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Chikirinの日記

2012-07-10 不妊治療関連問題の整理

先日は不妊治療に関して、思いつくままに課題を列挙しましたが(→「不妊治療に関する課題出しエントリ」)、今日はそれを整理してみましたよん。


まず、不妊治療というのはとても負担の大きな治療なわけですが、その負担には2種類あります。ひとつが、不妊治療そのものの負担、もうひとつが、不妊治療を始める年齢が高くなることにより、そこに追加される負担です。

図1

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不妊治療そのものは(たとえ若い人が受ける場合でも)、半端でないお金がかかるし、時間もかかる。それに精神的にも消耗(受精までは成功しているのに何度も妊娠に失敗するとか + 治療に関して家族との意識のズレがでてきたり・・など)します。もちろん医療行為一般に伴う副作用のリスクもあります。

高齢で不妊治療を始める場合はそれに加え、成功率が低いこと(したがって、上記の負担がさらに重くなること)と、成功した場合にも、高齢出産に伴う新たなリスクが追加されます。


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最近は、負担の重い「高齢での不妊治療開始」が増えているわけですが、その理由は、そもそも「結婚・出産のタイミングが遅くなっている」ことです。そこで、なぜ結婚や出産が遅くなっているのか、という課題を整理し、図に追加してみました。


図2

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経済的な問題による晩婚化や、女性に関してはキャリアと出産・育児の両立が難しいこと、そもそも20代なんて男女とも親になる覚悟ができていないというのもあるし、若くして子供を産んだ場合、問題が起こるとすぐに「育てる能力もないのに子供を作るのは無責任!」と叩かれるため、「早めの出産は避けるべき」的な風潮が生まれている・・。

このあたりの理由で不妊問題が生じるのが、「社会的不妊」と呼ばれてるのでしょう。なお保育園不足や男性が育児休暇が取れないなどの問題は、「キャリアと育児を両立できない」ことの理由なので、上記の表よりひとつ下のレベルの要因となります。


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結婚・出産年齢が高くなっている背景には、「キャリアは後からは積めないけれど、妊娠は後からでもできる」と考えている人が多かったり、40代で子供を産んでいる人の話が大々的に報道され、それが自分にも簡単にできるように思えてしまう、という誤解など、根底には知識不足問題もあると思われます。

図3

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じゃあ、なんでこの件に関して、皆こんなに知識不足なのかといえば・・・下図の一番下の段を見て下さいね。

図4

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それは、不妊問題がタブー視されていて話題に上らないことや、この問題が大変な問題なのだという認識が社会一般に欠けているからでしょう。

また左側にあるように、無知は偏見の源となり、心ない言葉に傷ついている人(多くは女性)がたくさんいます。


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その下も見てみましょう。

不妊問題、不妊治療問題に対する社会の問題意識の希薄さは、他の問題へもつながっています。


図5

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(一番左)問題意識がないために、不妊治療に関する啓蒙活動や支援活動がほとんど行われていません。そもそも啓蒙や支援のベースとなる、詳細な基本データが公開(収集も?)されてません。少子化が社会問題化され、担当大臣や予算がつくのとは大違いです。

また、婚外子制度や養子縁組、代理母や卵子・精子バンクなど、関連する制度問題も議論されないまま放置されているし、セックスレスや虐待、母子家庭の貧困問題など周辺の社会問題も放置されたままです。



というわけで、図4と5を上下に重ねると、不妊治療問題の全体像という感じになるのかなと(今のところ)思っています。


そんじゃーね



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