2010-05-24
■[ニッキ]会社の若手サークルでのBBQ
先の土曜日に、会社の若手サークルでBBQを企画した。100グラム1,000円の肉、海老・サザエ・ホタテ、生ハムやチーズのオードブル、ヒューガルデンやシルクエビスなどのビールに、乾杯のシャンパン。このご時世にも関わらず、潤沢な予算が組まれているのは凄いことだと思う。イベントを通して感心したのが、スタッフ一人一人の自主性。何度かMTGで集まるだけで、こんなにクオリティの高いBBQが企画できてしまう。当日の運営もバッチリで、火起こしも抜かりなく、後片付けも非常にスムースだった。
2010-01-16
■[ヨミモノ]岡田 淳 / 星モグラ サンジの伝説
会社の研修にて提出した、読書感想文。
今回、私が選んだ本は「星モグラ サンジの伝説」という児童文学です。“これまでの人生で感銘を受けた本、他人に紹介したい本”が色々ある中で、あえて本書を選んだ理由は三つあります。一つ目の理由は、児童文学だけあって内容が分かりやすく、忙しい人でも短時間で読めるからです。二つ目の理由は、子どもが読んでも勿論のこと、大人が読んでも楽しめるように書かれているからです。三つ目の理由は、多くの人が知る機会に恵まれない本だと思うので、この場を借りて紹介することに意義を感じたからです。
著者の名前は「岡田 淳(おかだ じゅん)」。1949年に兵庫県で生まれ、西宮市内で図工の教師を務める傍ら1979年に作家としてデビューして以来、数多くの賞を獲得している児童文学作家です。今回紹介する「星モグラ サンジの伝説」は、1990年12月に出版された“並外れた好奇心と行動力を備えた一匹のモグラが、ありとあらゆる場所を自由奔放に駆け回り、幸せに暮らす”という、面白いの一言に尽きる物語です。しかも、冒頭で述べたように、この話には大人が読んでも楽しめる理由が大きく分けて二つあります。
一つ目は、この本が、著者がモグラから聞いた話をまとめたものだという「メタフィクション形式」で書かれている点です。作家である著者の前に“人間の言葉を喋るモグラ”が現れて、“伝説のモグラに関してまとめた話を本にしてほしい”と依頼される冒頭。物語の合間に挿入される、“人間の言葉を喋るモグラ”とのやりとり。“聞いたままではなく、人間の言葉を使って分かりやすく表現した部分がいくつかあること”を読者へ伝える後書きなど、メタフィクションを生み出す仕掛けが徹底しています。さらに、モグラの生態をきっちり説明した上で、モグラの社会生活を想像力豊かに描いているので、本当にこのようなモグラがいたのではないかと思わされるような内容に仕上がっています。
二つ目は、モグラ社会を通して、人間社会を風刺しようとする意図が見られる点です。例えば、モグラの領域を超えて駆け回るサンジを取り締まろうと、他のモグラ達が長老会議を開くシーンには、出る杭が打たれる社会・個性を潰す管理教育に対する批判意識を感じたり。また、ゴルフ場の設営や工場の拡大などが、モグラ社会の視点から書かれていることから、環境問題に対する新たな視点を与えてくれたり。それから、当初は異端者として批判されていたサンジが、ヘビや人間をやっつけていくにつれ、自身の知らないうちに英雄として祭り上げられていく過程を読むと、人間社会の世論も似たようなものだなと思わされたりと。大人ならではの深読みが可能な内容に仕上がっています。
しかし、以上の二点もさることながら本書最大の魅力は、モグラ社会をたくましく生き抜くサンジの姿です。しかもここには、人間社会を生き抜くビジネスマンにとっても魅力的だと感じられる理由が、二つ含まれているように思います。
一つ目は、本書には昨今の自己啓発本と似通ったメッセージが、サンジの生き様を通して伝わってくることです。以下、それが分かるように、サンジの生き様を紹介します。
生まれた時から、土を掘ることが好きだったサンジは、他のモグラのように自分のトンネルを持って暮らしていくことをせず(群れから抜け出す)、土を掘ることを追求する生き方を選びます(長所を伸ばす・好きなことをとことんやる)。しかしサンジは、地中深く掘り進んでいた時、硬い岩にぶつかります。ここで、普通のモグラなら諦めてしまうだろうところを、サンジはどうやったら岩を掘ることができるのかを考え特訓し、ついに硬い岩を突破します(できない理由ではなく、できる方法を考える)。こうして、地中ではどこでも行けるようになったサンジですが、現状には安住しません(過去の成功体験を捨て去る)。地中から地上へと勢いよく飛び出ることによって、空を飛べることに気づいてからは、飛行訓練に夢中になります。そして、最終的には成層圏までたどり着き、空の“ホシ”を再び食べたいという願いを達成して(強い目的意識)、幸せに暮らします。
二つ目は、サンジの生き方だけが絶対視されているのではなく、色々なモグラの生き方が肯定されていることです。この点は、リチャード・バックの「かもめのジョナサン」と比較することで気がつきました。「かもめのジョナサン」とは1970年にアメリカで出版された“飛ぶことが大好きな一羽のかもめが、群れから離れて飛ぶ練習を続けるうちに、かもめの領域を超えて活躍していく物語”です。(本書には「星モグラ サンジの伝説」と重なり合う設定が多くあるため、岡田氏は影響を受けているのかも知れません。)
しかし、設定的には重なり合うものの、「かもめのジョナサン」ではジョナサンvs他のカモメという構図が、地の文やジョナサンの発言に明確に見て取れます。それに対して「星モグラ サンジの伝説」には、他のモグラへの蔑視が見当たりません。むしろ、他のモグラたちも、個性豊かな存在として描かれています。また、カモメの領域を超えたジョナサンは、まるで救世主や聖人のように他のカモメを導く活動を始めます。これには善悪二元論的に基づく選民思想を感じざるを得ませんが、それに対してサンジは、自身の「好き」を追求しながらも、他のモグラには自分のように生きることを強要しません。
このように、自己啓発本に勝るとも劣らない前向きなメッセージに溢れながらも、画一的な価値観を押し付けられる不安がない本書は、モチベーションの維持が欠かせないビジネスマンにとって、一読する価値があるのではないでしょうか。
正直、これは上手く書けたと思う!先輩からも「新聞の書評欄に投稿されてそうな文章」と言われたし。仕事では滅多に褒められないのになあ(笑)