ブログトップ 記事一覧 ログイン 無料ブログ開設

Chikirinの日記 RSSフィード

2011-08-28 狂気の時代の共犯者たちへ

真山仁さんの『ハゲタカ』という小説を読みました。NHKでドラマ化されたので、ご覧になった方も多いかもしれません。

原作はテレビドラマのストーリーとは必ずしも同じではないですが、外資系ファンドが、不良債権処理に四苦八苦する銀行と、倒産の危機に瀕するその融資先企業を次々と飲み込んでいく、といった時代背景が描かれている小説です。


ハゲタカ DVD-BOX

ハゲタカ DVD-BOX


最近も「金融危機」という言葉をよく聞きますが、日本における金融危機といえば、今でも間違いなくあの頃、つまり1997年-1998年のことだとちきりんは思っています。


1997年

11月3日 三洋証券 会社更生法申請

11月15日 北海道拓殖銀行 破綻

11月24日 山一證券 自主廃業

1998年

10月23日 日本長期信用銀行 金融機能再生緊急措置法による特別公的管理(国有化)

12月13日 日本債券信用銀行 同上(国有化)


今、日本は財政赤字がひどくて国が破綻するとか、株が大暴落だというけれど、じゃあみんな円預金を引き出して金(GOLD)に変えたりしてるのか?というと、反対に「金が高いからネックレス売ろう!」とか「節約して貯金をしよう!」という人のほうがまだ目立ちます。

金を売って「円」という通貨に変えたり、円預金の残高が増えるのを喜んでいる日本人が多いなら、世界が円を評価するのも当然でしょう。


あの頃の日本には、本当に「ヤバイ!」空気が蔓延していました。破綻が噂される銀行の支店には現金を引き出す人の行列ができ、いつどこが破綻しても不思議ではないと多くの人が感じていました。金融システムの根幹にあるインターバンク市場でデフォルトが起こった時には、さすがのちきりんも「もしかして、この国、終わり?」と思いました。

上にリストしたのは破綻した金融機関だけですが、銀行が破綻すれば綱渡り状態だった融資先企業も一気に破綻します。日債銀や山一證券の株を買わされていた取引先企業の中にも、それが理由で潰れたところもあったでしょう。連鎖倒産が起こり、1998年、日本の自殺数は急増しました。他にも住専問題などもあり、様々な闇勢力が(文字通り!)跋扈していました。

未曾有の金融危機に対応するための法律や行政の体制もお粗末そのものでした。「絶対起こらない」と言われた銀行の破綻に、政府も金融当局もなんの備えもなかったからです。外国の法律を真似して急ごしらえで法整備を行い、必要な資金を確保するため、政治家も官僚も殺気立っていました。


実は今回、『ハゲタカ』を読んでいて、あの時代のめちゃくちゃさが思い出されてつらくなり、何度もページを閉じました。そうやって少し心を落ち着けないと、読み続けられなかったのです。

ちきりんがあの頃を思い出して気分が悪くなるのは、金融危機のパニックを思い出して怖くなるからではありません。そうではなく、あの頃の金融機関のむちゃくちゃさ、金融業界で行われていたことのあまりのグロテスクさが、思い出すと心臓が苦しくなるくらい気分の悪いことだからです。

あの時代に金融業界にいた人で、この感覚を共有している人はたくさんいるはずです。みんなもう職業生活の終盤を迎えようとしているし、銀行員だった人は既に前線を離れているでしょう。

それでもこの小説を読むと、あの時、金融業界で「何が行われていたのか」、当時の光景がビビッドによみがえってきます。そしてそれはちきりんには、マジで気分が悪くなるほどえげつないものだったのです。


あの時代を知らない人、あの時の金融業界を知らない人が『ハゲタカ』を読めば、「ホントにこんなことがあったの? 誇張でしょ!?」と思うかもしれません。でもあの現実を見ていた人が読めば、それとは反対の感想をもつはずです。実際には『ハゲタカ』で書かれているより何倍も凄まじかった当時のことが、脳裏に蘇るはずです。

大蔵省(当時)も、日銀も、日本のすべての金融機関も、完全にパニックしていました。そして文字通り「むちゃくちゃ」が行われていました。もしかしたら「戦後のぐちゃぐちゃ」と同じくらいヒドイ状態だったんじゃないでしょうか。


こういう小説を、あの時代を知らない人に読んで欲しいと最初は思いました。でも次に「やっぱり、あの狂気の時代を共有した、共犯者の人達に読んで欲しい。」と思い直しました。あの時代が何だったのか。あの渦中にいた人は、もう一度、思い出してみるべきだろうと思ったからです。

あの時に比べたら、今が日本の危機だなんて、ちきりんには全く思えません。みんな東電の対応がヒドイというけれど、あの頃の金融業界で行われていたことはその何倍もヒドイことでした。組織も人間も、ここまで腐ることができるんだ、仮にも日本を代表する組織にいる人達が、こんなにも醜くてエゴイスティックで恐ろしい存在なんだという現実を、心に突き刺されました。


何度も何度も中断しながら、この長い小説を読み終えました。フィクションだけど、でてくる人物はみんな個性的で素敵です。それが救いでした。銀行側ではなく、外資系ファンド側に光をあてて小説を書いたのはすばらしい選択だったと思います。こっちからの本じゃないと、ちきりんには読む気がしないから。


実は後日、著者の真山仁さんにお会いする機会がありました。ちきりんは勢い込んで「あの時代、凄かったですよね!?」と聞きました。そしたら真山さんは、「実は全然知らないんです」と言われました。バブルの最中は中部地方の小さな市でサツまわり(新聞記者)をやっていて、宮崎勤事件や昭和天皇崩御を追っていた。バブルとは無関係の人生です」と。

驚きました。あの時代を知らなくてこういう小説がかけるなんて、「取材力と想像力ってスゴイのね!」とびっくりしました。読んだこっちが気分が悪くなって読めなくなるほど当時のことを思い出してしまうのに、それほど当時の惨状が臨場感をもって浮かび上がる小説を、「180度違う世界にいました」という人が描けるなんて。

小説家ってすごいです。


読み終えて思います。あの時代の共犯者の人達に読んで欲しい。もちろん「それってどんな時代だったんすか?」という若い人にも、おもしろいと思うけど。

新装版 ハゲタカ(上) (講談社文庫)

新装版 ハゲタカ(上) (講談社文庫)


そんじゃーね。

2011-08-26 円高、いいね!

一ドル77円前後という相場がすっかり定着してきましたが、物価推移を考慮して購買力平価で考えると妥当なレートはもっと高い(60円台だとか、57円前後だとか)と計算されている専門家もあり、ちきりんも「まだまだ円高になるんじゃない?」と思ってます。

というわけで、「円高いいね! いろいろ買っちゃおう作戦!」を提案します!


(1)とりあえず資源エネルギー庁は100人単位で三菱商事と三井物産に人を出向させて、世界中あっちこっちに同行し、ガス田とか鉱山とかあれこれ買って来なよ!


(2)農水省もオーストラリアで牧場、ロシアで小麦農場、カリフォルニアで巨大な田んぼをもってる農家を丸ごと買っちゃお。もちろん田んぼには日の丸をたてて、そこでとれたお米は国内産扱い。これであなたたちが大好きな食料自給率もうなぎ登りよ! あっ、もちろん中国のうなぎの養殖場も買っといてね!


(3)厚生労働省はどっか人件費の安い温暖な東南アジアの国に巨大な特別養老施設を作っちゃおう!現地の雇用も増えるからきっと歓迎してもらえるよ。人件費も食料も、もちろん土地代も建設費も安いから日本国内で作るより圧倒的に安く作れるし、日本は移民が嫌いだけど、老後の海外移住を国がサポートするなら喜ぶ人は一定数いるだっしょ!


(4)観光庁はとりあえずギリシャからエーゲ海の島をいくつか買っといてくれる?観光立国を目指すならあの辺にいくつか島を持っとかないとね。きっと一気に人気がアップするよ!あと、マチュピチュあたりもクスコとセットで買っちゃえば?毎年かなりの観光収入が見込めるよ!


(5)文部科学省もフィリピンのセブ島あたりの「英会話学校」を買い上げて、小学生とかガンガン送っちゃえば?日本で英語教育なんてやるより圧倒的に安くて効率よいよ。てか、そもそも日本で勉強させてても上達しないし。

あと、中国の小さな街も買っちゃって、日本人専用の中国語学校にしちゃおう!


(6)国土交通省はオーストラリアとかカナダ、ニュージーランドなど、「英語圏」「治安よし」「土地広大!」な国で、30万人くらいが避難できる広ーーーーい土地をまとめ買いして、日本に万が一があった時の仮設都市を造っておいてくれる?また次に、別の原発がドドンといっても逃げられるようにね。

もちろん買うのは、超格安な原野や荒野にしてね。んで、土地造成や水道、電気の敷設など、仲間のゼネコンをつれてって日本式にバシッと整えよう!有事以外は何に使うんだって?英語研修施設にしとけばいいじゃん!?


(7)財務省は為替介入とかアホみたいなことはもうやめて、もってる外貨準備でどんどん海外の企業に(株式)投資しよう!自分でどこの株を買うかとか決めてたら絶対間違うから、とりあえず何も考えずにカルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)と同じとこに投資しといて!


(8)環境庁はアフリカとブラジルに人を派遣して、日本のCO2排出に見合うだけの森林地域をどどーんと買っておいて!日本はこれから原子力を天然ガスに切り替えていく予定なんで、その分の森林もよろしくね!


(9)外務省は上記がスムーズに進むよう、各国大使を手厚く接待しといてね−!あと、他の官庁の人はみんな英語も不得意だから、外務省の方で「霞ヶ関、円高お買い物ツアー!」を組成して世界のあちこちに買い物ツアーに行く各省庁の人をガイドしてあげたらいーんじゃないかな。たまには外務省も日本のためになることしようよ!


(10)親愛なる国民の皆様は、とりあえず海外旅行でも行こ!一流ホテルも一流レストランもめっちゃ格安だよ。併行輸入品もどんどん買えばいいし、化粧品なんか韓国まで買いに行ったほうが安いって。LCCさえ飛んだら「週末に韓国でゴルフと買い物」とか「明日はエステにソウルまで」もアリじゃない?

家だって日本で35年ものローンを組んで買うよりマレーシアのリゾート地にマンション買ったほうが格安だし、今のレートならハワイのマンションも一ドル120円の時の6割ざんすー!

あと、海外留学も短期移住も試してみようよ。地方に住んでいるなら、子供は東京の大学じゃなくて海外の大学に行かせちゃえば?


円高、いいネ!



えっ?円高になると日本に工場をもっている製造業は壊滅状態だって?


いいじゃん。ユニクロも楽天もDeNAもグリーもみーんなこれから海外進出(海外投資)を始めるんでしょ?外食チェーンの多くも、アジアに出店攻勢をかけてる真っ最中じゃん。彼らには円高の方がずっと有利なはず。今までは製造業のために円安にしてきてあげたんだから、これからは円高が得な会社を応援してあげようよ。順番、順番!


そんじゃーねー!

2011-08-23 日本の税金まとめ(お勉強シリーズ)

「全国間税会総連合会」という妙な名前の団体が作っている「税金のまとめ」パンフレットの内容をご紹介。名前からして「なにその団体?」って感じですが、パンフレットには「消費税のあり方を考える会です」と書いてあるので、たぶん財務省の天下り団体かなんかでしょう。(そんなつまんないことに関心ある方はこちらをどうぞ。→「間税会のサイト」)

まっ、みんな、たまには税金の全体像とか勉強するのも悪くないでしょ!


1)国の支出合計(一般支出)

まずは、国の予算を支出側から見てみると、こんな感じ。

借金返済と、社会保障費(年金とか医療費とか生活保護の国負担分)、それに地方に回してるお金(公共事業も同じ色にしてみた)と防衛費をのぞく、「国の普通の行政費用」って少ないのねー。「スーパーコンピューターって、一番の必要があるんですか?」とか、細かいコト言っててもしゃーないわけよ、とよくわかります。

(単位:億円、合計は92兆2992億円、2010年の数字)

f:id:Chikirin:20110822212650j:image

(念のため:日本の社会保障費の総額は上記の額ではなく、90兆円を超えています。上記は国庫負担分だけです。社会保障費用の総額を知りたい場合は年金会計など特別会計側の分もあわせてみる必要があります。)




2)国の収入合計(一般支出)

次に、収入側。借金でかいねー。これ当初予算だから実際にはもっと税収少ないのかも。それにしても一年で(税収よりかなり多い)44兆円も借金して、うち20兆円(上記グラフ)も借金返済&利払いにあててるってスゴイなー。(単位:億円)


f:id:Chikirin:20110822212652j:image:w500




3)国民負担率の国際比較

財務省は、「日本はまだまだ税金の上げ余地があります。国際的にみて負担が少なすぎるのです!」って言いたいので、こういう国際比較をよく出してきます。

それにしてもスウェーデンの負担率、高っ! 100万円の給与のうち、税引き後の手取りは35万円だけだよ。 (グラフ下の注を参照) 政治家がやたらと「北欧、北欧!、スウェーデン、スウェーデン!」という理由もこれでわかりますね。


f:id:Chikirin:20110822212653j:image

(国民負担率=租税負担と社会保険料などの社会保障負担の国民所得に占める割合)

(注:実際には、消費税や法人税などすべての税負担+社会保障料を、国民所得で割っているので、給与・手取りの関係は比喩です。)


以上3つはパンフレットに記載されていたたグラフです。(色はちきりんが変更) 次からはちきりんの試算!



4)試算1 (単位:億円)

もしも日本の負担率をスウェーデンと同じ65%まで引き上げたら、国の収入はどうなるかというと・・・

f:id:Chikirin:20110822212649j:image:w500

ありゃー、それでもこんなに借金が残るのねー。




5)試算2

んじゃ、借金をなしにして、税金だけでその年の支出を全額払えるようにするには、国民負担率をいくらまで引き上げればいいの?という逆の試算をしてみると・・・


f:id:Chikirin:20110822212651j:image

おお、100%未満じゃん!!!

ってことは、実現可能じゃん!?


だいたい85%くらいですね。「持ってけドロボー」って感じでしょうか。


てか、とりあえずコノ比率が100%を越える前に借金増やすの、やめた方がいいんじゃね?的な・・



そんじゃーねー!

2011-08-21 どっちの破綻が早い? 生活保護と年金

「年金制度なんて絶対もたない」「オレが 65歳になった時には間違いなく破綻してる」とか言う人がたくさんいます。

でも、「生活保護制度なんて絶対もたない」「間違いなく破綻する」と言う人にはあまり会いません。

いったいなぜ?


中には、「年金なんて払わなくても、老後にお金に困れば生活保護を受ければいい」と言う人までいて驚かされます。

もしかして「年金制度は破綻するが、生活保護制度は決して破綻しない」と思ってたりする?

どっちかいうと、年金よりは生活保護制度の方が先に破綻しそうだけど。だって・・・


その1)官僚の視点

官僚、すなわち公務員は共済年金という年金制度の中でも最も強固な年金制度に加入してます。

これは、彼らが全員(一階部分の)国民年金の加入者でもあるってことです。

では彼らの家族に「生活保護をもらえないと困る人」がたくさんいると思いますか?

よく考えてみて下さい。

厚生労働省の官僚は、予算がなくなってきた時、年金と生活保護、どちらの制度を守ろうとするでしょう?



その2)政治家の視点

政治家は「票」で動きます。

現在、年金の加入者数は 6800万人= 6800万票です。一方の生活保護の受給者数は 200万人です。

年金加入者は全員、票をもっていますが、生活保護の方は子供が含まれているので、票をもっている大人の数は 170万人くらいでしょうか。

政治家がどちらの票を重要だと思うか、よく考えて下さい。


もちろん年金加入者の中でも若い人の中には、「オレは年金より生活保護の方が得だ!」と思う人もいるかもしれません。

また、生活保護を受ける人は今後も増えるでしょう。それでも、現在の数字で 6800万人と 170万人の差があるんです。

加入者数どころか、既に年金をもらい始めている人だけでも 170万人とはケタが違います。

今後も票の重みが簡単にひっくりかえることはないでしょう。


しかもこのふたつのグループ、どっちの「投票率」が高いと思います?

年金に加入してる人と、生活保護を受けてる人、どっちがちゃんと選挙に行ってると思います?

よく考えてみて下さい。

政治家は、予算がなくなってきた時、どちらの制度を守ろうとするでしょう?



その3)憲法の視点

生活保護は憲法で保障されてるんだから、一介の法律で規定されている年金制度より大事にされるはずだ! 守られるはずだ! という素敵な人もいます。

憲法 第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


・・・そういうこと言ってる人って、憲法 9条を読んだことがあるんでしょうか?


憲法九条

1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


9条は守られてると思ってます?


だったら、25条も守ってもらえるかもしれませんね。



その4)現実性の視点

年金制度が破綻してもすぐに困る人ばかりじゃないが、生活保護制度を破綻させたら餓死者が大量にでる。それはやばいからきっと破綻させない!みたいな意見もあるようです。

ふーん。


こういう人って「破綻」の意味がわかってないんだと思うのですよね。

たとえば、今、現実に破綻してる「ホームレス支援策」や「シングルマザー支援策」を見ればわかるはず。

これらの支援策は全く無いというわけではありません。


厚生労働省は「ホームレス緊急一時宿泊施設」(いわゆるシェルター)も作っているし、相談センター的なものもあります。シングルマザーへの支援策もあれこれ制度として存在しています。

でも現実に救われていないホームレスやシングルマザーはたくさんいます。

生活保護も含め「制度が破綻する」というのは、制度が完全にゼロになるという意味ではなく、「事実上、救われない人がたくさんでてきてもそもまま放置される」という意味です。


保護シェルターを作ってもホームレスの人がそれを積極的に利用しないのは、「共同生活がイヤ」「門限やルールがウルサイ」、「個人情報を詮索される」(てか、調査される)などの理由があるからです。

派遣村が出来てマスコミが報道すると、一時的には「ビジネスホテルの部屋」が与えられた時もありましたが、

シェルターでは基本は共同生活、決まった食事時間、門限、外出時のルールなどが適用され、「早く自立しろ!」的なプレッシャーも常にかけられます。

真冬でもない限り、これならシェルターより路上の方がマシと思う人もいるわけです。


生活保護に関しても、現金給付ではなく「生活保護者シェルター」を作って同じような方式に変更しよう! という話になる可能性はあると思いませんか? 

「お金がないならシェルターに入ってください。イヤならいいですけど」っていう方式にね。

てか、そういう改正案がでた時に誰が本気で反対してくれるんでしょう?


★★★


というわけで、ちきりんの考えでは「年金が破綻する 12年くらい前に生活保護制度は破綻する」と思います。

「何で 12年なんだ?」って? 


もちろん適当です。


f:id:Chikirin:20150810175729j:image:medium

そんじゃーね。


<関連エントリ>

年金が破綻するとか言ってる人は、はっきり言って甘い!


生活保護VSワーキングプア (PHP新書)
大山 典宏
PHP研究所
売り上げランキング: 145,732



http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/  http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/

2011-08-19 超有望ビジネス)高齢者向け宅配ごはん

私は過去に何回か、「これから高齢者向けのビジネスは可能性あるよねー」というエントリを書いています。

 <関連過去エントリ>

  ・「高齢者ビジネスあれこれ」

  ・「“若者的なる者”が消費するという概念」


なんたって、今後、高齢者は増え続けます。

2050年の日本には、20才から 39才までの合計人数が 1658万人なのにたいして、75才以上が 2373万人も存在するのです。 65才以上でみたら 3763万人と人口の 4割です。

  ・衝撃のグラフ → 「日本の将来の年齢別人口」


先日発表された 2010年の国勢調査結果(速報)で、「単身世帯」の割合(約 3割)が世帯種別の中で初めて最大になったと報じられましたが、長生きしたら最後はみんな「高齢単身世帯」です。

相当の子だくさんでもないかぎり、今の中高年以下の人が 75才になった時に息子や娘夫婦と同居してる可能性は低いです。

おおざっぱにいって今 40才以下の人の大半は、(結婚しようがしまいが、子供がいようがいまいが)将来は単身高齢世帯になるでしょう。

ただし“早死”の人だけは「高齢者のみ世帯」は経験するけど、「高齢単身世帯」は経験しなくて済みます。「早く死んだモン勝ち」ともいえます。


そうなると、今まで「家族」が担っていた多くの作業が“外部化”されます。外部化とはすなわち「ビジネス化」ということです。


「今まで家族が担っていた多くの作業」とは、次のような作業ですね。

・介護(メインエリア)の他に、

・日常生活サポート(掃除、メンテ、洗濯、買い物、調理)と

・趣味活動サポート(シニア向けのサークル、旅行、エンタメ、コミュ作り)や

・判断サポート(資産管理、後見人その他)

・ウオッチ体制(日々の「生きてますか?」確認)

・最終処理(死後の家の片付け、葬儀等の手続きなど)


このうち、「高齢になって面倒になって全く掃除しなくなった。」とか、「面倒だからぜんぜん風呂に入らなくなった」みたいな人は増えるかもしれませんが、「高齢になって、面倒になって、全くご飯食べなくなった」という人はでてきません。

「食べる」ってのはとても優先順位が高いのです。

だけど外食も自炊(買い物、後片付け含む)も、75才以上になると相当めんどうになります。そしてそういう人が、上に書いたような人数、この国には現われるわけです。

というわけで、「高齢者向けのご飯のデリバリー」というビジネスは、めっちゃ可能性のあるビジネスだと思えます。



全国規模の会社でこれにガッツリやる気をみせているのがセブンイレブンとワタミです。

セブンミール

ワタミタクショク


例)ちきりん家のポストに入っていたワタミタクショクのパンフレット

f:id:Chikirin:20110819114315j:image


その他にも

宅配クック123

まごころ弁当

など。これ以外でも、地域限定の業者はすでに相当数でてきています。


また、糖尿病、高血圧、腎臓病など様々な病気のある人向けの食事を宅配する

ミールタイム

ニチレイフーズ

タイヘイ

なども充実してきました。病気食デリバリーもこれから人気がでるでしょうね。


たとえ夫婦で暮らしていても、夫には糖尿病食、妻には高血圧食を毎日3食作るなんて、70才を越えた夫婦にはまずできないです。(しかもこういう制限ができると外食も難しくなります。)


また、下ごしらえ済みの食材が配達され、味付けを含めた最終調理だけ家でやるタイプの食材宅配もいけるでしょう。

高齢者の体の弱り方は様々なので、ステージごとのニーズに対応した商品がどんどんでてくると思います。


さてこれらのサービス、申し込み方法が月極か週決めか毎日か、申し込むのは電話かネットか郵送か、受け取りも宅配かコンビニか、支払い方法が・・・などのバリエーションがあり、使い勝手はそれぞれですが、

高齢者が自分達のために申し込むケースのほか、遠くに住む子供世帯が単身で住む親のために依頼する場合もあると思います。

そういった場合は、単なる食事サービスというより「安否確認」も兼ねており、さらにワタミなんかは「宅配弁当を毎日とることで、高齢者が一日一回は外部の人と話をするようになる」的な効果も狙っているようです。(毎日誰とも口をきかない単身高齢者もたくさんいるのです。)


「安否確認という付加価値」については、将来は行政からの補助も見込めます。

たとえば、「弁当を届けにいったのに何の応答もなくなったら、弁当宅配業者が市役所に連絡する。その代り、弁当一個につき10円を行政が弁当宅配業者に払う」みたいな協力関係があり得るでしょう。

市役所職員が自ら「孤独死防止」のため定期的にお年寄りの家を見回るなんて方法より、圧倒的に安く地域の見守りが可能になります。


ついでにいえば、最近のセブンイレブンはあきらかに「料理が面倒になってしまった高齢者向け」の店頭商品も積極的に開発&導入しています。

私も試しに買ってみましたが、「まあまあいいんじゃないの?」って感じです。コンビニが近い都市部の高齢化も急速に進むので、これらも有望な市場なのでしょう。


セブンイレブンのお総菜

f:id:Chikirin:20110819114309j:image:w360f:id:Chikirin:20110819114314j:image:w360f:id:Chikirin:20110819114311j:image:w360f:id:Chikirin:20110819114312j:image:w360f:id:Chikirin:20110819114313j:image:w360f:id:Chikirin:20110819114310j:image:w360



f:id:Chikirin:20150810175729j:image:medium

そんじゃーねー!


http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/  http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/


関連ツイート

↑誤字)消化器→消火器  胃腸を売りにきてどうするよ。

とか言ってたら、実現するみたい!(4ヶ月後の記事)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120118-00000007-impress-sci

2011-08-16 暴動@東京はいつ?

ロンドンでの大きな暴動。ようやく収束したみたいですね。あんまり詳しくは見てないのですが、このニュースを聞いて、「あたしも普通の寿命くらいまで生きたら、きっと東京でもこういう暴動を見ることになるだろうなー」と思いました。

そういえば2005年にはパリを含むフランスで大暴動があって、当時はまだ内相だったサルコジおじさんが「社会のクズどもめ!」って怒りまくってましたね。

中国ではあっちゃこっちゃで暴動じみたことが起こるし、アメリカもプチ略奪含め定期的に暴動があるけど、パリやロンドンでこれだけ大規模なのが起こるようになったら、だいたい20年ラグくらいで東京でも起こるかなーって思います。


ちきりんも二十年も前ですがカリフォルニアに住んでいた時、都市暴動を2回ほど見ました。一回は、ロスで白人の警官が、スピード違反をした黒人男性を寄ってたかってボコボコにしたのがきっかけでした。その様子をビデオに撮ってた人がいて、それがテレビで放映されて大変なことになりました。もう一回は大規模な山火事があって、それに乗じてプチ暴動が起こりました。

とりあえず現実に暴動を見た時の感想を言うと、



「めちゃこわい!」



特に火を見るのが怖いです。暴徒が鉄棒で店のガラスをガシャーーーーンと割ったりするのも怖いんですけど、あれは野次馬根性を出さずにそういうエリアから離れ、家にこもってジッとしてるという避難の方法がありえます。(見慣れた街の話でもテレビで見てると他人事感が得られます。)

ところが火は一回燃え始めると拡大する可能性があって、下手すると自分の家(や居場所まで)火が回ってくるかもしれない、それが恐怖です。

いつも普通に歩いている道で車が燃えていたりすると、「何コレ、映画?」みたいな非現実感が(最初は)あって、それが現実だと理解できた後、まじでゾゾゾとします。

普通の風景の空に大きな火が上がってるのをみた時は恐怖で、「ひえええー戦争ってこんな感じなんだろうか??」と思いました。「ほんとに戦争が起こったら、あたしは弾に当たって死ぬ前にショック死するなーきっと。」と思えるほどビビりました。


あと、火に関しては、どれくらいのスピードでまわってくるかわからないので、具体的にいつ避難すべきかというタイミングが難しいです。(経験ないけど、普通の火事でもすごい怖いんだろうなと思います。)

ロス暴動が飛び火した時は、ちきりんが住んでたアパートから20メートルくらいのところで、道ばたに止めてあった高級車(コンバーチブル。たぶんポルシェだった)が油をかけられて炎上してたんですけど、それを見ても「これって、あたしはアパートから避難した方がいいの?どうなの?」ってのがよくわからず、困りました。

既に停電しており、電話も通じなくて誰にも相談できないし、「まじかよ、この国!」とかいいながら、スーツケースに貴重品だけつめて、数キロ先の友人宅まで一時避難しました。


と考えていると、先進国の都市暴動ってのはいろいろ似てるなーと思います。


ステップ1:きっかけになるのは「人種差別絡みの権力暴発」が多い。(または「大災害」ですね)

2011年 ロンドン=警官が、犯罪容疑者と見られる若者を射殺

2005年 パリ=警官に追われていたアフリカ系少年が変電所に逃げ込んで感電死

1992年 ロス=スピード違反に問われた黒人男性を、白人警官が車から引きずり出し複数人で大暴行

あとアメリカは山火事とかハリケーンとか、大災害が引き金になるのが多いですかね。


ステップ2:次に日頃からいがみ合ってるグループが戦いを開始する!

ロンドン=ギャンググループの抗争

パリ=貧困移民とサルコジ氏など成功者

 (その後もサルコジ氏の大統領選当選時など、何度もぶつかってます。)

ロス=韓国系移民と、アフリカンアメリカンの抗争(普段からめっちゃ仲が悪い。)


ステップ3:最後に、“普段から鬱屈してる、虐げられてる層”(比較的普通の人含む)が便乗するんだよね。

これらの都市では若者の失業率は2割近く、特定グループでは3割から4割にもなる。毎日なんもやることがないし、日常的に社会に対して不満を感じてる。普段から「なんか暴れたい!」ってな気分で過ごしてるところに、暴れられるチャンス到来! モラルなんて維持するのは無理って感じでしょうか。

逮捕された人の中には必ずしも貧困層ではない家庭の子供や、欧州では上流ともいえる大学生が含まれてたりするのは、この辺の層も暴れたってことでしょう。


ちなみに中国やタイランド、韓国などの暴動は(最近のアラブでの政変と同様)、政治的な背景があったり、資本家や大企業の搾取や横暴への労働者の抗議行動がベースにあるものが多く、先進国の都市型暴動とはかなり性格が違う感じですね。


というわけで、日本でステップ1からステップ3が揃ってしまうのが何年後くらいになるのか。ステップ2は新宿あたりでは既に「睨み合ってるグループ」とか思いつくし、(詳しくは書きませんが、他のいろんな条件から推定すると)だいたい20年後くらいだろうとちきりんは思ってます。


そうなってくると一般の人にとって重要なことは、「どこに住むか」「どんなとこに住むべきか」なんだよね。「いつ暴動が起こっても驚かない」的な都市に住んでる人達が、どうやって住む場所を決めてるかとか、いろいろ研究したほうがいいかもですよ。(賃貸なら適宜逃げられるので、当面は便利なとこに住んでればいいとは思いますが)


そんじゃーね。

2011-08-14 まとめ)終戦記念日に向けて

明日の終戦記念日にむけて、今までに書いたあの時代関連のエントリをまとめておきます。

追記)2015年8月に、新しいエントリもリストに追加しました。


(1) 「終戦の詔勅」

一度は全文を読みたい方へ、そして、内容をしっかり理解したい人へ

“玉音放送”の全文と、ちきりんによる現代語訳です。

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20080815


(2) おまけ

「玉音放送の文章を書いたのは誰?」という方はこちら。

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20050417

“天皇の戦争責任”についても。


(3) 靖国神社参拝記

ここはスゴイとこですよ。一度は行くべし。

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20060816


(4) 原爆投下の正当性とやらについて

あたしは、こーゆーことだと思ってる。

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20050814


(5) 昭和という時代 その1

最後の「予想」が当たっていて怖い・・

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20080829


(6) 昭和という時代 その2

ほらね、こういうサイクルなわけよ。

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110501


(7) 天皇&美智子妃、若き日のエピソード

これは一回、みんなに読んでおいてほしいエントリ。マジで感動する。

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20090410


(8)昭和天皇崩御の日の様子

この日録画したNHK放映内容は今も捨てられない・・

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20050508


(9) 戦争中のメディア

笑えるようで笑えません。

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20101108


(10) 「火垂るの墓」をアメリカ人はどう見たか?

レビューがすごいです。。。

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20120806


(11) 日本は本土決戦にこうやって備えてた・・・

人間魚雷 回天って知ってますか? こんな身近に戦跡が・・・

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20150703


(12) 弱者を追い詰めて爆発させるの愚

日本はなぜ爆発したのか? 現代社会にみるアナロジー。

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20150713


(13) 戦後日本の歩みが 5分でわかります

焼け野原から日本はどうやって立ち直ったのか。時々の首相の判断がすばらしい。

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20150729


(14) アメリカからみたあの戦争とは

グアムは単なるリゾートじゃない

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20150527


(15) 日本海軍はこんなところまで行っていた!

こんなものが海の中に!? びっくり。この youtube 動画は必見です。

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20150523



あの戦争については、なんらか一度は勉強しておきたい。そういう人にお勧め。

昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)
半藤 一利
平凡社
売り上げランキング: 452


東京裁判 (上) (中公新書 (244))
児島 襄
中央公論新社
売り上げランキング: 70,794



f:id:Chikirin:20150810175729j:image:medium

そんじゃーね


http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/  http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/

2011-08-10 本日の朝日新聞より

たまに読むと、朝日新聞もけっこうおもしろかった。


安愚楽牧場の民事再生法申請に関する記事より抜粋


 繰り返し契約を結び、2億円以上を投じている横浜市の女性(74)は「民事再生法の手続きはよくわからないが、オーナーにできるだけ多くの元本を返して欲しい」と声を落とした。


 女性によると、今年4月、同社から新規オーナーより有利な契約(利回り4-8%)を紹介された。契約し、商品券と山形県産サクランボを受け取った。「新たな契約を結ぶたびにプレゼントがもらえるので満足感があった。」と話す。


 5月には、以前に結んだ契約が満期となり1032万円を同社から受け取るはずだった。しかし、218万円を追加し、1250万円で新たな契約を結んだばかりだったという。

 → 山形のサクランボって、もう10年以上も食べたことがないんだけど、こういう人が食べてたのねー。ちなみにこの女性、たとえ2億円まるまま戻ってこなくても、今この文章を読んでいる皆さんよりお金持ちなんだろうとは思います。。。




次は、週刊少年マガジン副編集長のコラムから抜粋


「漫画家志望」増えてます。


また、最近の漫画家志望の子供達には「普通」の子が増えている。オタクっぽくない。体育会系の部活動やバンド活動にも取り組み、友達もいる。彼女や彼氏がいる子までいる。そんな「普通」の子が漫画家を目指すことにさえ、最初は驚いたものだ。

 → 昔って、「友達もいない子」が目指すものだったんだ!って初めて知りました。「彼女や彼氏がいる子までいる。」の赤字のところに筆者の驚きが表われてますね・・。




さらに、「中印流で国際人目指せ」という記事。引用ではなく、要約でどうぞ。

横浜中華街にある中国人の子供のための学校(中華学校、インターナショナルスクール)に、子供を入学させる日本人の親が増えているという話。中国語が身につくので将来有利だろう、ということらしい。


また、数理教育に力をいれているインド系の「グローバル・インディアン・インターナショナルスクール」に子供を入れる親も増えているとのこと。そこで行われている4歳と5歳の子の授業は、先生が黒板に「37」と「32」を書き、合計は?と問う。子供は「69」と正当を答える。ちなみに、問いも答えも「英語」で・・・


ここも開所時は数人だった日本人児童が今は25%を占める。

見学に訪れた東京都江戸川区の男性会社員(48)は、「4歳の長男を通わせようかと思っている。就職も日本にとらわれることなく、世界を舞台に活躍する人間になってほしい」と話す。だって。


 → なるほどねー。4歳からこんな学校に通ったら、6歳の時には「バリバリの印度英語」で2桁×2桁の九九をそらんじたりできるんでしょうね。ところで自分の息子が「インド英語話者」として家にいるって、どうですか?想像するとやや怖いんですけど。


記事によると各学校とも、今は上限枠を設けたり、日本人児童だけ入学試験を課する必要があるほど希望者が殺到しているとのこと。だったら、日本に住むインド人はカレー屋なんかやめて、「インド英語で算数おしえます」的な塾とか開けばいいのに。中華学校だってもっと(中華街のない街にも)作っちゃえばいいんだよね。そして日本の小学校と競いあえばいい。

「中国語での教育と日本語での教育、はたまたインド英語での教育」のいずれを望むか、「算数や理科について、中国やインドレベルの教育を受けさせたいか、もしくは日本レベルでいいと思うか」、さらに「議論や自己主張の方法論においても、どんなスタイルを身につけさせたいか」などなど、市場のニーズは様々なはず。

そういった点で異なる複数タイプの学校が並存し、どういう教育にニーズが在るのかによって、つまり市場の要請により、求められる教育機関が勝ち残っていけばいい。中国人やインド人の雇用の場も確保されるしいいこと尽くめじゃん? 競争原理、万歳!





新聞なんて読んでても世の中のことはわからないかと思っていたけど、結構いろいろ勉強になるもんだ。


そんじゃーねー!

2011-08-07 将来有望な若者の将来価値を毀損する、大きなワナ

最近、若くして起業していたり、小さいけど伸び盛りの会社で働いている若い人から、日本の大企業について「驚いた」「あんぐりした」的な話を続けて聞きました。

たとえば「なにかコラボできるんじゃないか」と先方から言われたので話を聞きにいくと、最後には「まあ、半年くらいかけてじっくり検討していきましょう」と言われてのけぞったとか、

向こうから呼び出しておきながら「うちと取引したい会社は五万とある」とエバリくさってるのはどういうコトなんでしょう? と。

そういう話を聞いて「まっ、日本の大企業ってのはそんなもんなのよ」と説明しながら、内心では「なんか既視感ある会話だなー」と思ってたんです。


よく考えたらコレ、欧米企業に勤める海外のビジネスパーソンが(昔)言ってたのと同じなんです。

ちきりんが通ったカリフォルニアの大学院の同級生は、半導体やらITやらシリコンバレーの会社に職を得たり、東海岸で金融やコンサル会社に就職していました。

彼らは卒業後に日本の大企業と取引をする機会があると、あまりに商慣習が違うのでびっくりたまげるわけです。

あの頃は彼らに会うと、「いったい日本の会社ってどうなってんの!?」とよく聞かれました。


「だってさ! 日本から 5人も出張してきてるんだよ。それなのに『じゃあこれで合意ですね』という話になると、『いや、最終的には日本に持ち帰らないと決められない』って言い出すんだ。

だったらなんで決められる人が一緒に出張にこないの? 5人も 6人も同じなんだから、決められる人がくればいいのに。なんで?」

とか。

「なんですべてが月単位でしか進まないの?」

「一番エライっぽい人が、ミーティングで一言も口を聞かないのはなぜ?」

「部長にメールを出してるのに、なぜかいつもスタッフの人から返事がくるんだけど、コレ、どういう意味?」とか。

こういうの、説明するのは本当に大変でした。


でもいつからか、外国人からそういう質問を受けることもほとんどなくなってたんです。

それは日本の大企業が変わったからではなく・・彼らのほうに、そんな意味不明な日本の大企業とわざわざ付き合う必要がなくなってきたからでしょう。


あの頃は、日本市場は圧倒的に魅了的な市場だったし、日本企業の資金量は半端じゃなかった。

その上すぐれた技術をもっていた。

だから「なんか意味不明だな・・」と思っても、彼らは頑張ってそれを理解しようとした。つきあっていこうとしてたんです。


でも今は違います。

アジアで最も有望に見える市場は中国だし、つきあう必要があるのは、サムスンだったりフォックスコンだったりする。

韓国企業や中国企業との間でも(それなりに欧米企業との常識の差はあるけれど)、ITを使いこなし、英語でコミュニケーションできる企業トップのビジネス常識は彼らと同じです。

そしてそのうち彼らは「なんかよくわかんない日本の大企業」のことなど忘れてしまったというわけ。

私も彼らから、昔みたいな「びっくりした!」系の話をほとんど聞かなくなっていました。


ところが、そこから 20年。

最近は日本の若い人が同じことを言いだしてるんです。

「日本の大企業、わけわなんなくないっすか?」と。「なんなんすか、あれ!?」と。。今や同じ国の若者が言い出してる。


コレ、すばらしいですよね。

日本の大企業は 20年前から何も変わってない。あの頃は外人がそれにびっくらこいていて、今は日本の若者がびっくらこいている。

そう考えれば日本の若者は捨てたモンじゃない。彼らはちゃんと「世界の常識」を身につけつつある。「えらいじゃん!」と思います。


なんだけど、ちょっと「ふーむ」と思うこともある。それは、一方ではいまだにそういう大企業に嬉々として就職していく若者もいるということ。

しかも就職活動においては、彼らこそ「勝ち組」だったりする。

人気ランキングのトップに君臨する名だたる大企業から内定をもらった彼らは、なんの疑いももたずにそういう企業に就職していきます。

自分達がそこで学ぶことになる「ビジネスの常識」が、世界のビジネス常識とは全く異質なものであることなど想像もしないままに。


誰でもそうだけど、仕事の最初の 5年間で学んだことは、その後もずっーーーとその人の考え方や働き方に影響を与えます。みんな最初の 5年間で「ビジネスのイロハ」を学ぶのです。

その「イロハ」が余りにも世界の常識とずれていたらどうなるか。その人は(すごく若い人でも)、将来全然役に立たないビジネス常識を体に染み込ませてしまう。

日本の大企業に就職していく学生たちの中には、「就職状況の厳しい中でも、自分はちゃんと評価されて選ばれた!」とか、「まずは大企業に入って、しっかり学んでから次のキャリアを考えたい」とか、「とにかく大企業に入っておけば、つぶしも利くし転職もしやすい」とか思ってる人も多そう。

そういう会社で「社会人最初の 5年間をすごすことのデメリット」について、明示的に指摘されることは少ない。


でも「完全に世界から遅れてしまっているビジネス常識」を、白地から 5年間、とことん仕込まれ、そのやり方に染められてしまうことの害は、多くの人が想像するよりはるかに大きいんじゃないかな。

特に、「素直で一生懸命学ぶ人」にいたっては、取り返しが付かないことになる可能性さえある。だっていまさら、そんな遅れたやり方を徹底的に学んでどーすんの?


というわけで今日のお話は、「やった!頑張った甲斐があって、就活もうまく乗り切れた!」とか、「まあ、オレのスペックならちゃんと大企業&大組織に入れるのも当然だけどね。」とか言ってる人は、

実は「完全に周回遅れです」みたいな場所で人生最初の「働く訓練」を受けることがどれだけ自分の将来価値を毀損する可能性があるか、よーく考えてみたほうがいい、ってことなのでした。


その損害の大きさたるや実は、「なんだかんだいっても安定してるし」「福利厚生もしっかりしてるし」みたいなぼんやりしたメリットとではとても相殺できないくらい大きなダメージになるですよ。

てか、そもそも「充実した福利厚生」なんかと交換に「自分の将来性を毀損する可能性」なんか受け入れたら話にならんでしょ。


f:id:Chikirin:20150810175729j:image:medium

 そんじゃーね


追記:関連エントリ → 「摩擦回避か生産性重視か 組織によって異なるコミュニケーションのトレードオフ」


http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/  http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/

2011-08-04 夏休み向けお勧め本!

さて、働いている皆さんもそろそろ夏休みでしょうか?

今年は夏休みがめっちゃ長い!という人もいると思うので、まとまった時間や旅先で読める“ちきりんお勧め本”を、過去に書いた感想や関連エントリと共に紹介しておきます。


ノンフィクションで、めっちゃオモシロかったのが、戦後すぐに起こった陰謀事件の闇を暴いたこちら。これは今でも「犯人」が見つかっていません。アメリカの陰謀?共産主義者の仕業?それとも・・・?事実は小説よりも奇なり。手に汗握ります。というか、戦後日本の“選択”がよくわかります。

下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3)

下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3)

感想ではないですが関連エントリはこちら → http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20070930


こちらもノンフィクションの名作。40年前に20代でハイジャックによって北朝鮮に渡り、未だに帰国できない“よど号”メンバーと拉致問題の関わりについて、すごい量の取材を元に大胆で納得の推論が組み立てられています。

(この本だけは、待ってても新品は入らないかもです。今のところマーケットプレイス価格はリーズナブルですが。)

宿命―「よど号」亡命者たちの秘密工作

宿命―「よど号」亡命者たちの秘密工作

よど号メンバーについてのエントリ → http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20080830



次に、日本の現実を知るシリーズのご紹介。こちら、超シリアスな自分の国の現実に、言葉が出なくなります。心の弱い方は読まない方がいいかも。

累犯障害者 (新潮文庫)

累犯障害者 (新潮文庫)

ちきりんの感想 → http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100909



この世界は、知れば知るほど呆れることばかり・・

関連エントリ2つ: http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100328http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110219



さらに、「○○について勉強したい!」方向けの本。最初は、日本経済について勉強できる2冊。


ちきりんが尊敬する経済学者のひとり、野口先生の名著です。これ読まずに日本の将来とか語るのはやめたほうがいいっす。

ちきりんのまとめ → http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110116


つい最近、紹介したばかりだけど、人口問題は一度は押さえておいたほうがいいよね。

2100年、人口3分の1の日本 (メディアファクトリー新書)

2100年、人口3分の1の日本 (メディアファクトリー新書)

こちらをどうぞ → http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110623


併せて読むならこちら。

この本の内容を“超抄訳”するとこんな感じ → http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110325


つぎに、社会系の勉強になる本をいくつか。

日本のエリートはなんでこんなに“しょぼい”のか、よくわかります。

不平等社会日本―さよなら総中流 (中公新書)

不平等社会日本―さよなら総中流 (中公新書)

ちきりんの感想 → http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100902


80年代の風俗関連。この洞察はすばらしい。堀井さんの「ずんずん調査」も大ファンです!

若者殺しの時代 (講談社現代新書)

若者殺しの時代 (講談社現代新書)

婚活の意味がわかったよ → http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100820



この本は「事実に基づく分析」のお手本のような本です。適当な言説を鵜呑みにせず、きちんと研究する人は本当にエライ。「研究者」ってこういう人なのね、って感心しました。


日本の殺人に関する洞察や分析に関するベース(基本)はすべてこの本にあります。まさに専門家の一冊。

日本の殺人 (ちくま新書)

日本の殺人 (ちくま新書)

関連エントリ:http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20091027



こちらは、ちきりんの人生観を形成してくれた本。生き方の基本!

人生を「半分」降りる―哲学的生き方のすすめ (ちくま文庫)

人生を「半分」降りる―哲学的生き方のすすめ (ちくま文庫)

感想はこちら → http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20070804


小学生のちきりんが「ちきりんの日記」を書き始めるきっかけとなった本です。この本なしに「Chikirinの日記」は存在しなかった。青春の思い出ですねー。

二十歳の原点 (新潮文庫)

二十歳の原点 (新潮文庫)

関連エントリ → http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110210


ちきりんが外資系金融の世界に興味をもつきっかけとなった本です。(かなり昔の本だけど、臨場感は伝わると思います。)

ライアーズ・ポーカー (ウィザードブックシリーズ)

ライアーズ・ポーカー (ウィザードブックシリーズ)


社会派でもあり、エスプリの効いたテンポのいい文章に、思わずニヤリとさせる小気味いい終わり方。「Chikirinの日記」が究極のお手本にしているのが星新一氏のショートショート。すごい昔の本なのに全く色褪せない。

正直言うとちきりんは「悪いけど、星新一を読んだことがない人は、あたしに話しかけるのはやめてほしい」とさえ思ってます。今日の紹介本の中では一番手軽に読めるかな。長い本が苦手な人にもいいと思います。

ボッコちゃん (新潮文庫)

ボッコちゃん (新潮文庫)



次はフィクション、というか小説ですね。


まずは世界の名著。この本の中には、人生で起こりえることのすべてが書いてあります。「人生の事典」みたいな本で、これを読んでおけば、一生何がおこっても「ああ、これね」って感じだと思う。こんな本を書ける才能が世の中に存在することに驚嘆!

著者は1931年にこの本を発表し、7年後の1938年にノーベル文学賞を受賞しています。1931年に書かれたとか、ほんと信じがたい。

大地 (1) (新潮文庫)

大地 (1) (新潮文庫)

ほんの少し触れているだけですが → http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20091212


次が日本の名著。「日本語ってこんなキレイな言語なんだ!」と、しばしページを繰る手が止まるほど感動しました。美意識の固まり。三島由起夫氏の遺作です。

春の雪―豊饒の海・第一巻 (新潮文庫)

春の雪―豊饒の海・第一巻 (新潮文庫)

すごい昔に書いてますね・・・ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20050523


もうちょっと軽めの本で、社会派でもあり、サスペンスでもあり、恋愛小説でもあるという、よくできた小説がこちら。

読んだらブラジルに行きたくなるから注意してね。(あたしは行っちゃいました)

ワイルド・ソウル〈上〉 (幻冬舎文庫)

ワイルド・ソウル〈上〉 (幻冬舎文庫)

本の感想はこちら → http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20060615


でも、社会派の王道エンターテイメントといえばやっぱりこの方ですね。。。沈みましたけど、日の丸飛行機会社・・

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

ケニアってこんなとこです! → http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100116 (写真必見!)


山崎豊子さんからもうひとつ。先の日米大戦に翻弄された日系移民らの経験を描き、アメリカという移民国家、それと戦争をした日本という“祖国ではない祖国”の間で揺れる人間模様を描いた大作。こちらもお勧め。8月15日、終戦の日前後にこの小説を読むのも、ちょっとオツなものだと思います。

国って何なのか、国籍って何なのか、いろいろ考えました。ちきりんが「いくらダメダメな国でも、ちきりんが日本を出ることはないよ」と思えるのは、この本を読んだからかも。

二つの祖国 第1巻 (新潮文庫 や 5-45)

二つの祖国 第1巻 (新潮文庫 や 5-45)



最後は、カテゴリー外のものをふたつ。、


相対性理論がちきりんでさえ「わかった!」気になれるすごい本。理系コンプレックスのある文系人間の方にお勧め。わかりやすいだけじゃなく、とてもオモシロく読め、ちきりんは結局シリーズ本の「量子論」や「宇宙論」の本まで次々読んでしまいました。



これを読まずに大人になってはいけないと思ってます。ちきりんが大好きなファンタジー。冒険好きの人にはたまらない一冊。

(P[あ]2-1)光車よ、まわれ! (ポプラ文庫ピュアフル)

(P[あ]2-1)光車よ、まわれ! (ポプラ文庫ピュアフル)

小さい頃のちきりんが大好きだった本の一覧。お子様にもお勧めです。 → http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100812



いい本っていっぱいあるよね。

まだまだあるけど、この辺で!


そんじゃーね。

2011-08-02 「解雇」と「死」は似てる

この前の対談の時にちょろっと触れたのですけど、外資系企業における「解雇」って、人間社会における「死」と似てるんだよね。


たとえば、

・「最終的には総ての人が死ぬ」 = 「最終的には総ての人が解雇される」

・「でもいつ死ぬかはわからない」 = 「でもいつ解雇されるかはわからない」


・「自分が突然死んだら、家族は困る!」=「自分が突然解雇されたら、家族は困る!」

・「でも、もしそうなったら、当面は遺族年金で・・」 = 「でも、もしそうなったら、当面は失業保険で・・」


・「余命宣告をされると、なんでオレだけこんな目に!と、世の中の不公平さを嘆きたくなる」 = 「解雇宣告をされると、なんでオレだけこんな目に!と、世の中の不公平さを嘆きたくなる」

・「でも、どうしようもない」 = 「でも、どうしようもない」


・「死ぬ前に自分で死を選ぶことも可能」 = 「解雇される前に自分で辞めることも可能」

・「死のタイミングについて、できる限り先延ばしするための努力は可能だけど、完全なコントロールは無理」 = 「解雇のタイミングについて、できる限り先延ばしするための努力は可能だけど、完全なコントロールは無理」 


・「怖いっちゃ怖い」 = 「怖いっちゃ怖い」

・「でも、そんなことむやみに怖がってても仕方ない」 = 「でも、そんなことむやみに怖がってても仕方ない」


・「普段はそんなことを意識せず、楽しく生きてる」 = 「普段はそんなことを意識せず、楽しく働いてる」


そっくりでしょ?


というわけで、いつかは死ぬし、死ぬのは怖いけど、別に毎日そんなこと考えておびえているわけでもないし、どうでもいいよね、っていうのが、「死」であり、外資系企業における「解雇」です。

なおここでいう外資系企業とは、金融などある程度アクティブに人材ポートフォリオを入れ替えてる会社の話です。外資系企業でも欧州系メーカーなど、その辺、非常に穏やかな企業もあるので。


で、そういうタイプの外資系企業で長く働いてると、日本企業に勤めている人(転職を考えている人?)からよく質問されます。

「どんな世界なの?」「どんな社風なの?」などに加えて、みんなすごく気にするのが「どれくらい首になるの?」「首になった人はどうするの?」という話です。

「どれくらい首になるの?」と言われて、「んー、最終的には全員じゃない?」と答えると、目をひんむいて驚かれます。


でも実際、最終的に本社の役員なんかになる人はごくごく限られた人であり(役員になっても解雇されないわけでもないし)、基本は全員首になるというのはあながち嘘じゃない。

業績がめっちゃよければ、ある程度の期間はタダメシ喰らいの社員でも養ってくれる、というのはありますが、業績が悪くなれば、仕事ができる人だって解雇され得ます。だから自分の頑張りだけでどーにかなる問題でもないんです。


「首になったらどうするの?」という質問も回答が難しいです。

どーするも、こーするも「失業するだけでしょ。仕事が必要なら次の仕事を探せばいいし」というと、これまたものすごい不思議な目で見られたりします。


なにがそんなに不思議なのか、こっちが聞きたいです。


「いや、でも、僕は子供が 2人もいるから、そんな簡単に言われても困るんだけど」と言われても、こっちも困ります。

これも死ぬのと同じですよね。いくら子供が 2人いても、死ぬ時は死ぬでしょ?

いきなり稼ぎ手が死んだら、そりゃあ家族は困るでしょうけど・・・しゃーないやん?

貯金しとくなり保険に入っておくなり、備えたいなら備えればいいけど、死自体を避けるのは無理です。


なんだけど、日本の大企業や大組織にいる人って、「誰も 65才までは死なない。みんな 65才で一斉に死ぬ」っていう世界で生きてます。つまり 60才近くなるまで、全く「死」を意識しない世界にいます。

それくらいの年齢になるまで、周りでも誰も死んでいないし、自分が死ぬこともあり得ないし、コンセプトとして「死」が存在しない世界にいるわけです。

通常の世界において、若い人が「死」なんてほとんど意識せずに暮らしているのと同じようにね。


だから、「もしかしたら 30才で死ぬかも!!」とか「もしかしたら 45才で、子供がまだ小さい時に死ぬかも!」っていうのは、ものすごい怖いんでしょう。いや、たしかに怖いですよ、そりゃー。

でもね、「そんなことになったら困る。子供を育て上げる責任がオレにはあるんだ!」


って言っても・・・責任があろうがなかろうが、死ぬ時は死ぬんですのよ、人間・・・・



まあでも、こう考えると「解雇のない組織で働く人」にとって、解雇規制の撤廃ってものすごい怖いことで、全身全霊をかけて阻止したいことなんだな、っていうのはよくわかります。

あたしだって「誰も死ぬことのない世界」にいたら、死ぬことが怖くて怖くて怖くて生きていけなかったと思います。



死ぬのが怖くて生きていけない?? ・・・ふむ。


大変だね、みんな。


f:id:Chikirin:20150810175729j:image:medium

そんじゃーね。


http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/  http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/