kihirohito - 護法少女ソワカちゃん 乗の巻

護法少女ソワカちゃん 乗の巻(4000枚限定生産版) [DVD]

護法少女ソワカちゃん 乗の巻(4000枚限定生産版) [DVD]

まさかのDVD化にどういうことなの、と困惑を隠しきれないながらも予約していた護法少女ソワカちゃんのDVDが届いたので早速見てみた。

収録曲はニコニコ動画投稿順に「修羅礼賛」までの9曲*1プラス、修羅礼賛のプロによるアレンジで全10曲。各楽曲はより高画質、高音質(それにどこまで意味があるかはそれなりに疑問があるかも知れない)となった。また、DVD化に伴い楽曲のミックスをプロに依頼してやり直しているようで、音質向上のせいもあるだろうけれど、ニコ動版と比べてかなり洗練された音となっている。特に、バッキングに埋もれがちだったヴォーカルが聴きやすくなり、同時に声の風呂場エコーが消えている。また「修羅礼賛」ではあのやたらとベースが強調されたミックスががらりと変わって、ベースを抑え目に、ドラムを強調し、全体のバランスを考えたすっきりした音になっている。これ、結構印象が変わっていて、最初は作り直したのか、と思ったくらいだ。リミックスにかんしては概ね良くなっているとは言えるのだけれど、「修羅礼賛」については轟音ベースの元verの印象がやはり強く、かといって他パートの音もきちんと聞こえ、特にドラムの良さが引き立ったリミックス版も捨てがたい。

さらに、動画の絵自体は変わっていないところでも、背景が真っ白だったところは色や背景画が加えられていたり、小画面で見ることを前提としたニコ動版とはレイアウトが変わっているところ(トリミングしていたのを戻した感じ)も散見される。これによって画面目一杯使っていたニコニコ版の窮屈さが緩和されて見やすくなっている。

この直後のピカ○○はもちろんモザイクがかかっている。全体的にDVDで見ることを前提にした手直しがされている。

それ以外に、仕方のないこととは言えるのだけれど、ほとんどの商標、固有名詞ネタが差し替え(大五郎→犬五郎、チキンラーメン→エンペラーメン、UNO→芋煮会ドクターペッパー→毒屁等々)られていて、ソワカちゃんの特色たるさまざまな小ネタ、パロディ等が減っている点で、やや「らしさ」が薄まっているのが残念。わかっていたことだけれど、相性の良くない日蓮系はもちろん修正だ。そして、「メカ沢新一」先生がNGで言い換えられているのは大変残念。主要登場人物の一人でもあるわけで、以降の動画でどうするのかは気になるところ。

しかし、著作権的に問題があるとは思われない「あなたと合掌したい」がなくなっているのは何故なんだろう。「しとしとぴっちゃん」もむしろより元ネタに近くなっている気がするのだけれど。そしてこけしの出現頻度が増えているのは、何かの伏線だろうか。

そういう問題とは関係なく、違うカットに差し替えられている部分もあり、細かな修正も入っている(7話では、ラストの梵字のスクロールが、元は下から上っていくのに対し、DVD版では上から降りてくる、という風に変わっている)。

あと、各話冒頭のタイトル画面が描き直し(つぶやきも変わっているものがある)。あのやたらと横に広がっていたソワカちゃんが見たい人はニコ動で見よう。

そしてなんと、オープニングは動画も音も全編作り直してあり必見。ネタも結構変わっているところがある。絵自体は「ウマなきヘタウマ」のままなのだけれど、Kihirohito氏の動画編集技術のやたらな上達ぶりが実感できる。各キャラクタの動きの変ななめらかさはそれ自体が笑える。

目玉の修羅礼賛の礒村英司氏によるアレンジverは、なんともオシャレかつハイクオリティでなかなか凄い。動画もそれにあわせた11話リメイクとなっている。ニコ動で見ている、という人にも、OPとこれは必見だろう。

クールなクーヤン!

これは是非とも続きを出して欲しいんだけれど、どんだけ売れればOKなんだろうか。商業化されたニコニコ動画発のものとしては、試聴回数がそれほど多いものではないと思うので、ターゲットの分母もやはり小さくなるとは思うけれど。オープニングこそ10万超えだけれど、他の本編動画は5万から1万前後だしなあ。まあ、それくらいは売る側も分かっているだろう。10話や1話のハイレベルさや、ミゲル、細部とかのスピンアウト楽曲は是非DVD化したり、リミックス、アレンジして欲しい。

http://sowakachan.com/
心のともしび
ソワカちゃん疏鈔 - 護法少女ソワカちゃん まとめWiki
http://www.hatch-ent.co.jp/r_iso.html

忘れてた。ブックレットには書き下ろしの第8話(その2)という紙上劇場が掲載されていて、荒野をうろつく中で見つけた怪しい屋敷での一事件が語られている。動画風の画像も載っているけれど、これは動画になるのか、それともそういう体裁なだけなのか。一応「荒屋敷Voodoo Child」というジミヘン風な曲名が与えられてはいるけれど。そしてなんと、これには「天刑執行御神体バルドソドル」のカオル君が出てくる。やはり関連してきたな、とは思ったけれど、これは逆に本編では絡まない、ということかも知れない。

これは楽曲、フレーズのセンスともどもかなりの傑作だと思う。「それは痛いとかいう問題を超えている」という詞が面白すぎる。

*1:周知のことだけれど、ソワカちゃんは話数順と投稿順が一致しない。最初の本編は第7話だった