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Chikirinの日記 RSSフィード

2013-10-28 「ギャンブルって何?」 への反応まとめ

昨日のエントリ「ギャンブルの定義って何?」に関して、様々に反応を頂いたのでまとめておきます。


「お金賭けてれば」ってことは、金融投資や不動産投資も全部ギャンブルってことですね。


不確定要素って、たとえば持ち家を買う時もありますよね、、、


このあたりも「運と実力の寄与割合に依る」という意見かな。


これは「完全に運だけのものに賭けるのはギャンブル」という定義ですね。


いろんな考え方がありますねー。


Problem gambling と Social gamblingなんて、聞いたことなかったです!


保険は仕組みとして同じなのはわかるけど、たとえばがん保険において、高額な保険料を長年にわたって払った後でも、「ガンになって保険金を貰う」より、「ガンにならずに保険金が貰えない」のほうが望ましいと思っている人がいるから、「損した感」が少ないんだろうと思います。それ自体、大きな誤解ですけど・・


ふむふむ


「じゃあ、パチンコは?」と聞くと↓

理屈はわかるけど、法律って虚しい学問よね。あまりに日和見すぎ。


以上でした。


そんじゃーね!


<お知らせ>

ふたつのブログを分離開設しました。


ちきりんセレクト

電気ひざかけの人気ぶりに気を良くして、ちきりんの愛用品を紹介するブログを分離することにしました。当面は、以前に紹介した商品のエントリを転載しますが、少しずつ新しいエントリも加えていく予定です。


将棋の練習記録

将棋の学習・練習記録をつけていくためのブログです。独立ブログを作ったからと言って、すごいやる気になってるとか、そういう話ではありません。誤解のありませんよう。

2013-10-26 ギャンブルって何?

皆さん、「ギャンブルって何?」と問われたら、なんと答えますか?


たとえば、ちょっと考えてみただけでも下記のような定義の仕方がありえます。

1)お金を賭けたらギャンブル

2)論理的に勝てないものに賭けるのがギャンブル

3)レバレッジが大きく、負けた時に深刻な影響がでる賭け方がギャンブル


1)だけがギャンブルの条件だとすると、「賭け麻雀」はギャンブルだけど、賭けなければ単なるゲームです。これだとカジノゲームは全部ギャンブルですが、公営の競馬競輪競艇や、宝くじもギャンブルです。

なお「お金」は「大事なモノ」という意味で使われているので、ここに「命」とか「健康」「家族」「人生」などを置き換えても、ギャンブルの定義は成立すると思われます。


2)は、実力のある人が麻雀やポーカーで賭けるのはギャンブルじゃないけど、実力の無い人が参加するのはギャンブルだという定義です。もしくは、完全に運にしか左右されず、かつ、胴元の取り分が多いようなゲーム(期待値的に絶対に勝てないゲーム)に参加するのは、ギャンブルということになります。これだと宝くじもギャンブルです。

「自分の実力」と、「そのゲームにおける実力の意味(効果)」、そして「ゲームの賞金期待値」を勘案した上で、「勝てる可能性が高い人」の参加はギャンブルではなく、負ける可能性の高い人の参加はギャンブルだという考え方です。


3)は、どんなゲームであれ、かつ、いくら賭けようが、負けた時に痛くもかゆくもない賭け方はギャンブルではない、ということで、たとえば大富豪がバカラ(=運のみで決まるゲーム)に1億円つぎ込んでも、その人の保有資産が数千億円あり、利子だけでも毎年、数億円が増えてるみたいな人であれば、それはギャンブルとは言えない、という考え方です。

この定義の場合、年収400万円の人が、頭金無しで 3000万円のローンを組んで家を買ったら、ギャンブル認定される可能性があります。

一方、老舗企業の三代目ボンボンがいくら競馬や競輪につぎ込んでいても、彼の家がもつ全体の資産額から見ればたいした額じゃないという場合は、ギャンブルではありません。


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<ポーカートーナメントで使われる公式カード>


1)2)3)のどれか一つが定義というより、その組み合わせで定義するのがいいのだろうし、他にも巧い要件定義があるのかもしれません。(イケそうなのがあったら、ツイッターで教えてください)

いずれにせよ、私が今回、明確に理解したことは、「ギャンブルとは・・・」の後に続く文章には、特定のゲームの名前が入るのではなく、ゲームの特性や、プレーヤーのもつ条件などを勘案した「特定の賭け方・遊び方」が入るのだってことです。

だから、「ポーカーというゲームは、ギャンブルとしてやっている人もいれば、そうじゃない人もいる」し、野球やサッカーだって健全なスポーツである一方、勝敗に賭けを絡ませたら(条件によっては)ギャンブルになりうるわけで、「とある遊びがギャンブルか否か」という問いは成り立たないんだなと理解しました。


もうひとつは、「ギャンブル=悪」なのか、ということです。これは、「ギャンブル中毒=悪」とは異なる概念です。ギャンブルに限らず、買い物中毒、甘いもの中毒、ニコチン中毒など、中毒状態になると是非が問われるけど、その行為自体は悪でもなんでもない、ということはたくさんあります。

皆さんは、「ギャンブル=悪」だと思われるでしょうか? 

こういうのって、「モノづくり以外の金儲けは虚業であり、悪である」みたいな概念と関係している気がして、ちょっと面白かったです。


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<公式カードの箱。赤と黒の“いかにも”な配色>


ポーカーのゲームには2種類あります。

1)キャッシュゲーム

2)トーナメント


キャッシュゲームは、マカオやラスベガスのカジノに行けば誰でも参加できるゲームで、お金さえ持ってれば(たとえ負け続けても)いつまでもプレイできます。

そういう場所では、お金を稼ぎに来ている実力のあるプレーヤーと、お金が余ってるんで遊びに来てる“マカオの不動産王”とか、“中国共産党幹部のドラ息子”みたいな人が混じっています。(もちろん、ちょこっとだけ遊びにきた普通の観光客もいます)

キャッシュゲームでお金を稼いで生活している人もポーカープロです。企業がスポンサーする契約プロが世界に数百人しかいないのに対し、キャッシュゲームで食べているポーカープロは世界で数万人いるそうです。


一方、トーナメントは、一定額の参加料を払って参加し、その範囲内だけで勝負します。なので、いくらお金持ちでもチップ(=最初に参加料と引き換えに手に入れる)が無くなったらゲームオーバーです。トーナメントなので、最後には優勝者が決まります。

賞金は、全参加者が払った参加料総額から事務運営費が引かれ、それが上位入賞者に傾斜分配されます。優勝賞金は50万ドル(約5000万円)とか、中には 10億円近い賞金のトーナメントもあるとか。

ただし、こちらに関していえば、お金も大事だけど、勝ったことの名誉が大事なわけで、契約プロになるにもトーナメントで実績を上げないと話になりません。

とあるポーカープロの方は、「今の自分の実力で、キャッシュゲームを中心に稼ぐことにすれば、一年で最低 5000万円、巧く行けば一億円は稼げます。でも、そんなことやってたら実力が下がってしまうので、トーナメントに参加するための軍資金さえ手元にあるなら、キャッシュゲームをやりたいとは思わない」と、おっしゃってました。


★★★


さて、ここでもう一度「ギャンブルの定義」を考えてみてください。みなさんの定義だと、下記 5人のうちギャンブルをやっている人は、何人になるのでしょう?

1) トーナメントで勝つことを目的にポーカーをしているプレーヤー

2) キャッシュゲームで生活費を稼いでいるポーカープレーヤー

3) 娯楽としてキャッシュゲームに参加し、時には一日100万円くらい負けちゃう大富豪

4) 観光ついでにカジノに立ち寄り、ポーカーで10万円くらい、勝ったり負けたりしているプレーヤー(なお、このプレーヤーの奥さんは、夫がポーカーで遊んでる間に近くのブランド店で10万円のハンドバックを買っています)

5) 1人暮らしで、仕事で得た全生活費をポーカーにつぎ込んでいる(ほとんど勝てない)ポーカープレーヤー


そんじゃーね。

2013-10-21 と或るシンクロニシティ <1981年、北海道と青森>

今日は、1981年に北海道と青森県に生まれた、二人の男の子についてのお話です。ここでは、北海道で生まれた男の子をK君、青森県で生まれた子をD君と呼ぶことにします。


K君は小さなころから囲碁や算盤に熱中します。小5で2級となった囲碁では道場に通い、算盤でも北海道大会に出場する腕前となります。高校生になると将棋を始めたほか、週に5日もゲームセンターに通い、メダルゲームやダンスダンスレボリューションに熱中します。

青森で生まれたD君の方は、小学校2年生の時に東京に転校。自宅や友人宅では、当時大ブームとなっていたファミコンでドラクエをやりこみ、そのうち格闘ゲームにはまって毎日のようにゲームセンターに通うようになります。

ふたりとも“ゲーセン”に通い詰めていたとはいえ、ひ弱な少年ではありません。K君は少林寺拳法やバレーボール部でも活動していたし、D君も腕っぷしが強く、学校ではガキ大将でした。


★★★


異なるタイミングではあるけれど、ふたりは学校の仕組みに割り切れないものを感じます。


D君は中学校でも高校でも、先生に言われる「試験前なんだから勉強しろ」という言葉に反発します。

「試験前だから勉強しろということは、勉強の目的は試験でいい点をとることなのか?」

「試験前じゃなければ、勉強しなくてもいいのか?」

「いったい勉強って何のためにやるもんなんだ? 試験のためなのか?」


K君の方は大学に入って2年目、第二外国語である中国語の単位を落として留年します。大学入学当時、物理の研究者を目指していたK君は思います。

「自分は研究がしたいのに、第二外国語の単位を取らないと先に進めないというのは、なんとも本質を無視している」

「自分が研究者になろうと頑張るにあたり、中国語は本質的に不要だ。なのに大学では、それを落とすと前に進めない仕組みになっている」

「2回目の2年生の時は中国語の授業にでる以外、大学に行く必要がなかった。だから必然的に麻雀にのめり込むことになった」


★★★

もう二人とも大人なので、敬称を「君」から「氏」に変えましょう。


中国語を落として“必然的に”(?)麻雀にのめり込んだK氏は、その後、誘われるままにバックギャモン、ポーカーへと興味を移していきます。特にハマりこんだポーカーでは、半年ほどで相当の腕前となり、1年後にはラスベガスのカジノに、稼ぎにでかけるほどとなります。

一方のD氏は格闘ゲーム一本に集中し、なんと 17歳で世界一となります。その後も順調に勝ち続け、23歳の時に世界大会で魅せた世紀の逆転劇の動画は、これまでに2000万回も再生されるほどの人気となり、世界のトッププレーヤーとして、その名声と地位を固めます。

時を同じくして二十歳前後から、K氏はラスベガス、D氏はロサンジェルスと、いずれもアメリカ西海岸において、世界の舞台における勝負を始めていたのです。


★★★


D氏はK氏より先に「世界のトッププロ」となっていますが、D氏にはその後に「迷いの季節」が訪れています。一時期は麻雀のプロを目指したり、介護の世界で働いた後、ゲームの世界に復帰し、現在も格闘ゲームの世界におけるトッププロとして戦い続けています。

K氏の方は勝負の楽しさを教えてくれた高校と、東京の予備校でのレベルの高い授業にワクワクし、順調に勉強を重ね、物理の研究者となることを夢見て一流大学に合格したのに、上記に書いたような事情により、大学に行かなくなってしまいます。そして、最終的には休学を続けていた大学を10年かけて卒業し、ポーカープロを目指すと決めたのです。


“思考と練習”を繰り返し、信じられないほどストイックに“誰にも負けないだけの練習”を積み重ねる両氏は、それぞれの分野における世界的な大会で実績を残し、相次いで日本人初の契約プロとなります。スポンサー企業はいずれも海外の企業です。具体的には、

2009年、世界で最も権威あるゲーム大会 EVOにおいて、格闘ゲームで優勝したD氏は、その翌年、アメリカ企業と契約を結び、日本人初のプロ・格闘ゲーマーとなっています。

その2年後、世界で最も権威あるポーカーの大会である WSOPのサイドゲームにおいて、日本人として初めて優勝したK氏は、欧州企業と契約を結んで日本人初の契約ポーカープロとなっているのです。


★★★


ふたりは今、プロゲーマーとして世界の頂点を目指しつつ、自分たちの職業や、それぞれのゲームについて多くの人たちに知ってもらいたいと、驚くほど精力的に活動しています。

ふたりとも一年に何冊も本を出し、数えきれないほどのメディアの取材に応じ、ゲームの世界の外にいる人たちに向けて、多大なエネルギーを注いで情報発信をしているのです。


その根底にある、二人の問題意識も似通っています。それは、

1)自分が職業としているゲームの世界は、日本ではまったく理解されていない

2)そのイメージを変えるために、自分こそが積極的に発信し続けなければならない

3)「プロの格闘ゲーム家です」「ポーカープロです」と自己紹介した時、日本でも多くの人に、「すごいですね!」と言ってもらえるようになりたい

というものです。

このあたりに関する二人の考えは、聞いていてびっくりするほど似ています。


★★★


さて、ふたりが生まれる1981年のずうっと前、関西でひとりの女の子が生まれました。名前をCさんとしておきましょう。

小さな時から文章を書くことが好きだったCさんは、或る時、ネット上に匿名でブログを書き始めます。数年後、そのブログは人気が高まり、数多くの人が読むようになりました。


2013年の始め、Cさんは仲介者を通して、D氏から対談の申し込みを受けます。対談とはいっても、実質的にはCさんがD氏にアレコレ質問をするインタビューです。

その席でD氏は、Cさんに切々と訴えます。

「日本では、ゲームなんてまともな大人の職業にはなりえないと思われている。たかがゲームだと思われていて、こんなものをいくらやっても意味がないと思われてる。でも、自分のやってきたことはそれだけじゃない。格闘ゲームは人と人との勝負だし、考え続けないと強くなることはできない。ぜひ多くの人にそのことを理解してほしい」


その数か月後、CさんはK氏からも「ぜひ、ポーカーについても取材してほしい」と依頼を受けます。

取材の席でK氏は切々と訴えます。

「日本ではポーカーなんてギャンブルで、まともな大人のやる職業だとは思われていません。でも、ポーカーはそれだけじゃない。ポーカーは人と人の勝負だし、頭脳ゲームなんです。そこで学べることは、人生にもビジネスにも活かせる。ぜひ多くの人にそのことを理解してほしい」


★★★


1981年に北海道と青森で始まった二人の人生のシンクロニシティは、2013年「Chikirinの日記」での交わりを経て、この先どこまで続いていくのでしょう?


木原直哉 日本人初の契約ポーカープロ 1981年 北海道生まれ

運と実力の間 不完全情報ゲームの制し方

運と実力の間 不完全情報ゲームの制し方


梅原大吾 日本人初のプロ格闘ゲーマー 1981年 青森県生まれ

勝ち続ける意志力 (小学館101新書)

勝ち続ける意志力 (小学館101新書)



そんじゃーね

2013-10-18 高齢化時代の災害避難の在り方

先日の大型台風26号で、伊豆大島に大きな被害が出ました。

記録的な大雨で大規模な土石流が発生。ふたつの集落( 300棟もの家屋!?)が飲み込まれ、死者が 20人を超え、行方不明もまだ 20人以上という惨状。

そして今、問題になっているのが、大島町に避難勧告や避難指示が出ていなかったということ。


なんだけど、最近あたしはこの「避難勧告」や「避難指示」について、すごい疑問に思ってる。

というのも、そういうのがでるタイミングって、すでにその地域ではかなりの暴風、暴雨が始まってる。

しかも、それらが出されるエリアは山間いや川のスグ側という地域も多く、住んでるのは高齢者ばっかりだったりする。当然、川も増水してる。

たとえ避難指示や勧告が出ていても、(しかも真夜中だったり、真冬だったりもするのに)高齢者が単身で、もしくは高齢者だけで避難するなんて、現実的なんだろうか?


高齢者の中には、普段から歩くのに杖や歩行補助具が必要な人も多いし、台風でもなんでもない晴天の日にコロんで骨折した・・みたいな人もたくさんいる。

以前、大きな台風に襲われた和歌山県の新宮市を取材で訪れたけど、ああいう山間いに住む人たちが大雨の中、「避難指示がでたから、避難しよう」と普通に考えるとはとても思えない。


てか、避難する方がいいとさえ言い切れない。

避難指示が出たって、土砂崩れが起こるか起こらないかはわからない(てか、起こらない可能性のほうが高い)。その一方、そんな暴風の時に外に出たら「必ず転ぶ」という人がたくさんいるんだから。


川が氾濫しそうな時もよく避難勧告が出てるけど、家が床上浸水したって死なないでしょ。だけど、お年寄りが外に出て、風に煽られ、滑って転んで後頭部を打ったら死んじゃうんだよ。どっちが危ないか、よーく考えようって感じです。


気象庁は最近、「これまでに経験のないような大雨」とか「ただちに命を守る行動を」と、相当に言葉に工夫して、人命を守ろうとしてる。それは評価できる。

なんだけど、高齢化が進むこれからは、自治体の防災担当者側も今までにない発想が必要なんじゃないかと思った。


たとえば、

台風が来るとわかった時点(たいてい二日前くらいから天気図でわかってるじゃん)で、マイクロバスを出し、危ない地域に住んでる高齢者は全員、公民館に移してしまう。(自分たちで避難できる若い人は除く)

もしくは、すぐ裏手が山になってる高齢者の家には、頑丈な鉄製の箱(前面だけ格子みたいな箱)を押入れの下段にセットしておく。普段は押入れとして使い、大雨の日には、その中に入っててもらうとかね。

家が土砂に押しつぶされても二階が落ちてきても、体を守る空間さえ確保できればケガもしないし、土砂の下でも呼吸ができる空間で救助を待てる。これなら台風の日に外に逃げる必要もない。


実はすでにそういう発想(というか商品)もあるんですよ。

これは耐震シェルターですが、→<アップルホームの安全ボックス>、山沿いに済む高齢者の家なんて、一部屋をコレに改造して、大雨が降り始めたらその部屋にいる、という避難方法の方が現実的では? 

土砂崩れで家が崩れても、このボックスの部屋にいれば命は大丈夫、みたいな感じで。


いや、具体的な方法は専門家が考えればいいんだけど、

これから益々高齢化が進むのに、いまさら「もっと早く指示をだせよ」とか非難しても意味なくない?

暴風が吹き始めてから杖ついてひとりで避難しろとか、無理だよ。


みんな自分のこととして考えてみてよ。足腰が弱ってきて、杖なしで歩けなくなってる段階で、「記録的大雨です。避難指示がでました」って言われて、杖ついてカッパ来て、嵐の中に出ていこうと思う??

自分は元気でも、家族に寝たきりや車いすの人がいたら、そんなタイミングで避難なんてできないでしょ。都会の若者とは違うんだよ。


だから、「避難指示を出す」に代わる、なんらかもうちょっと実質的な命の守り方を、山間いの村を抱える自治体は、智恵を集めて考えたほうがいい。

たしかに今回は、大島町の対応にも問題があったのかもしれない。台風が来ることは前日からわかってたのに、町長も副町長も出張してたって何なの? そんな大事な用事があるの? とかね。説明責任が必要な部分は確かにあるでしょう。

とはいえ、このままマスコミが「大島町は早めに避難指示を出さなかった!」みたいな議論や非難を続け、今後あちこちの自治体が数時間ほど早めに指示を出すようになったとしても、それが問題の解決につながるとは正直あまり思えない。

そんな不毛なプレッシャーをかけるより、もっと現実に即した、それこそ「命を守るための解決策」を、みんなで考えるべきだと思います。


そんじゃーね


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2013-10-15 「生産性の概念の欠如」がたぶんもっとも深刻

長く働いていた外資系(アメリカ系)の会社を辞めてほぼ3年。ほんとーに英語を使わなくなった。

「日本って、こんなに英語が不要な社会だったんだ」というのは、新鮮な驚きではあったけど、それはそれで「まあ、いいんじゃないの」とも思ってる。

だって今どき母語だけで暮らしていけるなんて、すごく恵まれた国だってことだもん。

「英語が話せない人なんて、まともな仕事にはつけませんよ」みたいな小国と比べて、平和で呑気でいい感じ。

けど、ここ3年、どっぷり日本社会に浸ってみて感じるもうひとつの欠如については、「これはちょっと深刻な問題だしょう」と思ってる。


それは・・・「生産性の概念の欠如」です。


日本って「生産性」という概念があるのは、工場の中だけなんじゃないの? 

それ以外のところ、メディアにも公的部門にも、さらには民間企業のホワイトカラー(管理)部門から営業まですべてにわたり、

「この人たち、もしかして生産性っていう概念を全く持たずに働いてる?」

と思えて、びっくりさせられたことが(過去3年間の間に)何度もあった。


最初は「あたしが会ってる人がタマタマそうなの?」とも思ったけど、最近は(あまりに皆がそうなので)「もしかして日本って、工場(製造部門)以外には、ほんとーに、そういう概念がないのかも」と思えてきた。


びっくりだ。


たとえば、朝からずっと一生懸命、仕事をしてる(つもり)

で、夕方5時になる。

もちろんその段階では、「いまいちなものしか、できあがっていない」


なので、5時から、当然のように「頑張る」

夜の9時になる

でも、もうちょっと「頑張ったら」、もうちょっとよくなるんじゃないかと思える。


なので、夜の9時から、当然のように「頑張る」

ふと時計を見ると、夜中の12時を過ぎている。

「はっ!」と思って、頑張るのをやめて、終わりにする


こういう仕事の仕方をしてる人が多過ぎです。


しかも、その翌日とかに、「昨日、夜中までかかって仕上げた仕事を、残業せずに夕方5時までに終わらせようと思ったら、どういう方法がありえたんだろう?」とかいう、振り返りを全くやらないんだよね。

だから、いつまでも(何十年も!)改善しない。ってか、「生産性ってそうやって上げていくものなんだ」ってこと自体を知らないんじゃないかと思える。

もっといえば、長いこと働いたことによって、“よく頑張ったなオレ”的な達成感まで得てるんじゃないかと思えて、あまりの常識の違いに愕然とする。


たとえば(日本で唯一、生産性という概念が根付いてる)製造部門だと、「コストを3%下げる」っていう目標と、「コストを3割下げる」っていう目標を定常的に組み合わせて生産性を上げていく。

3%の方はこまごました改善の積み重ねで達成し、3割下げるほうは、設計思想とか組み立て工程を抜本的に見直したり、調達先を国内から海外に移す、もしくは、系列以外からも調達するとか、どーんと発想を変えることで実現する。

そういうことを、ずううううううっと繰り返して、生産性を上げる工夫を続けてる。


でもホワイトカラー部門って、あまりにこの発想がない。

「今日、8時間かかった仕事を、5時間で終わらせるにはどうすればいいか」って、ちゃんと考えたり、部門内でみんなで話し合ったり、実際に新しい方法でやってみて生産性を比べてみたり、してます?

とても、してるようには見えない人&会社が多すぎる。(これは一例に過ぎないけど、出版とかメディアの業界もひどいよね。

ここ3年、それなりの数の人に会ったけど、生産性概念をもってる人って皆無に近い気がする)


本当はホワイトカラー部門だって、「労働時間を3%短くするには、やり方をどう変えればいいか?」、「3割少ない時間で、今と同じ成果に達するには、どんな方法を取り入れればいいか」と継続的に問わなくちゃいけない。

定期的に目標を掲げ、それを達成するための方法を部門全体で話し合い、やってみて、ダメだったら改善して、工夫して・・・そういう地道なプロセス無しに生産性の上がる組織(&人)なんて、ないんだってば。

反対に、そういう努力をすれば確実に生産性は上がるし、余った時間はよりクリエィティブな仕事や、個人の時間に回せる。そうしてこそイノベーションが生まれ、そうしてこそワークライフバランスが可能になる。


それなのに、そういう試みを全くやったことさえなく、30歳になっても40歳になっても、「まだできてないんで、もうちょっと頑張ります」みたいな人ばっかり。

これにはほんとーに驚かされる。


外資系(アメリカ系というべきかも)の企業で、「3時間長く働いて、3時間分、成果の完成度が上がりました」みたいなことを評価してくれる会社はないと思うんだよね。

たとえホワイトカラーでも、管理部門でも、もちろん、少々クリエィティビティが問われる仕事でも、「生産性」は常にものすごく意識されてる。

個人も部門も、「去年より今年は、どう生産性が高まったんだ?」と、毎年、当然のように問われる。



日本の社会って、長時間労働がよくないと言う人は多いけど、生産性を上げずして労働時間を減らせるわけないじゃん。

だって、「生産性を上げずして、労働時間を減らす」=「給与が減る」ってことだから。もしくは、企業の側から見れば、「生産性を上げずして、労働時間を減らす」=「売上げが減る」だからね。


だから、会社側に加え働いてる側にも「労働時間が減ったら困る」みたいな感覚がある。「残業代でローンと教育費を払ってます。なので、労働時間、短くなるの困ります」って・・・。

そこには、「働く時間を2割減らして、生産性を4割向上して、仕事時間は短くなったけど、より高い成果をだし、より儲かるようになったから、給与も増えた」という状態を目指すべきなのだという概念が、(たぶん最初から全然)無い。


前に、「将来有望な若者の将来価値が、大企業に入ることで毀損される」というエントリを書きました。

具体的に何が毀損されるのかという点に関しては、スピードとか意思決定プロセスとかいろいろあるんだけど、その根幹には「生産性概念を身につけられない会社が多すぎる」という問題がある。

40歳くらいになって、まだ一度も、「この前と同じレベルの成果を出すのに、次は前回より3割、かかる時間を減らすには、どんな方法があるんだろう?」と考えたことのないような人は、まじで「それはとてもヤバい状態なのだ」と理解したほうがいいですよ。


結論を書いておきましょう。

生産性を上げる以外に、給与を上げる方法はありません。

もちろん、

生産性を上げる以外に、国が、企業が、家計が、より豊かになる方法もありません。

生産性を上げずにポケットの中のお金を増やす方法は、「より長い時間働く」ことだけなんです。それでは「豊か」になれないでしょ。それじゃあ単なる「ブラック環境への道」以外のなんでもないじゃん。


そして、さらにもうひとつ大事なコト。

生産性を上げる以外に、自分の人生を自分の手に取り戻す方法はないんです。


わかってる?


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そんじゃーね



<過去関連エントリ>

・「将来有望な若者の将来価値を毀損する、“大企業で働くということ”

・「摩擦回避か生産性重視か。コミュニケーションのトレードオフ

・「インプットの最小化がその答え

・「成長=昨日より今日の生産性を上げること

・「インプットか、それともアウトプットか



追記)


あとこの意見↓、複数いただきました。個人生活における生産性については後日、書きます。こっちも全く同じことが起こってると思う。



http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/  http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/

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2013-10-11 アメリカの革新性&超保守性

先日、『クラウドソーシングの衝撃』の著者である、比嘉邦彦東工大教授&井川甲作氏とお話する機会がありました。その際に教えてもらったのが、アメリカの政府各省庁が発注者として使っているクラウド・ソーシングのポータルサイト、“チャレンジ・ガバメント”です。


下記がそのトップページで、「政府と国民みんなで問題解決をしよう!」って感じになってます。

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アドバンストサーチでは、発注省庁別に検索ができ、

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問題解決のタイプ別でも検索が可能

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発注予算も100万円から10億円以上のモノまでいろいろ(発注額でもソートできます)で、実際に報酬が支払われた記録もあります。


これって一言でいえば、

「政府による、民間セクターへの、問題解決のアウトソーシング」、もしくは

「政府による、問題解決策の市場調達」なわけで、

こういうのがホントに機能してるというのは、ちょっとした驚きでした。


でも確かに、たとえば文部省が「小学生の計算能力を上げるにはどうすればいいか。アイデアと、最低2校でプロトタイププロジェクトの実施ができる団体を募集」といった感じでアウトソースをかけ、教育NPOがそれを受注して問題解決に取り組む・・・みたいなのが実現したら、あちこちの分野で使えそうだよね。


★★★


今回聞いた話では、アメリカでもクラウド・ソーシングは2004年から2006年あたりにいったん大きく盛り上がった後、大企業があまり使わなかったために流行らず、ちょっくら下火になってたとのこと。

それが、2010年の3月にオバマ氏が「政府もクラウド・ソーシングを積極的に使え!」と声明を出してから一気に市場が拡大。いまや多くの大企業が使い始めてる


ふむー。

オバマ氏、やっぱすごいじゃん!


て感じでしょ。民間大企業がまだクラウド・ソーシングを使い始めてない段階で、政府に「コレ使え!」と号令をかけるアメリカ大統領の大胆さ、革新性にはホント、びっくりしちゃいます。


ちきりんは以前、「福島の事故処理に世界の知恵を!」というエントリを書いているわけですが、上記を見て、「経済産業省がアメリカ政府を通して、このサイト(チャレンジ・ガバメント)に、福島からの発注を出させてもらえばいいんじゃん?」と思いました。

今のところ、“チャレンジ・ガバメント”は海外の政府にオープンにされてるサイトではないけど、福島なら話は別でしょう。「この問題の解決のために世界の英知を調達したい、ぜひ、そのサイトに掲載させてほしい」って、お願いしてみる価値はあると思うけど?

今の福島の状況って、「汚染水が海に流れ込まないよう凍土壁を作ってくれる業者を募集」みたいな公募を、日本語で出してるだけで済む状態とはとても思えない。ねっ、だからさ、オバマさんに聞いてみようよ!



えっ? オバマ氏は今、忙しくてそれどころじゃないって?


あー、確かにそうなんですよね。

今、アメリカでは共和党が「国民皆保険なんてとんでもない。オバマケア止めれ。そうじゃないと、債務上限を引き上げないぞ。米国債をデフォルトさせるぞ」と脅しをかけていて、オバマ氏はその対応に大ワラワ状態なんです。

それにしても「全国民に医療保険を!」という主張に、ここまで強硬に反対する共和党って、どうなのよ?

ほんと、わけわからんよね、アメリカの超保守主義って。。


でも、今はその余波を受け、アメリカではいろんな政府機関が(予算がなくて)一時閉鎖してる。(この辺もアメリカ的っていうか、日本だったら給与遅延でも公務員はみんな働きそうな気がするけど)

と思ってよく見たら、なんと“チャレンジ・ガバメント”のトップラインにも、こんな注意書きが・・

Due to the government shutdown, information on this website may not be up to date. For information about available government services, visit USA.gov.


これを見てあたしは思ったよ。

これだからアメリカには二大政党政治が成り立つんだなって。

1)「全国民に医療保険を!」と唱え、「政府機関はもっと積極的にクラウド・ソーシングを使え! 問題解決策は市場から調達せよ!」と唱える民主党オバマ氏の革新性と、


2)「国や企業の予算で全国民に医療保険を与える必要なんてないだろ。んなもん、自己責任なんだから。どうしてもやるというなら、アメリカの国債をデフォルトさせるぞ!」と脅す超保守勢力の共和党

二大政党制が成り立つためには、これくらい掛け離れたふたつの意見が併存する必要があるんだよね。そして“チャレンジ・ガバメント”のトップページは、そのふたつの勢力が同居してる今のアメリカの状況を象徴してる↓

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日本みたいに、大半の人が「頑張った人が報われるべきだよね。でも弱者保護も大事だよね」なんていってるような状態では、二大政党制なんてありえないのだと。


よーくわかりました。


そんじゃーね



<過去関連エントリ>

・「アメリカの共和党と民主党の基本的な違いを知らない方向けのエントリです

・「アメリカの債務上限問題のあほらしさについて

・「クラウドソーシングによる研究開発策の市場調達について

・「クラウドソーシングに関するオバマ氏の選択について

・「日本の二大政党制の成立に必要なものとは

2013-10-08 オンライン to オフライン (O2O)

物語の始まりは、とある企業を取材で訪問したことでした

取材後しばらくして、その企業の若手スタッフからメールが届く

「ランサーズという会社で働いてる友人が、ちきりんさんに会いたいと言ってます」

ちきりん 「ほいほい!」

遊びに行ってみた!

 → 「ランサーズ訪問!


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ランサーズで話をきいてみたところ・・

「めっちゃ面白い! クラウドソーシングについてもっと勉強したい!」

ランサーズのビジネス開発部の方 

「それならこの本がいいと思います」

キンドル版はこちら

ちきりん 「さんきゅー!」

本を読む

「すげー! 衝撃!!


しかも、この本に出てくる Gengoって会社、めちゃおもしろい! 」

ブログで Gengo を紹介 → 「個人にとってのクラウドソーシング

Gengoの製品開発担当者の方からメール 

「ご紹介ありがとうございます。ぜひ、我が社にも遊びにきてください」

ちきりん 「ほいほい!」

ブログ書く 

→ 「 Gengo 訪問!


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紹介された本が余りにおもしろかったので、何度もブログで紹介

企業の競争力を左右する新しい労働力調達市場

(ちきりん的には “2013年 Best2” に入る本です)

本の著者から連絡が届く 

「本を紹介して頂き、ありがとうございます。ぜひお礼を」

ちきりん 「ほいほい!」

憧れの東工大!!

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(田町だけど)

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『クラウドソーシングの衝撃』共著者の比嘉邦彦東工大教授(左)と井川甲作氏

話の中身は次回エントリにて



以上が“ビジネスルート”で、あと“勝負師ルート”も続いてる。

これがホントの online to offline (O2O)


上記だけでも、今まで全く接点のなかった6人の方と新たに知り合うことができ、これから私たちの住む世界がどんな方向に向かっていくのか、じっくりとお話を伺うことができました。

しかもどの方とも、初めて会ったとは思えないくらい最初から自然にお話ができました。それもたぶん、事前にお互いのことをネット上で知ってたからだと思う。


ソーシャル時代、恐るべし・・


そんじゃーね

2013-10-06 お受験に効くちきりん本

みなさん、ご存じないかもしれませんけど、ちきりんの文章は大学入試、高校入試、専門学校の学内テストなどによく使われてるんですよ。

なんたって平易で読みやすく、論理的な文章が多いですからねっ!


ほら見て。「ちきりん先生」だって!

「匿名では信用が得られない」とか、寝とぼけたコト言ってんのはどこの誰?

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試験に出た文章は・・

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この本ですね!

社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう! (だいわ文庫)
ちきりん
大和書房
売り上げランキング: 194,521


→ Kindle 版

→ 楽天ブックス


設問になっているのは、「なぜビルマのタクシーは、ちきりんさんがお金を払うと言っても乗せてくれなかったのか」など。

そうね。確かにそのあたり、とっても大事。読解力が問われるいい設問だと思いました。


★★★


こちらは、かの有名な!

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ちきりんの文章が穴埋め問題になってます。本を読んでた受験生ならスラスラ解けますねー。これ以外にもたくさんの設問があり、配点もかなり大きそう。

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使われたのは下記。

平易な文章と身近かつ豊富な事例で基礎的な論理思考が学べるこの本は、複数の大学の授業にて、教材として使用されています。

お受験にはもちろん、論理思考スキルを学びたい高校生、大学生あたりにもぜひ読んでほしいな。

自分のアタマで考えよう
ちきりん
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 2,304


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★★★


書籍だけじゃありません。実はブログからも直接、学校の試験問題が作られてるんです。

ビジネス概論の問題↓

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使われた元エントリはこれ


第一問がコレ。回答用の選択肢の作り方が巧いですね。答えは「入場チケットを買ったから」かな? (←違う、それは超会議だ。。)

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以下追記)

2016年の 3月にも、慶應義塾大学と成蹊大学の入試にて、ちきりんの著作(二冊、それぞれ別の本)からの出題がありました。

まずはこちら

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小論文の問題だけあって、かなーり頭を使わされる問題です。

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出題は『世界を歩いて考えよう!』から。この本はグローバル感覚を問いたい大学から特に好まれており、これからも出題が続く可能性があります。

社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう! (だいわ文庫)
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成蹊大学の国語の問題は、

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新刊からですね!

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こちらの本は、「ビジネス書大賞 2016」や「ハーバードビジネスレビュー読者が選ぶベスト経営書 2015」にも選ばれています。


→ Kindle 版

→ 楽天ブックス


設問も多く配点も高そうだし、

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問い 6なんて、かなり難しい

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ちきりん本はなぜこんなに入試に使われるのかって?

ひとつは文章がわかりやすいから。そして論理構成が問える内容だからでしょう。

受験に使われるということは、18歳にも読める平易な文でありながら、かつ、読解力があれば読める=読解力の有無を問える、文章じゃないとダメなので。


それと私の本には「知識を得るための文章」ではなく、「読んで考えさせるための文章、考えるきっかけとなる文章」が多いというのもあるかな。

だから知識ではなく思考力や読解力を問いたい大学入試では、特に使われやすい。

また、大学受験に使われた本は(対策のため)高校生が読むようになるので、大学の先生が「これは高校生に読ませたい」と思われた本も選ばれやすいのだと思います。


というわけで、お受験を控えるお子さんをお持ちの親御さんは、ちきりん本をさりげなく本棚に並べたり、お子様にプレゼントされるとよいかもしれません。

→ ちきりんの著作についてはこちらにまとめてあります


そして、次の目標は教科書に載ることと、夏休みの課題図書になることです!

おほほほほー


間違えた・・・

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そんじゃーね!


http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/  http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/

2013-10-03 「ユニバーサルサービス」こそ、イノベーションとクリエイションの源

「ユニバーサルサービス」という言葉をご存知でしょうか。とある分野ではあたかも常識のように頻繁に使われますが、そんなの聞いたことがないという人も多いはず。

これは、「すべての人に均一の条件でサービスを提供する」という概念で、水道や電気、郵便や通信など、公共インフラ分野で使われる言葉です。


民間企業がサービスを提供する場合、人口密集地である都市部からビジネスをスタートさせますよね。たとえばコンビニだって、都市部には何店舗も出店するけど、人口の少ない地域だと、駅前にさえありません。

一方、郵便局は日本中どこにでもあるし、水道や電気もどこでも使用できます。しかも、その値段はほぼ全国均一です。

本来は過疎地のポストに集荷に行くのは、都会の郵便集荷に比べ何倍もコストがかかります。なのに、日本中どこでも封書は一律80円、はがきは50円であり、集荷サイクルにも極端な違いはありません。

当然、その部分の赤字は、他地域での収益、もしくは、税金で補填することになります。


最近は宅急便も日本全国津々浦々まで届けられますが、それでも離島などは特別料金です。一方、ゆうパックには離島料金の設定さえありません。東京都内であれば、多摩地区に送るのも離島に送るのも同じ値段なのです。

こういうのを「ユニバーサルサービス」と呼び、公的機能の民営化の時には必ず「これが維持できるのかどうか」、という点が問題になります。「民営化したら、ユニバーサルサービスが維持できない。だから反対」って感じです。


★★★


なんでこんなことを書いているかというと、先日、Gengoを訪問した時に、


・少額課金に paypalが使えるようになり、

・採用に Facebookや LinkedInが使えるようになり、

・宣伝に各種 SNSが使えるようになり、

・翻訳者たちがスマホで隙間時間に仕事ができるようになり、

と、いろんなことがあって、Gengoのようなサービスが可能になった。


そしてその Gengoもまた、「誰でも気軽に他言語&多言語で発信できるインフラを提供したい。そうすれば、そこから新たな展開やビジネスが生まれてくるはずだから。僕たちはそれを目指してる」、と言われたからです。

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<Founder/CEOのロバート・ラング氏>

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(「様々な分野で移動や交流の障壁が無くなりつつある」の図。 資料提供 Gengo、資料は2013年7月時点のもの)


その時に思い出したのが、先日観た堀江貴文さんのスピーチ。題して“Space will be the place for everyone”でした。

この動画、最後の「失敗を恐れるな。んなモンたいしたことないんだ。失敗したら、また改善してやり直せばいいだけ」というメッセージが本当にすばらしいのですが、もうひとつ印象に残ったのが、このスピーチのタイトルそのままのメッセージでした。


D

(必見!)


このスピーチの中で堀江さんは、「とにかく安く宇宙に行ける方法を開発したい。費用を安くして誰でも行けるようになれば、すごくおもしろいことが起こるはず」とおっしゃっています。

これを聞いて、「ほんとにそーだ!」と思いました。


インターネットだってブログだって SNSだって youtubeだって、多くの人が使い始めたことによって、どんどん新しい発想や用途、さらに新たな才能やビジネスが現れて、めっちゃおもしろいことが起こっています。

それらを使用するためのコストが高すぎたり、使うのに高い専門技術が必要だと(=誰でも簡単に利用できないと)、少数の特別な人だけがその用途を考えるので、たいしておもしろいことが起こらないのです。

ところが、価格や技術障壁が下がり、誰にでも利用できる状態になったとたんに、わけのわからん人も含めて世界中の人がそれを使いはじめる。すると、これまで誰も想像していなかったような画期的なアイデアを持ち込む人が現れ、次のブレークスルーやイノベーションにつながっていくのです。

「だから、誰でも宇宙に行ける格安の手段を開発したいんだ」という堀江さんの主張には、大きなインパクトがありました。


私たちは投資をする時、「この投資はどういう形で回収できるのか」と考えます。特に多大な資金、多大なエネルギー(人の時間)を投入する際には、「それに見合う結果が本当に得られるのか?」と真剣に考え、その結果が見えないと、投資を辞めてしまうこともあります。

でも、Gengoの翻訳も堀江さんのロケット打ち上げも、そうではありません。みんなが気軽に多言語翻訳を利用できたら何が起こるのか、誰でも宇宙に行けるようになれば何が起こるのか、そんなことが最初から見えている必要もないし、見えているはずもない。

とにかく「誰でも使える状態」にさえもっていけば、あとは放っておいても、めちゃくちゃおもろいことが起こるはず!


堀江さんのスピーチと、Gengoのインタビューが私のアタマの中でつながって、ピコーンと電球がつきました。「そうか、もともとユニバーサルサービスって、こういう意味だったんだ!」と。

「どんな地方でも、電気も水道も公教育も通信も利用できる。だからすべての人にチャンスがある!」というのが、ユニバーサルサービスの本来の意味だったんです。

でも地方の衰退に伴い、いつのまにかその言葉は、「不公平だから、赤字の地域でも維持すべきサービス」とか「採算の取れない地域でも、都会の収益や税金によって維持すべきサービス」という、後ろ向きな概念と結びついてしまった。


そういえば徳島県の山村に、東京のIT関連企業が次々とサテライトオフィスを開いているらしい。(参考:「IT企業が惹きつけられる街 徳島県神山町」 誰でも使えるインフラがあるからこそ、アイデア次第で地方でも都会と勝負できる。

これなんてまさに、「誰でも宇宙に行けるようになれば」「誰でも多言語で発信できるようになれば」と同じ例ですよね。「どこであれネットさえつながるならば」という世界です。


「ユニバーサルサービス」という、本来すばらしくポジティブな言葉を、「赤字だけど維持しないといけないサービス」みたいな後ろ向きな意味で使うのは、もうやめたい。

そうではなく、「誰でもどこでも使えるようになると、めっちゃおもしろいことが起こり、イノベーションが爆発する!、そういうサービスのことをユニバーサルサービスって呼ぶんですよ」と、定義しなおしたほうがいい。

っていうか、これこそが「イノベーションとクリエイションの源」なのかもね、と思ったです。


そんじゃーね

2013-10-01 GENGO 訪問!

以前、クラウドソーシングの特集エントリでもちょこっと紹介した、Gengoというベンチャー企業を訪問しました。

増資を終えて引っ越したばかりのオフィスには、日本人以外のスタッフがいっぱい! 渋谷のベンチャー企業としてはかなり異色な雰囲気です。私も久しぶりに英語でインタビューすることになり、けっこうオヨヨな状況でした(←オヨヨ古すぎ)。


<全体ミーティングの様子。渋谷とは思えないインターナショナルな雰囲気>

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今回、お会いしたのはFounder/CEOのロバート・ラング氏(右)と製品開発責任者の徳生裕人さんです。

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徳生さんが「彼女は超人気ブロガーで、取材してもらえるなんてスゴイことなんだ!」と紹介してくださると、ラング氏は「へー、そうなの? それは光栄です」みたいな感じで笑えました。


★★★


皆様ご存じのように、これまで翻訳といえば、記事・論文や書籍、ビジネスドキュメントに契約書など、企業や大組織を顧客として、専門の翻訳家が訳すプロフェッショナルサービスと、無料ではあるけど品質が「なにコレ?」状態な機械翻訳しかありませんでした。

そこに Gengoは第三のオプションとして、「誰でも手軽に使え、迅速、安価かつ高品質な翻訳サービス」という選択肢を用意したわけです。


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(資料提供 Gengo、すべての資料は2013年7月時点のものです。以下同じ)


最初の頃はラブレターの翻訳依頼もあったという Gengo、私もこの点は画期的だと思います。だって、上図では2つのオプションが3つになったように描かれているけれど、個人目線で考えれば、“使える翻訳サービス”はこれまで皆無でした。

機械翻訳のレベルはいつまでたっても改善しないし、プロフェッショナルサービスを個人が私的な目的で使うことは、ほとんどなかったはず。つまり個人顧客の視点にたてば、選択肢は“2つから3つ”になったのではなく、“無から有”に変わったのです。


しかも Gengoで翻訳を担当するスタッフは、クラウド・ソーシングで集められます。世界中にバイリンガルの人はたくさんいるけど、全員が翻訳家として働いているわけではありません。

学生だったり主婦だったり、なんらかの理由でフルタイムでは働けない人たちも、Gengoなら空いてる時間に好きな分野の仕事を選び、クイックに仕事ができます。まさに、こういう状況→ 「戦力外労働力の参入が始まる」が、起こっているのです。


インタビュー前は「一定レベルの翻訳ができる人を大量に集め続けるのって大変なのでは?」「それが急成長の制限要因になるのでは?」と思っていたのですが、依頼は毎年 3倍のペースで伸びているのに、翻訳担当者集めは順調な様子。

「どうやって探してるの?」と聞いたところ、LinkedInや Facebookなどの SNSで、二カ国語(複数語)登録をしている人のページにターゲット広告を出しているとのこと。

「なるほどなー」って思いました。ちきりんは今まで、この実名 SNSの広告にはウザい印象しかもっていませんでした。あたしのページには“しわ取りクリーム”やら“おなか周りの贅肉をとる方法”ばかり表示し、20代独身男性のページには結婚相談所と萌え系ゲームばっかり表示する。「何なのコレ?」と思っていたんです。

でも確かに、「複数言語を操る人を広く募集したい!」といった用途にはぴったりですよね。


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<Gengo オフィスのイベントにて>


今回のインタビューで得た気づきは、「ひとつの新しいネットインフラが整うと、それまで不可能だった、次のネットサービスが可能になるんだな」ということです。

たとえば Gengoは2008年の創業で、まだたった 5年の歴史です。こんな「すばらしー!」サービスを、なぜ 5年前まで誰も始めてなかったのか、ちょっと不思議になり、「なぜだと思う?」って聞いてみました。

そしたら、「いろんなネット環境が整ってきて、初めて可能になってきたんだと思う」とのこと。


たしかに、多くの人が Facebookや LinkedInに自分のプロフィールを入力していなければ、翻訳能力のある人を大々的に募集することはできません。

さらに、数千円とか数万円といった低予算依頼の多い Gengoのようなサービスにとって、paypalというネット上の少額決済インフラなしには、ビジネスが成立しえなかったかも。

隙間時間に仕事をしたいと考える翻訳担当者も、スマホがなければ仕事を受けることができません。


paypalだったり Facebookだったり iPhoneだったりと、いろんなサービスや新商品が現れ、それがインフラとなって、初めて“次の”画期的なサービスが可能になる、というわけです。

そして「そういったサービスが現れたから、Gengoのようなサービスが可能になった」と同時に、「 Gengoのようなサービスが現れたから、新たに可能になるサービスやビジネス」も生まれます。


下記は、現在の Gengoの3種類の顧客カテゴリーです。

左側は、個人がウエブサイトを通して直接、翻訳を依頼するケース(BtoC)

右側は、企業がA P I (Application Programming Interface) を使って翻訳発注をするケースです

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最近は特にAPI経由のリクエストが伸びており、翻訳量の半分を超え始めているとか。


APIには二種類あって、企業がレビューやコメントの翻訳を( API経由で)依頼するケース。たとえば旅行関連の口コミサイトであるトリップアドバイザーは、海外進出する際、ホテルの評価コメントをその国の言葉に翻訳するために Gengoを使いました。この場合、翻訳料は企業が払います。

もうひとつは、企業を通して個人が API経由で翻訳を依頼するケースです。たとえば、あなたが youtubeに日本の料理方法を説明した動画をアップし、そこに日本語字幕で説明をいれていたとしましょう。

「その字幕を、英語やフランス語やスペイン語に訳したい! そしたら海外の人も、あたしの動画を見てくれるかも!?」と考えた場合、youtubeの管理画面から Gengoに翻訳を依頼できます。このケースでは、翻訳料を払うのは youtube (Google) でなく、個人です。


前も書いたけど、一定の質の翻訳が気軽に頼めるようになると、今は国内のみに向けて発信している人の多くが、世界に向けて発信できるようになります。

youtubeでは、ダンスの巧い日本の女の子がアジアで大人気になってるけど、これからはテキストが介在する分野でも同じことが可能になる。ネットショップや情報サイトを多言語展開したり、自分のブログ記事の一部を中国語や英語に翻訳してみたりね。


★★★


というわけで、あたしもちょっと試してみました。2009年に「もっと手軽に翻訳される世界が実現してほしい!」という趣旨のエントリを書いていたので、その一部を今回 Gengoで翻訳。

翻訳のクオリティは3段階から選べるので、一番安いスタンダードで依頼してみました。


<オリジナル日本文>


さらに妄想を続ければ、検索でヒットしたサイトのひとつであるイタリアの田舎の主婦が書いたブログを見に行き、「チキンとトマトを使ったパスタ・我が家諷」みたいなエントリをみつけ、掲載されている料理の写真も参考にしながらその料理を作ってみることができるでしょう。


食べてみて「おいしいじゃん!」と思った場合、そのブログのコメント欄に「初めまして、ちきりん@日本です。このレシピのパスタソースめっちゃ美味しかったです〜」と日本語で書き込むと、先方はそれを(最初から)イタリア語で読み、「あら、日本から感想が来たわ!」みたいな世界・・。

そういう自動翻訳の世界が実現したらと夢想するとワクワクします。

<Gengo英訳>


Continuing with my crazy ideas...what if I went to a blog I found on a search engine, written by a housewife living in the Italian countryside, and discovered there a blog entry for something like "Home-style Chicken and Tomato Pasta"? I should be able to try cooking it for myself by referring to the picture.


If I tried the dish and thought "This is so good!" and wrote a comment in Japanese saying: "Hello, Chikirin @ Japan. The pasta sauce for this recipe was just incredible~," she could read it (from the start) in Italian and think "Hey, a comment from someone in Japan!": that kind of world...

When I daydream of a world where that kind of automatic translation is a reality, I just get so excited.


どうですか? これで、翻訳にかかった時間は数時間、値段は千円です。“ちきりん”だということは伏せて依頼したので、特別扱いは受けていません。これを見る限り、ブログの翻訳ならスタンダードクオリティで十分だとわかります。

(依頼の際、ファイルアップロードなどでトラブルが発生しました。その問題が解決し、実際に翻訳が始まってからの時間が数時間です。また、トラブル発生後のサポートに関しては、満足のいく対応をしていただきました。もちろんこの対応も“ちきりんだから”ではありません)



あなたもブログの記事をひとつくらい、他言語に訳してみてはどうでしょう?

もしくは、手始めにツイートをひとつ訳してみるだけでも、おもしろいかもしれません。

楽しい時代がやってきそうです。


そんじゃーね!


→ Gengoのサイトはこちら

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(お土産に頂きました。Thanks!)


<クラウドソーシング関連・過去エントリ>

個人にとってのクラウドソーシング

防護壁、そして障壁としての言語の壁


<過去の企業訪問シリーズ>

はてな訪問

すかいらーく訪問続編

クックパッド訪問

ランサーズ訪問

ロコンド訪問

ライフネット生命訪問(はてな記事)