静寂(しじま)を待ちながら RSSフィード

2015-12-30

それでも私はパーケンを愛し続ける

こんばんは。もう年の瀬ですね。

ネタ番組をたくさん見られる楽しい季節に、衝撃のニュースが飛び込んできた。

キングオブコメディ及び高橋健一に関しまして
人力舎オフィシャルサイトより)


被害者のことを思うといたたまれない。罪は償わなくてはならない。それが大前提だ。

パーケンこと高橋さんは、大好きな芸人のひとりだ。
KOCで優勝し、エレ片バナナマンラジオで、その面白さを知ってファンになった。またモノノフとしても彼を尊敬している。
芸人らしい、クレイジーエピソードには事欠かない。旅行中、皆の残した海老味噌やお味噌汁を盗み食いするくらい食べ物に執着したり、「ももクリ2011」に*1に今までのライブグッズをでっかいバックに詰め込んで現れ、「こいつらにも(ハレの日の)空気を吸わせてやりたい」と言ったり。危うさは魅力でもあり、ネタにも反映していた。

性犯罪、との報道が多いけど、厳密には違うと思う。窃盗癖の気が強い案件だ。スリルへの執着と、モノへの異常な愛情という観点からみるべきだ。もっと言えば、「異様なまでの自信のなさの反転」と、「人にうまく対峙出来ないため、間に一つ挟んでコミュニケーション欲を満たす」かと。事件の概要を知ったとき、私は上記のエピソードを思いだした。一般的には、気質と成育歴などの環境が要因とされるそうだ。
窃盗、というとアレだが、「隣の芝生は青い」の常軌を逸したバージョン、と考えれば、多かれ少なかれ、誰もに宿る気質だ。だからと言って犯罪が許される訳ではないが。

余談だが、ラーメンズのコント、「止めさせないと」(「TOWER」より)を思い出す。ルームメイトへの嫉妬から、自分が相手に成り代わり騒動を起こす話。古典的な「とりかえばや」だ。他人を生き、結果的に2軍に甘んじる。
憶測だけど、彼は青春を盗んでいたんじゃないかな。人生が悔しかったんじゃないかな。胸がつまる。

また、彼は、窃盗者という裏面をもつことが、人生において、なにがしかの支えになっていたのではないか。秘密を抱えなくては生きられない人もいる。謙虚を通り越して卑屈、と自分でも揶揄していた、根の部分だ。運命に翻弄された時に、何かが破れてしまったのかもしれない。

…………

落ち込んでいたとき、詩人の友人が「自分の中に怪物を飼っていて、取り返しのつかない場所に踏み出す勇気と絶望は、表現者として生きる本当の資質。表現は学問でも道徳でもない」と言ってくれた。とても救われ、少し泣いた。

文化を育む礎は、感情と理性だ。
人は、倫理や世知で全てを割り切ることなどできない。感情だけで社会を突っ走ることも不可能だ。
矛盾や破れの間でゆれる人々を私は愛する。

彼には今後もお笑いや、表現に関わって生きていてほしい。裏方やライブシーン、ネットやメルマガなど、才能を発揮できる場があればよいなと思う。
今後、もしまた私たちの前に出てきてくれたときは、全力で応援する。
違う生き方を選んでも、もちろん、陰ながら祈り続ける。
彼の今後の人生が、幸福かつ穏やかであってくれと。

キングオブコメディはなくなってしまったが、今野さんの未来にも幸あれと願う。今は役者業で注目されているけど、お笑いもやり続けてほしい。

パーケン、今までありがとう。どうか幸せになってください。また、会えたら嬉しいです。

*1:ライブを間違っていたらごめんなさい。エピソードは確かかと。

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