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Chikirinの日記 RSSフィード

2014-08-04 書類が揃っていることが命! でござる

世の中には、行政(パブリックセクター)とほとんど関わりを持たずに生きてる(働いてる)人と、やたらと行政と関わりながら生きてる(働いてる)人がいます。

前者の人って、行政とのつきあい方はもちろん、パブリックセクターというのが、どういうふうに動いているのか全然知らない。

この日記は「 12歳の時のあたしに教えてあげたいことを書く」のがコンセプトなので、( 12歳にもなれば)そろそろこの辺のことも知っといたほうがいいだろうということで、書いておきます。


★★★


行政というのは法律に基づいて動く組織なわけですが、それはイコール、書類で動く組織ってことです。

なので書類仕事が嫌いな人は公務員に向いてないし、書類が苦手な会社は、公共事業を受注するとか考えないほうがいいです。

長くパブリックセクターで働いている人は、めちゃくちゃ書類に詳しく、(継ぎ足し、付け足しして)一般人にはほぼ意味不明な状態になってしまった複雑な書類を、

なんなく「これに申請するなら、これとこれとこれが必要ですね!」ってな感じで処理していきます。

あたしには全く向いてない仕事ですが、こういうのが「楽しくて楽しくて!!!」みたいな人も、世の中にはいるんです。


このため、行政から補助金をもらったり、官公庁の入札に応募して仕事を受注したり、

NPO法人やら復興事業団体やらに認定してもらって税金を優遇してもらったり、

もしくは、賠償金を貰ったりするために、

何より大事なのは、「きちんと書類を揃えること」です。


入札の書類とか見ればわかると思うけど、技術力なんてあっても、書類をさばく能力(や、そういう部署)がないと、官公庁の仕事なんて受けられません。

原発の関係で東電や国から賠償金や支援金をもらう人だって、被害者でありながら「どんだけ?」っていうくらい大量の書類提出を求められてるはず。

たまに母子家庭とか貧困で餓死する人とかがいるけど、ああいう人たちも書類仕事が苦手だから、行政の支援を受けられないんだよね。


覚えておきたいのは、

・民に提出させる書類を作ること と、

・民から提出された書類をチェックすること

これが公務員の二大仕事、ってか、仕事の真髄なのだってことです。


★★★


行政って、なにかあるとすぐに「こういう人&組織にお金を出します!」って言うでしょ。

お金を出す相手は、中小企業だったり、復興関連の組織だったり、特定目的の NPOだったり、起業して欲しい人だったりするわけですが、

でも実際にそういう補助を受けようと思うと、びっくりするほど膨大な書類を用意しろと言われるので、それがめんどくさくて、途中で止めちゃう人もたくさんいるくらいです。


一方、どんな大変な手続きでも全く動じず、すべての書類をきちんと揃えて提出してくる人(&組織)もいます。

それは、「補助金を貰うことを主目的とした組織&人」です。


彼らは根性が違います。気合いが入ってるんです。

なぜなら、「復興支援をしたい。で、補助金貰えるならありがたい」ではなく、「とりあえず補助金もらいたい」だから。

復興支援に忙しい団体は、「こんな面倒な手続きをしてたら、支援に使える時間が減っちゃう!」と思うでしょ。

でも、最初から補助金もらうのが目的の組織なら、そういうジレンマとは無縁です。それが本業だから。

だから頑張る。

てか、彼らは寧ろ、手続きが複雑な方がいいと思ってる。だってそのほうがライバルが減るから、審査に通りやすい。


こういう人の大半はやくざーな人たち、もしくは、なにかのきっかけで一度、行政からお金(元は税金ね)を貰うことの旨みを知ってしまい、それ以来「これイイじゃん!?」と分かってしまった人たちで、

彼らの多くは、新しいバラマキ系の補助金制度ができるたび、次々とそれらに応募する、いわば“ 補助金ゴロ ”なんだよね。

「経済産業省が○○の団体や○○する人に、200万円の支援金を交付することになった」とかいう新しい補助金についてのニュースが発表されるたびに、「おっ、これ、よさそうじゃん!?」とか言って寄ってくる。


で、結果としてこういうこと↓になるんだけど、こんなの氷山の一角で、東北復興絡みで詐欺られてる補助金総額は、めちゃくちゃでかいはず。

→ 大雪りぱぁねっと 7億9千万円の補助金のうち、3億円が使途不明。残りの出費もめちゃくちゃ

→ 雇用助成金目当て? DIOジャパン 雇用助成なのに給与も払わず 

活動実態なんてあろうとなかろうと、「書類さえ揃えれば」億単位のお金が転がり込む補助金は、(こういう人にとっては)ほんとーに美味しい。

止められないくらい美味しいんだと思う。


行政側だって、こういう 補助金ゴロ が多いことはわかってるんだけど、彼らは「書類が揃っていれば補助金を払う」「書類が揃っていなければ払わない」という超単純(=行政側の立場から言えば、「極めて公平で透明性の高い」)判断基準を適用してるから、

「貴重な活動はしてるけど、書類が揃ってない NPO」は NPO法人とは認定せず、

「なんもやってないけど、書類が揃ってる NPO」は認定する。


なんでやねん?  って?


だってしゃーないやん。そーゆーお仕事なんだもん!


もちろん、彼らも手をこまねいているだけではなく、悪意のある“補助金ゴロ”を排除すべく、いろいろ工夫はしてるんだけどね、その工夫がたいてい、


「よし。補助金をだまし取られないように、提出書類を増やそう!」


という発想ばかり。



何じゃソレ!?  って?


だってしゃーないやん。そーゆーお仕事なんだもん。



てかね。

不正を防ぐために提出書類を増やせば増やすほど、不正は減るどころか増える(=善意の人が面倒すぎて応募できなくなり、補助金ゴロでもなければ、揃えられないほど大量の書類仕事になる)ってことが、理解できない。それが公務員の限界なんです。

問題を解決する方法論として、「書類を変える」しか手段を思いつかないって、どんだけ狭い発想の世界で生きてるんだ??って感じでしょ。


あとね。上記みたいに補助金詐欺が公になって問題視されるケースは、非常に少ないんです。

なぜなら行政側が摘発に積極的じゃないから。

だって摘発すると、「誰だよ、こんなアホな制度つくったのは??」って、自分に非難が戻ってくるでしょ。

だからメディアにバレない限り、大きな問題にしない。ゴロの人たちもソコんとこを、よくわかってるんです。


★★★


こうして、

・本来、行政の補助金を受け取るべき資格のある人や組織は、本来業務が忙しいため、書類を揃えるのがめんどくさすぎてやって来なくなり、

・それだけの手間暇を掛けてでも補助金をゲットするぜ!という、「補助金を貰うこと」が本業の人ばかりが集まるわけです。


たとえば、最近できた「起業する人に、年間 650万円の補助金あげます!」という制度の「募集要項」がコレなんですけどね・・・。

この書類を見る限り、ビジネスより書類の読解が得意な人じゃないと、支援してもらうのは無理だと思えません? 

まっ、起業準備に忙しい人が応募するのは無理そうだけど、結構な額がもらえるので、最初から補助金ゲットが目的の人なら、頑張って読み込むんだろうなと思います。


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そんじゃーね!



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