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2009-06-27

[]第二次世界大戦当時、アメリカイギリスもまた科学力の優れた国

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の「ドイツの科学力は世界一ィィィィィ!」byシュトロハイムな反応を見た際の違和感から書きます。

Ho229がステルス性能を持ちえただろうというのはよく言われることです。その無尾翼全翼機という機体形状によるレーダー反射断面積(RCS)の低さから。

ただ、その機体形状はホルテン兄弟が全翼機の飛行性能の利点を追求した結果で、ステルス性はどちらかというと副次効果というものと思います。

人類がレーダー反射を計算してステルス機を設計できるようになるためには、理論面では後年のソ連電波反射に関する論文の登場をまたねばなりませんし、技術面ではアメリカでの電波反射を計算するソフトウェアと、それを処理できる計算機の登場をまたねばなりませんでした。

確かに、炭素の電波吸収性を利用した表面処理を行えば、全翼型による低RCSの効果を含め、当時のレーダー警戒網では捕捉できない程度のステルス性をもちえたかもしれませんが、全翼機自体はもっと古くからある概念で、それをドイツの科学力の高さの証のように捉えるのには違和感があるんですね。

こんなものをドイツの科学力の証のように捉えるのは違うだろ、と。ドイツの科学力の高さを感じさせるものはもっと他にもあるだろ、と。

パルスジェット飛行爆弾V-1、ロケット兵器V-2、誘導爆弾Hs293、ジェット戦闘機Me262、ブロム・ウント・フォスの発想が自由すぎる異形な計画機たち、etc、etc。石炭液化による合成石油生産も重要、云々。

ジェットエンジン技術は英米も持ちえていたとはいえ、ドイツがロケット技術や合成石油技術などいくつかの技術で英米の先を行っていたのは紛れもない事実。

とはいえ、英米もまたいくつかの技術においてドイツの先を行っていたのも事実。

電波技術、レシプロエンジン技術、大量生産技術とか。

イギリスによる高周波マグネトロンの実用化によるレーダー性能のドイツに対する圧倒的優位、アメリカによる近接信管と電探射撃の開発に見られる電波技術。

航空機の高高度性能に大きな差をもたらす過給器技術や大出力エンジンの開発に見られるレシプロエンジン技術。

B-17やB-24といった四発重爆撃機を万単位で生産するような大量生産技術。資源や労力だけではあのような大量生産はできません。

石油精製技術による高オクタン燃料や高品質オイルも地味ながら兵器性能に差をもたらす重要な技術だったりしますし、原爆の実用化とかも考えればアメリカとイギリスもまたドイツに劣らぬ科学技術大国だったというものです。

ああいう反応を見ると、第二次世界大戦当時のドイツの科学力がオカルト的に誇張されているように見えて、もにょもにょしてしまいます。

「英米の物量に負けたが技術では負けていなかった」的な負け惜しみの声が聞こえるような気がするのももにょもにょする理由。零戦神話戦艦大和神話を聞いてもにょもにょするようなもの。

過給器技術や建艦技術などドイツが英米に比べて色々と遅れていた面もあることや、その科学力が誇張されすぎ(英米はこんな強大な敵を倒したんだぞ的な意味で)な面もあることなどについて色々と知ってしまった今ではそういう話に燃えられなくなってしまった私がいます。

その他のもにょるドイツ兵器の例

ハイブリッド駆動戦車

ポルシェティーガーとかマウスとか、現代ではエコカーで御馴染みのエンジンで発電してモーターで駆動するハイブリッド式で、ポルシェ博士の性格を含め時代を先取りしすぎたドイツ科学の変態性を示す事例として扱われることがあったりしますが、これに関しては当時のドイツの技術では大重量の戦車を動かすための高出力に耐えられるトランスミッションを作ることが困難だった*1ことによる、それなりに合理的な選択だったりします。逆に言えば、この面で米ソ並みの技術があれば、こういう無理な設計はしなかったでしょう。

前進翼機Ju287

これもX-29やSu-47との比較で時代を先取りしすぎた兵器扱いされがちな気もしますが、前進翼の操縦安定性の不足を補う機械的操縦補助技術や、高い機体構造強度を必要とすることによる重量増加を補う複合材料技術の不在を考えれば、むしろ、戦争末期のドイツの無理してる感を引き立てる兵器のような気がします。

科学力は勝利を保証しない

V-1やV-2はドイツの科学力の高さを示す兵器ですが、攻撃手段として費用対効果に優れた兵器ではありませんでした。これらの兵器は当時のドイツにとって報復手段とはなりえても相手を屈服させる手段にはなりえないわけで、科学力が勝利を保証しないことの一例といえるでしょう。*2

ある種の人々にも分かりやすくドイツが勝てなかった兵器的な理由を述べれば、ドイツには制海権を取れるだけの海洋戦力がありませんでした。

制海権を取れなければ、イギリスに上陸作戦を行うことすら困難ですし、アメリカの支援物資などイギリスに対する海上輸送路を断つこともできません。

海上輸送路に対する攻撃手段としてはUボートによる通商破壊が有名ですが、これにしても英米の対潜技術の進歩とともに効果が低下。

こういうことからドイツにイギリスを屈服させることができないことは明らかで、これだけでもドイツの戦争が勝てない戦争であったことは変えられない結果というものです。

こうすれば勝てたのではという仮想戦記的想定も多数なされていますが、戦史検証の結果、否定されています。その良書としては「ヒトラーが勝利する世界」が挙げられます。

ドイツは負けるべくして負けたのです。

ヒトラーが勝利する世界―歴史家たちが検証する第二次大戦・60の“IF” (WW selection)

[]「日本軍最強伝説」は歴史修正主義者の捏造宣伝

「日本軍最強伝説」という2ch発のコピペがあります。

内容については「よく知らない」のに「中国は南京事件の犠牲者数の値を増やし続けている」というデマなど否定派の主張は鵜呑みにしている「一見様」 - 模型とかキャラ弁とか歴史とかで引用し、その一部についてはどのように間違っているかを説明しているわけですが、要は荒唐無稽化により日本の戦争犯罪の歴史的事実を否定しようという歴史修正主義者の捏造宣伝です。

時間的条件や地理的条件など条件が異なる記述を混同して組み合わせたり、思いつきや誤読や曲解を「真実」として語ったり、誤記や誤植が明らかなのにそれをそのままのことを主張しているかのように受け取ったり、タブロイド紙的記述を使用したりすることなどにより荒唐無稽な話を作り出し、それによりそういう荒唐無稽化を真に受けてしまうような読者に史実に対する懐疑を植えつけようという宣伝なわけです。

問題はそういう捏造宣伝を裏も取らずに真に受けてしまう人が多数いること。

google:日本軍最強伝説

というようにGoogle検索の上位を見てもこういう荒唐無稽化を真に受けている人が殆ど。

検索一位であるYouTube「日本軍最強伝説」 - YouTubeのコメント欄を見ても、検索二位であるニコニコ動画日本軍最強伝説 - ニコニコ動画のコメント欄を見ても、そういう人が多数。(荒唐無稽化による「皮肉」すら理解できないような人もいたりしますが)

で、中には英訳するべきというようなことまで発言している人もいるわけで、「THE FACTS」の二の舞をする気か?!なんて思いますね。

まあ、実際にやってくれた場合、英語圏での反応を翻訳して紹介してみたいと思います。

それにしても、こういうコピペを真に受けてしまう人が多数いるのは憂慮すべきことのような気がしないでもないです。僅かずつでも対応した方が良いのかもしれません。

追記

リンク先を読まない人が多いことを考えて追記。

「日本軍最強伝説」は「嘘を教えようとしていることを、その荒唐無稽ぶりを皮肉ることで批判」という形を取っているわけですが、この記事はその「嘘を教えようとしていることを、その荒唐無稽ぶりを皮肉ることで批判」という形の捏造宣伝に対する批判なわけです。

以下、「よく知らない」のに「中国は南京事件の犠牲者数の値を増やし続けている」というデマなど否定派の主張は鵜呑みにしている「一見様」 - 模型とかキャラ弁とか歴史とかでも書いたことを、一部、書き直し、リンクを追加して再掲載します。


兵士1人が日本刀1本で100人以上斬り殺せるほどの戦闘能力と有り余る予備の日本刀を持ち、

これが百人斬りのことをさしているのであれば、百人斬りはそういう事件ではありません。

百人斬りの実態は据えもの斬りによる捕虜処刑とされています。

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http://t-t-japan.com/bbs2/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=2632;id=sikousakugo#atop

しかし、歴史修正主義者は百人斬りを「戦闘中に一本の刀で連続して百人の敵を斬殺」した事件であるかのような主張がなされているかのように「解釈」し「一本の日本刀でそれだけ殺害するのは不可能」とかいって史実を否定しようとするわけです。

銃剣と単発銃のみで80万人以上殺すなど、原爆以上の破壊力を持つ携行兵器を誇り、

当時の日本軍は機関銃も装備していましたし、加害者の人数や期間次第では鉈や棍棒といった原始的武器でもそういう大量殺戮は可能です。

一例を挙げれば、1994年ルワンダ虐殺では鉈や棍棒といった武器で80万から100万もの人々が殺害されたと言われています。

当時の日本軍は機関銃も装備していましたし、加害者の人数や期間次第では原爆のような大量破壊兵器を用いないでもそういう大量殺戮は可能です。

一例を挙げれば、1994年のルワンダ虐殺では80万から100万もの人々が殺害されたと言われていますが、使用された武器は軍や警察が使用した自動小銃手榴弾といった小火器、あるいはフツ族武装集団が用いた鉈や棍棒です。*3

ルワンダ虐殺 - YouTube

にも関わらず、歴史修正主義者はこのような主張をすることにより「そのような大量殺戮は当時の日本軍の装備的に不可能」であるかのように他者に思わせることで史実を否定しようとするわけです。

植民地で無駄に現地人を殺してまわるほど武器弾薬が余っていて、

戦争末期の資源不足・弾薬不足の過去への適用、一つめ。

弾薬不足に苦しんでいた日本軍のイメージを利用して「そんな不合理なことをするわけがない」と他者に思わせることで史実を否定しようとするわけです。

揚子江の川幅を2m以下にしたりするほどの高い土木技術を持ち、

これはおそらく第六師団長谷寿夫の軍状報告の「河岸一面死体を以て、覆はれたる状態を生じた」*4などに見られる揚子江という大河が死体で覆われる程の大量殺戮に関する記述を「揚子江の川幅は死体一体で覆われる程度」というように曲解したものと思われます。

真偽は分かりませんが、この記述が「そんなことありえない」と他者に思わせることで史実を否定しようというものであることはほぼ間違いないと思います。

人口20万人の南京市で30万人を虐殺し、20万人を生還させるクローン技術を持ち、かつその死体を1台のトラックで2週間で片付けられるほどの行動力があり、

20万人は安全区の人口で南京市の人口ではありません。南京市の人口は1937年11月末時点で南京城内だけで50余万人。他に中国軍の南京防衛軍が10〜15万人いたとされます。中国が主張する死者数30万人は軍民の合計です。

no title

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死体の処理方法が1台のトラックのみでないことは紅卍字会の遺体埋葬などから明らか。

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にも関わらず、歴史修正主義者はこのような主張をすることにより「人口20万人の所で30万人を虐殺できるわけがないし、虐殺があったとしたらそのままの人口が残っているわけがない」と他者に思わせることで史実を否定しようとするわけです。

何百万人を殺しておきながら、戦後半世紀以上も、殺害時期、殺害方法、日本兵の心理状況などこと細かな内容迄隠し通す機密保持の高さを誇り、

日本軍のその手の行状の一部は国際的には報道されていますし、戦後の東京裁判で裁かれ国民の知るところともなったわけで「戦後半世紀以上」なんてことはありえません。

no title

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中国で家々に火を放ちまくり無駄に虐殺した民間人の死体を、一カ所に集めてたっぷりとガソリンをまいて燃やすほど石油資源に余裕があり、

「中国で家々に火を放ちまくり」というのは単なる歴史的事実です。

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ガソリンに関しては日中戦争経済制裁による石油禁輸前に起こったこと(というか、因果をたどれば日中戦争が経済制裁の原因)なわけで、戦争末期の資源不足・弾薬不足の過去への適用、二つめ。おまけに現地調達も無視。

no title

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にも関わらず、歴史修正主義者はこのような主張をすることにより「石油資源不足に困っていた日本軍がそんな不合理なことをするわけがない」と他者に思わせることで史実を否定しようとするわけです。

広く険しい中国大陸を大軍勢で移動していたにも関わらず、

各地区の兵士や民間人が逃げる暇も無い程のスピードで動き回るなど金メダル級の運動能力を誇り、

各地区の兵士や民間人もその広く険しい中国大陸を移動しなければならないわけで、女性(纏足だったりすることもある)・子供・老人を含む民間人の移動速度が軍隊のそれより遅くても何の不思議もないことや、中国軍兵士も命令を受けて戦わねばならない以上そうそう逃げられないということは、この文からだけでも容易の想像できることだと思います。

大河を渡河することや地形的隘路を考えれば急峻な地形が速度的には追撃する側の方に有利に働くことがあるのも容易に想像できることというものです。

にも関わらず、歴史修正主義者はこのような主張をすることにより「そういうことをするには金メダル級の運動能力が必要で、そんなことはありえない」と他者に思わせることで史実を否定しようとするわけです。

11歳が戦場で暴れ回るほど若い内から逞しく、14歳で731部隊に採用されるほど医学を習得し、15歳の少年に細菌戦部隊での軍務が務まるほどの教育水準を持っていて、

11歳というのは「南京戦 閉ざされた記憶を尋ねて」(Amazon)の鬼頭久二氏のことなら、ただの誤植で当時21歳。第一刷発売当時、鬼頭久二氏の生年1916年が1926年と誤植されたことに否定派が大騒ぎしていたものです。Amazonのレビューにもその手合いが登場しています。

にも関わらず、歴史修正主義者はこのような主張をすることにより「11歳の兵士が戦場で暴れ回るなんてありえない」と他者に思わせることで史実を否定しようとするわけです。


「日本軍最強伝説」はこのように相手が荒唐無稽な主張をしているかのように捏造し、それを皮肉ることで批判する態を装い、史実を否定するために他者を騙そうとする捏造宣伝なわけです。

*1:それを示す一例としてパンター戦車のトランスミッション初期不良が挙げられます。

*2ベトナム戦争もその一例というものかもしれません。

*3:Mukkeさんの指摘により訂正しました。

*4http://ww1.m78.com/topix-2/tani.html

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