このあいだの本

d:id:Chuck:20040612

世界楽器入門―好きな音 嫌いな音 (朝日選書)

率直に言っていい本だと思いました。冒頭に音楽の定義は諸説あって難しい旨の記述があって、「あ、これはちゃんとした著者だ」とわかりました。
別に著作があって、そこから一般向けに摘んできてできた本だそうなので、「説明が足りない」とか「もっと写真を載せてほしい」とか思うわけですが、入門にはとても良いと思います。
中世以降のヨーロッパのものだけが楽器ではない五線譜に載るものだけが音楽ではないという考えは、今の音楽消費生活の中では ついつい忘れがちです。常々、欧米のもの以外を指して「民族音楽」「民族楽器」と括ることは乱暴だと思っていました*1。今の音楽消費生活は楽器も音楽も欧米偏重だと思います。

私は、音楽は聴くもの、それも欧米(的)のパッケージを輸入なりして持ってきて聴くことが一義になっているような考えには不満を持っています。仕掛けられたプロモーションベースなのではなく、もっと自然な演奏・ライブ・パフォーマンスに触れたい。いや聞くだけではなく、もっと楽器をいじったり、演奏したり自然発生的に楽しみたいです。自分自身に対しても、身の回りの人にもそうしてもらいたいと考えます。

この本のいろいろな楽器を見て、以上のように思いました。


*1:現代音楽って括りも違和感をおぼえます。