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Chikirinの日記 RSSフィード

2014-04-26 シンギュラリティ ・ 技術的特異点 (まじ?)

A I ( Artificial Intelligence ) =人工知能に関するシリーズエントリも最終回です。

<シリーズエントリ一覧>

第一回  A I (人工知能) <冬の時代を超えて>

第二回  A I 開発 <新しい主役の登場>

第三回  A I のある生活 <イメージ編>

第四回  A I は怖い?

第五回  ビッグデータと A I

第六回  シンギュラリティ ・ 技術的特異点 (まじ?)


今日取り上げるのは「シンギュラリティ」 ( Singularity 、日本語では “技術的特異点” )という言葉、

米国の数学者(& SF 作家)であるヴァーナー・ヴィンジ氏が 20年ほど前から提唱してる未来思想で、「これからコンピュータが加速度的に進化し、機械はいずれ人間以上の知能と、人間と同様の“意識”まで持つようになる」ってこと、もしくはその時点のこと、だそうです。


なんで「技術的特異点」かというと、その時点まではこれまで通り、人間が技術を進歩させていくわけだけど、その時点より後では、技術開発の主体は人間じゃないってことです。

つまりそこからは、人間を超えたコンピュータが未来を創っていくので、(人間にとっては)今までとまったく違う世界、これまでの経験からは予想もできない世界が出現する。

そういう時代との境目が技術的特異点=シンギュラリティってことのようです。


これを信じる人たちは、年に一回、シンギュラリティ・サミット を開き、実現までのロードマップまで作ってるらしい。

そんな彼らの予測では。機械が人間を超えるのは 2045年( 31年後)くらいとのこと。

このサミットを創めたリーダーの一人、A I の研究者(でもあり未来学者でもあり発明家でもある)レイ・カーツワイル氏も、2005年にこんな本を書いてます。


ポスト・ヒューマン誕生―コンピュータが人類の知性を超えるとき
レイ・カーツワイル 井上 健 小野木 明恵 野中香方子 福田 実
日本放送出版協会
売り上げランキング: 24,687


この本、知人に勧められたんだけど、値段が 3000円以上もすることに怖気づき、図書館で中身を確認。そしたら「なんとか私でも読めそう?」って感じだったので思い切ってキンドルで購入。が、まだ読み終えてません。。。


ちなみにカーツワイル氏は 昨年からグーグルで働いており、こちらにインタビューが載ってます。

http://wired.jp/2013/05/02/kurzweil-google-ai/

(余談ですが、この記事の URL いいですよね。 Kurzwil に、google に ai に日付&メディア名も入ってて、超わかりやすい)


ちなみに彼は「不老不死」にも関心があって、機械と人間を融合させ、最終的には人間の意識を電脳に移植するってことを考えているとか・・・

この辺になると本気なんだか SF なんだかよくわからないのですが、でも、マジメにこういうことを考えてる人は(私が想像するより)遥かに多いんでしょう。

先日とある技術者の人とご飯食べてたら、「不老不死には、人間の意識が電脳に移植される方向と、人間の細胞が若返り、死ななくなるという、ふたつの方向があるんですよー」と言われ、


「この人たち、まじなのね・・・」と、びっくりしました。


まっ、あたしとしては電脳型より細胞が死なない型の不老不死のがいいです。あと、今から開発するなら不老不死じゃなくて、若返りを実現してほしいです。90歳から一生 90歳を続けるとか、かなりつらそうなんで。


★★★


さて私が驚いたのは、こういう「機械が人間を超える日が、あと数十年でやってくる」と本気で考えている人たちが、その研究を資金的、技術的、インフラ的に全面サポートしてくれるグーグルやアップルやフェースブックといった会社に雇われ、そこで日々 A I 開発を主導してるんだ!ってことです。

つまり、それはもう研究レベルの話ではなく、ビジネスレベルで開発されようとしてるんです。


しかもカーツワイル氏はけっして夢を語っているだけではありません。

彼は、自ら開発した A I に取引させてヘッジファンドを経営していたり、これまでにも音声認識や光学文字読み取りなどの技術開発で画期的な業績を上げたりしてる人で、「あと数十年で機械が人間を超える」というのにも、それなりの理屈があるんです。(↓こういうモデルによる予測とか)



最近は日本でも大流行のビッグデータ。

でもその取り上げられ方には、「ビッグデータを利用して顧客の行動をより深く理解し、よりよいサービスを提供していきたい」といったマーケティング的な文脈が多いでしょ。

もうちょっと広げても、「より正確な音声認識ソフトを開発して、障碍のある人にも使いやすいタブレットを」とか、「自動運転で目的地に着く自動車ができれば、高齢化した地方も救える」とか、もしくは、「家じゅうの家電がスマホで操作できるスマート家電を実現」みたいな話だったりするわけです。

なんていうか・・・全部とっても牧歌的ですよね。「新しいマーケティング手法が出てきたから、我が社もさっそく導入しなくちゃ!」的な無邪気ささえ感じます。


でもね。最先端の A I 研究をしてる人が創りだそうとしてる世界は、そんな甘っちょろいものじゃないんです。

彼らは・・・人間を超える機械を本気で創ろうとしてる。そこから先は、この世界の主役はもはや人間じゃないかもしれない世界の到来を信じて。


マーケティングとか、ロジスティックスの効率化によるコスト削減とか、高齢者や障碍のある人のサポートとか、そういうのとは次元の違う未来図が彼らのアタマの中にはあって、それがこれらの、“天才となんとかの紙一重”な領域にいる研究者たちを突き動かしてる。

そしてその試みは 第二回にも書いたように、今や国家を超える力さえ持ちつつあるグローバル IT 企業によって全面的にスポンサーされてる。

つまり、これからアメリカがたとえ財政難に陥っても、たとえ政権が変わっても、研究を止める必要はないってことなんです。


うーん・・・


結論としては、人間はもう何も考えるのはやめて、ゆっくりのんびり生きていくのがいいって感じ?

あたしもきっと 30年後には、「そういえば 30年前には人間も 『 自分のアタマで考えよう 』 とか言ってた時代があったらしいねー、ピコピコッ」って、コンピュータ様に笑われていることでしょう。


そんじゃーねー



このシリーズエントリは、下記の本から情報と着想を得て書いています。

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