長期連載の少女&女性向けマンガ その2


とりあえず、コッチの続きです。
なぜ、少女&女性マンガは巻数が少ないものが多いのか。
いくつかの理由を考えてみました。

1.週刊誌が(ほぼ)ない
月刊誌や隔週刊誌などが中心なので、
どうしても、連載速度が遅くなるように思います

2.マンガ家さんの事情
年に4冊コミックが出たとして、20冊出そうとすると5年かかります。
50冊なら12年半、100冊なら25年です。
女性のマンガ家さんは結婚や出産などの際に
引退したり、休業したり、仕事をセーブする人が多いですから、
なかなか長期連載になりにくいのではないでしょうか。


結婚されたり、出産されたりすると、
エッセイマンガに転向される方も多く見られます。
どうしても忙しくなってしまう連載は、
なかなか難しいのかもしれません。

3.マンガ雑誌の都合
少年&青年マンガに比べ、マンガ雑誌の統廃合が多い気がします。
雑誌がなくなる際には、連載が打ち切りになるケースが多いですから、
ここでも、長期連載が阻害されている気がします。

4.休載が多い
連載自体は長期にわたっているものが多いのですが、
休載が多かったり、長期にわたって連載が止まっていたりするケースも多いです。
最近は少年&青年誌でも隔週連載、月一連載が増えてきましたが、
女性向けのマンガ誌では、以前から隔週連載、月一連載、集中連載がかなりあります。

5.読者のマンガ離れが早い
男性に比べ、大人になってからマンガを読む人が少ないのではないでしょうか。
読みきり形式のぶ厚いマンガ誌は読むけれど、コミックは買わない人も多いようです。
長期の連載マンガについてくる読者が少ないのかもしれません。


巻数が多いマンガには、連作短編(一話・2〜3話完結)形式のものも多く
読者は長大なストーリーよりも、
“手軽な読み物”を求めているような印象もあります。

6.長期連載に向かない
恋愛や職場の人間関係をテーマにしたものが多い女性向けマンガは
長期連載に向かないのかもしれません。

7.巻数の多いマンガは歓迎されない?
少年&青年マンガにも「仕切り直し」的なリニューアルが見られます。

たとえば『下町鉄工所奮闘記 ナッちゃん東京編』と『ナッちゃん』
並木橋通りアオバ自転車店』と『アオバ自転車店』なんて、
別に巻数を重ねても問題なかったと思います。
しかし、タイトルを変えて巻数をクリアしている。
新規読者を入りやすくするための工夫なのかと思っています。

408859634Xナッちゃん 21 (21) (ジャンプコミックスデラックス)
たなか じゅん
集英社 2007-04-04

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4088597001下町鉄工所奮闘記 ナッちゃん東京編 1 (1) (ジャンプコミックスデラックス)
たなか じゅん
集英社 2008-04-04

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4785920025並木橋通りアオバ自転車店 (2) (YKコミックス (002))
宮尾 岳
少年画報社 2000-06

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4785928530アオバ自転車店 1巻 (1) (ヤングキングコミックス)
宮尾 岳
少年画報社 2007-09-25

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女性向けにも、ビミョウに名前を変えた続編がたくさんあります。



たとえば『コスメの魔法』と『新コスメの魔法』とか。

4063405117コスメの魔法 (16) (講談社コミックスKiss (511巻))
あいかわ ももこ
講談社 2004-10-13

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4063406490新コスメの魔法 6 (6)
あいかわ ももこ
講談社 2007-06-13

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読者のサイクルが早いから、
巻数をクリアしたり、リセットする必要があるのではないかと考えています。

とりあえず考えたのはこのあたり。
ほかにもいろいろあるのかもしれませんが、
「10冊以上続くと読むのが大変になる」との声も多いですし、
20冊もあると、買うのがとっても大変に思えますので、
適度な巻数で止めておくのがいいのかもしれません。
(メカタ)