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Chikirinの日記 RSSフィード

2011-06-06 チャンスはいきなりやってくる

今は世界でも評判の高い日本車ですが、日本車が世界で売れ始めたのは 1970年代の“オイルショック”がきっかけです。

オイルショック前には日本車なんて、おもちゃみたいなモンだと思われていたんです。

ところが石油がいきなり高騰し、車無しでは生活できないアメリカ人の多くが、燃費の悪いアメ車を“緊急避難的に”日本車に買い換えました。

そしたら「品質もアメリカ製よりいいじゃん!」という話になった。

オイルショックがなければ、日本車が世界で売れ始めるのはもっと遅かったことでしょう。


とはいえ、「オイルショックがあったから日本車が今の地位を築いた」のではありません。

オイルショックは“突然訪れたチャンス”ではあったけど、それによって消費者に「たとえ石油がまた安くなったとしても、日本車のほうがアメリカ車よりいい!」と思わせたのは、日本車の実力です。

もし「燃費以外にいいところのないヒドい車」だったら、石油価格が落ち着いた後、アメリカで日本車が売れ続けることはなかったでしょう。


この話は大事なことを教えてくれます。

それは、「チャンスは突然やってくる。そして、突然のチャンスがやって来たとき、既に準備万端になっていなければ、アウトである」ってことです。

もしオイルショックの時、日本車がダメダメで「やっぱダメじゃん!ハンコ」を押されてしまっていたら・・・

当時アメリカ人が日本商品全般にもっていた「安かろう悪かろう」イメージは、より強固に、そして長い間、日本車のイメージとして定着してしまったことでしょう。


★★★


これって芸能界や社会人生活でも同じことが起きます。

誰もが認めるトップ女優がキャスティングされていたのに、スキャンダルや病気で急遽降板。

突然の主役交代だと、他のトップ女優はスケジュール調整ができません。

だから格下のクラスの女優さん、すなわち「突然のオファーでもスケジュールが空いているくらい売れてない人」に話が回ってくるんです。


もしその役目を元の女優以上に上手くこなせれば、一気にスターダムを上ることができる。

一方、「やっぱ二流は二流だね」と思われたら、二度とチャンスはやってこない。


メインの司会者がインフルエンザで休んだときに、番組の司会を臨時で任されたサブの人とかも同じ。

その 1回だけのチャンスにどんな司会ができるかで、近い将来、メインキャスターの話が舞い込むかどうかは決まってしまう。


スポーツチームの補欠も同じ。レギュラー選手が試合前日にケガをしてまわってきた突然のチャンス。

その 1回のチャンスがモノに出来なければ・・・次のチャンスは果てしなく遠くなる。


「チャンスさえ与えてもらえれば、ボクは死ぬ気で頑張ります!」とか言っててもダメなんです。

チャンスなんて与えられてない段階で「いつでも完璧にできる」状態にしておかないと。


「チャンスも与えてもらえないので、まったく頑張る気がしない」とか言ってる人たくさんいるけど、こういう人は一生成功できません。

成功してる人はみんな「チャンスがまわってくる前に、自分の役割を超えたことができるようになってる」んです。

そうやって、1回しか存在しない突然のチャンスをきっちりモノにしてる、からこそ成功してるってことが全くわかってない。


★★★


社会人も同じです。新人は何年たっても「なんもできないヤツ」だと思われてる。

その時、突然、数年上の先輩が転職してしまう。


会社は後任を雇おうとするけど、それまでの間、“仕方ないから”その新人にやらせる。

そしたら・・・「できるじゃん!?」と分かってもらえて・・・というのはよくある話。

若くから大きな仕事を任され、どんどん出世していく人はみんなこのパターンです。


問題は、「チャンスはいつ転がり込むかわからない」ということ。

それは突然やってくる。だから下積みを続けている人は、機会が与えられてから「ええっと、何をやればいいんだっけ?」とか言ってたら話にならない。

チャンスが転がり込んだ時に、完璧に準備ができていること、そして最初から「おおおっーーー!」と思わせるだけの仕事ができること。それが勝負。


チャンスを活かせなかった例としては、日本の食肉業界とかかな。

米国からの牛肉輸入が狂牛病問題でいきなりストップしても、チャンスをものにできなかった。

準備が全然できていない。自分が主役になる日なんて全く想定していない。それどころか輸入再開を怖れてビクビクしてるだけ。

かわりにオーストラリアの食肉業界がそのチャンスをものにした。オージービーフは確実に米国牛肉の市場の一部をかっさらった。


お米でも似たようなことが起こりました。

だいぶ前だけど、日本が米不足で困った年があったんだよね。あそこで一気にチャンスをモノにできていたら、カリフォルニア米は今頃日本でもっと市民権を得られていたはず。

でもそれは起こらなかった。代わりに、日本のお米とは種類がまったく違うタイ米を輸入して「ほーら、海外のお米は美味しくないでしょ?」と、国民の洗脳に成功した農水省の圧勝だった。


★★★


最初にチャンスがころがりこんで来た時に巧くできないと「ああ、やっぱりあいつにはまだ無理だ」ということが明示的に確認されてしまう。

そしたら次のチャンスはもうこない。

次に誰かが突然に降板しても(転職してしまっても)、チャンスは他の誰かにもっていかれてしまう。


こういうこと書くと、「よし、チャンスが転がり込む日に備えて勉強しよう!」と言い出すマジメな人もいるんだけど、

勉強なんてどうでもいいんです。


大事なのは「自分は、明日から代役がこなせるか」ということ。

「いつチャンスが転がり込んできても大丈夫なレベルの仕事をしているか?」ということ。


自分の職場の「ちょっと上の、すごくできる人」や直属の上司を思い浮かべればいい。

ある朝、会社に行ったら、突然の緊急事態で直属の上司や先輩が職場から離脱することになっていた。

自分は“その日から”どう代役を務めるのか。どう判断し、どう振る舞い、どう仕事が回せるのか。


チャンスはそうやって、いきなり目前に現れるんです。なにも考えず、いつもと同じように出社したごく普通のある日に。

その時、「あんな上司がいなくても、こいつさえいれば十分なんだな」とか、「あいつが止めたら仕事が回らなくなるって思ってたけど、コイツがいれば大丈夫じゃん」って思わせられるかどうか。


それをイメージして仕事しとけってこと。

上司やマネージャーのグチとか、言ってる場合じゃありません。


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そんじゃーね。


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