静寂(しじま)を待ちながら RSSフィード

2015-01-12

空に咲く花火、野に散る火花(又吉直樹「火花」)

こんにちわ。年明け早々、公私ともにハードな日々を送っておりました。現実に立ち向かう力がうまく出せなくて、へなへなしていたら、A先輩(略称:ジェントルさん)が「つらいね、でもあんたはええ子や、今は無理せず休みなよ」的なことを言ってくれて、わたくし年甲斐もなく泣いてしまいました。ありがとうジェントルさん。その節は本当に救われました。…昨年末に「人を助けられる人間になりたい」と宣言した舌の根も乾かぬうちに、むしろ周りに救ってもらうという事案が発生し、若干情けないものがあります。しかしまあ、助け助けられて生きるのさ!愛し愛されて生きるのさ!(byオザケン)って感じで一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。

…………
さてさて、こちら、すごいニュースになりましたよね。

文學界」初の増刷へ 又吉さんの小説掲載で
NHKニュースWEB より)


80年以上の歴史を持つ文芸雑誌文學界」が、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんの小説の掲載で異例の売り上げを記録し、創刊以来初めて増刷されることになりました。

増刷されるのは、文藝春秋が発行する月刊の文芸誌文學界」の2月号です。
お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんの小説「火花」を掲載したことが話題となり、発売初日の7日、すでに一部の書店では在庫の70%以上が売れたところもあったということです。

文芸誌に230枚書き下ろし、って時点でもうすごい。ひっくり返りながら「これは売り切れ必至」と思ってすぐさま近くの書店へ予約の電話をかけましたよ。そうしたら予想をはるかに超えた数字が!文芸春秋さんもほくほくでしょうね。
で、さっそく手に入れて読んでみました。ちなみに今回の表紙装画は元ceroの柳智之さんによる「小林秀雄」。個人的には嬉しい偶然です。

文學界 2015年 2月号 (文学界)

文學界 2015年 2月号 (文学界)

又吉さんはなんと巻頭!こんなに大きな扱いで作品をおろしてくれるだなんでファンとしてはもう嬉しくてたまりませんよ。ありがとう文藝春秋

文芸誌処女作のタイトルは「火花」。

あるふたりの芸人の生き様を描いた作品です。徳永という売れないお笑い芸人が、少々エキセントリックで、でも笑いに真摯な神谷という先輩と出逢い、共に「笑い」を模索して行くお話。徳永のコンビ名「スパークス」が題名の由来でしょうが、きっとファンならピンとくる。又吉さんは「ピース」というコンビを組む前、学生時代の同級生と「線香花火」というコンビで活動していました。おそらくそこからも取られているのであろう。ストーリーも、線香花火のことを思わせるエピソードや展開が結構、いや多分にある。というより、これは「線香花火」に捧げるお話、ととらえることも可能なのではないだろうか。ファンの勝手な憶測ですけどね。その他にも、彼の側にいた先輩・後輩の話がベースだろうな…、というものも随所に盛り込まれていた。たとえば徳永と神谷のメールのやり取りなんか、ジューシーズ児玉さんと又吉さんとのそれにちょっと似てるなあと思いました。もちろん現在の活動の根であるピースで経験した事柄も、いくつか含まれているように感じます。
「笑い」について、あくまで自分の感覚と信念だけを頼りにつきすすみ、周囲との軋轢をおそれない神谷、それに憧れつつも少しずつ軸を変化させていく徳永。齟齬はやがてある事件に到達します。

徳永と神谷のやりとりのひとつ、「自分が本当に面白いと感じるものを追求したい気持ちと、各媒体を通じて受け手へ届ける時の配慮」に関しては、自分の過去エントリに又吉さんの生の声、などなどがあったので引用してみます。

古井「テレビの向こうに広がっている空間を思うことはありますか。
又吉「はい、それは思います。でも、そう思う作業が結構難しくて。」
古井「そうでしょう。目の前に広がっている空間を別の空間へと変換しようと思っても、なかなか感覚的に修正しきれないんじゃないですか。その分だけ抽象的な世界になっているわけだ」
又吉「お客さんを入れる収録の時はまだ自分の調子が分かるんですけど、ただカメラを前に喋っていいるだけだと……。」
古井「ああ、これは苦しい。芸人がお客さんのいないところで芸をするのは、多分歴史が始まって以来、今が初めてなんじゃないでしょうか。」

(中略)
又吉「目の前のお客さんを楽しませるのが昔の芸人だとしたら、今の僕らの行為は、例えばテレビを通していろんな世代のさまざまな考え方をもつ人たちに見られてるわけで。
そうなると、やっぱり想定外の人も見ていますから。
届かなかったり、逆にすべての人に伝わることが自分のやるべきことなのかと感じることもあったりして。」

新潮 2012年 01月号 [雑誌]

新潮 2012年 01月号 [雑誌]

「人を笑わせる」という行為で、ある程度共通のものはあると思う、と後半で述べつつも、媒体の違いが、彼にある種の戸惑いや迷いを生じさせている。

2009年9月29日配信の「月曜JUNK バナナマンバナナムーンpodcast」では、キングオブコントで優勝したばかりの東京03がゲストに呼ばれた。
キャラクターの薄い豊本さんを、テレビ出演でいじる折にどうしようかと案を出し合うなかで、語られたこと。

(舞台に出るときの豊本さんのいじり方について)
飯塚「一応、ミステリアスな感じにはなってきつつありますけど」
設楽「でも、それってね、ライブシーンではいいよ。
テレビは、より、大衆演芸だから。
(中略)
人間味の勝負だからね、こっからは。大事なのは。
そこが全然(分からない状態)でミステリアスだと、なんだこいつ、どうやっていじりゃいいんだってなっちゃうからね」

http://www.tbsradio.jp/banana/index.html
20090929.mp3

舞台に比べ、テレビはより分かりやすく、例えば面白い顔や人柄などの、多くの大衆から共感が得られるものが商品価値につながると、設楽さんは力説した。
舞台でのコント、そしてテレビのバラエティ番組の両方で活躍するバナナマンだからこそ、どちらの特性も分かるのだと思う。
……
受け手の領分」より

これ、答えは「テレビを頑張りつつコアなライブも手を抜かず続ける」っていう又吉さんの現在の活動に尽きるんですよね。規制のあるテレビで破天荒なことは出来ないけど、そこにずっといるためには自分の刃を磨き続けなくてはならない、っていう。いや、大衆芸能とエッジの利いた表現、どっちが上とか優劣とかない。ただ、己を突き詰めることだけが必要なんだと思う。この作品も、「笑い、すなわち己を突き詰めるには」という問いに、かなりの分量が割かれていました。
「お笑い」という表現を選ぶ人たちの切実さが、わたしはとても好きです。人を笑わせたい、というのは自分が笑いたいということと大体イコールだ。それは意識的にしろ無意識的にしろ、その人が「笑えない何か」を抱えているためだと思う。でも笑い飛ばしたい、という心の動き、その強さとやさしさにわたしはどうしようもなく惹きつけられる。
それはラスト付近の、徳永のコンビ「スパークス」の漫才の場面と、その後の、花火大会の会場で起こった出来事に象徴されていた。ここはぜひ皆様に読んで欲しい箇所です。

それから、文体がとにかくやさしい。「清濁・正誤なんか気にせんでええんや、全部おもろいんやで」っていう又吉さんの声が聞こえてくるようだ。全てを肯定しよう、という考えが行間ににじみ出ていた。彼の愛情深い人柄が、この作品を強く支えているように感じました。心洗われたー。

「火花」はお笑いファン、又吉さんファンのみならず、すべての表現者とそれを愛する人たちに読んで欲しい作品です。
又吉さん、どう考えても多忙な中、こんなに切実で誠実で、愛のあふれる作品をありがとうございました。これからも、テレビで、舞台で、そして言葉の世界で活躍する又吉さんを応援しています。
単行本にもなるらしいので、そのときはまた張り切って買いたいと思います。

2014-05-21

スターと裏方(「ナカイの窓」山里世代より)

こんにちは。うちの辺りもようやく「春が過ぎ、夏を待ち(星野源「日村さん42歳バースデーソング」より)という気候になってきました。北国の春は、梅も桜も同時期に咲きます。まさに百花繚乱で美しいけどあほみたいです。そんなにみんなでいっぺんに本気出すなよ、って思います。きっと心が汚れているのでしょう。

…………
ちょっと前になりますが、2014年4月30日放送の「ナカイの窓」、「山里世代」がおもしろかったです。
南海キャンディーズ山里亮太さんは1977年生まれ。他のゲストは彼と同い年・または同世代の、ピース綾部さん、鈴木紗理奈さん、DAIGOさん、魔裟斗さん、オードリー若林正恭さんでした。そのトークの中で、「この世代には昔みたいなスターがいない」という話になったんです。自分たちのことを「小粒でふがいない」と言い、「何やってんだ世代」と揶揄していました。ちなみに彼らの指すスターとは、ウッチャンナンチャンとんねるずダウンタウン、若くてもナインティナインまでのこと。

芸人に関する意見は以下。書き起こしではなく要約です。

鈴木「ひとつ上の世代ナイナイ極楽とんぼ等)には『怖い』印象がある。この世代にはない」
綾部「今、本気で先輩に対して『いってやろう』と思っているやつは一人もいない。どうにか気に入られようとしている」
「細かく計算して、抜け道を探している」
山里「昔の破天荒なテレビを経験していないからコンプレックスがいっぱいある」「あまりにもスターたちのつくった『教科書』がしっかりしすぎている。もう出尽くしている」

どれも納得できます。団塊バブル世代に腹の中であれこれ思いつつも、何とか取り入って出世をもくろむ中間管理職みたいな。

スターって、「本人の資質×有能な裏方×目効きのファン(アンチも含む)」によって作られると、個人的には思っています。で、山里世代が割を食っている原因って、単純に上がつまっているとか芸人が増え過ぎているというのが大きいんでしょうが、今回は「裏方」にスポットを当てて話を進めてみます。要は、会社やマネージャー、構成作家、各テレビ局のプロデューサー等々、による尋常ならざる協力体制についてです。それはスターには絶対必要なものだから。過去の成功例を思いつくままに挙げてみます。とんねるずならフジの「ダーイシ」こと石田さんや港さん、ウッチャンナンチャンは元フジの吉田正樹さん、ナインティナインには黒澤マネージャーとフジの片岡飛鳥さん。ダウンタウンは最強で、よしもとの大崎社長や作家の高須さん・倉本さん、日テレ菅さんなどなど全方位からの支えがあります。そういう裏方さんがいると何が生まれるかというと「ホーム」です。「おかげです(した)・生ダラ」、「やるやら笑う犬」、「ごっつ・ガキ使い」、「めちゃイケぐるナイ」などなど。BIG3とか、もっと上の人たちだってそうだ。単独ライブをホームにする芸人は多いですが、それも発展させるためにはバナナマン×オークラのような、深い関係性を持つスタッフが必須です。芸人さんの例ばかりを出したけど、俳優やアーティストも基本は同じですよね。その人を「売り出す」際に命がけで、それこそ「この人となら心中しても本望だ」ってくらいに応援してくれる人の存在なくしては、スターは生まれないと思う。でも、今はマスの視聴年齢層が上がっているから、この世代の感覚を生かしたい!と頑張る人たちが目立ちにくい、あるいは長続きしにくい状況なんだろうなあと感じます。まあ、よく見ていればあるんですけどね、そういう番組も多々。でもマスではないってのが歯がゆいです。で、生き抜くため、マス向けの場をがんばって泳いでいるうちに、小粒感がにじみ出てきちゃうのかもしれない。
あと、「裏方」って言っていいのか分からないですけど、『「カルチャーにお金を出す」ってどういうことなのか問題』も見逃せないと思います。バラエティを見なくったって死なないけど、そういう、「腹の足しになんないものを支える尊さ」を第一義におく広告主って、あんまりいない気がする。今考えたけど、ゴッドタンくらいしか思いつかない。まあ現実は大変だから仕方ないけど、でも、そういいきってくれる会社の商品のほうを、私は買いたい。
いずれにしても、わたしたちにできるのは、応援の声を届けることだけです。「面白かった!」とわいわい騒いでいくことが、ちょっとでも彼らの足しになれば、と心から思います。明日のスターを生み出すのは、俺たち(かもしれないの)だ!急にオンバトみたいになってダサいことこの上ないですが、今日はここまでです。ご静聴ありがとうございました。

2014-05-10

つかませないひと(「タモリ学」を読んで)

我らがテレビっ子の希望の星、「てれびのスキマ」こと戸部田誠さんの処女作及び第2作が続けて上梓されました。おめでとうごさいます!

スキマさんの著作、ずっと待ちわびていました。しかもタモリさんについて書かれているだなんて…。読まずにはいられません。

簡単ですがお祝いの花束がわりに、「タモリ学」の感想を書きたいと思います。敬称は、いつもツイッター上で呼ばせていただいている「スキマさん」で行きますね。
…………

まず、言葉がとても難しいのですが、この本はものすごく軽やかです。TV、ラジオ、書籍などの膨大なアーカイブを含んでいるのにも関わらず。量が多すぎて付録を断念したという、この「タモリ大年表」なんてもう圧巻ですよね。これだけ別で出版してほしいくらいです。そんなわけで、「きっとスキマさんのタモリ愛と山盛りの資料が堪能できる、熱いものにちげえねえ!」と思いこんでいた私は、初読時、正直びっくりしました。その語り口は、もちろん彼の練り込まれた筆力によるところが大きい。しかし読んでいるうちに、それだけではないことが分かってきました。様々な局面においてタモリさんは、俺なんて大した事ねえんだよ、とアピールしている。もっと言えば、空虚であろうと、「つかませまい」としている。スキマさんは、そんな彼の生きざまを正確に書きあらわしたんです。もうすごいとしか言いようがない。

それから、ふと思い出しました。カート・コバーンが亡くなった際に書かれた、よしもとばななさんのコラムを。

生意気だと言われてもこわくない、一度でいいから家の中を見張られたり、ごみ箱をあさられたり、公の場でこきおろされたり、会う人会う人がお金の話をしたり、すれ違っただけの人に仕事ばかり頼まれたり、めしを食っている時に指差されたりしてみてほしい。カートの言う通り、それはくり返しレイプされるようなものであり、その疲れはいいことや真に愛情のこもった周囲の声をばかばかしく思わせるくらい大きい。
それでも有名になりたければグロテスクになってしまえ!
(中略)
……全くおそろしい時世だわ。感受性のほかに泳ぎ方まで知らないといけないなんて。


「ばななブレイク」 part.1「追悼カート・コバーン」より抜粋*1


32年間、毎日まいにち生放送に身をさらして生きるのは、ある意味で身をえぐられるような、「グロテスク」な体験と言えるのかもしれません。きっと、タモリさんの持つ「つかませなさ」がなかったら成り立たなかったでしょう。そんな「肝心なところでかわす」力に長けた人物を書きだす苦しさを思うと、想像しただけで胃が縮みます。スキマさんあっぱれ!です。


個人的には「家族」の章が面白かったです。風通しの良い、大らかなタモさんの原点が知れて嬉しかったな。
「笑っていいとも!」が終了し、タモリさんの居ないお昼が32年の時を経て再びスタートしてしまったけれども、この本があればその淋しさもやわらぎます。こんなに素敵な本を書いて下さって、スキマさん、本当にありがとうございました。そして今後のさらなるご活躍を祈念&期待しています!

*1:リンクは現在の普及版である文庫。参考にしたのは初版時の古いもので、抜粋ページはP.25〜26です。ページが違う恐れがあるので明記しておきますね。

2014-01-29

オークラ works 2013

天才(変態)構成作家ことオークラさん、昨年はすごかったですね。過去の年表記事もこつこつと更新してますが、2013年分に特化した活動分を改めてまとめてみました。


…………
2013年 (40歳)


3月2〜3日 「舞台・ウレロ☆未公開少女」に脚本家として参加。


3月29〜31日 バナナマン×東京03のユニットコント、舞台「handmade works live」に脚本家として参加。


4月29日 15年お付き合いした彼女と結婚。証人は設楽さんと矢作さん。この日は「付き合い始めた記念日」とのこと。*1


星野源さんのライブ後にプロポーズ*2
入籍日には、奥さまに「よろしくな!」と格好つけていったそうです。


この件がネットニュースになる。
【エンタがビタミン♪】婚姻届には設楽統と矢作兼が署名。“3人目のバナナマン”と呼ばれる人気放送作家・オークラ氏が結婚!

「迷惑なんですよね」と言いつつも東京03の飯塚さんなど親しい人には自慢している。



5月5日  「ももクロ子供祭り2013 守れ!みんなの東武動物公園 戦え!ももいろアニマルZ」に参加。


6月28日 ゴッドタン「キス我慢選手権 THE MOVIE」に脚本家として参加。


7月19日 バカリズムのコント番組「番組バカリズム」に脚本家として参加。(東京03飯塚さんとのユニットコントを担当)


9月19〜23日 「東京03 10周年記念 悪ふざけ公演『タチの悪い流れ』」(おぎやはぎ 、浜野謙太、GENTLE FOREST JAZZ BAND / 日替わりゲスト:劇団ひとり、小林賢太郎、アンタッチャブル山崎、バナナマン)に脚本家として参加。


10月 「教訓のススメ」参加。(〜現在)

10月10日
担当番組・TBSラジオ木曜JUNK「おぎやはぎのメガネびいき」放送中に、東京03飯塚さんらと飲みに行くというゆゆしき事態が発覚。
入籍したばかりの角田さんご夫婦や、小島よしおさん、アンタッチャブル山崎さん、かもめんたるなどが集う飲み会で、今後の方針についてかもめんたるから相談され、熱いアドバイスをしていた。そこでテンションの上がった飯塚さんが、矢作さんに生放送中に(誤って)電話したことでバレる。
おぎやはぎ、バナナマン、鈴木工務店さん宮嵜Pらスタッフ陣、リスナーらにこっぴどく叱られる。


12月27日〜 ドラマ「LOVETOPIA(ラブトピア)」(各回2話全5回)に脚本家として参加。


この他、東京03バナナマンの単独ライブにも作家としてコントを書き下ろしている。

…………


流石の引っ張りだこっぷりです。このほかにレギュラーやらSP(マジ歌とか)も山ほどあるというのに…。2013年頭の、バナナムーン恒例の年間占いでダーシマこと島田秀平から「今年は夏休みを取らないでガンガン行った方がいい」といわれたことを忠実に守り、働きまくった結果、素晴らしい1年になったというわけですね。結婚もしましたし!祝!(粗相もあったけど)。
特に「6本やった舞台は、どれもすこぶる評判がよかった」と自ら胸を張って自慢しておりました。*3


今年もブレイク必至(ダーシマ占いでは)とのこと。既に「ウレロ☆」最新作も始まってますし、2月には脚本を担当された映画「セブンデイズ リポート」も公開されます。多忙のようなので健康には気をつけてほしいですが、ますますの活躍を期待!

*1:俺は覚えていないけれど…、と照れながら報告していました。

*2:奥さまは星野源さんの大ファンとのこと

*3:TBSラジオ金曜JUNKバナナムーンGOLD」2014年1月4日放送分より。こういうところが粗相を生むのかと…。

2013-11-08

「森田一義アワー・笑っていいとも」とわたし

いいとも」が終わる。
一報が流れた2013年10月21日、わたしはショックで風邪をこじらせました。ほとんど失恋したみたいな精神状態からようやく立ち直ったところです。
動揺っぷりに我ながら驚きました。振られた相手にラブレターを送るみたいな気持ちで書いてみます。

…………
子どもの頃からずっと観てきた「いいとも」とタモリさん。思い出には枚挙にいとまがありません。
昔は結構お酒がらみの話が多かった気がする。
「俺、今日も二日酔い」「五時まで飲んでたからさー」「昨日は飲み屋でケンカしたの。っていっても店内で不穏な空気を出して周りの客や店員さんをやきもきさせてから、『やるか!』と外に出ただけなんだよね〜。あの後仲間で爆笑したよ」
みたいな話が好きだったなあ。

印象的な場面も32年分、いろいろ。
とっかかりのない女優さんなんかだと「綺麗ですよねー」「かわいいねえ」だけで20分持たせてたテレフォンショッキング、「安産!」「すっぽん!」、三田寛子のおっとりし過ぎなお料理タイム、ランダムな50個のワードを暗記するタモさんに感嘆するだけのコーナーなど。
あと、とある年の年末年始テレフォンがSMAPの木村拓哉さん→稲垣吾郎さん(逆かも)ってことがあって、まだ20代前半の二人が「(年またぎが)僕らでいいんですか?」とすごく恐縮していたのを覚えている。謙虚なアイドルだって思った。
思えば平日の昼から無意味で微毒なお笑い番組を流すってだいぶクレイジーですよね。いい国だ。

開始は1982年10月4日。夕張炭鉱が閉山し、SONYが世界初のCDプレーヤーを発売した年だそうです。
とんねるずが「おっとっと」のCMを始めたり、「E.T.」が公開されたりもしたらしい。
高度経済成長がひと段落し、バブルに向かっていく時代でした。右肩上がりを至上命題とした「THE20世紀」なあの頃に、「やる気のある者は去れ」「反省しない」「今年の目標は現状維持」と語り続けた凄味よ。
時代は流れ、日本にはなんやかんやがありましたが番組は軌道に乗りました。「『いいとも』に出演すれば一流芸能人」という風潮は芸人のみならずミュージシャンや役者さんにも広がり「いいとも詣で」なんて言われることもあった。特にレギュラーになることは、芸人さん達にとって一種のステイタスでした。


まさに、芸能界において「いいとも」は神社みたいな存在だったのではないかと思うのです。


それは観覧100人とさほど大きくない、しかし手入れの行き届いた神社です。毎日、ジョン・ケージみたいな予定(若干)不調和の祭りが繰り広げられている。神主さんはもちろんお昼のリーダーMr.タモリ。
奥にはうやうやしい装飾を施した神殿があり、御神体が眠っている。でもきっと扉を開けるとそこには何にもない。もしくは「そこの坂道全体が御神体なんだよねー」という感じ。


いや多分、何か置かれていたこともあるんだ。でもタモさんは入れても入れても捨てちゃうから周りも諦めたのではないかと。自分で置いたとしても次の日には処分、せっかくのお札も燃えるゴミに出しちゃうみたいな。
こだわらないことに強いこだわりを持つ人です。
思えば「思想を持たないという思想」って最強ですよね。ある意味巧妙とも言える。
吉本隆明さんみたいに「僕は軍国少年だったけど、戦後に間違っていると気が付いてすごく反省した。それでこういう考えになった」みたいなのとどっちが強いんだろうか。


脱線しましたが、あんなに意味がないのに品がある、そういう番組はタモさんにしかできないです。
ひとつの祭祀を失おうとしている私たちは、その終焉をじっくりを見届けつつ、新たな楼閣を探さなくてはならないのかもしれない。恐らくもう何処かにあるんでしょうね。ちっちゃいやつや、陰に隠れているやつの中なんかに。

…………
妄想全開で大げさな上、相当な後出しですけどどうしても書いておきたかったのです。すいません。
ご静聴どうもありがとうございました。