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2009-04-02

[]テポドン自体は日本の脅威ではない

ああいう長距離弾道弾に技術転用可能な衛星打ち上げロケットの開発を行うのはアメリカ向けの恫喝外交カードを手に入れるためだから。

メタ的には、恫喝外交によるアメリカの政治姿勢の変化があるかもしれないという意味で日本の脅威になるかもしれないものの。


日本にとって脅威なのは日本の主要地域をほぼ射程内におさめている中距離弾道弾ノドン

弾道弾を用いての攻撃における北朝鮮の軍事的選択肢としては、地下壕で見えないように発射準備を行ってからの移動式発射台を用いての不意打ちでの飽和攻撃が一番の日本の脅威。(実際に実施できればの話)

そういう意味では、今、北朝鮮が衛星打ち上げ準備作業と並行してやっている中距離及び短距離の弾道弾発射準備作業はわざわざ見えるようにして見せびらかしてやっている。わざわざ見せつけて実施している見え見えの示威行動。

「衛星打ち上げでも撃墜する」という日本側の「示威行動」に対抗しての示威行動ではと思われる。

北朝鮮が「撃墜すれば先制攻撃とみなして報復攻撃する」というようなことを言っているのは、

A.実際の打ち上げにおいて飛翔体が日本側の迎撃可能範囲を通過する可能性は殆どなく日本側が実際に迎撃することは殆どありえないことが分かっている上での、「日本は北朝鮮の示威行動を恐れて迎撃をやめた」というようなパフォーマンスをするための布石

B.北朝鮮の国家体制を維持するための手段を確立するための重要な実験を阻害するようなことはどんなに僅かな可能性であろうと排除したいのでマジギレしている

あたりではと大雑把に推測。多分、A。


北朝鮮はテポドンシリーズの開発において失敗続きなのに失敗を修正するより先にどんどん大型で長距離を飛ぶことが可能なロケットを開発している。北朝鮮はロケット技術の開発を急いでいる。

北朝鮮は「アメリカ本土に届く核搭載弾道弾」という恫喝外交カードを手に入れることを急いでいるのではと思われる。

その目的は国家体制の維持をアメリカに保証してもらうこと。

そういう意味では、テポドンは日本上空を通過するコースで撃たれるものの政治的には日本を向いていない。


国際政治的には日本はアメリカのパシリ。

アメリカに要求されれば金や物資や土地を差し出し、国際的に問題視されるようなアメリカの行動を支えるために根回し外交に駆けずり回るというようにアメリカに必死につくし、そういうパシリ行為の見返りにアメリカに守ってもらうというのが現在の日本の防衛方針。

よって、北朝鮮としては国家体制を維持したければ日本と交渉する必要はない。日本はアメリカに追随するしかないから。アメリカに対して「耐えがたい報復攻撃」を行う能力を獲得し、アメリカから国家体制の維持に対する保証を得られればそれでいい。


北朝鮮がロケット技術の開発を急ぐのは「金王朝」の世代交代に伴う国家体制の維持に対する不安があるのかもしれない。

ここで言う国家体制とは「金王朝」の人間を肥え太らせるための国家体制のこと。「金王朝」としては世代交代にあたって「北朝鮮の支配者」としての承認国際社会から得たいのかもしれない。

そういう「金王朝」の望みに米中露が応える可能性は十分にあると思う。「金王朝」が「バカげたこと」をしないで北朝鮮を統治している分には、北朝鮮の緩衝地帯としての存続は米中露の相互利益にもなるから。

北朝鮮としては相手を交渉の場に引き出した上で「今後はそういうことはしない」という口約束をするためにも「バカげたこと」ができることを示す必要があるのかもしれない。

なんにせよ北朝鮮の最大の被害者は餓死レベルの貧困にさらされている北朝鮮国民と思う。


PAC3の東北地方への配備は概ね政治的パフォーマンス。

「国民の生命と財産を守りますよ」というパフォーマンス。「今は有事」というパフォーマンス。

後は万が一落ちてきた場合の備え。予定されている内容から考えれば、ごく僅かな可能性ではあるものの日本本土に落下してくる危険性はあるから。

打ち上げが何らかの形で失敗して日本の人口密集地域に落下する可能性は低く、射程20kmの拠点防衛用ミサイルの迎撃範囲に落下してくる可能性はさらに低いものの。

もっとも実戦ではそういう配備を行うのは無理。

今回、東北の方に移動配備できるのは北朝鮮が打ち上げ予定を発表していて、その経路から非常時の落下地点の候補を予想して重要な場所に配備する時間的余裕があるから。

実戦では北朝鮮からの中距離弾道弾はそういう事前情報無しに発射から十分足らず程度で着弾するので、のんびり着弾予想地点に移動している時間などない。その十分足らずで、観測、軌道計算、移動、迎撃準備といったようなことをやらなくてはならないわけで、今回のような距離を移動しての防衛体制の構築は物理的に不可能。

実戦でPAC3による防御行動が可能なのは予め配備されている地点のみ。そして、PAC3は全国の人口密集地に配備するような数はない。

PAC3は直接的に国民の生命と財産を守るような兵器とはいえない。あくまで拠点防衛用兵器であり、軍事的機能と首都機能を維持するための兵器。

メタ的には軍事的機能と首都機能が維持されることにより守られる国民の生命と財産を守る兵器とはいえる。


弾道ミサイル防衛に関する記事は数年前に書いた。

哲学なき弾道ミサイル防衛

情報に古い部分もあるものの*1今も意見は殆ど変っていない。

しかし、北朝鮮程度の弾道弾であれば対抗可能なシステムかもしれないとは思う。

この記事で述べたような弾道弾防衛の非有効性は最新技術のぶつかり合いにおいてであって、北朝鮮の弾道弾のような技術的には最新技術より50年は遅れているような代物の場合は、北朝鮮側の対抗手段が技術的に制限されるから。

もっとも、PAC3一発五億円、SM3一発二十億円という価格を考えると、金額的な交換比率は圧倒的に悪そうで、例え確実に迎撃できるようになっても資金力に圧倒的な差がないと迎撃側が経済的に敗北するのが必然な兵器体系だとは思う。

まあ、弾道弾自体、通常弾頭による攻撃であれば空爆と比べて費用対効果の悪い攻撃手段にすぎない。

通常弾頭による弾道弾攻撃は相手国を空爆できるような航空戦力がない場合でも相手国を直接攻撃できる手段でしかない。

弾道弾が恐るべき兵器となるのは核兵器のような大量破壊兵器を搭載した場合。

そういう意味では北朝鮮の弾道弾による攻撃の内の日本にとっての脅威の大部分は(もし、あれば)核搭載ノドンで、日本の弾道ミサイル防衛の意味の大部分はそれが重要地点に落ちることを阻止できるかどうかにかかっていると言えると思う。


以上、まとまりがないものの。

年度末進行の結果、やさぐれているので文体を直さない。

*1:例えば、当時20kmから30kmと言われていたPAC3の射程は現代では20kmと言われているわけでPAC3で防御可能な範囲は当時の認識よりも狭まっている。

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