超長時間ひたすら録画するだけの環境映像

昨日、執筆時間のバックグラウンド映像として使えそうな番組をスカパーで探していたら、小さな和室(お茶室?)で、男性 2人が向かい合ってるのが目に入りました。将棋の対局ライブです。

昨日はA級リーグの最終対局日(=名人への挑戦者が決まったりする大事な日)で、「将棋界の一番長い日」と呼ばれてるんだそうです。


で、その番組をつけたまま執筆を始めたところ・・・あっという間に 3時間がたち、ふと我に返って呟いたのが下記


長時間の集中力を欠くちきりんにしては珍しく、3時間近くぶっ通しで執筆に専念でき、自分でもちょっと驚きました。

画面は二台の固定カメラが交互に、盤面と対局室を映し出すだけ。ニコニコ的なコメントはもちろん、解説も一切ありません。

朝から晩まで 12時間とか。ほとんど無音ですが、咳払い、お茶をすする音、扇子を触る音などが聞こえ、たまーに駒を動かす音も聞こえます。


これにたいして頂いたコメントが、

でしょ!


こういうコメントもいただいたので調べてみたら、


確かにアマゾンでも環境音楽アルバムが 118点も売られていました。リラクリゼーションや胎教、睡眠導入、作業のバックグラウンド映像(音楽)など、いろんな用途がありそうです。 → アマゾンの環境音楽の一覧ページ


★★★


上記のアマゾンのページを見ればわかるように、「環境アルバム」って、滝や波音、草原の風に森林の木洩れ日など、自然界の映像が多いんです。でも今回、私は、「プロ棋士の緊迫した対局中の ライブ音声 & 画像」も、環境映像、環境音楽として、十分に使えると感じました。

将棋好きの方からは・・

といったコメントもあり(たしかにそうなのですが、)でも将棋好きの人には、別の意味でお宝なのでは? 


そもそも対局屋に同席できる人は、棋士と記録係の奨励会会員など、極めて限定的なはず。でも将棋ファンの人で、対局室に同席したい、もしくは、同席してる気分を味わいたい人はたくさんいますよね?

「第○○期 名人戦第四局 完全生ライブ 18時間」みたいな映像があったら、欲しい人もいるんじゃないでしょうか。それを朝から(二日に渡って!)ずっとテレビに映してれば、まるで自室が名人戦の対局室のように感じられるはずです。


だって昨日、私はまるで、自分が対局室の隅にいるかのような気分になっていました。テレビ画面からは、対局中の棋士の緊張感や集中力がビンビン伝わってきて、隣にいる(?)私まで、自然に集中できたのです。

だから、その番組をつけたままご飯を食べた時は、とても居心地が悪く感じました。


まさにそのとおりです。「静かに食べなくちゃ。てか、こんなところでご飯食べてていいのかな?」って気になりました。それほど「その場にいる感じ」がするんです。


★★★


その後、

と教えていただいたサイトをみてみたところ、確かに「カフェの音」が聞こえる! 私にはちょっとウルサ過ぎますが、カフェの喧騒の中で集中できる(もしくはリラックスできる)という人にはいいですよね。

人間って、無音状態が一番いいわけではなく、自分にとっての心地よい音や雰囲気があるわけで、それがカフェだという人も、電車の音だという人もいるでしょう。あたしは居酒屋のざわざわ感も大好きかな。


あとコチラ↓ 

たしかに私は「対局中の映像を流してたら図書館にいる気になった」と書きました。が、だったら、もっとダイレクトに「図書館の音」を販売すればいいですよね。

東大や慶應など、一流大学の図書館のリアル音声を 24時間とか 48時間とか録音して売りだしたら、その大学を目指す高校生が、受験勉強のBGMとして購入したり・・・しないかな? 

私があたかも対局室にいる気になったように、彼らもきっと憧れの大学の図書館で受験勉強している気になれて、モチベーションがぐーんと上がりそう! 「ハーバードの図書館の音 24時間」あたりなら世界中で売れそうです。


他にも、試験になると緊張してしまって実力が発揮できないというお子さんのために「去年の慶應高校の受験時間をそのまま録画したビデオ 合計 6時間分」とかを売り出すのはどうかしら? 

周りから聞こえる“カサカサッ”“カサカサッ”っていう問題用紙をめくる音がプレッシャーをあおり、誰かが消しゴムを落とした音でビクッ!っとする。そんなビデオを大スクリーンで流している個室で模試を受け、そういった「試験会場の雰囲気に事前に慣れておく」とか・・・


★★★


他にも、高齢で一人暮らしの祖父母の家で、「息子夫婦と孫の家の様子をひたすら録画しただけのビデオ」を流しとくのもいいんじゃないかと。(てか、録画する必要もなく、常時接続して音声を共有するだけでもいいのかも)

よくある孫から祖父母へのビデオレターは、カメラに向かってにっこり笑い「おばあちゃん、元気ですか?」みたいな感じですが、ああいうのって、作るのも面倒だし、せいぜい五分も持ちません。

でも、小さな孫が遊んでるところを数時間、ずーっと普通に録画し、それがそのまま祖父母の家の大画面で映し出され、彼らはそれを凝視してるのではなく、そのそばでご飯食べたり、料理したり新聞読んでればいいと思うんです。そしたら「まるで孫と同居してる気分」が味わえないかな?


病院や介護施設では、手術の後ボンヤリしてしまったり、寝たきりだったりする患者さんに刺激を与えるため、昼間はラジオやテレビをつけっぱなしにすることがあるんですが、こういうのも、テレビニュースやバラエティ番組を延々と流す以外に、

住み慣れた町の駅前や商店街の音など、その人にとってポジティブで懐かしい環境を再現できる音声ビデオが流せれば、よりいいんじゃないかと思いました。


これまでの環境ビデオは、海や滝、森など自然系ばかりでしたが、将棋の対局や競技スポーツ、テスト会場、駅前の雑踏や大学の学食など、「人間系」「社会系」の長時間ビデオが出てきたら楽しそう。

特にマンションのように密閉性が高い部屋でそういった映像を長時間、映していると、(昨日の私のように)本当に自分がその場にいるかのような錯覚に陥ることができます。


環境ビデオに自然系のものが多いのは、「都会の人は大自然に憧れているはずだ」という前提があるからだと思うのですが、都会の人の中には、大自然より都市の中の何気ない雑踏が好き、という人もいるはずなんだよね。

演出と編集命のテレビ番組や、ニコニコみたいなコメントあり、プロモーションビデオありの刺激的な動画もいいんだけど、こういう「超長時間ひたすら人間やその場所を録画するだけの環境映像」ってのも、なんらか使えそうじゃない? と思いました。


そんじゃーね!