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Chikirinの日記 RSSフィード

2012-11-28 ニュースで学ぶ高齢化社会

24日、埼玉県本庄市で踏切事故がありました。


JR高崎線の踏切で、遮断機が降りている状態なのに、踏切内に男性(70才)がいて、落とした食品などを拾っていました。

たまたま通りがかった女性(60才)がそれを見て驚き、踏切内に入って男性の両脇を抱え、踏切の外に出して助けようとします。

ところがその直後に電車が通過し、二人は電車にはねられてしまったのです。


ほどなく男性も女性も亡くなられました。見ず知らずの男性を助けようと踏切に入った女性には頭が下がります。しかもご自身が亡くなられる直前まで、「おじいさんは大丈夫?」と、男性が無事だったかどうか気にされていたとのこと。


この女性は、一緒に暮らしていた母親(90才)が入院しており、毎日見舞いに通っていて、この日も自転車で病院に向かうところでした。

女性の家の近所に住む友人(77才)は、「明るくて気立てが良く、優しい人だった」とコメント。


女性が亡くなった後、病院に駆けつけたお姉さん(68才)は「人助けでこうなったと聞いて、すこし心が落ち着いた」とのこと。

この事件を報じた朝日新聞の記事は、女性のお兄さん(63才)のコメント(以下)で締めくくられていました。


「最後にいいことをしてなくなった妹が誇らしい」、でも「60くらいで命を失うとは・・・」



ご冥福をお祈りいたします。




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コメント頂きました。

2012-11-25 今、日本のあちこちでパニクッている人達

11月16日、野田総理が突然、衆院を解散し、12月4日に公示、12月16日に選挙というスケジュールが決まりました。

「近いうちに」と言われつつ、大半の人が「たぶん来年じゃね?」と考え始めていた矢先の解散のため、日本中のあちこちに大パニックしている人達が現われています。

今日はそれらの「とんでもないコトになっている人達」について、まとめておきましょう。



<栄えある優勝=維新・太陽・みんなの党関係者>

今、日本で最もパニック的に大混乱しているのは、この3つの政党の方々(立候補予定者など含む)です。

数年かけてどこかの地で選挙準備をしてきたのに、3党連合(or 選挙協力)が決まり、いきなり国替えを命じられた人、ほとんど何も準備していなかったのに突然、公認が決まって出馬することになった人、いきなり過去のスキャンダルがホジくりだされた人など、党本部も含め大わらわでしょう。

もちろん各政党、候補者のPRを取り仕切る代理店、コンサルタントの皆様方もここ1週間、まともに睡眠時間を確保できていないはず・・・

過労とか心労とか怒りとかで死んじゃう人がでないことを祈るばかりです。



<惜しくも準優勝!=霞ヶ関の皆様>

12月16日に衆院選挙が行われた後、総理大臣が決まって組閣が行われるのはいつ頃でしょう? 

自民党も民主党も過半数が得られない可能性が高く、連立政権になるなら、どの政党とどの政党が組んで与党となるのか、大臣の座を取引材料とした血みどろの駆け引きが16日の夜中以降、行われることになります。

その後、首相が指名され、内閣が組閣されるのは、年末ギリギリになるかもしれません。大臣が替わればそれだけで霞ヶ関はてんやわんやですが、それが年末に重なるご不幸はホント同情に堪えません。

しかも新大臣は必ずこう言うでしょう。

「年内に or 年明けまでに○○の資料をまとめておいてくれ」


っ、年始年末の休暇がっ!


なお東京都知事選も12月16日ですが、こちらは組閣とか連立が不要だし、“副知事から知事になる人がでてくれば、非常にスムーズに移行が行われる”ため、国政よりは遙かにマシだと思います。



<堂々の三位!=NHK>

12月後半の番組進行については、おそらく半年前くらいから予定をたてているはずです。大河ドラマ総集編、東日本震災復興関連の特別番組、大女優・大物俳優総出の特別編成ドラマ、今年の10大ニュース、毎年恒例の忠臣蔵、紅白歌合戦の番宣特別企画などなどなど・・・

しかし、12月16日に選挙がおこなわれ、次の1週間、連立交渉、首相指名、組閣が行われれば、「皆様のNHK」としては、政治関連ニュースや番組を大幅に増やす必要がでてきます。

12月後半の番組編成は完全に白紙からやり直し、半年かけて作り貯めてきた“年末特別番組”もオンエアできるかどうか不明、政治担当の皆様は休暇ふっとび・・・ごくろうさまでございます。



<番外編=郵便局>

選挙というのは、数多くの臨時雇用を生み出します。ウグイス嬢はもちろん、選挙カーの運転手、ポスター貼りやビラ配り、事務所で電話を掛けまくるためなど、どの事務所も大量のアルバイトを雇います。

おそらく今、短期のアルバイト市場は瞬間的に“めっちゃな人手不足”になっているはずです。そして選挙の12月16日までに稼ぎまくった人達は・・・「よかった、これで今年はゆっくり年越しができる!」と、一安心で年始年末をすごされることでしょう。


郵便局がなんで困るんだって? 

彼らは毎年12月後半に大量の「年賀葉書仕分けアルバイト」を必要としてるんです。でも、今年は12月前半に大量の稼げるバイトがありますからね。例年通り人手が確保できるかどうか、微妙な感じになってきたんじゃないでしょうか。そうなれば、職員の方が連日徹夜で・・・


その他にも、今回の選挙で大量失業する民主党議員の皆様、その秘書や事務所スタッフの方も、年始年末を議員会館から出て行くための引っ越しなどに忙殺されることでしょう。もしかして引っ越しサービス会社も年始年末無休営業?


というわけで、いくつか「この業界はパニクッてそうだな」というところを取り上げましたが、他にも「うちの業界も選挙のとばっちりを受けて大変なことになってます!」という情報がありましたら、ぜひツイッターでお送りください。

このエントリに追記をさせていただきます。


そんじゃーね!

2012-11-23 リーディングカンパニーが積み上げる珠玉のオペレーション

今ちきりんが大学生なら、いろんなチェーン店でアルバイトをすると思う。セブンイレブンはもちろん、マクドナルド、すかいらーく、ワタミ(居酒屋もいいけど高齢者施設で是非!)、あと、アマゾンの倉庫とかね。1年の時から1年ずつ、もしくは半年ずつ、あちこちでバイトしたい。

最近の“意識の高い”学生さんは、ビジネスコンテストに参加したり、ウエブ系企業でインターンしたりするらしいけど、私の場合はそうじゃなくて、大規模小売りやチェーンの外食企業で働きたい。


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すかいらーく配送所のピックアップシェルフ。食材名を“一文字”で表すことでミスを防ぐ。ソースや食材の名前をカタカナや漢字でフルネームで書くより、間違いが減らせる


これは好みの問題だけれど、ちきりんは“時代の先端的な技術”よりも、“各業界のリーディングカンパニーが長年かけて作り上げた超高度なオペレーションシステム”の方に興味があります。

最近は「アマゾンが一番すごいと思う」というエントリを何度も書いてるけど、あれも視点は同じ。“オペレーションを極めて勝つ”というスタイルが大好き。

戦略とかマーケティングと違い、オペレーションは極めるのにものすごい時間がかかる。一部の優秀な人だけではなく、津々浦々の前線の人の智恵が詰まってる。だから一旦“ぶっちぎり”の体制を築き上げると、他社は容易に近づけない。そこにすごくワクワクする。


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各個店に送られる商品がトレーに分けられ・・


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出荷準備へ



今回、すかいらーくのキッチンを見せて貰って最も感心したのは、“ライン長さんの優秀さ”です。前2回のエントリでレポートしたように、セントラルキッチンの中には様々な調理ラインがあります。

ソースを作るライン、ハンバーグを作るライン、鶏肉をカットするライン、とかね。各ラインには10人から数十人のスタッフが働いていて、そのトップにたつのが“ライン長”

ライン長の仕事は多岐にわたるけど、大きくいえば「必要な商品を必要な数、一定時間内に作り上げること」、もちろん、安全や衛生状態にも万全の注意を払いながら。


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ファミレスに行けばわかると思うけど、各個店では「いつ、どのメニューが注文されたか」、すべてシステムで管理されてます。フロアスタッフが「○○でよろしかったですか?」という意味不明な日本語とともに、端末に注文を打ち込むと、そのデータが厨房にもレジにも通される。

さらに数字は個店の中だけではなく、セントラルキッチンのシステムにも送られて、施設内の各ラインに「明日は○○をどれくらい作る必要がある!」みたいな情報として伝わるわけです。


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たとえばソースを作ってるラインでは、それらの情報をみながら、「ポルチーニ茸のメニューがめちゃくちゃ出てる! ということは、今日はこのソースを何キロ、あのソースを何十キロ、こっちのソースをいつもの倍作る必要がある!」的な計画を立てて、ラインを動かすわけ。

食べ物のラインだから、機械工場みたいに厳密には進まない。どこを手作業でやって、どこを機械で行うのか、日々工夫を続けてる。しかもメニューは季節ごとに変更され、次々と新しい料理を作る必要がある。加えて、特別フェアの特別メニューも・・。

ライン長さんは、数十人のスタッフを教育&統率しながら、安全にも衛生状態にも責任を持ちつつ、次々とやってくる「これを何キロ、明日までに!」的な指示をとりまとめ、時間ごとのラインの稼働プランを立てて実行に移します。


複雑なラインの稼働予定表を見ながら「すげー!!!」と思って、「何年くらい働くと、ライン長になれるんですか?」って聞いたら、「最初は小さなラインの長になるので、数年働けばなれます」との回答。

びっくらこいて「数年で、そんなスゴイ仕事ができるようになるんですか!???」って聞いたら、「もちろん、何十年たってもなれない人もいます・・・」とのこと。


そりゃそーでしょう。ほんと、すごいノウハウだと思った。(そしておそらく本人達は、自分がどんだけスゴイ仕事をしてるか気がついてない・・)


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しかも彼らはセントラルキッチンと同じ敷地内に、厨房什器を内製する専用工場まで持ってる。そして、「こんな大きさの作業台が欲しい」、「こういう機械が必要」という現場の細かいニーズに応じて、社内で厨房機械まで作ってる ↓


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すかいらーく セントラルキッチン専属 街工場!?


もちろん大きな専門の機械も購入するんだけど、ちょっとした工夫で生産性が上がることもよくある。だから「自分達で使いやすい台所自体を作ってしまおう!」というわけ。


ちなみにすかいらーくは配送会社までグループ内に抱えていて、上から下まで全部自社でやる“垂直統合モデル”です。(たとえば、食材調理の大半を海外企業に委ね、配送は運送企業に委ねる、という方式との対比として)

そして、彼らはそのノウハウをすべて自社内で開発し、日々改善し、ここまでに高めてきてるわけ。ご存じのように、一時期はいろいろ苦しい時期もありました。ちきりんも昔のイメージがあって、いまいちファミレスに積極的に行きたい気持ちにはなれていませんでした。

でも今回、話を聞いて、「こりゃすごい」と思いました。ホント「百聞は一見にしかず」


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食材倉庫。次々と運び込まれ、次々と運び出される・・


業界をリードするトップ企業のオペレーションを手取り足取り教えて貰えて、時給まで貰える。そんなバイトの機会が目の前にあるのに、たかだか千円ほど時給が高いとかいう理由で家庭教師やら塾講師のバイトやってる一流大生とかってホントに意味不明。学ぶということに、もう少し貪欲になったほうがいい。



<関連エントリ>

 → 「払うべきか、稼ぐべきか

 → 「ちきりん最初の職業選び



そんじゃーね

2012-11-21 大手チェーンの底力を見たですよ!

前回たくさんの写真付きでお伝えした“すかいらーくのセントラルキッチン訪問記”の続編です!


1.愛情と味は分けて考えるべきだね

施設を見学して直感的に感じたのは、「これは自宅で作って食べるより美味しいかもね」ってことです。一般家庭で普通の料理技術の人が、同じ予算でこんなものは作れない、という料理がたくさんありました。

まずお肉が新鮮。あたしがスーパーで買ってるのより鮮やかでつやつやしてる。そりゃそーだよね。経由してる中間業者の数が少ないんだもん。

しかも届いたお肉をすぐさまカットしてステーキ肉にしたり、ミンチにして、その日中にハンバーグにして冷凍する。自宅ではこんなスピードで完成調理まで持っていけないです。


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野菜だって、契約農家から直送されたのを、その日中に加工して出荷、店で二日以内にすべて食べられます、というスピードです。一週間に1,2度しか買い物しない私みたいな人が、自宅の冷蔵庫で3日も4日も食材を保存することがあるのとは大違い。

豆腐は大豆から作ってるわ、凝ったソースもイチから作ってチルドで出荷する。個店に届いてから1ー2日で消費する分しか製造しないので、保存料を大量に入れる必要もありません。


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おいしそうなローストチキン!


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千切りキャベツマシーン!


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店舗出荷前、チルド状態を保てるようガスを注入。シュパー!


彼らの仕入れ価格は、ちきりんがスーパーで買うより相当安いだろうし、調理の技術がたとえ同じだとしても、コスパ、バリエーションの点で、自炊とはレベルが違います。

たしかに手作りの料理には愛情が込められてるし、“我が家の味”が引き継がれることはすばらしいけど、そもそも愛情と味は別なんだよね。

ファミリーレストランなんて学生時代以来ぜんぜん行ってなくて、なんとなく「安くてマズイに違いない」と思い込んでいたけど、今回の見学の後、いくつかの店舗に行ってみて、イメージは相当変わりました。


2.外食産業は可能性あるよね

日本の外食産業は市場規模 20兆円と言われてて、全体としては必ずしも成長産業ではありません。でもその中身をみれば、他の産業と同様、「個人店が減り、大手チェーンがシェアを伸ばす」という産業構造の変化が起こりつつあります。

一昔前は外食といっても、個人が経営するうどん屋や中華料理店、地域に数店舗のレストランなどが大半でした。今でも数としてはそういうところが多いのでしょうが、割合としては大手チェーンがシェアを伸ばしています。

理由は明らかで、最初にも書いたように大手チェーンには規模の利益があり、個人店ではとても太刀打ちできない価格が実現されているからです。

加えて彼らは季節ごとに松茸フェアだの広島牡蠣のフェアだのを開催し、新メニューの開発にも余念がありません。こんなこと個人経営店では不可能です。


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大量に作られる“温泉たまご”。。。つまみ食いしたかった!!


東南アジアにいくと、みんな朝ご飯から外食しています。欧米でも朝はマフィンとコーヒーをテイクアウトで買って食べる人も多いし、家で食べる場合もシリアルにミルクとか、パンにハム切って出すだけの冷たい(簡単な)食事が多いです。

日本のように朝から暖かい食事を自宅で作るって、専業主婦ならともかく、共働きの家では大変でしょう。夕食だって、仕事が終わってからスーパーに寄って買い物し、わざわざ自宅で作るのって「まじですか」ってくらい大変なことです。

スーパーやコンビニの総菜はもちろん、宅配ご飯やファミレス(すかいらーくは“日本人の食堂”を目指してるらしい)的なところを巧く使うのは、これからの忙しい家庭にとって必須になっていくに違いありません。


3.手の洗い方、教えて貰った

みんな一番気になるのは衛生面だと思います。今回ちきりんも上下すっぽりと覆う制服や長靴、使い捨ての帽子にマスクをして見学を行いました。

加えてキッチンに入る前に入念な衛生管理が行われています。手洗いに関しては、「洗剤3プッシュ、タイマーを使って決められた時間洗い、決められた時間すすぐ」など、細かいルールがあります。

この手洗い場所はカメラで監視されており、いい加減な洗い方をしているといきなりマイクで怒られます。トイレに至っては、洗った手を乾燥させ、消毒液を付けないと、トイレのドアが開かず、外に出られません!!


↓前の壁についている黄色いのがタイマー。時間を計りながら洗い、すすぎます。

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こちらはチリやホコリを吹き飛ばす通路、ここを通らないとキッチンに入れない

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正直言って、自宅で料理をする時、あそこまで丁寧に手を洗う人はほとんどいないでしょ。ていうか、今回の見学で、「そうか、料理の前って、ここまで洗わないといけないのね・・・」と、初めて理解しました。


こちらは食材の検査室

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人の口に入るものを作っているんだから当然とはいえ、全体としては「ここまでやるのね」というくらい頑張ってる。食品を扱う事業って、本当に大変だよね。そして、こういうセントラルキッチンを“日本国内に”持っていることの意味もよーく理解できました。



以上で“すかいらーくキッチン見学”、第二回目のレポートを終わります。

みなさん既にお気付きのように(一円も貰ってない上に、交通費まで自己負担で見に行ってはいますが)、以上のエントリはすべて“ステマ”です。

なので、本当に自宅で作るより美味しいのか、どんな値段でどんなものが食べられるのか、確認するためには、みなさん自身がお近くの店舗で確認されたほうがいいと思います。

→ すかいらーく 店舗検索ページ


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なお、あたしのイチオシはやっぱりバーミヤン! あとはガストのパスタかな。


そんじゃーね!

2012-11-19 “すかいらーく”のセントラルキッチンを訪問!

“すかいらーく”のセントラルキッチンを見学する機会がありました!

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すかいらーくと言えば、ガスト、バーミヤン、ジョナサン、夢庵、藍屋など、和食から洋食、中華まで様々なタイプのレストランを運営する大手外食チェーンです。全部合わせると日本全体で3000店舗近くあり、マクドナルドと共に、外食産業における東西横綱の地位を占めています。

すかいらーくのウエブサイト



メニューの多くは、全国に10ヵ所ほどの大規模な“セントラルキッチン”で作られた後、個店に運ばれ最終調理されます。

ちきりんが見学した埼玉県の施設では、ハンバーグや唐揚げなどファミレス定番の商品から本格的な豆腐まで、あらゆる食材が調理されていました。


たとえばコレは唐揚げになると思われるチキン。綺麗なお肉です。

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こちらはステーキ肉のトリミングをされているところ。職人さんがひとつひとつのお肉を確認しながら整えていきます。

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ちなみに、ステーキ用のお肉からトリミングで切り落とされた部分は、ハンバーグ用のミンチになるんだって。ってことは、ハンバーグはかなりお得!?

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印象的にはセントラルキッチンっていうより、“専門食材店の集まり”というイメージかもしれません。たとえば麻婆豆腐や揚げ出し豆腐など人気メニューが多いお豆腐は、豆腐メーカーから仕入れるのではなく、なんと大豆を買ってきてイチから作ってるんです・・。

大豆を水に浸して一晩置くところから始まり、

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これは“にがり”なんだけど、投入量は日々の温度、湿度などによって日々びみょーに調節するらしい 

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できたてのお豆腐を容器に入れるのも、機械じゃなくて人の手です・・給食風景を思い出しますね。

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できあがったお豆腐が冷やされるライン。この辺からようやくオートマチックな流れに・・

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まるでセントラルキッチンの一部に“豆腐屋さん”があるみたいでしょ。



別のスペースでは大きなお鍋がたくさん並んでて・・

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それぞれのお鍋で各種ソースを作ってます

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これはポルチーニ茸のソースかな? 周囲にすごくいい匂いが漂ってます。

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お鍋の下を覗くと、ちゃんと火がついてたり・・(あたりまえ)

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今から何かを炒めるんでしょうか。油を引いて鍋を温めてるところ。

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キャベツも最初はスタッフの方が切ってたりとか・・

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秤に付けられたメモが手作り感に溢れています。サラダ用に混ぜる割合かな?

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たしかに何もかも大量だしデカイんだけど、やってることは調理そのものですよね。

同じように、向こうではハンバーグ作ってます、こっちではサラダ作ってますという感じで、まさに巨大なクッキングスペースという感じでした。


それにしても、いろんなものが巨大です。

冷蔵庫はもちろん・・(この扉の奥に巨大な冷蔵室が拡がってます)

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石油タンクかと思ったら、“みりん”タンクでした

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そして一番楽しかったのがハンバーグの調理ライン

まずはお肉がミンチにされて・・

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それがドサっと・・

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玉葱やつなぎと混ぜてこねこねし、

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おー、ハンバーグになってる!!

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これから冷凍されます(焼くのは店舗で) 壮観でしょ!

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衛生管理上の問題からなかなか見学できないセントラルキッチンを見学する機会を頂け、貴重な体験となりました。いろいろ考えることがあったので、その辺は次回のエントリでまとめてみたいと思います!


そんじゃーね!

2012-11-15 ネットメディア入門書としてお役立ち

田端信太郎さんから御著書『MEDIA MAKERS』を頂きました。

MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体

MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体


田端さんは、ライブドア事件当時“livedoorニュース”の責任者だった方で、その昔はR25の創刊に関わり、最近は多くのメディアサイトの立ち上げやマネタイズを手がけている“ネットメディアのプロ”です。

前書きでも「長く「メディアの魔力」に恋い焦がれ、取り憑かれてきたものとして」、とあるように、彼の「スキ好きスキ好き、メディア大好き!」という気持ちが溢れています。


一方の私は「Chikirinの日記」が人気化したことで、意図せずしてネットメディアの世界に片足のつま先を突っ込むようになりました。

そして今、田端さんが言われるように「これからは、一般ビジネスパーソンもメディアの知識が必要な時代」と、ヒシヒシと感じます。


この本のナイスなところをまとめれば、

1.米軍が独自の機関誌(メディア)を持っている理由とか、FT紙がピンクである理由など、世界のメディアの事例をふんだんに織り交ぜて、その意味するところをまとめ上げ、「つまりメディアとは?」という洞察に落とし込んでいるところです。雑学的な事例から洞察を導き出す人の話は、どの分野でもとても面白いです。


2.新旧メディアを「ストック・フロー」、「参加性・権威性」、「リニア・ノンリニア」という3軸で分類したフレームワークも、とても有用に思えました。

この話の中で田端さんは、「映画は最もリニアなメディア」だと書かれています。以前ちきりんは、「ニートの歩き方というか」というエントリで、phaさんが「僕は映画が観られない」と言っていることを紹介しました。

実はこのふたつの話は完全に符合していて、phaさんが映画が観られない理由が、この本の中ではキレイに説明されています。


★★★


ではここで、「Chikirinの日記」も、そのフレームワークに沿って分析してみましょう。


A.ストック・フロー  私のブログは、時事問題について継続的に更新しているという意味ではフローです。でも、実はストック性もかなり高いように感じます。

たとえば、これは11月に入ってから6個目のエントリです。つまり昨日の段階では、私は半月で5つしかエントリを書いていません。そしてその半月のPV合計は、80万PVです。

「Chikirinの日記」より圧倒的にPVが多いサイトはたくさんあります。けれど、「5記事しか更新せずに80万PV」というのは、けっこう珍しいんじゃないでしょうか? これは、このブログのストック性の高さを示しているように思えます。


B.参加性・権威性  これは明確で、「Chikirinの日記」は権威性側に寄ったサイトです。

内容に権威があるという意味ではなく、コメント欄も閉じてますし、みんなが作っていくサイトではなく、「ちきりんが言いたいことを言う!」サイトだという意味です。


C.リニア・ノンリニア  これが一番おもしろい概念だと思いました。簡単に言えば「どこからでも読める」=ノンリニア、「最初から通して読む必要がある」=リニアです。

「Chikirinの日記」はノンリニアです。どこからでも読めます。一回読み切り型のエントリが多く、連載型ではありません。

ただ、数は少ないですが「最初のエントリから全部読みました!」と言って下さる方の(比較的)多いブログでもあるだろうとは思ってます。

そして結論からいえば、「私のブログは明らかにノンリニア形態ではあるけれど、読み手を如何にリニアな世界に呼び込むのか、がポイントなんだな」と思えました。


「何言ってんのかわかんねー!」という方は、『メディア・メーカーズ』を読んで下さい。


★★★


さて、この感想を書いている時、下記の記事を見つけました。長い文章ですが、新しいネットメディアを考える上で非常に興味深い記事でした。

 → 週刊(だったはずの)有料メルマガが一ヶ月間配信されなかった件

週刊メルマガが一ヶ月間まったく配信されず、それなのに課金が続いており、あげくの果てにメルマガ発行会社が、10月一ヶ月間に 4-5本出すとして読者を募ったメルマガを、「10月31日に4本出すのもOK」だと主張する・・というおよそまともな商売とは思えない話が書かれています。 (それって一本のメルマガを4本に分けて配信してるだけでは??)


田端さんもメルマガに関しては、下記のようにコメントされてます。

せっかく押させた「購読ボタン」の価値を局限化する戦術は、「怠惰」という人間本来の性質に裏打ちされている意味で、私は極めて有効なビジネスモデル基盤だと思っています。


これはまさにそのとおりで、定期購読メディアにおいては「最初の一ヶ月を無料にする」+「面倒で解約しない人を狙う」のが効果的だし、「こんな豪華な執筆陣が書きますよ!」と煽って予約ボタンを押させ、実際に記事を書くのはごく一部の人だけ(人気執筆陣はほとんど記事を書かない)みたいな作戦でも、大半の読者はそれをイチイチ調べて解約したりしません。

その一方、「メルマガとはファンクラブである」という説もあり、そうであれば「一ヶ月、なんのメールも来なくても、ファンクラブの会費を喜んで払い続ける」というファン心理は、理解できなくもありません。

アーティストのファンが、今月行われるはずだったコンサートが延期されても、嘆きはするでしょうが、それでファンクラブを脱退したりはしないでしょう。

このあたり、今後メルマガが「コンテンツが提供されてもされなくても、書き手へのお布施としてお金を払うもの」になるのか、「コンテンツを書き手から読み手に渡すメディア」として存続していくのか、興味深い点だと思えました。


★★★


もうひとつ、田端さんは本書の中で“編集権”についても自説&考察を述べられています。そこには、自らがライブドア事件の渦中にありながら、堀江貴文さんの逮捕について臆することなく伝え続けたという「編集者としての自負」を感じます。

私の場合はコンテンツ制作者であって編集経験はないのですが、自分のコンテンツが誰かに編集されることはよくあります。

対談でしゃべったことは、ライターさんによって文章化され、編集者の方が記事として仕上げられます。何をメイントピックとして抽出するか、といった編集判断は私がしているわけではありません。(念のため:文句言ってるわけではなく、説明してるだけです)


また、「Chikirinの日記」のエントリの一部はニュースサイトに転載されるのですが、その際、「転載されるエントリと、転載されないエントリを分ける」のも、そのサイトの編集権によって決められていると言えます。

たとえば、この「市場を創るということ」というエントリ。ちきりんは、ここで書いた「市場とは何か」を理解することが、これからのビジネスパーソンには不可欠なセンスだと思っています。

したがって私が編集権者なら、このエントリを掲載しないという判断はありえません。けれどこのエントリは、外部サイトには掲載されませんでした。その価値がない、もしくは不適切と、サイト側の編集権者により判断されたからです。


ここで田端さんの「編集権の高潔さ」に関するコメントも引用しておきましょう。

このようなメディアとしての編集上の高潔さ、信頼感を「Editorial Integrity」とも言いますが、この「高潔さ」は一朝一夕に獲得することのできない価値です。

ほんとそう思います。


そんじゃーね!



↓kindle版は、かなり格安!

MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体 宣伝会議

MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体 宣伝会議

2012-11-13 すべてがアマゾン経由で売られる時代へ

先日ネット通販企業の経営者が、「配送料や手数料が高い」とつぶやいた顧客(女子高生)を、ツイッター上でいきなり罵倒した事件がありました。(下記エントリに書いた件です)

 → 「Twitterについて理解しておくべきこと

そのネット通販企業は、社長がお詫びをした後、今月から配送料を完全無料化すると発表しました。購入額に関わらず配送料はゼロです。


これを機に、ネットでモノを購入することが急拡大している昨今、“配送料”の相場がこれからどうなっていくのか、もう一度考えてみました。

この件に関するキープレーヤーは、皆様ご存じの通り、アマゾンドットコムです。今、アマゾンでモノを買うと、本にしろ雑貨にしろ、アマゾンの倉庫から直接発送されるものに関しては、値段に関わらず配送料は無料です。500円のモノをひとつ買っても、無料で届けてくれるのです。(追記の注:その後ルールが変わり、それより安いものは、まとめて買うことを要求されます)

こんなことがなぜ可能なのでしょう? 


考えられる理由はいくつかあります。

理由1)配送業者が、通常より大幅に安い単価で仕事を請け負っている

これは当然でしょう。ヤマト運輸、日通などにとっては、大量の商品を一箇所でピックできて作業効率もいいし、アマゾンは今後も取扱高がどんどん伸びていくと予想される有望顧客なわけですから、ギリギリの値段を示してでも取引したいでしょう。

その上、こういった世界最先端の倉庫管理、物流システムの設計や運営ノウハウを学べる機会は、利益には替えられない大きなメリットがあります。アマゾンが存在しない韓国の配送業者や、アマゾンとつきあえない中小業者には、決して得られないノウハウを、ヤマト運輸も日通も蓄積しつつあるのです。


理由2)仕入れ単価が非常に低い

1000円の書籍を出版社から600円で仕入れれば、200円の配送料がかかっても200円の利益が確保できます。出版社にとって「納入価格が低いから、うちの本はアマゾンでは売らない」などという選択肢が存在しないことは明らかです。

本以外の商品についても、アマゾンの販売力が高くなればなるほど、出品業者側は納入価格をぎりぎりと引き下げざるを得ないでしょう。大量に売れるものに関しては、メーカーからの直接仕入れだって可能です。そうなればアマゾンにとっての仕入れ価格はもっと下げられるはずです。


理由3) 客の購入単価は必ずしも低くない

世の中には500円のものを一つだけ、しかも毎日のようにアマゾンで買う人もいるのかもしれません。でもちきりんの場合、受け取りも面倒だし、段ボールの処理もウザイので、急がないものはまとめて注文することがよくあります。

制度としては何円のものを買っても配送料はタダですが、実際に「ものすごく安いもの一品」の注文はそんなに多くないかもしれません。

そうなれば、一部に足の出るケース(配送料無料では利益がでない商品)があっても、全体としては問題なく制度が維持できる、というわけです。


ちきりんは過去にも何度も、この件に関してエントリを書いています。下記の最初のエントリにあるように、物流はネット消費時代の三大インフラのひとつです。また、3番目のエントリにあるように、楽天が最も苦しくなるのはこの点での格差でしょう。

<過去関連エントリ>

ネット消費時代のインフラ御三家 物流・決済・窓口

アマゾンが一番すごいと思う

楽天とアマゾン


ちきりんには、アマゾンは今、ものすごくいろんなことを仕掛けに来ている、という気がしています。それは、キンドルどころの騒ぎじゃない“何か”です。


たとえばこのマロントリュフ、めっちゃ美味しいのですが、これを作っている有名なパティシエのタカギさんのお店は東京にしかありません。(レビューで“おいしくない”とか書いてる人がいてびびります・・。味覚は人それぞれですが、ちきりんにとってはこれは絶品レベルです)

(詳細エントリはこちら)

私は青山のお店で買うのですが、直接は買いに行けない人も多いでしょう。普通はそういう場合、お店が電話で注文を受けて配送したり、オンラインサイトを開いてネット通販をします。パティシエタカギにもオンラインショップがあります。でも、それだと配送料を無料にはできません。

ところがアマゾン経由なら配送料無料で届くわけです。(お店のオンラインショップと商品の値段自体は同じです) ←追記)今見たら、販売元配送になってました(=配送料が必要)・・・もしかして注文殺到でアマゾン分売切れ・・?


現在、アマゾンに出品してモノを売っているお店や小売業者はたくさんあります。その多くがアマゾン経由の注文でも、自社から配送しているお店です。

しかし、これらの商品を買うと配送料が最低でも600円程度かかることが多いので、ちきりんは最近「この商品はアマゾンから直接配送します」という商品ばかりを買うようになりました。販売元がアマゾンに販売委託をしている商品ということです。

皆がそうなれば、お店の方も「アマゾンの倉庫に置いてもらった方がよく売れる」と考え始めます。当然、納入価格は低くなりますが、その分の配送や包装・決済業務は不要になります。


もし多くのお店や小売店が、「自分で売るよりアマゾンに売ってもらった方が得だ」と考え始めたら・・・・?



「すべてのものがアマゾン経由で売られる未来」も、決してあり得ない世界ではないのです。



そんじゃーね


2012-11-10 「工場のすべて」シリーズに期待!

最近「すごくおもしろい!」とワクワクしながら読んでいるのが、コレ↓

半導体工場のすべて

半導体工場のすべて


著者は1968年に東大工学部を卒業後NECに入社、その後は一貫して半導体関連業務に携わってきた方で、最後は半導体事業グループの統括部長、主席技師長を務められています。つまりは“半導体のエキスパート”

そういう方が懇切丁寧に半導体工場のすべてを解説してくださっている本です。

こんな感じ↓

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<目 次>

第一章 半導体工場の敷地内を歩いてみると

第二章 ICはこうして作られる

第三章 ICづくりを支える裏方プロセスを追う

第四章 原材料や機械・設備について知っておこう

第五章 検査でのミス発見法、出荷する方法

第六章 知られざる工場内の「御法度・ルール」

第七章 働く人々のホンネ

第八章 知られざる半導体工場の秘密

終章 「日の丸半導体」復活に向けての処方箋 


終章は“どうなの?”って感じですが、八章までの内容は専門的でありながら、(ちゃんと最初から読んでいけば)この分野の初心者でも理解できる言葉遣いと、わかりやすい図表付きの丁寧な説明でとても面白い。

ちきりんは工場見学も大好きだし、工場の仕組みを知るのも大好き。特に自動車なり半導体なり日本の機械系、電子部品系の工場の完成度は、“この分野の人類の英知を結集した完成系”みたいなレベルで、まさに state of the art technology。

この本を読んでいるだけでも、ここまで“工場”を仕上げるには、どれだけの人の智恵と工夫と努力と熱意が必要だったんだろうと胸が熱くなる。実際に人生をそこに捧げた人が、“ものづくり教”に心酔するのは当然のことだよね。


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その一方で、こういう本が出てくること自体、それらがもはや専門家でさえない“一般人向けの単行本”として発行できる時代に、時が移ったのだということを示しています。

日本だけが半導体工場のノウハウのすべてを持っており、それで経済を支えていた時代に、こういう本が発売されることはなかったでしょう。


この本を楽しむのは、私のような工場に趣味的な興味のある人や、他の種類の工場で働いている人、韓国や中国など他国での工場関係者(そのうち翻訳されるのでは?)などでしょう。

今後たとえ製造技術が新たな段階に入っても、一度ぎりぎりのレベルまで高められた生産現場の仕組みについて学ぶことは、将来の(どこかの国の)生産技術者にとって有意義なことだろうし、ある特定分野の“究極まで完成されたノウハウ”を、こういった形で残しておくこと自体に、大きな意味があると思えます。


このシリーズ、今回新たに自動車工場バージョンが出てました。

関連業界に就職する人にとってもためになるだろうし、“仕事のレベル”がどれほど学生の勉強のレベルと異なるのか、を知るためにもいいシリーズだと思います。金融とかコンサルとか、現場から遠い職場で働く人も一冊は読んどくべきじゃないかな。「ここまでやるわけ?」っていうくらい細かい工夫の積み重ねが、本当に涙ぐましい。

自動車工場のすべて

自動車工場のすべて

<目 次>

第一章 クルマはこうして作られる

第二章 クルマ作りの行程とかんばん

第三章 智恵と工夫が自動車工場を効率化する!

第四章 平準化仕掛けがかんばんを支える!

第五章 運搬にも智恵を働かせる

第六章 ポカヨケは失敗の研究から始まる

第七章 標準作業票のあくなき進化が工場の進化につながる

第八章 トヨタ流自分を高める仕事術

エピローグ 韓国・中国企業はどう変わってきているのか 


ちきりん的には、機械アセンブリー系だけでなく、いろんな工場の仕組みをこういう本で読んでみたい。

上記の2冊を読むだけでも、半導体という製品と自動車という製品がどれほど異なるものか、よくわかります。これらに加え、鉄や化学製品、食品、飲料、クスリなど、それぞれの工場にどれほどの英知が詰まっているのか。考えただけでクラクラするよね。



工場見学に関するガイド本も売れてます。一年にひとつは工場見学に行きたいもんです。

工場見学首都圏 (昭文社ムック)

工場見学首都圏 (昭文社ムック)



工場ラブ!


そんじゃーね!




お知らせ) 寒くなりましたねー。ちきりんぱーそなるでは、ちきりん愛用の電気膝掛けをご紹介しています!

 → “頭寒足熱で超節電!の電気ひざかけだよーん

2012-11-08 アメリカは普通の先進国になるのかしら?

オバマ大統領の再選が決まりました。初の黒人大統領を生み出した 4年前の熱狂と比べると、なんとも渋い勝利でした。

んでもって気の早いちきりんとしては、既に4年後の大統領選が大変に楽しみです。

なぜかというと・・・


ご存じのようにアメリカでは二大政党が政権を取り合っています。その違いは、ざっくり言うとこんな感じです↓


<共和党・Republican>

・保守層が支持 (神が人を作った、中絶反対、家庭教育や道徳教育が大事など)

・小さな政府志向 (減税、規制緩和賛成、社会福祉の充実反対、銃規制反対など)

・支持産業 (農業・畜産業、資源系、軍需産業、その他、歴史の長い産業)

・“アメリカは世界の盟主”的外交姿勢 (中国と世界を分け合うなんてありえない。国連なんてゴミ、他国を助ける必要はない)

・富裕層の支持が大きい

・南部・中央寄りの州で支持が高い(red states 赤い州)

・今回の候補者はロムニー氏で、過去にブッシュ親子や、レーガン、ニクソン、フォード大統領などが出ています。



<民主党・Democrats>

・リベラル層が支持 (中絶や同性婚もあり得る。人種が違う人も平等)

・大きな政府志向 (富裕層増税、社会福祉の充実←国民皆保険は悲願、GMを潰さない!的)

・支持産業 (IT,サービス業、ベンチャー企業など)

・アメリカは強い国であるべきだが、他国との関係も尊重、世界の人権問題にも積極的に口出しする

・庶民層、移民、マイノリティ層の支持が大きい

・カリフォルニアやニューヨークなど都市部、多民族の州(青い州)で支持が高い

・オバマ大統領の他、クリントン、カーター、ケネディ大統領などがでています。


★★★


さて、世界のトレンドとして、基本的に先進国はみんな将来が暗いです。

今までは発展途上国の犠牲の上に自分達だけが豊かな生活を謳歌できたけど、これからはそうはいきません。

大半の先進国はすでに高度成長を終え、低成長時代に入ってしまっています。


低成長時代になると、多くの人が“大きな政府”志向になります。民間セクターの経済が成長しないなら、国が税金で(公共事業や福祉で)経済を活性化すべきと考えるからです。

また、市場から稼ぐより、公務員になったり、補助金や公共事業から収入を得ようと考える人も増えます。

こうした社会主義的な(大きな)政府の行き着く先は、巨額の財政赤字であり、最終的にはギリシャです。

もちろんギリシャだけでなく、ヨーロッパの多くの国も、そして日本もその方向に進んでいます。


この“自然なトレンド”に反することができるのは、

シンガポールのようなものすごい危機感のある国(←意味がわからない方は 『世界をあるいて考えよう!』 をご覧ください)

、それに、生まれた時から市場原理&自己責任の DNA を持っているアメリカだけです。


時々「アメリカでは根付いている寄付文化が、なぜ日本では根付かないのか」という意見を聞きます。

でもね。

アメリカというのは、クリントン氏やオバマ氏のような超支持率の高い大統領がトライしても国民皆保険を導入するのが極めて困難な国です。

オバマ氏が 2年前に通した医療保険改革案については、多くの州が連邦政府を訴え、「国民皆保険は合憲か違憲か」みたいな議論が起っています。


アメリカでは、「困っている人を社会福祉で助けるのはよくない。困ってる人はお金持ちが寄付して助ければいい」と考えるのが多数派です。

つまりアメリカにおける寄付文化とは、「弱者を助けるのは国の役目では泣く、篤志家の慈悲であるべき」という考えの上に成り立っているんです。

これほど“大きな政府がキライ”な国は他にありません。


今そのアメリカが、(相対的には)大きな政府を志向する民主党、オバマ氏を選んでいます。

その上、「市場だけでいいのか?」とかいうサンデルおじさんが人気になったりしています。格差反対のデモまで起きてます。

2008年のリーマンショックによって、アメリカは“too big to fail”=巨大すぎて(世界に迷惑がかかるために)潰せない、とわかった金融業界に「これからは“手錠”をかけてビジネスをするよう」言い渡しました。

これはいわば、資本主義の先端部分を「使用禁止」にする措置でした。


今後も民主党政権が続き、底辺部分も「国が支えるべき」と言い出したなら、アメリカはこれから他の先進国と同じ方向に歩み始めることになります。

「景気が悪くて格差が大きくなったら、政府が弱者を福祉制度で助けてあげるべき」と考える、普通の国になるのです。


もちろん、4年後にアメリカが共和党の候補者を選ぶなら、そこは「やっぱりアメリカ」です。

ここまでも、オバマ(民主党)←ブッシュ(共和党)←クリントン(民主党)←ブッシュパパ(共和党)←レーガン(共和党)←カーター(民主党)てな感じで、政権交代がおこっているので、次が共和党ならそのトレンド通りです。

4年後、「やっぱこのままではアカン! アメリカが普通の国になってしまう!」という危機感を持った人達が、減税、規制緩和、銃規制反対、協調外交破棄といった伝統的なアメリカの価値観を代表する共和党候補をトップに選ぶ可能性は十分にあります。


その一方、もし次も民主党が政権を維持したら、それは「アメリカという国のトレンドの変節点」です。

4年後にふたたび民主党候補が大統領になり、弱者保護や規制強化を進め、大きな政府を目指して富裕層への課税を強化したら = オバマ大統領と併せて 16年もそんな時代が続いたら、

「政府の介入なんて最小化すべきであり、自分の身は(警察ではなく)自分が銃を持って守るべき」だと考える、資本主義ラブで自己責任ラブなアメリカは終わってしまいます。

それは、アメリカが「普通の先進国」になることを意味しています。



アメリカも、いよいよ普通の先進国になってしまうのか、それともアメリカだけは、そうはならないのか。

4年後の大統領選が、めっちゃ楽しみなちきりんでした。


f:id:Chikirin:20150810175729j:image:medium

そんじゃーね


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2012-11-03 家電業界が誇る経営軽視の歴史

シャープ、パナソニック、ソニーと、今は亡き三洋電機に続き、日本を代表する家電メーカーが揃って大変な状況に陥っています。今日は、彼らがここまで落ちてきた歴史について、まとめておきましょう。


1.流通に価格決定権を明け渡し、その状態を放置した

振り返れば家電各社の凋落は、20年以上前、いわゆる量販店に価格決定権を握られ、その状況を長らく放置してきたことから始まっています。

その昔、家電製品の大幅な値引き販売をするダイエーに怒ったパナソニック(当時は松下)が、ダイエーへの商品供給をストップするという事件もありました。けれど全体としては、メーカーは量販店の販売力の巨大さにひれ伏し、主力商品の価格決定権を易々と流通に明け渡してしまいました。

この時から、商品が飛ぶように売れても、そこから厚い利益を得て、次の画期的商品の開発原資とする、というサイクルが回らなくなったのです。


流通に価格決定権を握られないためには、インテルやマイクロソフト、アップルのように“他社と比較されない”商品を作る必要がありました。

当時は、オーディオビジュアル分野ではソニー製品にそうした強みもあったし、ご飯はやっぱりナショナルの炊飯器だと思っている人もたくさんいました。98以来のファンを抱えるNECのパソコンにもロイヤリティの高い顧客が存在していました。

けれど、どの家電メーカーも強い分野に集中してイノベーションを目指すのではなく、“全社が全製品を作る作戦”にでました。みんな、テレビから炊飯器、パソコンから携帯電話、デジカメまで作ろうとしたのです。こうしてすべての商品が供給過多に陥り、メーカーから流通に価格決定権が移行しました。

業績不振の原因はあれこれ取りざたされているけれど、20年も前に価格コントロールを手放し、それを放置してきたことが業界凋落の原点であることは、忘れるべきではないでしょう。



2.“世界一の日本製品”を盲信し、世界を見ようとしなかった

二番目は、商品開発において、ひたすら日本市場だけにフォーカスし続けたということです。販売は世界で行うけれど、開発はあくまで日本市場を念頭に置いていました。

これは自信過剰問題とも言えます。日本の技術はすばらしく、日本メーカーの商品は世界トップレベルである。だから日本で売れるものを作っていれば、それがそのうち世界に拡がるとでも思っていたのでしょう。

結果として彼らの商品ラインアップには、日本でしか売れない高機能家電が大量に溢れました。たしかに当時、海外の人が使っていたノキアのけーたいに比べると、日本のガラケーは圧倒的におしゃれで高機能でした。

けれど、それらが世界で受け入れられることはありませんでした。「世界に受け入れられる商品を作ろう」という意思さえなかったのですから、それも当然のことです。テレビについても同じです。世界で売れ続ける普及品市場は、すべて韓国メーカーに献上しました。


「一番いい商品(=技術的に一番いい商品の意味)を作っているのは自分達だ」という自負を持ちながら、その“一番いい商品”が売れなくなると、業績不振を円高というマクロ政策のせいにし、あからさまにエコポイントという補助金を求め、違法な偽装請負や派遣切りにまで手を出しました。もちろん社員にサービス残業をさせるなんて序の口です。

ここ10年の家電業界は、「政府が悪い、補助金をよこせ」といいながら、自らは身を切る改革を避けまくる農業セクターと、全く同じ様相でした。



3.デジタル化の経営的な意味合いを理解しなかった

情報、通信、AV家電などの分野において、デジタル化が一気に進行し、それについていけなかったことも大きな要因です。

彼らは「技術的にデジタル化についていけなかった」わけではありません。「経営的にデジタル化についていけなかった」のです。

デジタル化の進行で、既存部品を組み合わせれば製品が作れる時代となり、神業的な生産技術に強みのあった日本メーカーの優位性が大きく揺らぎました。にも関わらず、各社も(国も国民も)多くの人が「工場を日本に存続させたい」という無茶な希望を捨てませんでした。

ここ20年、自分の街に工場を誘致(&維持)するために、多大な税金を投入した自治体は数え切れないでしょう。付加価値が低くなりつつあるプロセスを国内に維持することにこだわった、そのすばらしい先見性が今の現状につながっているのです。


VHSとベータという伝説的なデファクトスタンダード争いの経験に拘泥し、「コンテンツを揃えればハードは売れる」という昔話にもこだわり続けました。DVDやブルーレイの自社規格を広めるために、彼らが投入した多大な努力(とコスト)は、どれほど回収できているのでしょう? 3Dのソフトが増えれば3Dテレビが売れると、今でも信じているのでしょうか?

ソフトとハードという枠組みは、誰でもコンテンツを(どころか、アプリケーションを)を作ることができるようになり、ソーシャルなつながり自体がコンテンツとなりえる時代に、大きくその姿を変えました。

今やアップルのみならずアマゾンもグーグルも自社端末を開発しています。“箱”だけを作りますというなら、英語が話せなければ入社できず、40代になれば遠慮無くクビにするサムソンと同じくらい厳しい(えげつない)企業となるか、台湾や中国と同じコストまで従業員の給与を下げるしか方法はありません。


★★★


彼らの凋落の歴史は、

・価格決定権を流通に明け渡し、

・グローバリゼーションを甘く見て、

・デジタル化が技術問題ではなく、ビジネス・経営マターだと認識しなかったことから始まっています。

円高と欧州通貨危機と日中関係の悪化から、ここまで業績が悪くなっているわけではありません。長年にわたる経営軽視の結果が、ここにきて閾値を越えたというだけです。


家電メーカーに限らず日本には、変化に対して常に受け身で、できるだけ避けようとする企業がたくさんあります。変化するのがイヤだから、長年赤字を続ける分野からも撤退しないし、事業ドメインを変えることも拒否します。使えない人を解雇して必要な人を雇うことに至っては、最高裁がダメだと言っています。みんな変化が大嫌いなんです。

それでも世界は否応なく変わっていくので、しかたなくそれに対応しようとするわけですが・・変化する世界に必死で対応しようとする日本企業が、常に変化を起そうとしている世界の企業に、勝てるはずもありません。

経営者にとって変化とは、対応するものではなく、起すものです。「なんとかこの変化の時代を乗り切りたい!」などと考えている企業には、最初から勝ち目などないのです。


そんじゃーね。



こちらもどうぞ

過去関連エントリ → 企業内・国際分業のススメ

2012-11-01 座れる街

最近、街中の道端に座ってる人が多いなあと感じます。ホームレスではなく、ごく普通の人が、椅子でもベンチでもないところに座っているのです。

特に多いのは渋谷のように若者の多い街。屋外にベンチがあるわけではなく、歩道脇の花壇のブロックや、お店の前の階段、ビルとビルの細い隙間にしゃがんでいる人もいます。

若い、その周辺のお店で働いている人や、街に遊びにきた人、スーツ姿のビジネスパーソンなど、人の種類もいろいろです。

スマホとタバコで休憩中という人が多いですが、バーガーやサンドイッチを食べている人、パソコンを開いて作業している人もいます。メモをとりながら、明らかに商用と思える電話をしている人も。


彼らがなぜ道端の、本来は座る場所でもないところに座っているのか、というと、

(1)屋内でタバコが吸えないため、道端に座っている

(2)カフェに入るのは面倒だし、お金もかかるため、道端に座っている

(3)歩行中に電話がかかってきたりメールが来たので、対応している。立ったままだと疲れるので、座っている

(4)コンビニやテイクアウト専用のファストフード店で食べ物を買ったが、食べる場所がないので、その辺に座って食べている

といったところでしょうか。


反対に、高齢者の多い街もみんなよく座っています。こちらはデパート内の椅子や公園のベンチが多いですが、やはり花壇のブロックに座ってる人も。彼らは体力的に長く歩くのが大変で、定期的に座りたくなるのでしょう。かといってイチイチ喫茶店に入るわけにもいかないしね。


こういう風景を見ていると、「もっと街中に無料で座れる場所があればいいのに」と思うのですが、都心だとそういう場所を提供するのもコストに直結するし、民間企業が公道の上に勝手にベンチを置くことはできません。

また、「ベンチがあちこちにある場所」として有名になると、そこで寝る人が(こちらはホームレス)現われます。街の関係者はどこでも、そういう人を集めたくないので、「座れる街」を作りたくありません。


渋谷などでは、「座り込む若者」も風物詩かなと思うと同時に、もっとあちこちに自由に座れる場所があればいいのにと思います。

今のところ街で無料で座れる場所としては、下記のようなタイプの場所があります。


(1)銀座や秋葉原などが休日に行う歩行者天国では、車を封鎖した車道の中央に、パラソルとベンチ、テーブルがでます。食事をしている人も多いですね。ただ、あれだと休日だけだし、「いかにも」という感じです。


(2)丸ノ内の一部の通りは、NYを真似してビルの一階にフリーの座れるスペースを設けています。他の繁華街や目抜き通りでも、こういうのが増えるといいと思います。


(3)コンビニにイートインのカウンターと椅子を設置するところが増えています。これ、韓国ドラマではずっと前から登場していて、「これ便利。日本でも始めて欲しい!」と思っていたら、最近でてきました。なお、韓国ドラマでは店の前に椅子とテーブルを出しているコンビニもよくでてきます。


(4)商用施設の一階ロビーなどに、みんなが座りやすい場所が設計してある。これはとてもありがたいです。ミニイベントが行われることも多く、集客にも一役買っていると思います。


上記のような場所もどんどん増えて欲しいし、それに加え、歩道のあちこちにベンチがあり、休んでるお年寄り、バーガー食べてる親子連れ、一休みしてるリクルートスーツの学生や、電話がかかってきた時にちょっと座って話してる会社員がいる、みたいな、

「座れる街」って、けっこういい感じだと思います。


そんじゃーね。