たまパパの徒然日記

2009-05-14 気分の良い場所

 気分の良い場所

| 22:59


 内田樹さんのブログをいつもROMらせて頂いているのですが、昨日のエントリーを読んで深く共感を覚えましたので、備忘録的にメモっておきます。


まず隗より始めよ(内田樹の研究室)


今自分がいる場所そのものが「来るべき社会の先駆的形態でなければならない」というのはマルクスボーイであったときに私に刷り込まれた信念である。

革命をめざす政治党派はその組織自体がやがて実現されるべき未来社会の先駆的形態でなければならない。


どれほど「ろくでもない世界」に住まいしようとも、その人の周囲だけは、それがわずかな空間、わずかな人々によって構成されているローカルな場であっても、そこだけは例外的に「気分のいい世界」であるような場を立ち上げることのできる人間だけが、「未来社会」の担い手になりうる。


「公正で人間的な社会」はだから、そのつど、個人的創意によって、小石を積み上げるようにして構築される以外に実現される方法を知らない。

だから、とりあえず「自分がそこにいると気分のいい場」をまず手近に作る。

そこの出入りするメンバーの数を少しずつ増やしてゆく。

別の「気分のいい場所」で愉快にやっている「気分のいいやつら」とそのうちどこかで出会う。

そしたらていねいに挨拶をして、双方のメンバーたちが誰でも出入りできる「気分のいい場所」ネットワークのリストに加えて、少し拡げてゆく。

迂遠だけれど、それがもっとも確実な方法だと経験は私に教えている。


 うーん、現在の業務に関して悩んでいたことが氷解しました。それと同時に、自分のやっていることが方向性として間違えていなかったことが分かり、少し救われた気持ちになりました。


 ファンドマネージャーとして、市場でアルファ(超過収益)をコンスタントに稼ぐこと、それが私のミッションなのですが、30代も半ば過ぎると、「組織をどう改善していくか」ということにも目が向いていきます。同僚たちに話すといつも笑われるのですが、私自身は真剣に今の会社を「日本一の運用会社」にしたいと考えています。そのための方法論はかなり練れていますし、前回のプロジェクトではその幾つかを次期の経営計画に盛り込ませることができました。しかし、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」といいますか、いったん経営計画が走り始めると、経営陣の意識は目先の業績のみに集中してしまいます。確かに目先の収益は苦しいのですが、今なすべきことは「運用会社がその運用において社会の期待に応える」ために、どう自らを変革していくかということなのです。しかし、たかだか数百人の会社でも、個々人の利害、というか、世代間(老い先の短い経営陣、バブル世代のおっさん、団塊ジュニアの俺達・・・)の利害が対立して組織の改革は進みません。わずか数十人の自分の部署でもそうです。先鋭的な改革案は役員から露骨に潰されましたしね。そういうことが重なって、かなりフラストレーションが溜まっていたのは確かです。そんな時に、この内田氏のブログに行き当たりました。


 内田氏がおっしゃるには、大きな組織を変えるためには、自らの属する最小の組織がその「先駆的形態」とならねばならないとのことです。では、自分の運用チームは「先駆的形態」であるかと自問しましたところ、今のチームはかなり「気分のいい場所」となっていることを再認識しました。ナレッジの共有や業務のシェア、自発的にリサーチを行なう風土など、自分の創りたい組織が少しずつ体現できています。これまでは、自分のチームをいくら良くしても会社の趨勢には影響無いと、ネガティブな発想をしている部分もあったのですが、方向性として決して間違えたことをしていないことが分かり、かなり勇気づけられました。後は、内田氏の方法論に従い、このチームに関わる人間を少しずつ増やしていくことが課題ですね。


 風薫る素晴らしい季節ですので、体調も万全。気持ちを新たに業務に取り組みたいと思います。