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Chikirinの日記 RSSフィード

2016-05-20 Uber なんて要らないもん!

先月のこの呟き(↓)について


従来型のタクシーサービスと比べた時の Uber(的なるサービス)のメリットは、

1)行き先を言わなくていい

流しのタクシーと異なり、Uber ではタクシーを呼ぶ際に行き先をスマホの地図(など)で指示します。なので、やってきた車はそれをみて、客の目的地を理解します。

個人宅など説明しにくい目的地や、土地勘の無い場所で初めて行くレストランまで乗るような場合も、行き先の説明に四苦八苦する必要はありません。


2)ルートはナビにお任せ

走るべきルートはスマホ + GPS = ナビが教えてくれます。運転手が道を知らなくてイライラすることもないし、

「どの道を行きますか?」とか「○○通りから○○坂を下っていけばいいですか?」などと聞かれ、「よく道がわからないからタクシーに乗ったのに・・・」と戸惑うこともありません。


3)ぼったくられない

加えて、道に不慣れな観光客に対しても、代金をつり上げるため意図的に大回りをするといったことは不可能になります。

Uber 側もどの車がどこを走行しているのか把握しているので、万が一のことがあれば後からクレームを付けるのも簡単。

走行ルートが監視されてるわけだから、ぼったくり以外の犯罪にも遭いにくくなる。


4)お金を払わなくていい

最初に登録したクレジットカードから代金が引き落とされるので、お金を払う手間が省けます。ひいては、お金自体をあまり持ち歩かなくてよくなります。

今や公共交通機関もコンビニも電子マネーの時代。高い物はクレジットカードで買うし、現金自体の使用機会が減っています。

そんな中、「数千円以上」を現金で払う機会として最近もっとも多いのがタクシー代を払う時です。これが無くなれば、キャッシュレス社会に大きく近づく。

もちろん「一万円札でいいですか?」「えっ、お釣り無いです」みたいな意味不明なやりとりも無くせます。


5)レシートの管理が簡単

タクシーレシートを受け取って経費請求してる人も多いと思いますが、レシートを受け取る必要も無く、日時や場所、値段といったすべての使用記録がデジタルで残るわけですから、経費請求の手間も大幅に減らせます。

レシート無くしちゃって自腹を切る、みたいな哀しいことも起こらない。


6)運転手の質とサービスがよくなる

流しのタクシーって、乗り込んで話をするまで全くその“質”がわかりません。大事な日に「はずれ」の運転手に当たってイライラさせられた、という経験がある人も少なくないはず。

Uberなら、運転手のレビューも見られるし、レビューがどれほど顧客の選択に影響するかは、すべての運転手が理解しているため、今のように客側が「○○までお願いします」→ 返事なし みたいな非常識なことも起こらなくなるでしょう。

もちろんドライバーも(代金を受け取るため)銀行口座等を Uber に登録していますから、本人確認もばっちりできています。


7)辺鄙な場所でも呼びやすい

街中どこでもタクシーが走っている都心部と異なり、地方に行くとタクシーは駅前にしかいません。東京の郊外でも同じかな。

自宅にタクシーを呼ぶならともかく、土地勘もなく、ランドタワーでもない場所に(電話で場所を説明し)タクシーを呼ぶのは大変ですよね。現在位置がわかってるスマホで呼べるメリットはとても大きい。


8)一般的に料金がタクシーより安い

そんなに大事なメリットだとは思いませんが、特に中距離以上を乗った場合、タクシーより安くなる傾向があるようです。ただし需給によるので、今後は特に、雨の日などは高くなる可能性もあります。


9)その他

地域によっては車がタクシーよりキレイ、クレジットカードのポイントが貯まる、など、細かいメリットもあるみたい。


★★★


と、山ほどのメリットがありながら、日本に住んでて「Uber 使えなくて不便だー」みたいな意見は、ほぼ聞かないでしょ?

友達や上司とそんな話したことある人いる? 日本人同士では、まずそんな話にならないよね。

なぜなら、

「日本に住んでる日本人にとっては」日本のタクシーシステムは、別にそこまで不便じゃないから。


都市部の場合、タクシーなんてそこら中で走ってるし、ちょっと歩けばランドマークがあってタクシー乗り場がある。

そもそも地下鉄もバスも私鉄& JR も発達してるから、タクシーに乗る機会自体が少ない。

タクシーを呼ぶ場合も、住所を言えば先方が地図上ですぐ確認してくれる。よく乗る人の場合、どの道を行くか聞かれる前に自分で道を説明できるくらい地理に明るい。

こういう状態だと「 Uber が使えたら便利だろうけど、まあ今のままでもそんな困ってないし」みたいな話になっちゃう。


これは地方在住の日本人も同じで、地方だと基本みんな自家用車を持ってるから、タクシーなんて「もう何年も乗ったことがない」って人が多いはず。

するとこちらも「 Uber なんて無くても特に困らないよね」的になる。

日本人は誰も困ってない。


でもね、

自分が観光やオリンピックのために日本にやってきた外国人だと考えてみてください。

東京で地下鉄の乗るのも、めっちゃ複雑で難しすぎる。タクシーに乗りたいけれど・・・


タクシーを止めても行き先を日本語で説明できない


どの道がいいか、聞かれてももちろん全くわからない


お金を払う時も、見慣れない通貨で支払うのは大変。このコインは何円??


料金が足りないと両替が必要になる。でも値段の目処もわからないから、今持ってるお金でタクシー乗っても大丈夫かどうかさえわからない。


忘れ物をしても、乗ったタクシーにどう連絡をとればいいのか、皆目不明


地方でタクシーのいない場所=駅以外のすべての場所では移動手段がほとんどなく途方にくれる


タクシーを呼ぼうにも、電話で現在位置を説明するなんて無理


こういう人達にとって Uber 的なサービスは、日本人にとってとはレベルが違うほど貴重な「神サービス」なんだよね。

それが在ると無いとでは、その土地を楽しめる度合いが全く違ってくる。


でも国土交通省は Uber の全面解禁は「絶対にやりたくない」

だって、タクシー業界のほうが外国人観光客なんかより大事だし、

前例の無いコトをやって、なんかあった時に責任を問われるのもヤだ。


だから冒頭に紹介したように、2020年 日本は「我が国はごく限られた特区的なエリアを除き、Uber も使えない恐ろしく時代遅れな国であります!」と世界に向けて高らかに宣言する予定なんです。

オリンピックに来てくれ、その後、日本の地方をあちこち回って観光してくれる人達のツイッターやフェースブックを通じ、強力に「日本は不便な国」というメッセージを拡散させようという観光庁 渾身の SNS 戦略。すごいです。


そういえば長野オリンピックの時、当時の JR は一般のクレジットカードを受け付けておらず、外国人用に特別に用意された窓口以外では Visa も Master Card も使えなかった。

海外から来た(ふだん大金を持ち歩く習慣のない)人達はその特別窓口に長蛇の列で並ばされ、大変な思いをしてました。

日本 「オリンピックのために長野まで新幹線を作ったぜ! 外国人も新幹線の早さにビックリするはず。どうだ! 日本の技術は凄いだろ!」

外国人観光客 「えっ! 新幹線の切符、一万円を軽く超えるのに、クレジットカードが使えない? カードが使いたいならあの長蛇の列に並んで延々と待てと? まじすか?」

みたいなコトになってたわけです。

当時は SNS が無かったから「日本=クレジットカードも使えない国」という評判はあまり拡がらなかったわけですが、

次回の東京オリンピックでは盛大に日本の実情が拡散されることでしょう。


同じようにタクシー業界には、「東京オリンピックの時に電気自動車のタクシーをたくさん走らせて世界を驚かせよう」みたいなプランがあるみたいですけど、

こういうのって、バブルの頃に日本のテレビメーカーが「超超超ハイビジョン」みたいな高画質テレビを国際見本市でプレゼンして「どうだ、驚いたか!?」とか言ってたのと同じですよね。

何十年も前から日本は、「スゴイ技術」ではなく「消費者への大きな価値」こそが大事なのだと全く理解できてない。


★★★


さて、

以上で言いたいことはすべて書き終わりましたので、最後はクイズで締めくくりましょう。

「自分達は何も困ってない。でも、海外から来た人はとても困るだろう。せっかく来てくれてるのに、それではヒドいしマズい。東京に不慣れな人、日本語が話せない人も困らないようにしてあげようよ!」

と感じる気持ちをなんと呼ぶでしょう?  

ヒント 日本語 5文字です。


答えは CM の後で↓


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「自分達はまったく困ってない。でも海外から来た人にはめっちゃ不便だからなんとかしてあげたい!」と感じる気持ちは、日本語で、

お・も・て・な・し


2020年、世界は日本の「おもてなし」のレベルに、驚愕することでしょう。


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そんじゃーね。


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