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Chikirinの日記 RSSフィード

2014-03-21 「スグに、早く回答する」より大事なコト

ツイッターでもブログでも、そして誰かと飲んでいる時でも、私はたくさんの「質問」をします。

質問のトピックは、社会制度や起こったばかりの事件、もしくは、飲んでいる相手が手掛けているビジネスまで様々ですが、私がそれらについて質問をする理由は、「そのトピックに関心があるから」です。


なぜそんな当たり前のことを(わざわざ)言うのか、不思議ですか?

でも、「そんな当たり前のこと」をわかってない人も、たくさんいるんですよ。


★★★


図を見てください。青色の人(この場合は私)が、あるトピックに関心をもち、それについて質問をしています。

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その質問を受けた人(白色の人)の多くは、下図のように「ちきりんに回答」してきます。

<第二図>

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これ、当たり前だと思います?

全員が、こう反応するはずだと思います?


実は、まったく異なる反応を示す人もいます。それはこういう人です。

<第三図> 

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第二図と第三図の白色の人の違いは?


第二図における白色の人は「ちきりんの質問に答えたい!」と思っています。

でも、第三図の白色の人は、「このトピックについて、自分ももっと考えたい!」と思っているんです。


★★★


第二図のように返事をしてくる人は、私の質問の背景にある関心が、質問トピックではなく、

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自分に向いていると考えています。 自分が「試されている」、自分の「知識の有無を問われている」と感じたりする人もいます。

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だから、こう回答してくるんです。

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別の言い方でいえば、この人は、私がその質問をした理由が「そのトピックについて関心があるから」だと理解していません。冒頭に書いたように「そんな当たり前のこと」なのに、ね。


★★★


どちらがいいかって?


あなたが、成功した起業家か、有力で有名な投資家だとしましょう。今度は、あなたが「青色の人」だと考えてみてください。

あなたの周りには、起業家志望の若者がワンサと集まってきます。そこであなたは、彼らの手掛けているビジネスについて質問をします。

下図のように、大半の若い起業家が「一生懸命、あなたに回答」している中、ひとりだけ「そのビジネスポイントに関する自分の意見」を一生懸命、述べていたら?

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あなたは、どの若者に投資したいですか?

てか、


どの若者と議論したいですか?

=どの若者と、自分の人生の時間を(たとえ1時間でも)共有したいですか?


企業の面接時のグループディスカッションでも同じですよね。お題として出されたトピックに興味を示す人と、面接担当の社員に回答しようとする学生がいたら、どっちを採用したい?


★★★


私はツイッターでもブログでも、そしてリアルな飲み会でも、いろんな質問をします。私がそれらについて質問をする理由は、「そのトピックに関心があるから」です。

なぜそんな当たり前のことを(わざわざ)言うのか、不思議ですか?


だって、私はこういう話がしたいのに、実際には「私に返答してくる人」のほうが、圧倒的に多いからです。

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なぜ、人は問われたトピックについて「自分のアタマで考えよう」とせず、質問者に回答しようとするのでしょう?


一つの理由は、

・そのトピックに関するより深い洞察や、より斬新で革新的なアイデアより、

・憧れの質問者からのポジティブな評価を

「より得たいモノ」「より大事なもの」だと考えているからです。


質問者が、自分の尊敬する人であったり、偉大な人、有名な人であればあるほど、そう考える回答者が増えます。「大好きなあの人の質問に答えたい!」と考えるわけです。

相手が社長だったり、重要な投資先のキーパーソンの場合も同じことが起こります。「大事な人に、アホだと思われてはならない!」ということが「第一目的」になってしまうんです。


でもね。先ほど示した、ビジネスプランを説明する駆け出し起業家と、有力投資家の例を思い出してください。「質問者に素早く反応して評価されること」を、自分がやっているビジネストピックに関する議論を深めることより「大事だ」と考える人に、誰が投資したいでしょう?

自分が尊敬する企業家や投資家、もしくは、自分を評価する立場の人の前にでれば、誰だって緊張します。「何か聞かれたら、すぐに気の利いた答えを返したい!」と思うでしょう。

でもそれって(ちょっと厳しい言い方ですが)、「僕はあなたに評価されることが、スゴク嬉しいんです! 僕のビジネスプランについて考えを深めることよりずっと!」って言ってるようなものなんです。


もう一度、ふたつの図を見比べてください。質問者が望んでいるのは、これでしょうか?

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それとも、こちらなのでしょうか?

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いつかあなたも、自分が尊敬する人に会う機会を得、その人があなたの手掛けているビジネスについて質問してくれるという幸運に恵まれるかもしれません。

その前に、この二つ概念の違いだけは理解しておきましょう。

「質問にスグに、反射的に、素早く返事する」ことより、もっと大事なことがあるんです。


そんじゃーね