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Chikirinの日記 RSSフィード

2012-09-30 人は、社会をポジティブに変えられる仕事に向かう

先日、厚生労働省が発表した「労働経済の分析」という資料、副題が「分厚い中間層の復活」となっていました。

労働行政や福祉行政の担当省庁が、「我が国では、分厚い中間層が失われてしまった」と認めてるわけですから、これから少しはいい方向に向ってほしいもんです。


さて今回、この資料からちきりんが感じたのは、「日本でのこれからの中心省庁は、厚生労働省になっていくのね」ということです。昔は霞ヶ関の王者と言えば、大蔵省であり通商産業省でした(いずれも当時の名称)。

でもこの20年ほど、元・通産省、現・経済産業省の凋落振りは目も当てられないレベルです。彼らが意義ある仕事をしていた時期を探そうとすると、50年もさかのぼらないと見つけられません。(下記とかね)

官僚たちの夏 (新潮文庫)

官僚たちの夏 (新潮文庫)


別に、経済産業省がアホだったわけでも失敗したわけでもありません。計画経済の時代が終わり、市場経済の時代が始まったため、“先端レベル”の“トップの競争”に官が果たせる役割は極めて小さくなりました、という、当たり前のことが起こっただけです。

市場経済環境下で官が果たすべき重要な役割は、下記の3つです。

(1) 民間の邪魔をしない(規制緩和)

(2) 悪い奴らを捉まえる(監督強化)・・金融庁とか公正取引委員会とか環境省とか

(3) セーフティネットを整備する


その3つに照らせば、今や経済産業省には、

(1)→ なにもするな!

(2)→ 原発事故の原因究明と対策をちゃんとやれ

(3)→ 労働基準法を守ったら潰れてしまう中小、零細企業の延命策を考える

くらいしか、仕事がありません。


昔、経済産業省の人はよく「農水省にはホント、困ったモンです」って言ってたけど、今や、産業における官の存在価値レベルで比べれば、農水省よりむしろ経産省の方が、存在意義は小さいでしょう。

『WORK SHIFT』の中で著者リンダ・グラットソン氏は、リーマンショック後の金融業界について、「社会に貢献していないと思われる業界には、優秀な人が就職しなくなるだろう」と述べています。まったくそのままのことが経産省にも起こるでしょう。


その一方、厚生労働省はこれからどんどん肥大化するはずです。上記で書いた3つの仕事のうち、厚労省にとっては (3)のセーフティネットを整備するだけでも、相当大きな仕事です。AIJ事件からわかるように、この業界には悪徳業者も多いので (2)も大事です。


その背景には、先に書いた、

・日本の経済構造が計画経済から市場経済に移行しつつある

こと以外にもふたつの要因が絡まっています。

それは、

・日本が高度成長期から低成長時代に移行した、からであり、

・高齢化と少子化が同時に進行しつつあるから、です。


この3つの要因により、厚労省の仕事は激増します。人口の3分の1くらいが、貧困だったり高齢だったりの国になるわけですから、当然です。

これから霞ヶ関を目指す人は、今までのように「日本を世界一流の技術立国にしたい!」と思う人ではなく、「セーフティネットを必要とする人達に、必要な制度を整え、日本を弱者に優しい国にしたい!」と考える若者達に変わって行くのです。


★★★


反対に、「技術がいかに世の中を変えるか」を痛感し、その未来にワクワクしている多くの若者達は、ウエブサービスやらプログラミングやらの世界をめざし始めています。

それは、アップルやグーグルやツイッターやらを見ていて、それらの企業、業界が社会に極めて大きな影響を与えている、世界をよりよい方向に変えつつある、と彼らが思っているからです。だから自分もその一員になりたいし、その分野で働きたいと考えます。これもまた、ごく自然なことです。


過去数十年、理・工学部を卒業した学生の大半が、大手電機メーカーや自動車会社に入りたいと思ったのも同じでしょう。彼らは、それらの企業が社会に大きなポジティブな影響を与えてきた歴史を見てきたのです。

そういった企業が創り出す製品が、社会をどんどん素敵なものにしていく時代を、肌で感じてきたのです。だからこそ彼らは、そういう会社に胸躍らせ、誇らしい気持ちで就職していったのです。


でもそうやってそれらの企業に入った人達は今、20年の会社員人生を経て、リストラされたり、部門閉鎖の憂き目に遭おうとしています。しかも今、それらの会社が社会の変化にどれほどポジティブに貢献していると、私たちは思えるでしょう?

この状態になっても、これからも、理・工学部を卒業し、エレクトロニクス企業に就職することが、日本の若者にとっての「輝かしい未来」だったりするでしょうか?


日系の金融機関に関していえばもっと早く、1997年あたりに、そして外資系金融機関に関しては2008年に、潮目が変わりました。ずうっと死に体に近かった経済産業省は、原発事故でトドメを刺されています。エレクトロニクス業界に関しては、2012年がその年です。


★★★


若い人がどのセクターで働きたいと考えるか、ということは、世の中の流れる方向を大きく左右します。経済産業省もエレクトロニクス産業も金融業界も、もう優秀な若い人達を集めることはできないでしょう。

大人はよく「学生なんてなんもわかってない」、「若い者には長期的視野がない」とか言うけど、寧ろ反対でしょう。若い人は、みんな直感的によくわかっています。

これから20年、社会にポジティブな貢献ができる産業や分野はどこなのか、それに参画するためには、自分はどこでどんな仕事をすればいいのか、彼らはよーくわかってる。と思います。


自分のアタマで考えよう

自分のアタマで考えよう


そんじゃーね

2012-09-27 “ボタンのありかを知る人”が選ぶ道

「鎌倉投信」の社長である鎌田恭幸さんのお話を聞く機会がありました。んで、「こういう生き方って最近、増えてるよね−」と思ったので、書いてみます。

「鎌倉投信」は“独立系の直販投信”のひとつです。“独立系”とは、大手金融機関等の子会社ではないという意味、“直販”とは、運用会社が自分で販売しています。他の金融機関の窓口で売ってもらっているわけではありません、という意味ですね。


今日、ちきりんが書きたいのは、鎌田社長のキャリア選択に関してです。鎌田社長は、ご自身が鎌倉投信を立ち上げるに至った経緯を出身地から始めて詳しく説明されたのですが、その中で私の記憶に残った言葉が下記です。

「前の会社を辞めた時、国際貢献のNPOを立ち上げることも考えた。でも、金融をずっとやってきたんだから、やっぱり金融で世の中を変えることにチャレンジするべきだと思いました」

録音したわけではないので、「ちきりんの記憶によると、確かこんな感じのことを言われていた」という文章です。この後に書く内容も、ご本人の意図通りに私が理解できているか定かではありません。あらかじめご了承ください。


★★★


さて、この会社の創業者であり、代表取締役社長である鎌田恭幸さんは、

・島根県出身

・東京で大学を卒業後、1988年に三井信託に入社。バブルの真っ只中ですね。

・三井信託で11年働いた後、イギリス資本のバークレイズ 銀行グループで9年間働かれます。仕事は資産運用関係ですが、最終的には経営ポジションにつかれています。

・2008年1月に退職され、11月 鎌倉投信(株)を創業、その後、2010年から投信の運用・販売を開始

・投信の名前は『結い 2101』といい、、『これからの社会にほんとうに必要とされる会社、皆さまがファンとなって応援したくなるようないい会社に投資する投資信託です』とのこと。

鎌田社長ならびに創業メンバーの方々が、投資先としても納得でき、かつ、末永く応援したいと思われる企業しか投資しない、ということなのでしょう。

 → 鎌倉投信のサイト


鎌田社長の「前の会社を辞めた時、国際貢献のNPOを立ち上げることも考えた。でも、金融をずっとやってきたんだから、やっぱり金融で世の中を変えることにチャレンジするべきだと思いました」という言葉を聞いた時、最初に思い出したのが、ちきりんを応援してくださっているライフネット生命の出口治明社長のことです。

2年前のこのエントリに書いたとおり、出口社長も長く働いてきた生命保険業界において、「元来あるべき生命保険の姿」を実現するためにネット起業され、奮闘されています。


実は最近、

・長くメーカー技術者として働いてきて、あるべき製品開発のあり方を実現するために起業

・長くメディア業界で働いてきて、あるべきメディアの在り方を実現するために起業

みたいな人に立て続けに会っていたので、今回も「おお、またこのパターンだ!」と驚きました。


これらの人達の共通点は、みんな「自分が20年近く働いた業界で(=まさに自分を育ててくれた業界で)、“あるべき姿”を実現するために、起業している」という点です。

さらにもうひとつの共通点は、「みんな、起業以外に、悠々自適オプションも持っていた」ということです。


定年まで一流企業で働いていたり、早くから外資系企業で働き、40代で経営職を務めるなど、それなりの自己資産を形成済みで、もうそんなにたくさん稼がなくても生きていける、そんなに必死に働く必要はなく、ボランティアでも執筆活動でも天下り組織のアドバイザリーでもやりながら、ゆっくり生きることが可能な人達、なんです。

そういう人達が、自分を育ててくれた業界への恩返しと、長年、働いてきた業界にたいして「本来はどうあるべきなのか」を問うために、私財と時間を投資して、第二のキャリアを始めてる。

「これは、ひとつのトレンドだよねー」と思いました。

★★★


こちらに鎌田社長のインタビューが載っています。(鎌田社長インタビュー@社会起業大学 ) 下記は引用です。

1988年に三井信託に入社しまして、1990年(バブル崩壊した後)に資産運用をやり始めたころで、株価の変動が大きかった時代背景がありました。


金融のあり方は、新入社員だった当時は会社が何をやりたいのかよくわからなかったんです。社長からの年始の訓示が、毎年変わるため軸がぶれているように感じていました。


信託は社会的意義のある業種で、お客様の財産をきちんと預かり、健全な形で増やしていくのですが、それとは実情はかけ離れており、資産のあるべき姿が自分の考えと異なっているのに気がついていました。

あの頃に金融業界で働いた人なら、大半の人が感じた気持ちでしょう。


ちきりんも、この頃のことを何度かエントリに書いています。

狂気の時代の共犯者達へ

日経平均が3万円になったあの日


20代の新入社員の頃に感じた社会の現実、企業の経営姿勢に関する根源的な疑問を、20年のキャリアを経て、自分自身で解決してみようと試みる。それが、これらの人達に共通する起業のモチベーションです。


長く生命保険業界にいた人が“あるべき生命保険会社”を立ち上げ、長く資産運用業界にいた人が“あるべき運用会社”を立ち上げる。それはほんとに大事なことなんです。ちきりんは、鎌田社長が国際支援のNPOではなく、こちらを選ばれたことに心から感謝したいと思います。


なぜそれがそんなに大事なのかというと、“その業界に長くいた人でないと、ボタンのありかが分からないから”です。

→ 超重要過去エントリ:「ボタンを探せ!


結局、どの世界もどの業界も、部外者にはどうにもできないんです。

内部の人が「変えよう!」、「変えたい!」と思わないと何も変わりません。だからこそ、こういうパターンのキャリア選択に、大きな意味があるのです。

内部からそういう人がでてくるかどうかが、その業界が変われるかどうかを規定する、と言ってもいいくらいです。金融だけではありません。他にもこういう動きが必要な業界は、たくさんあるはずなんです。


これからもこういう人が、どんどん増えたらいいなと思います。各業界の皆さん、自分が働き始めた時に感じた、素朴で根本的な疑問を忘れずにずっと持っていて下さい。

そしていつかその力が付いたら、ぜひともそれを解決するボタンを、自分で押してみて下さい。ごくごく小さな力でも、ひとりひとりがボタンを押し始めなければ、何も変わることはないのです。


外資金融では出会えなかった日本でいちばん投資したい会社

外資金融では出会えなかった日本でいちばん投資したい会社


まっ、ちきりん自身はしっかりと、“悠々自適オプション”を行使中ではありますが・・・


そんじゃーね!

2012-09-25 アンケートのお願い for SBRw/C

最近、書店で平積みになっている 『ワークシフト』 と一緒にこの(↓)POPを見つけると、「ああ、やばい・・」と、ちびまるこちゃんのように、顔に縦線が降りてきます。


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「なんかオオゴトになってきてるよね。10月6日の夜、うっかり忘れて遊びにいってしまったら、大変なことになるよね。ネット界から永久追放だよね。ああもう、 5日から 7日にかけて大停電で誰もネットなんて使えなくなればいいのにっ!」


と考えていたら、そういえば小さい頃も試験の前には、「ああもう、台風が来て洪水になって、誰も学校なんて行けなくなればいいのにっ!」と考えていたことを思い出した。そのまんまな私です。



仕方ないので当日の進め方を考えてみました・・。


既に読了されている方はおわかりのように、この本は、

1.未来の働き方に影響を与える5つの要因

2.明るい未来を送るために必要な3つのシフト

という“5+3”の構成で成り立っています。

残りの部分では、5つの要因の説明と、3つのシフトが起こった例と起こらなかった例の描写、すなわち、“明るい未来”と“暗い未来”の具体例が、ストーリー仕立てで描かれていますが、骨格は“5+3”です。


今回の “Social book reading w/CHIKIRIN” は全体で2時間を予定しているので、だいたい20分ずつ、下記のように話題を変えていこうと思っています。


(1) 20時00分ー20分  オープニング (自由感想)

・みんな自由に、自分の感想をつぶやきましょう!


(2) 20時20分ー40分  5つの変化について

・働き方は本当に変わるのか? どう変わるのか? 何の影響が大きいのか?

・自分の業界ではいったい何が起こりそう?


(3) 20時40分ー21時  第一のシフト(知的資本に関するシフト)について

(4) 21時00分ー20分  第二のシフト(人的資本に関するシフト)について

(5) 21時20分ー40分  第三のシフト(自分の価値観に関するシフト)について


(6) 21時40分ー22時  クロージング 

・自分にとっての意味合い、会社にとっての意味合い、日本にとっての意味合い


当日は、オープニング直前にハッシュタグをお知らせしますので、必ずそれを皆様のツイートに含めて下さい。そうすれば @InsideCHIKIRIN などという、文字喰いの宛先をツイートに含めなくても済み、リアルタイムには参加できない方も、後から皆様の発言を追うことが容易くなります。


★★★


さて、もうひとつお願いです。

下記にアンケートを作ってみました。グーグルドキュメントを使って作成したのですが、これ自体、初めての試みなので巧くいくかどうか全然わかりませんが、トライしてみます。

当日のSBRw/Cに参加できるか否かを問わず、『ワークシフト』を読了された方は、是非、アンケートへの回答にご協力ください。

回答期限である 10月2日夜まで にいただいた回答は集計し、SBRw/Cの当日、当ブログにて結果を共有します。

→ 『ワークシフト』のアンケートは締め切りました。ありがとうございました!


どうぞよろしくお願いいたします。そして、お楽しみに!


“Social book reading w/CHIKIRIN”  

10月6日(土) 8時PM〜10時PM

(楽天ブックスはこちら)


そんじゃーね

2012-09-23 「Chikirinの日記」の歩き方

このエントリは、ちきりんブログの取り扱い説明書です。上記の日付に関わらず、随時更新しています。 (最終更新日=2016 年 12月 3日)


まずは、超基本から、

1.3つのブログを書いています

(1) 「Chikirinの日記」=本体ブログとも呼びます。今お読みのこのブログです。

(2) 「ちきりんパーソナル」=2010 年 6月に、本体ブログから分離して書き始めた身辺雑記的なブログです。

(3) 「ちきりんセレクト」=家電や家具から小物まで、ちきりんの愛用品を紹介するブログです。2013 年 10月に開設。今後は、商品紹介エントリはこのブログに集めます。

RSSは別々なので、全部読みたい方は別々に登録してください。



2.記事一覧が見られるアーカイブページが便利です

PCでご覧の場合、画面の上右にある「記事一覧」をクリックすれば、直近 50エントリのリストが見られます。「つい最近、ちきりんが書いていた、あのエントリを探したい!」という時に便利です。

<記事一覧ページ>

・本体ブログ→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/archive

・ちきりんパーソナル→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/archive

・ちきりんセレクト→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/archive


記事一覧ページの上部および下部には下記のようなカレンダーが現われます。

f:id:Chikirin:20120922224723j:image:w400

この表の“月”の数字をクリックすると、その月に書かれたエントリの一覧リストが下部に表示されます。「昔のブログを全部読みたい!」と思われた方は、このメニューから月ごとに読めば、進捗管理がしやすいです。



3.PCでは、一ヶ月分のエントリを区切り無しで表示できます

どのブログも、URLにはエントリの日付が入っています。(これが、私がはてなダイアリーを気に入っている理由です) たとえば下記のエントリは、2009 年、8月、27日のエントリだと、一目でわかります。、

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20090827


この、最後の日付(ふたつの数字)を消して、

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/200908

とすると、2009 年 8月のエントリがすべて一画面で読めるようになります。



4.プロフィールのページがあります

右フレームのトップ、プロフィールという項目にある写真か Chikirin という文字をクリックすると、 http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/about が現われ、


・ちきりんのプロフィール(といっても、個人情報はありませんが)

・これまでの活動のまとめ

がご覧になれます。

対談や取材記事にはリンクを貼っていますので、外部の関連記事もお読み頂けます。



5.写真

ブログに掲載した写真は、こちら(ちきりん写真館)で、まとめてご覧頂けます。

各写真はクリックすれば拡大し、かつ、個々の写真の下に、その写真を含むエントリのURLが表示されます。


6.ツイッターアカウント

こちらがアカウントです→ @InsideCHIKIRIN


ツイッター上には、私の似顔絵を無断使用したり、過去の私のツイートを自分の呟きであるかのように装った「なりすましアカウント」や「盗用アカウント」が複数、存在しています。

フォロワーを増やしてアカウント自体を売却するビジネスもありますし、途中で自分の売りたい商品へのリンクを流し始めるアカウントもあります。

自己責任ではありますが、私としては、それらのアカウントをできる限りフォローされないようお願いしたいです。



7.著作

(1) 2011 年 1月 『ゆるく考えよう』 ちきりんの生き方、考え方の基本は、この一冊で完全に理解出来ます。


(2) 2011 年 10月 『自分のアタマで考えよう』 思考手法、「考える方法」をまとめた本です。ちきりんの「モノの見方」を知りたい方に適しています。


(3) 2012 年 5月 『世界を歩いて考えよう!』 ちきりんの成分の大半は、これまでの“旅行”からできています。ちきりんの原点です。


(4) 2013 年 6月 『未来の働き方を考えよう』 人生 80年(女性は 90年!)時代の働き方について書いています。


(5) 2013 年 11月 『「Chikirinの日記」の育て方』 初めてのキンドル・ダイレクト出版です。9年にわたるブログ運営の裏側をセキララに語っています。


(6) 2014 年 11月 『「自分メディア」はこう作る!  大人気ブログの超戦略的運営記』 上記の電子書籍版の内容に、ちきりんブログの代表的なエントリ 21個を加えて、紙の本として出版しました。


(7) 2014 年 11月 『多眼思考』 2万7千のツイートの中から、ちきりんの思想と思考を象徴的に伝えるツイートを集め、項目ごとに整理した名言集です。


(8) 2015 年 2月 『マーケット感覚を身につけよう』 市場化する社会における「生きる力」の本質を解説。市場と向き合い、未来を楽しみながら生きるために必要な力の習得法を説明しています。


(9) 2016年 6月 『悩みどころと逃げどころ』 プロ格闘ゲーマー 梅原大吾さんとの対談本です。人生における「やりたいことの見つけ方」などについて話し合っています。


(10) 2016年 11月 『自分の時間を取り戻そう』 『自分のアタマで考えよう』『マーケット感覚を身につけよう』に続く「人生を生き抜くために必要な根幹の力」を解説するシリーズの第三弾。

人生の希少資源である時間とお金を有効活用するための方法と、今、世の中で起こり始めている「とある変化」とのつながりを解説しています。


<ちきりん本リスト>

発行日単行本文庫本電子書籍オーディオブック
2011.01ゆるく考えよう文庫本kindle版ページオーディオブック
2011.10自分のアタマで考えようなしkindle版ページオーディオブック
2012.06世界を歩いて考えよう!文庫本kindle版ページオーディオブック
2013.06 未来の働き方を考えよう文庫本kindle版ページなし
2013.11下記「自分メディアはこう作る!」に収録なし「Chikirinの日記の育て方」kindle版なし
2014.11「自分メディア」はこう作る!なしブログ運営記のみ、上記「Chikirinの日記の育て方」に収録なし
2014.11多眼思考なしkindle版ページなし
2015.02マーケット感覚を身につけようなしkindle版ページオーディオブック
2016.06悩みどころと逃げどころ (新書)なしkindle版ページなし
2016.11自分の時間を取り戻そうなしkindle版ページなし

→ 楽天ブックスはこちら(上記の本すべてのリストページ)



7.Top Hatenar ランキング

ブログ界におけるポジションがビジュアルによくわかるサイトです。

 → Top Hatenar 「Chikirinの日記」のランキング



8.おまけ

2010年以降の数年間、4月1日に書いているエントリは、エープリールフールエントリのため、内容は真実ではありません。

第1回目 http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100401

第2回目 http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110401

第3回目 http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20120401


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そんじゃーね!

2012-09-20 市場を創るということ

追記)当サービスは、2014年8月に「産地直送便」となった後、2016年8月で終了しています。


先日紹介した「やさい便 by クックパッド」という新サービス

最初は「食材通販事業に参入するの?」と思ったのだけど、そうではなく「野菜を売買するマーケットプレイスを作りたい」ということでした。


・野菜の販売事業を始める、のと

・野菜が売買される市場を作る のは、全然違うことです。


前者は「農家から野菜を仕入れる+お客に販売する」ですが、

後者だと「野菜を売買できる市場を作る+農家にそこで売ってもらう+消費者にそこで買ってもらう」です。

ネットの場合は、市場はプラットフォームとも呼ばれます。


楽天市場がまさに「市場」であるように、クックパッドも売り手でも買い手でもなく、単に「市場開設者」としての役割を果たします、というのが、今回の事業の骨格です。


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クックパッド本社にあるキッチン


世の中にはあらゆる財やサービスが溢れていますが、効率的な「市場」が存在しないものは、広く流通することができません。

証券取引所という市場が存在するからこそ、株式を売買することが可能になるように(取引所がなければ、「トヨタの株が買いたければ名古屋まで来い!」「売り手の家まで来い!」とか言われます)、

中古車の業者間オークション市場が整備されたからこそ、全国どこでも中古車を自由に売買することが可能になったように、

アマゾンやブックオフが効率的な市場を作ったからこそ、中古本が流通するようになったわけです。


これまで生鮮食品は、「農家→農協→各地の青果市場→青果卸→八百屋→消費者」と流通していて、

ある時「大手契約農家→大手小売りチェーン→消費者」という中抜きパターンが現われ、

今は「契約農家→ネット食材通販会社→消費者」という経路も開発されました。


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クックパッド ダイニングルーム


しかしそこにあるのは「プロの市場」である青果市場だけです。

大手契約農家→大手小売りチェーン→消費者 も、契約農家→ネット食材通販会社→消費者も、“流通革命”ではあるけれど、“市場の創設”ではないのです。


一般的に新規市場が開設されると、、

・価格が付かなかった財やサービスに値段が付き、商品化される

・市場を成り立たせるための新たな雇用、経済付加価値が生まれる

・主要商品や主要プレーヤーが入れ替わる

などが起こります。


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チキンのトマトソース煮 (下に敷いた野菜は今回のやさい便で届いたもの)


通常、大手の小売りチェーンは、複数店舗で扱える量を確実に納品できる大手の農家、もしくは農協と契約します。

ネット通販会社も、プロモーションがし掛けられる程度のロットは求めるでしょう。

しかし、野菜の直接売買市場が創設されると、小口生産者が作る作物も“商品”として流通することが可能になります。


小口生産者が作る作物は、これまで

・自家消費、

・ご近所に配る(物々交換)

・都会の息子夫婦の家に送る

・ロードサイドで無人販売する

などの方法で消費されてきました。市場化されていなかったのです。


しかし多数の生産者が出店する市場であれば、一部の生産者が特定の季節だけしか店を開けていなくても問題ないし、いくつかの商品が売切れていてもいいでしょう。

各生産者は、ある分だけを売ればいいのです。

これが進めば、週末農園を楽しんでいる一般家庭でも、とれすぎた野菜を収穫時期だけ出品することが可能になります。

極端な話、「庭でできたキュウリを売る」も可能なんです。


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クックパッド本社に、あやしいお面ブロガー出現


そうなると、より多様な野菜が流通に乗ることになります。

現在の青果市場は、プロ向け、大ロット向けの市場です。

一方、小口の売り手と消費者が直接に売買できる市場ができれば、日本でひとつの農家だけが作る、聞いたこともない珍しい野菜、ある地方で、ある季節にしかできない野菜、挑戦好きの生産者が新しく開発した作物、も食卓に届けられるようになります。

「そんな商品、売れるのか?」って?


レシピがあったら、売れるでしょ? どうやって食べればよいか分かれば、買いやすいじゃん。


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今回のやさい便で届いたプチトマトとオクラ


しかも、この市場により消費者は、旬(季節性)や地域性を取り戻すことが可能になります。

本来、大半の野菜はとれる季節が決まっているんです。ところが大手スーパーの出現と共に、多くの野菜は一年中食べられるようになりました。

彼らは消費者が欲しいというものは、季節外れでも、世界の裏側から運んで来てでも店に並べます。

農家側もあらゆる技術を駆使して、季節外れの商品を作り、納品します。


でもね。寿司屋で“おまかせ”が美味しいのは、「オレが食べたいもの」より、「今日、入った最高のネタ」の方が美味しいからです。

生鮮食品に関していえば、消費者が「これが食べたい!」と指定するより、生産者側が「今はこれが美味しいですよ!」というものを食べた方が、よほどいい。

同じ種類の野菜でも、「旬のもの」と「旬以外の時期のもの」はまったくの別物だし、同じ季節でもなにかの影響で、デキのいい場合とそうでない場合があります。

自然のものはコントロールできない。だからクックパッドのやさい便は、「生産者指定、野菜の種類はおまかせ」になっているわけです。


野菜の直接販売市場では、春から秋にかけては「北海道産野菜」がたくさん売られていても、冬になったらそれらのお店は閉まってしまうかもしれません。

特定の地域から、特定の時期だけ、特定の野菜が売られる。そういう“ぜいたく”が、戻ってくる可能性があるのです。


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ちきりん@クックパッド


今やスーパーで10種類の野菜を買えば、産地は 3ヶ国、10箇所に渡るといった状態です。

一方、クックパッドのやさい市場で特定の農家から野菜を買えば、10種類の野菜はすべてひとつの地域で作られています。

私たちは「その地域で、今作られた野菜」を食べることになるのです。

これは、ちょっと違うコンセプトですよね。あれこれ野菜を見ながら、「そうか、こういう土地なのか!」って、思えるでしょ。


週ごとに、月ごとに、日本のあちこちの野菜を食べてみることができます。

旅行に行った地の野菜や、全国の野菜を順番に食べてみるのも楽しいでしょう。

北海道の農家からのやさい便を受け取ったら、コーンが北海道の新聞で包まれていて感動した、と知人が言っていました。

「この地方の野菜を食べている」と強く意識できるようになるのです。

届いた野菜があまりに美味しければ、グーグルマップでその土地を確認したくなるのも自然なことです。


ご存じのように、日本の豊かさは多彩な地方と季節の移り変わりにあります。

野菜の直接市場が届けてくれるのは、単なる食べ物としての野菜ではなく、日本の多様性と日本の四季だというわけです。


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→ やさい便 by クックパッドはこちら


めいっぱい美味しいものを食べて、生きていこう!


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そんじゃーね


http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/  http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/

2012-09-17 PR)やさい便 by クックパッドを注文してみた!

ネット通販好きのちきりん、今回はレシピサイトのクックパッドが新しく始めた「やさい便」というサービスを利用してみました。

画面はこんな感じ。クックパッドの写真はどれもやさしくて素敵ですよね。

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→ やさい便 by クックパッド


これ、注文する野菜を個別に選ぶんじゃなくて「おまかせ相手」を選び、その相手が選んだ野菜の“詰め合わせ”が届く、というシステムなんです。

「おまかせ相手って誰よ?」というと、個別の農家が多いんだけど、地域の農業グループだったり、オイシックスや“らでぃっしゅぼーや”といった食材宅配会社も含まれていて、私がみた時点で25団体くらいが登録されていました。

おまかせといっても今週、次週に届く野菜は事前に分かっているので、それを見ながら選べます。「中身を見てから買っていい、関西の福袋」みたいなもんですね。

あれこれ迷ったあげくちきりんは「徳島マルシェ」というのを選んでみました。ちなみに福袋の詰め合わせの値段は1680円と2680円のどちらかに統一されてるみたいです。

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こんな感じの段ボールで届きます。サイトには「毎週か隔週でお届けします」って書いてあるけど、一回買って「停止」にし、また欲しい時に再開すればいいので、事実上、単発で利用できます。キャンセルも数日前までOKの所が多いので、わりと気軽に「今週お願いしよー」って感じで注文できます。

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箱を開けるとこんな感じで、

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野菜がごっちゃり入ってます。農家から直送されるためか、かなーり新鮮でした。

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クックパッドはレシピサイトなので、、

・おまかせ相手が選んだ、いろんな野菜がとりあわせて届きます。

・知らない野菜が入っていても大丈夫。クックパッドには130万件ものレシピが載ってるからね!

ということらしく、

マイページには自分が買った野菜のレシピが表示されるようになっています。



たとえば、トマトとオクラが入っていたので、

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(もっとたくさん入ってましたが、サラダ作った後に撮った写真なので少ないです)


レシピを見てみると、ゴマソースが合いそうとわかり、

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(左側に今回注文した野菜、右側にそれらを使ったレシピがでます)


作ってみた!

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オクラも生で十分美味しいので、調理時間5分!



こちらも入っていた青梗菜とキノコ

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レシピからオーソドックスなオイスターソース炒めを選び

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作ってみた! (イカも加えてます)

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小さなジャガイモは皮ごと茹でて

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エビを合わせてバター炒めに。ワインのおつまみに美味しかった。付け合わせのグリーンも今回入っていたものです。

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「おまかせ」だから、自分だとあまり買わない野菜が届きます。上記のオイスター炒めに使ったこちらのキノコ。見たこともなかったけど、非常に美味しかった。

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ツルムラサキもあんまり買ったことなかったのだけど、レシピを見てみたらナムルもいけるんだとわかり作ってみました。

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レシピがなかったらお浸しにしていたと思うので、

・おまかせで届くから、いつもは食べない野菜も食べられる!

・調理方法のヒントがもらえるので、いつもと違う一品が食卓に並ぶ!

という効果は確かにありそう。


あと、野菜は一見して分かる新鮮さだったので、「そうか、農家の人ってこんな美味しいもの食べてんのね」と感動しました。



というわけで、消費者としては大満足だったのだけど、社会派ブログの書き手としては「これ、いったいどういうビジネスなわけ?」というのが、イマイチよくわからず悩みました。

最初は「クックパッドも食材宅配ビジネスを始めるの?」と思ったけど、おまかせ相手にはオイシックスや“らでぃしゅぼーや”なども含まれていて、「そこから直接買うのと、ここで買うのとどう違うの?」かも、よくわからない。

もしかして、「レシピが山ほどあるから、それを活かせるビジネスを無理矢理に考えてみました!」的な新事業なの?とも思ったけど、「天下のクックパッド様的に考えて、さすがにそれだけってことはないでしょう」とも思い、その辺もっと知りたいなと・・・。


で、


クックパッドに行って聞いてきました!

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そしたら、すごくおもしろいお話が聞けました。最初にこのサービスサイトを見た時は「ふーん」だったんだけど、背景のお話を聞いてみたら「なるほどー」となり、「これからも使ってみようかも!?」と思えたので、これは結構おもしろいかもしれません。

ビジネス系の読者の方は、下記サイトをみて「クックパッドは何をやろうとしているのか?」、まずは自分のアタマで考えてみてください。ちきりんが聞いてきた答えは、3日後くらいに書きたいと思います。


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そんじゃーね。


追記)当サービスは、2014年8月に「産地直送便」となった後、2016年8月で終了しています。


http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/  http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/

2012-09-15 戦車と情報

北朝鮮の三代目親分、金正恩氏の動きがいろいろと斬新で楽しいです。

正式の奥さんを国民&外国メディアに積極的に露出させるのも金日成氏、金正日氏にはなかったことだし、本人がカメラの前でニコニコと笑顔を振りまいているのも、仏頂面の多かった先二代とは趣が違います。

(なんか笑っちゃいますけど)どうやら自分を、「西欧的に洗練された、怖くない、理解のあるいい人」に見せたいらしい。

ディズニーのニセモノぬいぐるみを使ったショーを主催して西側文化への共感を示してみたり、高層マンションでの近代的な生活をアピールしてみたりと、「質素倹約、西側諸国の享楽的な文化排除」を掲げてきたこれまでの路線とは明らかに違う志向性が見て取れます。


これ、よくわかりますよね。

小さな会社でもよくあることです。

・祖父が苦労してが創業

・祖父の苦労を知っている父が、先代の路線をきっちり守って維持

・三台目の若い跡継ぎが、先二代との違いを出そうと目新しい施策を矢継ぎ早に打ち出し・・・

というパターン。


正恩氏は1983年生まれの29才。29才で一国の最高責任者になるってどうですか? 

そう考えてみると、「そうね、いろいろ新しいことをやりたくなるかもね」と思います。これくらいの年頃って、「根拠のない自信」に溢れているし、男性は特に「オレは父親とは違う!」とアピールしたい気持ちが強い時期です。

「オレが任されたからには、ぜったいに大きな成果を成し遂げてやるっ!」という野望も持っており、「世襲だから権力の座についている」のではなく、「たまたま世襲ではあったけれど、オレは最高権力者としてふさわしい人物なのだ」と証明したくなるのです。

というわけで、「ホワイトハウスでアメリカ大統領とにこやかに握手するオレ」くらいの妄想を夢見ていても不思議ではないし、「拉致問題を進展させ、日本から多額の金をせしめることに成功した超かしこいオレ」にも憧れているやもしれず、今は拉致問題の解決にも大きなチャンスでしょう。

祖父と父は「共産主義国として成功し、共産主義が資本主義国より優れていることを証明する」のを目標にしてたけど、正恩氏は「資本主義的に成功する国」になりたがっているわけで、これって「中国」と全く同じです。


その路線で行くってことなのかな?

だとすると興味の惹かれるところは、彼が「市場」や「情報」の力をどれほど理解しているか、ということです。

ちきりんは「圧政と飢餓に耐えかねた住民が蜂起して政権が崩壊する」というアラブの春的な事態は北朝鮮には起こらないよ、と、7年前から書いています。

北朝鮮はそんなに簡単に崩壊しない

その意見は今でも変わりません。


しかしながら、北朝鮮が路線を変えて、中国路線(改革開放路線)をとろうとするのなら、シナリオは少しばかり変わってきます。

なぜなら、改革開放路線がある程度まで進むと、携帯電話やインターネットや人の往来の増加から、国民に「情報」が伝わるからです。情報は人々の意識を変え、彼らに戦う原動力を与えます。そして最終的には、「戦車と情報を得た人々」は衝突する運命にあります。

中国では1989年に天安門事件が起こりました。この時は、戦車が情報に勝ちました。しかしこれを機に中国政府は、「情報の力」の大きさを思い知ります。それがその後の彼らの「情報にたいする極めて慎重な政策」に反映されています。

さて、29才の正恩氏は「情報の力」を理解しているでしょうか? 情報の力を甘く見る独裁者の傲慢は、体制の崩壊のきっかけを作る可能性があります。北朝鮮で天安門事件が起こったら(金日成広場事件?)、戦車は情報に勝てるのでしょうか?


いくら飢餓に苦しめられていても、いくら理不尽な政治的迫害を受けていても、人は洗脳されている間は動きがとれません。群衆を動かすのは、洗脳を解く情報です。

今はまだごく初期の段階ですが、正恩氏が「情報の力」を正しく認識せず、そのコントロールこそが権力維持の要なのだと理解していなければ、そのうち、大きな失敗を犯すかもしれません。

戦車と戦って勝てる可能性があるのは、「情報」だけなのです。


人は情報を得ると、強くなります。「世の中はこっちに動いてる!」と確信できるからです。どこの家庭でも、親はどこかで子供をコントロールできなくなります。それまでは「素直なよい子」だったのに、ある日突然、親の言うことを聞かなくなります。その理由は、子供が家庭以外の場所から、独自に情報を仕入れ始めるからです。

小さい頃から資本主義に憧れて育った三代目が、29才で国を動かすという権力を手に入れ、功名心にはやり、「オレの時代に北朝鮮を先進国に発展させる!」などとほざいて情報コントロールの重要性を忘れてくれると、めっちゃイイ感じです。


どんどん調子に乗り、「ほらみろ、こんなことはオヤジにはできなかっただろ?」的なことをガンガンやって、「やっぱオレってすげえわ」的にいい気になって天狗になり、どこまでも自分に酔いしれて欲しいもんです。

混乱LOVE


そんじゃーね

2012-09-11 日本の構造改革が始まる前に、世界の構造が変わり始めた件

「みんなでひとつの本を読んで、Twitterで感想を言い合いましょう!」という Social Book Reading w/Chikirin を 10月6日(土)8pm-10pm に行うことになりました。3週間ちょっと先ですね。

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ちきりんと一緒に「未来の働き方」について考えよう!


この試み、発表以来、多くの皆様から反響があり、なんとこんな記事まで掲載されています。 “the author Chikirin”だなんて、超かっこいいでしょ! 

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http://www.hotspotsmovement.com/uploads/newsletters/current.htmlより)



加えて、著者ご本人からもメッセージを頂きました!



というわけで、私も課題図書の『ワークシフト』を読んでいるのですが、いろいろと考えることが多いです。


大きな流れとして、ちきりんは今まで、

「日本は構造改革をすることが必要」 と考えていました。具体的に改革すべき「構造」とは、

・社会主義的な構造を、資本主義的、市場的な構造へ改革

・中央集権的な構造を、地方分権的な構造に改革

・第二次産業中心の構造を、第三次産業中心の構造に改革などです。


日本は冷戦終結後、かつ、バブル崩壊後の1990年以降 20年間にもわたって、この構造改革を成し遂げることができず、そのために経済は超がつく低空飛行を続けているわけですが、そうこうしている間に(=これらの「日本だけに必要な構造改革」が放置される一方で)、世界の構造が先に変わり始めてしまったというわけです。


それが、ワークシフトでも取り上げられている、

・グローバリゼーションの進展

・情報技術の革新(インターネット中心)

・世界的な人口構成の変化(先進国の高齢化、後進国の人口爆発)などです。


つまり日本は、「日本独自の、時代の変わり目」を乗り切る前に、「世界の時代の変わり目」に巻き込まれようとしており、前者を(ぐずぐず言い訳をしながら放置しているうちに)、後者側の変化の方が、私たちの生活に大きな影響を与える要因になりつつあるのです。

黒船や戦争など「外部要因」でしか変われない私たちの国ニッポンは、またしても外部の力により、無理矢理に180度、社会がひっくりかえされてしまうのかもしれません・・。


★★★


私自身も、7年前の2005年にはこんなエントリを書いていたのに

→ 日本に生まれただけで


2011年には、こんなエントリを書くようになっています。

→ 先進国生まれという既得権益を守るためのデモ

→ 少子化対策なんて不要でしょ!


過去6年の間に、「ちきりん」の考え方がどう変わってきたか、よくわかりますよね。



日本には相変わらず「日本の問題をどう解決するか」という視点で課題を捉えていたり、その解決のために尽力している人がたくさんいるわけですが、

あと5年もすれば、もう「日本のみの問題」なんて、どうでもいい感じになってるんじゃないでしょうか。

そうではなく、「世界が変わろうとしていることに、どう対応するわけ?」の方が、よほど大事になってくるんだろうと思うんです。



既にこの本を読まれた多くの方が、「この問題って日本だけの問題じゃなくて、世界共通の問題だったんだ!」と驚いてしまうような記述を、たくさん目にされたはずです。ちきりんも何度もびっくりしました。世界ってホントにつながっているのです。

(楽天ブックスはこちら)


まだ3週間ちょっとありますので、関心のある方はぜひどうぞ。ちきりんもこれから、いろいろ考えてみます。


そんじゃーね

2012-09-08 汚部屋廃人にならないために

ちきりんは過去5年くらい「断捨離」をしています。これは「何度も脱原発を決めているドイツ」とか、「何度も禁煙を決意しているオレ」みたいな状態で、決意だけして結果が伴なわない典型的にアホな状態なのですが、とはいえ何年もやっていると学びもあります。

そこで今日は、「どうしてもモノが捨てられない」、「なぜかどんどんモノが増えてしまう」方へ、“万年だんしゃらー”ちきりんからのアドバイスです。


1.客観的に自分の部屋の状態を知る

これが何より大事です。やり方もとても簡単です。部屋の真ん中に立ち、360度少しずつ見回しながら、デジカメで部屋を全方向に撮影します。それをパソコンに表示して見るだけです。

部屋が複数ある場合は、各部屋で写真を撮りましょう。床から壁の上まで全部、撮影して下さい。そして写真を見る際には、スマホの小さな画面ではなく、必ずパソコンの大きな画面で見て下さい。

これだけで、すごいインパクトがあります。自分の部屋がいかに汚いか、いかに多くのモノで溢れているか、それを客観的に見ることで、「キレイにしたい!」というモチベーションが急上昇します。

なんなら最もヒドイ場所の写真をデスクトップに貼っておくか、印刷して目につく所においておきましょう。勇気があるならブログに貼ってもよいでしょう。これほど、「やばい。片付けよう」という気持ちを起させてくれる方法は、他にはありません。



2.収納場所を減らす

モノが家に溢れてきて耐えられなくなると、多くの人が「収納場所を増やす」という暴挙にでます。これは最悪の対処方法です。

こじゃれた収納グッズを買ってきてクローゼットの中を整理し、きちんと収納しようという人も多いのですが、これも結局は「収納できる容量を増やす」という方向です。

時には外部にトランクルームを借りたり、実家に不要なものを送ることで(外付けHDD的に)収納場所を増やす人もいます。

しかしこれらの、「収納場所を増やす」というやり方は、「モノを減らす」という目的のために全く意味がないどころか、むしろ、モノを増やしてしまいます。

よく覚えておきましょう。「収納場所を増やすとモノは増える」んです。これでは逆効果でしょ? モノを減らすためには、収納場所を減らす必要があるのです。


ちきりんは昔、本箱を3本持っていましたが、今はひとつしかありません。てか、今はタワーシェルフ(↓)を一本持っているだけす。(アマゾンページに使い方例の写真があります)



(→同じタイプで「木目調タワーシェルフ」もあるよ)


「本箱」を処分したら、本が貯まらなくなりました。洋服を掛けるハンガーバーもひとつ処分しました。「モノを減らしたければ、収納場所を減らす」、これが大原則です。



3.身を切るほど捨てるのがツライものを、ひとつでいいから捨てる

カバンでも靴でも服でもガジェットでも食器でもいいですが、

・高かった

・思い入れがある

・しかし使ってない

・もう多分、使わない

・しかし捨てられない

という条件に当てはまるものをひとつ、なんでもいいので、清水の舞台から飛び降りる覚悟で、捨てましょう。


これをやると、大きな心理的変化が起こります。それは「要らないものを買わなくなる」という変化です。

捨てるのが余りにつらいため、「あんな思いはもう二度としたくない」という気持ちになり、モノを買うことにすごく慎重になれるのです。

とにかくまずは、あの「捨てる辛さ」を味わいましょう。身を切るような、悲しい、情けない、ツライ、あの「捨てる!」という感覚を味えば、モノが増えるスピードは劇的に遅くなります。

反対から言えば、「捨てないと、いつまでも買い続けてしまう」ということでもあります。捨てる辛さを知っておかないから、エンドレスで買い続けてしまうのです。


なお、捨てる時には「ついつい自分が買ってしまいがちなもの」を捨てるのが効果的です。靴を買いがちな人は高かった(けど、もう履かない)靴を、ついついカバンを買いがちな人は、高かったのに既に時代遅れになってしまったカバンを捨てましょう。

そうすれば新しいモノを買いそうになった時に、より効果的に「使わないものを買うと、捨てる時にとてもツライ」ことを思い出せます。

この効果は大きいです・・・



4.モノを捨てるのは、モノを買うことより何倍も困難な仕事だということを理解する

「そりゃあ死ぬ前には荷物を整理するけど、今はまだいいでしょ」と思っている人も多いでしょう。しかし、「モノを捨てる」のは大変な仕事であり、かつ、年齢が高くなればなるほど、それを実行するのは難しくなります。

ちきりんは、「これってダイエットと同じだ!」と思っています。若い頃はちょっとくらい食べ過ぎて贅肉がついても、それを落とすのは難しくありません。でも30代、40代になると、いったんついたお肉を落とすのは並大抵の努力ではできなくなります。

自宅にごちゃごちゃに溢れるものも同じです。あなたが20代なら、それらを気にする必要はありません。30代前半でも、どこかで一念発起すれば片付けられるでしょう。

しかし、40代前後になってその状態を放置することは、深刻な問題を引き起こします。


こちらをご覧ください。 “汚部屋”でグーグルの画像検索を行った結果です。

「ひどい!」と思うでしょ?

「こんなのあり得ない!」って思いますよね?


では皆さん、最初のアドバイスで書いたように、自分の部屋の写真を360度撮影して、それをパソコンの大画面で見てみてください。そして、上記の汚部屋画像と比べてみて下さい。


アタマの中に、

「目くそ鼻くそを笑う」とか、

「五十歩百歩」

という言葉が浮かんできませんか?


多くの人が既に気がついているとおり、モノを増やすのは簡単ですが、モノを減らすのは体力的にも精神的にも大変なんです。2時間くらい汗だくでモノを捨てる作業に取り組んでも、全体からみればほとんどモノは減っていません。それくらい時間のかかる仕事なんです。

「いつかやろう」と思っていたら一生できないのだと理解しましょう。「いつか」と思っていたら、あなたの部屋も「いつか、汚部屋」です。


★★★


若い頃はモノが少ないです。賃貸に住み、数年ごとに引っ越す人はモノが増えません。定期的に彼女や彼氏、その他のお客様を呼ぶ人も、家は汚くなりにくいです。その反対に、モノが増えやすい人の条件も明確です。

・持ち家を買った

・5年以上、引っ越しをしない

・自分と家族以外は誰も立ち入らない

・35才以上である


そういう人はこれを機に、(ちきりんと共に)断捨離を始めましょう!


(この表紙にあるように、断捨離って『ただ捨てるにあらず』なんだよね。まさに『夢中になれる断捨離』です)


そんじゃーね

2012-09-05 領土問題の変遷と、その背景の世界構造

最近は韓国、中国との領土問題(というか、島の領有権問題)について、メディアでも世論でも大いに盛り上がっているけれど、これって「なんでこんなに盛り上がってるんだっけ?」というのがよくわからず、ちょっと考えてみました。

関係国はみんな「あそこは我が国の固有の領土だ」とか言ってるわけだから、領土問題自体はずっと昔から存在したはず。ところが、それを巡る議論はずっと盛り上がってるわけでもありません。

外交機関や関係者(および右とか左の方々)は昔から関心をもっていたんでしょうけど、「一般メディアや普通の人は20年前にも尖閣だ竹島だと騒いでいたか?」と言えば、全くそんなことはなかった。てか、対馬とか放置プレイも甚だしい。

それがなんでここんとこ、一般人も含めて大きく騒がれ始めているんだろう? ちきりんが興味あるのは領土問題そのものより、「領土問題についてみんなが騒ぐのは、どういうタイミングなの? 背景には何があるの?」ってことの方だったりします。


★★★


たとえば1945年より前は、尖閣や竹島について世論が注目するってことはないですよね。だって、日本は朝鮮半島全体を占領してたし、満州という広い地域を実質的に支配下においていた。そんな広い領土を軍事力で占拠してるんだから、尖閣や竹島がどっちのモノか?なんてことは争点にならない。

その次の、1945年から1952年のサンフランシスコ講和条約発効までの間は、今度は日本の領土が占領されてました。Occupied Japanはアメリカ率いる連合国グループの支配下にあったわけで、今度は反対の意味で、小さな島の領有権などぐちゃぐちゃ言っていられない。領土問題といえば、まずは本土の独立が最優先課題。


1952年以降はどうなったか? この時点で日本にとってもっとも大事な領土問題は、「沖縄の返還」だったはず。まずはあそこを返してもらわなくちゃ。

もちろん、北方領土問題もあったと思うけど、サンフランシスコ講和条約で日本は「アメリカの子分になります!」って決めたわけだから、反目してるソ連(今のロシア)が返してくれないのはともかく、味方のはずのアメリカが返してくれないのは理屈が合わない。

というわけで、密約とか安保とかいろいろありながら、1972年にようやく沖縄は日本に返還される。今から40年前のことですね。日本にとっての最大の領土問題が解決したのが、ここなんだと思います。


大きな領土問題に目処が付けば、当然、次の問題に焦点が移ります。それが北方領土。この頃は、日本にとっての領土問題と言えば、大半の人が北方領土しか思いつかなかったんじゃないかな。

ただし1990年までは世界は冷戦体制だから、あんな場所をソ連が日本に返すわけがない。(返したらそっこーで在日米軍が基地を作って、ソ連や中国に向けた核ミサイルを設置するでしょ)

アメリカとしても、「アメリカは沖縄を返してくれたけど、ソ連は返してくれない」と、日本国民が怒ってるのは悪くない。冷戦時代なんだから、前線基地国の日本に「共産主義陣営への忌避&嫌悪の感情」が強いまま残るのは損じゃない。


ちょっと話が逸れるけど、昔、都心にでかい看板があって(今でもあるかも?)、そこに「かえれ! 北方領土!」って書いてあって、ちきりんはやや混乱してた。「かえれ!」って変じゃない? どう考えても「返せ、北方領土」が正しいのではないかと今でも思うけど、一方で、なんかすごい深い思慮の下に「かえれ!」だったのかなあ、とも思う。今でも疑問。  


話戻します。


日本側の事情でいえば、「北方領土問題が解決したから、次は尖閣だったり、竹島だったりが注目され始めた」というならわかるんだけど、今の場合、北方領土も解決してないのに、なんで尖閣や竹島がクローズアップしてきたんだろう? 最近はなんだか北方領土より竹島の方が大事だくらいの世論になっている。これはなぜなんでしょう?


★★★


次は目線を変えて、中国や韓国にとっての領土問題を見てみましょう。中国に関しては、戦争前後はずっと外国に占領されてるわけだから、1949年までは、まずは自国領土の独立、統一が最優先課題だよね。

その後は(今でも)彼らにとっての最重要の領土問題は「台湾」のはず。ただ、中国は大きな領土問題をいくつも抱えている国で、「香港」も1997年の返還まで、台湾と同等以上の大きな領土問題だっただろうし、チベットやウィグルなど西方地域も常に独立問題がくすぶってる。

中国と韓国の間に島の領有など、領土問題が存在するのかどうか知らないのだけど、これだけ全方向で領土問題を抱えてる中国にとって、尖閣がどれほど大きな問題で、他の領土問題とどう性格が異なり、なぜここにきてこんなに盛り上がっているの? というのが、とても興味深い。


韓国はどう?

彼らにとっての最大の領土問題は38度線だよね。小さな国なので、領土問題がありうるとすると、北朝鮮との国境(38度線)、海の上の島(日本、中国)くらいでしょ。

韓国が竹島(彼らから見ると独島)についてぐちゃぐちゃ言えるようになってきたのは、国が二分されている韓国でさえ「冷戦構造」を意識外に追いやれる時代がやってきた、ということであり、それはけっこう大きな意味のあることに思えます。

彼らが「38度線以外の領土問題」に関心を寄せる余裕が持てるほどに、冷戦構造は過去のものになりつつあるということだし、韓国の経済発展、政治的安定がそれを可能にするほどに進んできた結果だとも言える。


★★★


結局のところ、1945年に一度、アジアの領土問題がリセットされた後、つい最近まで大きな領土問題はすべて「冷戦絡みだった」わけです。

日本にとっての沖縄や北方領土、中国にとっての台湾、香港、韓国にとっての38度線は、全部「資本主義陣営の領土か、共産主義陣営の領土か」という背景の中で存在していました。


一方、最近盛り上がってる領土問題は、それとは関係ありません。チベットやウィグルも、尖閣も竹島も、冷戦構造との絡みで問題になってるわけじゃない。

そりゃそうだよね。「冷戦体制」というレジーム自体が終わったんだから。


じゃあ、いったいどういう(新しい)レジームの上に、今の領土問題を巡る議論の盛り上がりが出現してるんでしょう? 

冷戦構造に変わる世界の新しい秩序が作られつつあり、その体制を規定するなんらかの要素に基づいて、尖閣やら竹島やらに注目が集まり始めているんだろうとは思うのだけど、それがいったい何なのか? というのがよくわからない。

その辺が興味あるんで、最近はコレ関係の「思考の棚」ばっかりいじくっていたりするわけです。


そんじゃーね




追記)韓国と中国も島の領有権でもめてるらしい。情報感謝です!

2012-09-03 「働くこと」に関するエントリまとめ

いよいよ9月、夏休みも終わりですね。そろそろ就職活動が気になり始める大学3年生&大学院生も多いと思います。そういった方を惑わせるため、「働くこと」に関する“ちきりんの過去エントリ”を整理してみました。

就活生だけじゃなく、大学1,2年生、高校生、そして、既に働いている方向け、転職検討中の方向けのエントリもまとめてあります。抜け漏れもありそうなので、適宜追記します。



<これから就職活動をする方向け>

・将来有望な若者の価値を毀損する大きなワナ→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110807

・新)4つの労働者階級→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100914

・稼ぐべき時、払うべき時→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100413



<外資系企業を志望する方へ>

・「実力」×「プレッシャー耐性」→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20080810

・「解雇」と「死」は似てる→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110802

・クビのパターン→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20120119



<時代を知るためのエントリ>

・年功下落の時代へ→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110325

・サラリーマンの年収分布→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20090309

・時代と共に幸せに→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20080828



<共働きを考えている方へ>

・イクメンどころの騒ぎじゃない時代が来ます→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110308



<大学1,2年生の方へ>

・ちきりん最初の職業選び→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110106

・メディア別、入社年代別 人生総括表→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20101209



<高校生ならこちらも間に合います>

・ネット上に超クールな職業DBができつつある→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110126

・間欠泉的キャリアの勧め→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20120321



<小中学生のお子さんをお持ちの親御さんへ>

・あなたの孫はインドか中国で生まれます→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20090714



<漠然と転職を検討中の方へ>

・仕事の4分類→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20101218

・キャリア形成における5つのロールモデルメソッド→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20120512

・守る組織、守る人→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100418



<退職を考えている方へ>

・退職決断のための黄金基準はこれだ!→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20111216

・大企業を辞めるという合理的な選択→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20120404



<既に退職した方へ>

・会社を辞めた人のパターン一覧→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20101206

・退職挨拶メールを共有しよう!→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20111004



そんじゃーね!

2012-09-01 ちきりん流 災害への備えについて

今日は「防災の日」なので、防災関連でちきりんが留意していることについて、まとめておきます。


1.長い時間、滞在する場所から対策をとる

皆さんご存じのように、地震は「いつ起こるか、わからない」です。これは、「自分が滞在する時間が長い場所で、地震に遭う可能性が高い」ということです。4時間いる場所で地震に遭う可能性は、2時間いる場所で地震に遭う可能性の“倍”です。

たとえば平日に毎日30分(往復1時間)、通勤のために地下鉄に乗る人がいるとします。オフィスには朝9時から午後7時まで滞在し、平日は自宅に夜9時から朝7時までステイ。土日は午前10時から夕方5時まで出かけ、その他は家にいるとしましょう。

この人が一週間に地下鉄に乗っている時間は合計5時間で、オフィスにいる時間が50時間、家にいる時間は84時間です。つまり自宅で大地震に遭遇する確率は、地下鉄に乗っている時に地震に遭う確率の、約17倍ということになります。

また、一週間は168時間なので、この人が地震に遭遇する場所が「自宅かオフィスのいずれか」である確率は80%です。それなら、災害対策はこの二つの場所に絞って行えばよいのです。


このように、1週間の合計168時間(24時間×7日)のうち、自分は何時間どこにいるか、家族は何時間どこにいるか、これを計算するのが、まず最初にやるべきことです。そして、「居る時間が長い場所から順に対策を考える」のが、最も合理的な防災対策です。

計算すれば分かりますが、大半の人が最も長い時間いる場所は「ベッドの上」でしょう。仕事は少々長くても、土日が休みだったりするからです。

そうであれば、最も意味のある防災対策は、「ベッド周りから、背の高い本箱や、固い絵のフレーム、落ちてきた時にケガをしかねない大げさな照明器具などを取り外す」ことです。

最初に地震が起こった時、これらの落下・転倒によってケガをしてしまったら、高価な防災グッズがあっても、逃げることもできません。


また、ベッドの側にはビニール袋に入れたスニーカーを置いておくことです。そうすれば、割れたガラスが散乱した居室や台所で避難用具を探す際、ベッド横からすぐに靴を履いて移動できます。

停電で真っ暗になり、倒れた本棚や家具が散乱する中、割れたガラス片が飛び散った床を歩いて、靴のある玄関まで辿り着くのはめっちゃ難しいですよ。しかも、大半の人は寝てる時、靴下もはいてないでしょ? スリッパだと(その上に)割れた破片が飛んでる可能性があるので、「スニーカーをビニール袋にいれて」枕元に置いておく、のが大事なのです。


子供に関しても、どこにいる時間が何時間なのか、計算しておきましょう。そして、滞在時間の長いところで地震が起こった場合に、親とどう連絡をとるのかを確認しておけばよいのです。

会社にいるのが長い人なら、自宅だけではなく、会社にスニーカーや着替え、ペットボトルやチョコレートを置いておくべきです。

また、「昼間はずっとコンタクトだが、夜はメガネ」とか、「毎日、夜寝る前に持病の薬を飲んでいる」という人は、会社に予備のメガネや常備薬を置いておくことも大事です。

とりあえず、「自分はどこにいる時間が長いのか?」を考え、そこで地震が起きた時の対策を考えましょう。



2.お金や通信手段の“備蓄”も有用

311以来、水や食品を備蓄している人は多いと思います。家も狭いので備蓄とまでいかなくても、日常に必要なものについて在庫を絞らないことは重要でしょう。

しかし実は、水や食料以外にも備蓄が有効なものがあります。


まずは「現金」です。ATMはもちろん、ネットバンキングも一瞬にして止ります。もちろんカードも電子マネーも(使用時に通信が必要なため)使えません。

災害時どこに避難するにしても、手元に一定額の現金があるのと、全くお金がないのでは、状況が大きく違います。

今はカードや電子マネーが普及し、あまり現金を持ち歩かない人が増えていますが、イザという時に財布に2万円入っているのと、3千円しかないのとでは、不安さ度合いも異なるでしょう。


災害の(中心部ではなく)周辺地では、電車が止ってもタクシーが動いている場合もあるし、大人なら20キロ歩けば、ホテルが空いている場所までたどり着ける場合もあります。

財布には数万円、自宅には10万円くらいの現金を“備蓄”しておくのは、泥棒や火事のリスクを差し引いても、意味のある災害対策になるでしょう。(だからと言って何百万も家におくのはお勧めしませんが・・。)


次に、通信手段の備蓄です。ひとつは回線です。

みんな「災害の時にはネットが役に立つ」というけど、実際には災害が起こった時、「どの回線がつながりやすいか」は状況や地域によって大きく異なります。

最近は割引制度を利用して家族全員が同じ会社のケータイを使っている人も多いのですが、家の中に、固定電話もあり、auを使ってる人、ソフトバンクを使ってる人、ドコモを使ってる人、さらにWiMaxパソコンと光フレッツ回線など、できる限り、異なる回線が使われていることは、災害対策としてそれなりに有効です。

自分でレバーを回してケータイやスマホの充電ができるようなグッズについては、いろいろ売られているみたいなので、適宜ご検討ください。

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あとは、救急道具や持病の薬の備蓄です。大災害の時には、救急車は来ないです。病院も機能しない可能性が高いし、薬屋さえ開いていません。頭痛持ちの人は頭痛薬を切らすべきではないし、持病の薬も一ヶ月分くらいの在庫はもつべきでしょう。

一日何も食べないより、一日、頭痛が止らない方がツライと思います。



3.備蓄したものを使ってみる

水や食料を備蓄する人はたくさんいますが、それらは「計画的に使う」ことがとても大事です。定期的に備蓄品を使うことは、それらが消費期限切れとなって使えなくなってしまい、無駄になることを防ぐためだけではありません。

大災害があると買い占め行動が起こりますが、この理由はみんな不安だからです。どの程度の備蓄があれば、どの程度の期間、暮らせるのかが、わかっていないから不安なのです。

だから家にペットボトルの水が2ケースもあるのに、いくらでも買いたくなります。これが全体としてパニック買いを引き起こします。


問題は、備蓄している人が「自分の家では、一週間の生活に必要な水、食べ物、トイレットペーパ−などが、どのくらいの量なのか」を把握していないことです。それさえ理解できれば、十分な備蓄をもちながら、まだ不安で物資を買いまくるという馬鹿げたことは起こりません。

なので、一年のうちのどこか1週間、水道の水を一切使わず、備蓄の水だけで暮らしてみる、新たな買い物をせず、家にあるものだけを食べて二日ほどすごしてみる、1週間に必要なトイレットペーパーが何ロールなのか、きちんと記録を付けてみる、というようなことが、とても重要です。


「うちには2ヶ月分の備蓄がある」と数字で理解&確信できれば、もう買い占めに走らない人もでてきます。私たちを不安から解放してくれるのは「備蓄すること」ではなく、備蓄したモノを使うことにより、「適正な備蓄量を知ること」なのです。

さらに、1週間、備蓄品だけで暮らしてみれば、何が不要で何が必要かもよくわかります。簡易トイレなども「買って終わり」の人が多いのですが、買ったら一回は使ってみるべきです。そうすれば、買っておくべきものなのか、不要なものなのか、一瞬にして理解できます。

今日は防災の日なんだから、家族全員、簡易トイレでうんちしてみたらどうでしょう? 高かったのにもったいないって? 使えるかどうかもわからない「高いモノ」を買っておくことの方がもったいないです。備蓄のスタートラインは、「自分は何が必要なのか」を理解することなのですから。



というわけで、少なくとも高価な「防災バッグ」を買う前に、こういうことやっといたほうがいいんじゃないかなってことをまとめておきました。


そんじゃーね。