アパレル、ゲーム、食などにおいては、これら“ジャパンプレミアム”は残存している。アジアには高価な大吟醸酒をありがたがって楽しむ富裕層もいるし、日本のファッションを追いかけ回る若者も多い。


んが、


それらだって努力なしには維持できなくなる。こういうことが“価値"なのだ、と誰かが明確に意識して定義し、強化し、ビジネス化(マネタイズ)していく、ということを考えなければ、テレビや車やガジェットにおいて、「日本ってちょっとすごいよね」が「ガラパゴスな市場だよな」とその評価を180度変えつつあるように、現在まだ残るその他の市場における「日本市場の“質”的な絶対的優位性」さえ、日本は近いうちに失ってしまうのかもしれない。


と思った。




うげうげ




そんじゃーね


ブランドはNIPPON

ブランドはNIPPON

クール・ジャパン 世界が買いたがる日本

クール・ジャパン 世界が買いたがる日本

世界カワイイ革命 (PHP新書)

世界カワイイ革命 (PHP新書)

2010-03-09 就職氷河期 サイコー!

来年(2011年4月入社)の新卒採用市場がいっそう厳しくなりそうという報道をよく見る。

これは、なかなかすばらしい事態であると思う。(注:ちきりんは“混乱 lover”である。)


そもそも日本において就職状況が(新卒はもちろん中途の人たちもだが)厳しいのは、ちきりんも何度も書いているように、

・この国において「仕事より人が多いから」なのであり、

「あなたの孫はインドか中国で生まれます」で書いたように、今後も日本には仕事は増えない。

なので、自己分析とか意味不明なことをしても何の役にもたたない。


経済産業省は“既得権益・強化戦略”とでも呼べそうな成長戦略を発表していたけれども、何をやろうと“日本という場所”が再度経済成長するなんてことは、もう起らないのだ。


来年は新卒の60%くらいしか就職できない可能性があるそうだが、これは本当にめでたい。しかもおそらく就職できるのは、偏差値の高い大学にいって、運動会だのイベント企画だのボランディアだのに精を出していた、いわゆる「勉強ができて明るく、積極的な学生生活を送ってきた学生さん」ばかりなのであろう。これらにひとつでも該当しない人は「企業に雇ってもらえない」状況に追い込まれる。

これは明治維新以来150年振りに訪れた下克上のチャーンスである。世の中が安定していれば“負け組確定”であったあなたにも、勝ち組になれるチャンスがやってくるのだ。なんとめでたいことであろう!


どういうことだって?

説明しよう!


就職できない人だって食べていかないといけない。でも正社員としては雇ってもらえない。では今までのように非正規雇用の道を探せるかというとこれも無理です。理由は、

(1) 友愛政権のおかげで、日雇い派遣や製造業派遣が禁止される。加えてそもそも有期雇用だったのに“契約非更新”まで「雇い止め」として問題視されるなど、非正規雇用も(企業側からみて)ややこしい制度になりつつあり、今後はその募集も増えない。

(2) 経済産業省は、現時点で正社員である人を守るために“専用のハローワーク”を作ろうとしている。これにより、好業績で人手の足りない会社も、正規であれ非正規であれ新規採用を増やす必要はなく、代わりに他社から正社員を借りてくればよい。この国では経済産業省も、新規採用を増やさないために全力で頑張っているのだ。

(3) 加えて高齢者が非正規雇用市場に殴りこみをかけている。


→文字通り「若者、アウトッ!」なのだ。



で、どうすんだろ?


答えは下記しかない。

1.「雇ってもらう」ことをあきらめ、自営業なり、起業なりして自分で食べていく。

2.若者にしかできないこと(高齢者にはできないこと)で食っていく。

3.仕事のある中国やインドに行って働く。


おー、すばらしい!!



高齢者が苦手で、若者のほうが得意なことって何?  ITとか、創造性の求められることとか、語学とか?

おー、日本めちゃ明るい!!


今20代前半なら、起業するほうが大企業に就職するより圧倒的に得だ。いまさら日本の大企業とか入ってどうする?

「でもちきりんさんはそう言うけど、JALなんて潰れたのに年金は5000万円が2500万円になるだけだし、給与だって“会社が潰れたのに”10%減になるだけで、東京海上レベルからみずほレベルに下がるだけですよ。やっぱり潰れそうでもJALみたいな会社に雇ってもらったほうが得では?」と言う人もいるかもしれない。


ノンノンノン!そんなことないって。JALなんて今回の倒産は「第一回目」に過ぎないのよ。倒産してもあの程度のリストラしかできないんだから、またすぐに倒産するって。


というわけで、ちきりんは今20代前半だったら、絶対大企業に雇ってもらうより起業のがいいって思ってる。でもこの国はみんな超保守的だから「大企業に雇ってもらえるなら雇って欲しい!」って思ってるじゃん。だから、不況で新卒採用の氷河期が再来し雇ってもらえなくなるのは超がつくほどええことなんです。

と、いくらちきりんが煽っても、雇ってもらえる限り、みんな大企業に行くでしょ。でも氷河期がやってくれば、行きたくても行けない人が続出する。それって(結果としては)きっとすばらしい!!

というわけで、大量の大学生が「雇ってもらえない!」状況がこれから10年くらい続くのは、ちきりん的には「超、いい感じ〜!」って思ってる。


それにね。当面、若者はどんどん貧乏になるから、高い家賃が払えなくなっていやおうなくシェアハウスに住む人も多くなる。ああいうところは、神経質すぎる人、清潔でないと生きていけない人、違う価値観の人と折り合えない人にはとてもつらい。

子供の頃から個室が当たり前で育った僕ちゃんは、このままではアジアでなんて絶対働けない。でもお金がなくなるとそうはいかない。いやでも住む場所を他人とシェアすることになる。すると、性格がおおざっぱになり、雑多な環境にも慣れる。そう、インドや中国でぐちゃぐちゃになりながら働くのに適した性格の人がいつのまにか増えるのだ。


お〜!! 日本、明るい!!!


というわけで、就職氷河期が向こう10年くらい続けば、日本の未来は超明るい!!


今日の格言=

「災い転じて福となす」



そんじゃーねーーーー!

ひゅうひゅう!




(実はひとつだけ“思ってもないこと”を書いてます。それ以外は全部マジです。その“ひとつ”についてはまたそのうち〜)


↓とりあえずコレでも読んで、生き方の多様性についてもうちょっと柔軟になった方がいいと思うです。

2010-03-07 ミナミ

来るたびに思う、「ここはアジアよね」と。

関西圏以外の生まれ育ちの人で、アジア放浪の旅とか考えている人は、行く前に2,3日、大阪のみなみの方で予行演習していけばいいと思う。いいウォームアップになるですよ。

というわけで、お馴染みな写真など。


オリンピック終盤時期だったので真央ちゃんみたいな衣装をきてるかと思ったら普通でした

f:id:Chikirin:20100303181851j:image



アジアンな雰囲気だよね、ほんと

f:id:Chikirin:20100303181829j:image


台湾、ソウル、香港、とーきょー

f:id:Chikirin:20100303181817j:image



なんか全体にポップなのだわ

f:id:Chikirin:20100303205453j:image



超一等地で潰れるという“ありえへん”レベルの経営手腕を誇った元くいだおれ店舗

f:id:Chikirin:20100303205510j:image



なんで看板にこうも凝るかな

f:id:Chikirin:20100303213106j:image



f:id:Chikirin:20100303205440j:image



色合いが怪しすぎる

f:id:Chikirin:20100303204644j:image

てか、「こいさん」の意味とかわからん人たくさんいそう。「濃いサングラス」の略じゃないですよ。

f:id:Chikirin:20100303213117j:image



売ってるものも、アジアそのものだしょ

f:id:Chikirin:20100303204632j:image


手書きってどうよ?

f:id:Chikirin:20100303204610j:image



出し物もなんていうか、タイムトリップ狙いだし

f:id:Chikirin:20100303204558j:image



そもそも物価がアジアだし

f:id:Chikirin:20100303181802j:image



この看板なんて3カ国語で書いてあるけど、日本語なしだよ。↓

f:id:Chikirin:20100303204621j:image



飲み放題 800円も安いと思うけど、この看板をビジネスビルの植え込みのわずかな隙間に差し込むのが大阪スタイル

f:id:Chikirin:20100303205425j:image



夜になると益々怪しい感じ。

f:id:Chikirin:20100303205407j:image

f:id:Chikirin:20100303213142j:image




おまけ(神戸)

いぇーい

f:id:Chikirin:20100303213129j:image


というわけで、ラーメン食べて、たこ焼き食べて、うどん食べて、お好み食べて、クレープを食べる。

粉モン人生まっしぐら。


そんじゃーね


るるぶ大阪’16 (国内シリーズ)

ジェイティビィパブリッシング (2015-06-26)
売り上げランキング: 28,940

ミナミの帝王 102 (ニチブンコミックス)
天王寺 大
日本文芸社
売り上げランキング: 150,912

2010-03-05 “自分の表現法”と出会う

「日本一のニート」を標榜する phaさんとの対談 からは、いろんな“気づき”がありました。

対談の後、phaさんと一緒に地下鉄に乗ったのですが、たまたま最初に来たのが各駅止まりでした。

それに乗った後、「もしかして急行のほうがよかったですか?」と聞いたら、phaさんの答えは「いや、いいんです。急行は混むし」というもの。それを聞いて、「あ〜、違う世界だなあ」って思いました。


私がいま働いている業界では、急行に乗るか各駅停車に乗るかという命題にたいして、判断基準は時間、つまり「どちらが早く着くか」しかありません。

でも、「早く着く」などということは pha さんにとっては余り意味がないのでしょう。大事なのは「混まないこと」なわけです。


中学受験などで、「A駅に急行が止まってて、その時速は 40キロ、10キロ離れてる B駅に各駅が止まってて・・どっちが D駅に先に着くでしょう?」みたいな問題がありますよね。

ああいう問題を説く時にも、「各停電車はすいているが、急行電車は混んでいる」という要素を考慮することは求められていません。

つまり私たちは知らず知らずのうちに、社会の提示する判断基準を刷り込まれているのです。

しかし大事なのは、自分の優先パラメーターが何なのか(=自分にとっての判断基準って何?)を見つけることです。

他人の基準で生きると、「早く着くけど混んでる電車」に乗って生きなければなりません。それは、人によってはつらいことなのです。



もうひとつ興味深かったのは、pha さんが「プログラミングを知ったことで、自分に適した表現方法に出会った」と話されたことです。

その数日前に他の人から、「紙に書いた提案書とかもう意味がないよね。

プログラム作って画面上で動かして“こういう感じのビジネスをやりましょう”って言ったらすぐ済む話なのに」と言われて、その時は「そうか、プログラムってパワポに取って代わるんだ」と思いました。

つまり、「プログラム=プレゼンツール」なんだと思ったのです。でも、さらに一歩進めて“プログラムって表現方法なんだ”と、この日(ようやく)理解できました。


人間ってみんな自分の中に「何か」を持っています。それは、なんらかの表現方法を通して具現化しないと他人には伝わりません。

伝わらないと理解してもらえないし、それどころか、表現方法というフィルターを通さないと、自分自身でさえそれが何なのか意識できなかったりするんです。

誰かに自分のことを伝えたい、誰かに理解して欲しい、自分自身、今、自分の中に在るものを理解したい、というのは、誰もが持つ自然な衝動です。

だから、その「自分の中の何か」を巧く(ああ、これなんだよ!という感じで)表現しうる方法やツールを手に入れられたら、皆とても幸せなはず。


自分を表現するツールとしてはたとえば、

  • 話し言葉(表情とか含む)
  • 書き言葉(散文)
  • 短歌・俳句、詩、コピーのような言葉、韻文
  • 演芸(落語、漫才、駄洒落?)
  • 写真
  • デザイン、意匠
  • 楽器
  • メロディ、曲、リズム
  • 体(踊り、劇、体操的なもの、いろいろ)
  • 映像
  • 料理
  • プログラム
  • 創造物(建造物、モノ、現代アートみたいなもの含む)
  • 働き方(?)
  • ビジネス

など、結構いろいろあるんです。


考えてみるとこれらの大半は学校で、しかも義務教育のかなり早い段階でひととおり体験することです。

作文書いて、絵を描いて、韻文も作ってみたり、歌も歌って(なぜか)笛吹いて、運動会には踊らされ、文化祭では演技もします。


そうか、あれって「あなたにとっての表現方法を見つけなさい」っていう教育だったんだな、と思いました。

なにかひとつくらい自分にぴったりな「自分を表現する方法がみつかればいいよね」という、そういう教育課程なんだと気がついたのです。

プログラミングは今の小学校のカリキュラムにはなさそうだけど、それが個人の表現方法になり得るのなら、是非とも早めに子供達にも体験させた方がいいですよね。


私は「テキスト、書き言葉」という比較的一般的な表現方法で自分を表すことが得意でした。

小さい頃から作文はよく入選していたし、文章を書くことが大好きで、日記をずっと書いてきました。

テキストという一般的な表現ツールが自分に合っていた私のような子供はとてもラッキーです。

でも、そうでない子もたくさんいます。

自分に合った表現方法が見つからなくて、周りに自分のことが理解して貰えなかったり、自分自身が自分をうまく扱えなかったりすると結構つらいです。

わかってもらうことを諦めたり、拒絶したり、絶望したり、するかもしれない。時には暴力や、“閉じる”という行動によって、それを表現することになるかもしれません。


当然だけど、表現方法の幅よりも、人間の心の中にあるものは圧倒的に多彩で多様です。だから、それを 100%表現するのは誰にとっても不可能でしょう。

だけれども、出来る限りそれらを具現化することにより、個々人の疎外感という不幸を減じる大きな力にはなるはずです。

だからそのツールとなりうるものは、できるだけ多く、早い時期に体験できるよう、小学校などで触れる機会があればいいなと思います。


それとその際、「表現方法を探す」ことを明示的な目的として認識させれば、より生産的とも思います。

言葉で表現できない感情を抱える(認識する)というのは、「誰も俺をわかってくれない!」わけでも、「コミニケーション能力が低い」わけでもなく、

自分に最適な表現ツールをまだ手に入れてない(出会っていない)だけだと教えるのです。そして、その“手段を手に入れる”ために、いろいろ試してみればいいのよと、言ってあげるのです。



今もしあなたが、「誰にも伝えられない、わかって貰えないことがある」と感じているとしたら、それはもしかしたら「それを伝える“自分の表現法”とまだ出会っていないから」なのかもしれません。


f:id:Chikirin:20150810175729j:image:medium

そんじゃーね。


http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/  http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/

2010-03-03 phaさんとお会いしました

先日、phaさんと対談させていただきました。本日よりビジネスメディア誠で掲載が始まりましたので、是非お楽しみください。

Business Media 誠:ちきりん×phaの「そんじゃーダラダラと」(1):5W1Hに忠実な新聞よりも、グチャグチャな「圧縮新聞」の方が面白い理由 (1/4) Business Media 誠:ちきりん×phaの「そんじゃーダラダラと」(1):5W1Hに忠実な新聞よりも、グチャグチャな「圧縮新聞」の方が面白い理由 (1/4)


ちきりんはネットメディアでの対談は3回目です。最初がジャーナリストの上杉隆さん、次がライフネット生命社長の出口治明社長、そして今回がニートでギークでシェアハウスナーのphaさんです。

どの方も個性的で話がおもしろく、また、ちきりんの知らない分野の専門家の方ばかりだったので、とても勉強になりました。


ちきりん的にはこれからもいろんな人と対談してみたいと思っています。なので、もし「ちきりんを対談に呼びたい!」というニーズなどありましたら、是非お声掛けください。

今までは“おちゃらけ社会派”と自称してきましたが、これからは“おちゃらけ覆面対談ブロガー”とかどうよ?とアホみたいなことを考えています。


phaさんとの対談はビジネスメディア誠が入っている大手町のビルで行われたんですけど、そのビルの名前が”JAビル”というんです。JAというのは農協の親玉ですね。で、その隣のビルは日本経団連ビル。ふたつのビルは地下の通路でつながってます。

行く前に地図を確かめたんだけど、“JAと経団連かぁ〜、日本の既得権益総本山エリアだな〜”と思いました。エコポイントと農家の所得保障政策で、多額の税金が注ぎ込まれているだけあって、すばらしく近代的で豪華なビルでした。(←因果関係はやや不明。おちゃらけなんだから、イチイチ気にしないように)


実は対談の直前にphaさんのtwitter発言を見てみたんです。そしたら、

「だるい」 とか

「頭働かない」 とか

連続でつぶやかれていて・・・

「この人、きょうホントに来るかな??」とちょっと不安になりました。でも実際にお会いしたらいろいろ話が弾んでとても楽しかったです。


ところでちきりんは“ものすごく影響を受けやすい人”なんです。上杉さんと対談した後は、「これからのメディアはどうなるんだろ?」みたいなことばかり考えていました。

今後はどんどんネットメディアが紙メディアに置き換わるし、記者クラブがなくなって誰でも大臣の記者会見に出られるようになるなら、ちきりんだって記者会見にでて、それをちきりん日記でレポートすれば、ジャーナリストになっちゃえるのでは?

などなど、結構真剣に妄想してしまいました。


しかし、その計画を具体化する前に出口社長との対談がありました。そこでまたしても影響を受けたちきりんは、出口社長と対談した後は、「これからはやっぱりネット起業の時代なのかも?」みたいなことばかり考えていました。

出口社長は還暦の起業なんだから、ちきりんだって今からでも全然おそくないじゃん。しかも金融はちきりんも経験あるし、なんかネット起業とかやっちゃう?考えちゃう?まじ?

などなど、結構真剣に妄想してしまいました。


しかし、その計画を具体化する前にphaさんとの対談がありました。そこでまたしても影響を受けたちきりんは、phaさんと対談した後は、「これからはもしかしてニートの時代?」みたいなことばかり考えています。

プログラムは作れないけど、ちきりん日記だってそれなりのアクセス数なんだし、ちきりんだってニートとして立派に(?)やっていけるんじゃないかしら?やっちゃう?考えちゃう?まじ?

などなど、結構真剣に妄想しています。


というわけで、ちきりんとしてはこの計画が具体化する前に、次の対談のお話をいただけることを希望しています。

次回の対談のお相手は、“宝くじの高額当選者”とか“散歩中に1億円入りの鞄を見つけた”みたいな、一攫千金型の人生を送られている方を希望します。


そんじゃーね!