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Chikirinの日記 RSSフィード

2011-02-03 夫が妻の「家を買いたい!」を断れない理由

「35年ローンで家を買うなんてあり得ないでしょ」とこれだけ布教してまわってるちきりんの周りにも、長いローンを組む人はたくさんいます。

他人事なので判断自体はどうでもいいのですが、多くの人がそうするってことは、彼らには彼らなりの理由があるわけで、それは何なのか考えてみました。で、とりあえずの結論はこれ↓

・35年ローンで家を買う人の多くは既婚者で、小さな子供もいる。

・夫が長期のローンに心の底では不安を感じていても、妻に強く「家を買おう」と言われると拒否できない。


これだけだと「ふーん」な感じなので、ちょっと掘り下げてみる。


Q2.夫が妻にノーと言えない理由は?


A2.大半の夫は、妻に引け目があるから断れない。


当然、次の質問がでてくる。


Q3.夫は何の引け目があるの?


A3.夫の多くは「妻には家のためにいろいろ犠牲にしてもらってる」という引け目がある。


なんの話だって? 


説明しよう!←(このアニメ知ってます?)


最近の30代以下の人はある種の理想を持ってるんです。「結婚して子供が生まれても、いずれか一人が負担や犠牲を背負い込むのはおかしい。ふたりで協力して平等にやっていくべきだ」という理想を。

実際、今の30代以下カップルくらいだと、女性の方が給与が高いこともよくあるし、「ボクより妻の方が優秀です」と言う男性も普通にいます。

妊娠がわかったその時点においてさえ「自分より、妻のキャリアの先行きの方が有望かも」と考える男性も少なくありません。当然、子供ができても「女性に負担全部を」とは思っていません。


が、現実は違います。たとえ子供ひとりでも、男性側の負担と女性側の負担は大きく違う。結果として多くの女性が働き方(=負担できる責任、報酬、将来の可能性)に制限を加えざるを得なくなります。

その現実に対して、多くの男性が「なんだか申し訳ない」という感覚をもつんです。

これは新しい世代に特有です。「結婚当初は働いてもいいけど、子供ができたら女性が仕事をやめるのは当然」と思っているバブル以前世代だと、男性はこういう罪悪感を持ちません。最初から「平等理想」をもっている30代未満カップルの特徴的な感覚だと思います。


一方の女性側にも「家を持ちたい」と思い始める理由があります。

上記のような経緯により、仕事が自分の“メインの活動”でなくなった段階で、それに代わる「自分の人生の中心となる活躍分野が欲しい」という欲求がでてくるんです。

これはごく自然な流れです。育児のために仕事は“サブ”にせざるをえなかった。だからこそ、“家”は私がメインで取り仕切る!という意欲がでてくる。

“家”のマネジメントにおいては、自分がメインで夫がサブ。夫はもちろんその立場を(前述した罪悪感から)喜んで受け入れます。


では、家のマネジメントとは何か?

1) 業績目標の達成(計画、実戦)

 ・子供の教育

 ・持ち家の獲得


2) 予算管理(家計管理)


3) 人事管理

 ・夫の健康、体型

 ・子供のしつけ、教育


4) 組織管理

 ・楽しい我が家と仲の良い家族の維持政策

 ・ソツのない親戚つきあい


仕事と同じでしょ。

そしてその中で“持ち家の獲得”と、それにむけた予算管理は、子供の教育と並ぶ「主要プロジェクト」なんです。これなくして、社長たるもの、その責務に人生を捧げる意義がありません。

すべての人は、高い目標をもち、それにむけて計画を立てて頑張っていく、そういう舞台を人生に求めてるし、そういう場所で自分だってやれるという感覚を得たい。男も女も同じです。


かくして女性は外堀を埋めていきます。「子供のお受験に不可欠、○○さん宅も今度。そろそろ買わないと定年までにローンが・・・」云々。「とりあえず今週末、モデルルームに行ってみようよ!」


最後の決断のあたりでは「やばくね?」と思ってる男性もいます。


でも彼らは強くノーとは言えない。もしかしたら自分より優秀かもしれない女性が(しかも、自分が愛している、人生を共にしようと決意した女性が)、キャリアを諦めてくれている。

一方の自分はなにも制限を受けずに、仕事も存分にやって、家庭も子供も手に入れた。せいぜいゴミ出しや風呂掃除を手伝うくらいです。


「ノーとか言えるはずない」



反対に、なんらかの工夫で女性側に「仕事=自分のメインの活動フィールド」という感覚が残せている場合は、こういう展開になりにくい。そういう意味では、香港みたいにお手伝いさんやナニーが安く雇えるようになると、話が変わるんじゃないかと思う。


もちろんこれ以外の理由で「妻にいろいろ引け目がある」ため、妻からの提案が何ひとつ断れなくなってしまってる男性もいますが、それはまた別問題。


そんじゃーね。