名物

Ctenophora2005-08-09

味噌煮込みうどんを初賞味。とっても熱いので、ふたにとってから食べる。だから、ふたには穴がついていない。山本屋本舗に行った。これはまた食べたいもの。名古屋のひとの雰囲気もいいので、住みやすそうな土地だと思ったけど、ちょっとこの熱と光は危険。自動販売機に硬貨を入れるのに2回も失敗した。しかも、違うもの買ってるし。お土産はういろう!

STED microscopy

Stimulated Emission Depletion microscopy の略らしい。原理はMax Planck のサーバにあるこのページによると、以下のようなもの。
蛍光を顕微鏡観察するときの限界は、励起光の diffraction *1 による目的の分子以外への光の散乱によって、対象物以外からの蛍光が生じシャープな像が得られないことによる。だから、問題解決にはまわりの分子の蛍光を抑えればいいことになる。
STED では励起光の直後に STED pulse と呼ばれる短波レーザーを打ち込む。このレーザー光の波長は、目的の蛍光分子の蛍光の波長に等しいだけ赤方偏移させてあるため、励起された分子を quench することになるらしい。STED pulse は励起された蛍光分子を蛍光発色させることなく、基底状態にもどすらしい。
それで、目的の部分には励起光を、その周辺にドーナツ状に STED レーザーを打ち込めば、diffraction による影響がなくなるという話。ちょっと、STED による quenching がよく消化できていない感じ。でも実験データは綺麗に共焦点像よりシャープになってる。原理的には1分子が見えるらしい。
http://www.mpibpc.gwdg.de/abteilungen/200/Bilder/Aufbau-STED.jpg

*1:回折? でいいの?

Imaging Science in Okazaki

というのに参加。かなり学際的なシンポで、イメージングをキーワードにプラズマ、天文、金属表面、生体高分子、量子状態、fMRI など多様。あまりにも遠いものはものはお話として聞く。例えば「補償光学」(国立天文台の家先生)など。すばるに実装されている機構の話。大気のゆらぎの影響を受け、望遠鏡に届く光は平面波としての性質を一部失っている。これを光学的に補正しようという機器系。下の図のように、平面波が歪んでいるとする。観測点A, B において、光強度(密度)を測定すると、波がゆらいでいる中央部分で A においては光の収束 (Converge) が、 B においては拡散 (Diverge) が観測される。

これらの観測値の商をとり (A での光強度 / B での光強度) 平面内で積分すると、もとの波形が得られる。このゆらぎを打ち消すように変形制御可能な曲面鏡をリアルタイムで制御し、大気ゆらぎによる散乱の影響を 70% に抑えた*1ハッブル宇宙望遠鏡よりクリアな像が得られるらしい。
ただ、この補正を行うためには参照となる光源(星)が必要で、この条件を満たす空域は全天の2%にすぎない。この問題を解決するために、上空90kmのところにあるNa層を利用している。Naの励起エネルギーの周波数をもつレーザーを90km上空まで届かせることのできる高出力発振機をつくることにも成功している。一億円のレーザーポインターとして利用可能で、あれがひこぼし、とか空に向かってポイントできるらしい。

*1:通常0.1%程度の光しか利用できないらしい

蛍光タンパク質と顕微鏡

理研の宮脇先生の話。蛍光発色の on/off 制御が可能な Dronpa を利用して共焦点レーザー顕微鏡の diffraction 限界を超えるためのシステム開発。STED microscopy に変わるアイディアがあるという。STED がなんだかはあとでリサーチ。シナプス小胞のライブ観察を目指している。
あとは FCCS Fluorescein Cross-Correlation Spectroscopy という概念。FRET を用いたタンパク質同士の相互作用の検出は、融合タンパク質のサイズによっては FRET が起きず、 false negative rate が高くなるという問題点がある。これを解消するために、タンパク質溶液を spectroscopy にかけ、例えば YFP と CFP のシグナルのピークが重なればそれぞれの蛍光タンパク質の融合相手同士が結合しているだろうと判断する技術。しかし、このシステムを開発するにあたって励起レーザーをふたつ同時に用いることに技術的な問題があるらしく*1、単一のレーザーでふたつの蛍光タンパク質を励起でき、かつそれぞれの蛍光タンパク質の蛍光が分離可能であることが必要になっていた。
しかし、既存の蛍光タンパク質の stolk shift は分離して検出するには大きさが足りなかったので、ある 600nm の蛍光を発するタンパク質に変異を入れて、 400nm (CFP と同じ) で励起できるものを作製した。ほんとにすごい。488 があるとうれしいんだけど...。

*1:Detection 側はmutiple dichroic mirror でいいけど

Two photon microscopy を用いたシナプス可塑性の研究

理研の河西先生のラボ。Caged Glu を用いて単一のシナプス*1を刺激してシナプス後膜でのイオン流入を開始させる系を立ち上げている。単一神経細胞のすべての spine を計算機で検出し、個々に刺激を与えた際の応答を axon での electrophysiology で見ている。Spine size と axon での電流量は比例関係にあり、 LTP とも spine size が相関していたことを示している。
最後に brain の live imaging を two photon で! 開頭して、single cell どころか spine まで見えてる。系は mouse 。Fragile X syndrome の model mouse での単一 spine 刺激による LTP の assay もやりはじめているらしい。
Spine-neck geometry determines NMDA receptor-dependent Ca2+ signaling in dendrites.
Structural basis of long-term potentiation in single dendritic spines.
Dendritic spine geometry is critical for AMPA receptor expression in hippocampal CA1 pyramidal neurons.

*1:Spine