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科学信仰

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2015-10-24

下戸と日本人の起源

下戸遺伝子は氷河期適応なんだから大陸の新モンゴロイドもみんなそうだろ?と思ってたら違ってた話。

それどころか我々の先祖はあんまり朝鮮半島から来てないのかも??という話になっていきます。

[枕](下戸遺伝子の話はいらんという人、本題はこちら

アセトアルデヒド脱水素酵素というものがあって、北東アジア人ではこれのうち一種類が遺伝子欠陥で機能を失っている人の割合が多い。

アルコールを摂取した後、肝臓でアルコールが分解される際に、代謝サイクルの中間産物としてアセトアルデヒドが出来る。本来なら速やかに加水分解されて無害な酢酸に変わるんだけど、日本人の場合、約半分の人が酵素機能が失活した遺伝子を持ってる。誰でもお父さんとお母さんから遺伝子を一個づつもらって、2個ペアで持ってるんで、あとは確率計算の問題になってくるんだけど、この欠陥遺伝子と正常な遺伝子をヘテロで持ってる人が4割、欠陥遺伝子だけを持ってる人が4%になる。ヘテロで持ってる人は、正常遺伝子をホモで持ってる人に比べて、このアセトアルデヒドを速やかに分解する酵素を十分産出できない。そのため血液中のアセトアルデヒド濃度が上がり、顔が赤くなったり頭が痛くなったるする。つまり生まれつきお酒の弱い人になる。それは日本人の半分。

んで、なんでこんな欠陥遺伝子がこんな高確率で存在するのかという話になってくるんだけど。

それは凍傷を防ぐからという有力な説がある。

寒気にさらされると、人体は腕や脚の表面の血流を抑え、体温が体表から奪われるのを防ごうとする。手足が水冷のラジエターみたいになっちゃわないようにコックを閉めちゃう感じ?

手足は冷えちゃうけど、内臓の体温を守ろうとするんだね。

ただし手足の血流が阻害されるので長時間その状態がつづくと手足の指先あたりから壊死がはじまっちゃう。

んで、アセトアルデヒドの出番。アセドアルデヒドは血管拡張作用がある。

氷河期を高緯度地方で生き抜いた北東アジア人は、瞼が厚くなったり腕脚が短くなったりという寒冷地適応をしたとも言われてるわけだけど。その一つがアセトアルデヒド脱水素酵素の失活だったのではないかというんだね。

アセトアルデヒド脱水素酵素を十分を持ってない人は極寒の中、懐中のお酒をぐびっと飲むと、体が温まるだけでなく手足の先まで暖かい血液が行く。

この説では、そういう人がより多く生き残る環境で先史時代の北東アジア民族が暮らしていたというわけですね。


――という話をしたら反論されまして。

仕事とかの付き合いで韓国とか中国の人と飲むと、向こうの人は無茶苦茶強いじゃん。ってわけですね。

半分が弱いとはとても思えないと。

でも、日本より北側の韓国中国のほうがより北東アジア民族的じゃんね?

より南方的な形質を持ってる縄文人のほうが酒が強くて東北地方に酒が強いひとが多いのもそのせいとか聞いたことあるし。

弥生人言ったら、朝鮮半島から来た人たちでっしゃろ??

韓国人より華北人(≒漢民族)、華北人より冬寒い地域で暮らしれるモンゴル族のほうがより氷河期的だよねぇ。


んで、ネットで調べました。


まず、Wikipedia

ALDHの遺伝子多型は生まれつきの体質であるが人種によってその出現率は異なり、AGタイプ(酒に弱いタイプ)・AAタイプ(酒が飲めないタイプ)はモンゴロイドにのみ、それぞれ約45%、約5%認められる。

アセトアルデヒド脱水素酵素 - Wikipedia


次に「アセトアルデヒド分解酵素 中国 日本」でググるとなぜか東京国税局がトップでヒットします。

※「ALDH2」不活性型の割合

日本人・・・・44%

中国人・・・・41%

タイ人・・・・10%

フィリピン人・・・・13%

ヨーロッパ系白人・・・・0%

アフリカ系黒人・・・0%

北アメリカインディアン・・・・0〜4%

◎ある説によると日本人は、縄文人系はNN型、弥生人系(大陸から日本列島に移住)はND型あるいはDD型が多いと言われていますが、その割合は、NN型56%、ND型40%、DD型4%と言われています(別の説では、ALDH2型を持たない人が25%はいると言われています。)。

テーマ02 「あなたはお酒が強い人?弱い人?」|東京国税局|国税庁

中国人はさほど強くなさそうですねぇ。というか強くない人が多そうですねぇ。

社会的ビヘイビアに目眩ましされがちな印象は当てにならんということでしょうか。


んでは韓国人は?

検索単語に韓国を加えるとアサヒビールがヒットします

日本人は世界でも珍しい、お酒に弱いといわれる人種。

お酒が苦手な日本人が多いことは、科学的にも証明されています。その原因は、アセトアルデヒドを分解する酵素であるALDH2の欠損です。

日本人の約44%は、ALDH2を持たないか、その働きが弱くアセトアルデヒドが貯まりやすいのです。 この遺伝的性質は、日本人などのモンゴロイド特有のもので、アフリカ系やヨーロッパ系の人種には見られません。

出典:樋口進 編

『アルコール臨床研究のフロントライン』より人種 ALDH2欠損率

日本人 44%

中国人 41%

韓国人 28%

フィリピン人 13%

タイ人 10%

インド人 5%

ハンガリー人 2%

ナバホー人

(アメリカ原住民) 2%

ドイツ人 0%

イスラエル人 0%

エジプト人 0%

ケニア人 0%

スウェーデン人 0%

フィンランド人 0%

おお、ハンガリー人にも居る。やっぱマジャール人アゴタ・クリストフもといクリストフ・アゴタも遠い親戚か?

ってのはどうでもよくて、韓国人の比率が少ないねぇ。

社会的目眩まし説はやくも却下?


こりゃあ分布図を探したほうが良いかもしれん。


んで、「ALDH2 分布」で画像検索した結果がこれ。

乙醛脱氢酶2(ALDH2)-饮酒者的“救赎”


なんと。

予想に反してホットスポットは江南ではないですか?

華北や朝鮮半島には確かに少ない。

北京で紹興酒順繰りにカンペーさせられたりソウルで爆弾酒でいっきさせられたりして平気な連中が多いって印象は間違いではなかったのか。

むかしニュースステーションの特集かなんかで日本人のルーツを探訪とか言って中国南部の少数民族を訪ねてて、何やっとるんじゃ? 訪ねるなら朝鮮半島だろ??と疑問に思った事をを思い出しました。

そういえばどっかのサイトで長江文明の出土人骨の遺伝子特徴が弥生人と一致とか言ってたな。

「一致」とか安直に書いてる時点でヨタだと思ってたんだけど。

でも、魏志倭人伝に日本人が「呉の太伯の子孫」を自称したとかあったよな?


氷河期には上記の通り有利な形質ではあったのかもしれないが氷河期以後の江南で有利であったとは思えない。

弥生文化の起源が氷河期とははるか遠くせいぜい紀元前数世紀と考えられていることと合わせればこの遺伝子分布は適応集中による偶然とは考えにくい。


ついでに日本国内の分布

酒の強さは遺伝子で決まる 原田 勝二 氏


やっぱ、熊襲蝦夷アイヌは縄文人だよなぁ。

んで、関西瀬戸内周辺は弥生人で中国南部の少数民族(とか漢族に同化して消えた連中)の末裔と。


というわけで、日本人つか弥生人の先祖はホントに長江文明人かもしらんぞという一席。