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2012-03-27

[]「今は御国の一大事」論法

理不尽を相手に強いるときや自らの理不尽な言動を正当化する際に使われる論法。理を尽くすことや熟議することを放棄するための手段として昔から使われる。

理不尽に対する相手の抗議を「大事の前の小事」として否定する。

その「大事」が本当に大切なことだとしても、その「大事」は「小事」を否定するための理由とならないことも多い。

英霊に相済まぬ」など何を「大事」とするかは時代によって異なる。


例:「カガリは今泣いているんだ!」

追記:

例:「地球が持たん時が来ているのだ」

AutoAuto 「貴様ほど急ぎすぎもしなければ人類に絶望もしちゃいない!」と今にも言い出しそうな雰囲気が漂ってる。 2012/03/29

というb:id:AutoAuto氏のコメントを受けて追記。

2012-03-25

[]「普通の人々」と運動

「普通の人々」はサヨクのデモで逮捕者が出ると冷笑します。反貧困・反差別反戦・反歴史修正主義といったことを主張する人々は転び公妨不当逮捕されても当然と思っているのです。

「普通の人々」は「自分たちの運動」で逮捕者が出た場合、サヨクを非難します。

サヨクが「自分たちの運動」に参加していた場合は運動に加わったサヨクのせい。

サヨクが「自分たちの運動」に参加していなかった場合はそういう警察の姿勢について入れ知恵してくれなかったサヨクせい。運動に協力しなかったサヨクのせい。

いずれにしてもサヨクのせいでそうなったのだと非難します。

警察への非難はその後です。それもそういう警察の体質をさも今まで知らなかったかのように。無論、それはそういう警察の暴力が「普通の人々」である自分たちに向くことになることなど考えてもいなかっただけ。そういう警察の暴力がマイノリティやサヨクに向けられることを当然視していたことにより、その暴力が自分たちにも向きうるということが盲点になっていただけ。

「普通の人々」は「自分たちの運動」へのウヨクの参加を歓迎しマイノリティやサヨクに「大同団結」することを求めます。この「大同団結」において「小異」を捨てることを求められるのはマイノリティやサヨクの方です。それは差別主義や歴史修正主義との共闘を求めることの意味を考えていないというより、「自分たちにとっても不快なマイノリティやサヨクの主張」を折りたいという欲望によるのかもしれません。

「ウヨクとサヨクの対立」を両方を見下しながらニヤニヤ笑いで傍観していた「普通の人々」がこういうときはウヨクを持ち上げます。

「普通の人々」は中立ではありません。その姿勢は反サヨクでありウヨク放置です。

「普通の人々」はそのような形でのウヨクの加担者なのです。ウヨクが伸長するのも当然ですね。

2012-03-16

[]非人道兵器という言葉の意味するところについて

非人道兵器または非人道的兵器は英語ではinhumane weaponsと書きます。*1

この言葉はしばしば特定通常兵器使用禁止制限条約で使用が禁止または制限されている兵器およびジュネーブ条約第一追加議定書第三十五条に基づいてそうされるべき兵器をさす言葉として用いられます。

これは特定通常兵器使用禁止制限条約が非人道兵器と呼ばれる兵器の規制に関する国連会議の結果として結ばれた条約であることと、その国連会議がジュネーブ条約第一追加議定書第三十五条に基づいて規制されるべき兵器に関する議論の結果として開催されたことによります。

A special United Nations conference was convened in 1979 to discuss constraints on the use of so-called inhumane weapons. No weapons can be considered humane.There are, however, substantial differences in the effects various weapons produce-differences in the magnitude and severity of the wounds they cause, as well as in the extent of area they affect and the degree of control that can be exercised by their user.

1979年、非人道兵器と呼ばれる兵器の使用の制約を議論するための特別な国連会議が開催された。人道的とみなされうる兵器はない。しかし、引き起こす傷害の大きさや苦しさにおいて、ならびに効果を及ぼす地域的範囲においてと使用者により行使できる制御の程度において様々な兵器が作り出す差には結果において相当な違いがある。

Bulletin of the Atomic Scientists 1983年1月号P24「The convention on 'inhumane' weapons」より引用。翻訳は引用者による。

戦争の惨禍を無くせないまでも程度問題で兵器の使用を規制することで戦争の惨禍を軽減しようというのは世界をより人道的なものにする上で現実的な考え方というものでしょう。

このような経緯によりCertain Conventional Weapons Convention(略語はCCWCまたはCCW)つまり特定通常兵器使用禁止制限条約はInhumane Weapons Convention(略語はIWC。訳すなら非人道兵器条約。CCWCを特定通常兵器使用禁止制限条約と訳すのに倣うならば非人道兵器使用禁止制限条約)とも呼ばれます。

非人道兵器という言葉は程度問題で兵器を分ける言葉であり、特定通常兵器使用禁止制限条約は程度において線引きを越える兵器を非人道兵器と呼びその使用を制限しようというもので、非人道兵器とみなされた兵器以外は人道兵器ということではありません。

報道においてクラスター爆弾対人地雷といった兵器が非人道兵器と呼ばれるのは、それらの兵器が特定通常兵器使用禁止制限条約で使用が規制されていたり規制の議論がされていたりすることや特定通常兵器使用禁止制限条約の成立過程を考えれば当然のことなわけです。


どのような兵器が非人道兵器なのか

ジュネーブ条約第一追加議定書には以下のように記されています。

第三十五条 基本原則

1 いかなる武力紛争においても、紛争当事者が戦闘の方法及び手段を選ぶ権利は、無制限ではない。

2 過度の傷害又は無用の苦痛を与える兵器、投射物及び物質並びに戦闘の方法を用いることは、禁止す

る。

3 自然環境に対して広範、長期的かつ深刻な損害を与えることを目的とする又は与えることが予測される

戦闘の方法及び手段を用いることは、禁止する。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/k_jindo/pdfs/giteisho_01.pdf

Inhumane Weaponsつまり非人道兵器がこのような原則に基づいて規制されていることは下記に引用翻訳しているような記述から明らかです。

It is founded upon the principle that the means and methods of warfare are not unlimited and that such means and methods "of a nature to cause superfluous injury or unnecessary suffering" or "widespread long-term and severe damage to the natural environment" are prohibited.

それは戦闘の手段と方法は無制限ではないこと及び”過度の傷害または無用の苦痛を引き起こす性質を持つ”または”自然環境に対して広範、長期的かつ深刻な損害”のある手段と方法は禁じられているという原則に基づいています。

http://www.parliament.uk/briefing-papers/RP95-17.pdf

「The Inhumane Weapons Convention and the Question of Anti-personnel Land Mines(非人道兵器条約と対人地雷問題)」P6より引用。翻訳は引用者による。

この種の兵器の不法な使用は「ジュネーブ条約に違反する」と言われることがあります。

”unnecessary suffering”つまり”無用の苦痛”(”不必要な苦痛”とも訳される)を引き起こす兵器はハーグ陸戦条約を見ればわかるようにジュネーブ条約第一追加議定書以前から規制されており、その使用は「陸戦条約に違反する」と言われることもあります。


どのような兵器が”無用の苦痛”を引き起こすとされているか

国際赤十字のサイトには国際人道法について説明しているページがあります。

その中の”過度の傷害または無用の苦痛を引き起こす性質を持つ兵器”について記述しているページ*2の中からオランダ軍事教本を基に具体例を説明している部分を以下に引用・翻訳します。

The Military Manual (2005) of the Netherlands states that “it is inadmissible for weapons and methods of combat to … cause excessive suffering or excessive damage to non-military targets (collateral damage)”.

The manual further states: “Methods and means of warfare which cause excessive injury or unnecessary suffering are forbidden.”

The manual also states:

A bayonet or combat knife is not prohibited. It is prohibited to modify bayonets and knives, for example with a saw blade or barb. This prohibition stems from the ban on using weapons, projectiles or substances which may cause unnecessary suffering.

In addition, the manual states that “[t]he question whether a non-lethal weapon can be used as a form of warfare will primarily depend on whether such a weapon”, inter alia, “causes no excessive injury or unnecessary suffering”.

In its chapter on non-international armed conflict, the manual states:

It is prohibited to use weapons causing unnecessary suffering or excessive injury, or that are indiscriminate. This means that biological, chemical, toxic or intoxicating weapons, dumdum bullets, saw-blade bayonets, weapons which cause injury by non-detectable fragments, anti-personnel mines and booby traps, blinding laser weapons and firearms whose primary purpose is to cause burn injuries to persons are forbidden.

In its chapter on peace operations, the manual states that the use of methods and means which “cause excessive injury or unnecessary suffering” must be avoided.

オランダの軍事教本(2005)は「非軍事目標に過度の苦しみまたは過度の被害を引き起こす(付随的被害)…兵器と戦闘方法は認容できない」と述べています。

その教本は更に「過度の傷害または無用の苦痛を引き起こす戦闘方法及び戦闘手段は禁じられている」と述べています。

その教本はこうも述べています。

銃剣やコンバットナイフは禁じられていない。銃剣やナイフを例えば鋸刃や逆刺に加工することは禁じられている。この禁止は無用の苦痛を引き起こす兵器、発射体、または物質の使用の禁止に由来する。

さらに教本はこう述べています。「非致死性兵器を戦闘手段として使用できるかという問題は主にそのような兵器が、とりわけ、過度の傷害または無用の苦痛を引き起こさないか、による」

非国際的武力紛争に関する章ではその教本は以下のように述べています。

無用の苦痛または過度の傷害を引き起こす、または無差別な効果を有する兵器の使用は禁止されている。これは生物兵器化学兵器、毒性兵器または毒を施す兵器、ダムダム弾、鋸刃化した銃剣、検出不可能な破片による傷害を引き起こす兵器、対人地雷とブービートラップ失明をもたらすレーザー兵器、そして人に熱傷を引き起こすことを主目的とする火器が禁止されていることを意味する。

平和活動に関する章ではその教本は「”過度の傷害または無用の苦痛を引き起こす”方法と手段の使用は避けられなければならない」と述べています。

http://www.icrc.org/customary-ihl/eng/docs/v2_rul_rule70

生物兵器や化学兵器などが規制されているのは当然として、鋸刃化した刃物が”無用の苦痛を引き起こす兵器”として規制されていることがわかります。

特定通常兵器使用禁止制限条約で規制されているものだけが規制されている通常兵器ではないということです。

その手の知識を持つ人には常識的なことですが、鋸状の刃物で切られた傷は肉が削り取られた分、傷が塞がりにくく、その傷は切れ味のよい刃物で切られた傷より治りにくいものになります。

そういう”癒え難い傷”を引き起こす兵器は”無用の苦痛”を引き起こす兵器とみなされる兵器の一種というわけです。

非人道兵器に関する報道で”癒え難い傷”や”無用の苦痛”が言及されることがある理由がよくわかると思います。


まとめ

非人道兵器という言葉は特定通常兵器使用禁止制限条約で規制されている兵器のように国際人道法上規制されている兵器や国際人道法上そうされるべき兵器を意味する言葉として国際的に使われている用語であり、報道や人権団体が勝手に貼ったレッテルではありません。

失明をもたらすレーザー兵器のような非致死性兵器が特定通常兵器使用禁止制限条約の対象となっていることから明らかなように、殺傷力は非人道兵器とみなされるのに必ずしも必要な条件ではありません。つまり、ある兵器が非人道兵器とされていることに対し殺傷力がより高い兵器を挙げることはある兵器が非人道兵器とされていることに対する反論として意味がありません。

国際人道法の解釈と運用については実際に各国でどのように解釈され運用されているかなどについて知ることが重要で、そのためには国連文書や各国の軍事教本といった多数の資料(主に外国語)を読むなどの研究を行う必要があります。そのような地道な研究に労力を払うことを厭うならば、軍事法務官のような専門家や軍事関係の専門知識を持つスタッフがいる外国の報道や人権団体の主張を受け入れればいいでしょう。そのような研究もせず(日本語訳された)条文だけを読んで独自解釈したりそれを受け売りしたりすることは慎重でも誠実でもありません。

*1:同じく非人道兵器と訳される言葉としてWeapon Against Humanityがあります。

*2:セント・ピータースブルグ宣言以降の戦争法についてと各国でのその運用について記述しているページ

2012-03-11

[]勝手に期待して勝手に幻滅してみせるメソッド

「社会運動においてなされるべきこと」を社会運動の担い手がしない場合などに発動されるメソッド。*1

社会運動に対して勝手に期待して勝手に幻滅してみせることで自らが社会運動の担い手にならないことを正当化すること自体、社会問題に対する当事者意識の欠如の現われ。

しかしそれを指摘することは相手の反発を招くことから戦略が悪いのであり、そのような指摘をすることなくそのような相手の言葉に対して相手の心中を思いはかって優しく言い聞かせないといけないらしい。

そのように言う人自身が相手の心中を思いはかって優しく言い聞かせることの実践者であるかといえば、今のところそのような姿を見たことはない。


私にしてみれば勝手に期待して勝手に幻滅してみせている段階で「しらんがな」と思わざるをえないのですけどね。なされるべきことを他者がしないことに幻滅してみせるより自ら率先してそれをやればいいのに。

勝手に期待して勝手に幻滅してみせるメソッドは最初から期待していないのに幻滅してみせたり失望してみせたりすることで相手をくさす手法と私は見ています。

あるいは、最初からやる気がないのに「やる気はあるがこいつらのせいでしないんだ」というようにやる気がないことをカモフラージュするメソッド。

または、相手が自分の望むことをしないことを失望してみせることで自分の望むことをするように相手を誘導しようとするメソッド。

どれなんだよ。

[]南京事件否定論を展開する人々の実態

これにたいして、近年、論壇の一部に虐殺の存在そのものを声高に否定する人々が登場しているが、彼らには、率直に言って、史料の収集と公刊という地道な仕事に携わる意思と能力がない。事実、彼らの側からは、今日に至るまで、学術的な史料集は一冊も公刊されていないのが実情である。彼らの「御家芸」は、他人が苦労して収集した資料に牽強付会な解釈を施して、「論敵」とみなした人々に毒々しい非難をくわえることだけである。そこには、歴史観や方法論をおのおの異にするとはいえ、研究者は同じ「知の共同体」に属しているという自覚が完全に欠落しているのである。

資料 ドイツ外交官の見た南京事件」P.v-viより引用。

南京事件を否定する人々のことを的確に表現している文だと思います。

南京事件を否定する人々が知的に誠実であるならば、不当な汚名をそそぎたいという思いが本物であるならば、彼らはそのために史料を収集し、その史料を読めるだけの能力も身につけ、学問的に認められる十分に蓋然性の高い説を打ちたて、できるならばそのために収集した史料も整理した上で公刊すべきだと思います。

無論、私は彼らがそういう人々だともそういうことができる人々だとも思っていません。

南京事件(南京大虐殺を含む)を否定する人々は何をしてきたでしょうか。

田中正明は南京事件を否定するために松井石根日記の改竄をしました。

東中野修道は南京大虐殺の生存被害者を偽被害者呼ばわりし、そのことに対する名誉毀損裁判の結果、裁判所に「被告東中野の原資料の解釈はおよそ妥当なものとは言い難く,学問研究の成果というに値しないと言って過言ではない」*2と判定されました。「一般読者に「原告(夏淑琴)は南京事件(新路口事件)の生存被害者(「8歳の少女」)ではないのに生存被害者として虚偽の証言をしている」との事実を強く印象づける」東中野修道の記述が誤訳の上で「明らかに矛盾であり,論理に破綻を来している」解釈をしなければなりたたないものであることは明らかだったからです。

歴史修正主義者の定番であるコピペであるところの日本軍最強伝説にしても「日本軍最強伝説」は歴史修正主義者の捏造宣伝 - 模型とかキャラ弁とか歴史とかで書いたように誤読や曲解で荒唐無稽な話を作り出すことで歴史的事実を否定しようとする虚偽宣伝なわけです。こういうのを作る人が嘘つきでないということがありえるでしょうか。

私は南京事件否定論者を含む歴史修正主義者は「学問研究の成果というに値しない」ものに騙されるくらい頭が悪いか平気で嘘をつき被害者に二次加害するほど品性低劣かその両方を兼ねる人々だと思います。

*1:「社会運動においてなされるべきこと」を括弧付きにしているのはそれが本当になされるべきことであるかについて疑問があるから。

*2http://homepage3.nifty.com/ryo-folklore/intisol/hyakunin/Xia/tisaihanketu.htm

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