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2018-01-08

[][]零戦塗色飴色論争もこれで終わりになるのだろうか

歴史群像2018年2月号に零戦の塗装研究の記事が載っていました。

以下はその記事(P6-7)からの引用です。

「飴色」の謎

それでは、盛んに論じられた中に登場した「灰緑色」や「飴色」とは何だったのだろうか。

実は、中村さんが所蔵するものや、海外に現存する零戦の実機部材を見る限り、それがおそらく「飴色」と呼ばれたものだろうと思われる褐色がかった色調は簡単に見つけることができた。同時に同じ部品の上に明らかに無彩色に近い灰色を呈した部分も見つけることもできた(図?)。これは本来灰色だった上に褐色がかった塗料が塗り重ねられているからなのだろうか。そうした観点で現存する実物を多数ながめ、わかったのは、灰色の上には何かを塗り重ねられてなどいない、ということだった。様々な個所で灰色の塗膜そのもののある部分が変色して褐色に変わっていることが見て取れた。「灰色自体が変色する」。これがすなわち『空技報0266』がいう「現用零式艦戦用塗色J3(灰色)のわずか飴色がかりたるもの」の意味なのだった。

現存する零戦の実機部材を調べるにあたっては、あらかじめ機体製造番号を体系的に整理して臨んでおり、三菱製、中島製という製造会社ごとの違いが発見できないことも明らかだった。しかしながら、同一の機体の上で、軽金属の部材に塗られている「J3灰色」は変色が著しく、羽布部分はそれほど変色が見られないという傾向は存在しているようだった。

海軍では航空機用の軽金属用塗料として「ベンジルセルロース塗料」を使い、羽布塗料には「アセチルセルロース塗料」を使っていた。ベンジルセルロースもアセチルセルロースも、植物から得られる繊維素(セルロース)を加工した合成樹脂であり、これを有機溶剤に溶かし、顔料を加えて塗料を作っていた。溶剤が揮発したあとに、顔料が混ざったベンジルセルロースやアセチルセルロースが塗膜として残る。このうちのベンジルセルロースに特に黄変する傾向があったのだった(図4)。

記事の他の部分もまとめて結論を述べれば、零戦の機体塗色は亜鉛華の白色とカーボンブラックの黒色を混ぜ合わせた灰色であり、飴色というのは塗料が黄変しただけというもの。

飴色と言われるものは塗料が黄変しただけではということは、随分前から言われていたことですが、このように研究成果として発表されたことは有意義だと思います。

また、この記事は零戦の塗色であるJ3自体が灰白色か灰緑色かについても灰白色(灰色)であると結論づけています。

詳細は当該記事を参照してもらうとして、「J3は灰緑色」説のもとになっていると思われる海軍文書の「飛行機機体工作標準」がミスタイプしており、本来は灰白がJ3、灰緑がM2*1ということです。

零戦の塗色については「三菱製が灰白で、中島製が灰緑」という説があり、これが実際の残存機の外板の色調から否定的に見られるようになってからも久しいですが、零戦の塗色は三菱製も中島製も同じJ3灰色で確定のようですね。

模型用塗料としてはガイアノーツが発売している零戦用塗料は灰緑色説に基づいたものですが、この考証に基づけば用途は限定されてしまいそうです。

これで零戦の模型の塗装に関する悩みは解決しそう。機体色は迷わず灰白色(またはそれが幾分黄変した色)で。

証言等との齟齬についても、こういう明るめの無彩色は朝焼けの光のもとではマスタード色に見えたり強い陽光のもとでは青畳色に見えたりしても不思議ではないと思います。

真っ黒か青みがかった黒かの悩みどころのカウリング色も当該記事に引かれた成分配合表の「黒色塗料」を見ると、顔料はカーボンブラック0.4kgと群青0.1kgだったりするので、青みがかった黒で間違いなさそう。

零戦の塗色に関しては諸説が乱立し、そうなる経緯もあったりしたわけですが、この「白と黒を混ぜ合わせただけの灰色」説が覆ることはないのではないかと思います。


歴史群像 2018年 02 月号 [雑誌]

*1:十二試艦戦等はこの色で塗られており、そういう意味では灰緑色で塗装された零戦はあったことになる。

2015-04-04

[]戦艦武蔵の発見による模型の金型改修はありえるか

結論から述べれば戦艦武蔵の発見に伴う新考証によってその艦船模型の既存キットに金型改修が行われることはないでしょう。

戦艦大和の発見に伴う新考証によってタミヤの1/700戦艦大和に金型改修が行われることはなかったという過去の事例から考えて。

戦艦大和は艦尾の銃座が角型であったことや第二・第三砲塔の三連装機銃のブルワークが六角形であったことなどが判明しましたが、それでタミヤの1/700戦艦大和に金型改修が行われることはありませんでした。以下の画像のように。

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いずれの画像も「MODEL Art (モデル アート) 増刊 帝国海軍戦艦総ざらい 2015年 01月号 [雑誌]」より引用。

こういう事例から考えれば新考証によって既存キットのメーカーが慌てふためくことはないでしょう。

基本的にこういう部分はモデラーの方が自作やアフターパーツの組み込みで対応するのが普通です。

おそらくライオンロアとかが新考証再現用の改造パーツを発売してくれることでしょう。

まあ、メーカーの心意気次第では既存キットでも変更部分の金型の追加くらいはあるかもしれません。

アオシマが艦コレ仕様の1/700陸奥に金型追加した事例はあることですし。

無論、これから開発されるキットには新考証が反映されることでしょう。

例えば、フジミの新キットの1/700戦艦大和には上で述べたような新考証が反映されています。

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いずれの画像も1/700 艦NEXTシリーズNo.01 日本海軍戦艦 大和の説明書から引用。

とりあえずフジミが艦NEXTシリーズでの武蔵をどう仕上げてくるかに期待しますかね。

2014-01-22

[][]ビルドアカツキガンダム・金環蝕 (バンダイ 1/144 HGBF ビルドアカツキガンダム使用)

またもや久々となってしまった完成品。

URLはこちら。

ビルドアカツキガンダム・金環蝕 (バンダイ 1/144 HGBF) BUILD AKATSUKI GUNDAM ANNULAR ECLIPSE - 完成画像

ビルドアカツキガンダム オリジナルカラー (バンダイ 1/144 HGBF) BUILD AKATSUKI GUNDAM - 完成画像

ビルドアカツキガンダム (バンダイ 1/144 HGBF) - 製作過程

模型のことはろくに書いていないし、単身赴任になってからキャラ弁もないしで、ブログタイトルの方をどうにかすべきではないかと思う今日この頃。

2013-08-31

[][]ウェアウルフ・スナイパー (コトブキヤ 1/100 ウェアウルフ・スペクター使用)

久々の完成品。

URLはこちら。

http://www.abysshr.com/ph_xm328.html

2013-05-06

[][][]TANK ART 1 & 2

f:id:D_Amon:20130506112436j:image

洋書のTANK ARTの1と2を購入。フルカラーの英語本。

内容に関しては基本的に戦車模型単体の塗装技術に関する本で、後は巻末に少しだけフィギュアの塗装技術や工作技術に関する記述がある程度。まったく初心者向けのHow-to本ではなく、説明は基本塗装の部分から始まっているので、サーフェーサー塗装前までの基本的な組み立てができる程度の技術はあることが前提となっている本。

近年の流行のヘアスプレーを使用したチッピングや昔ながらのピグメントを使用した汚し、ウォッシング、フィルターなど技法的には戦車模型を作る人には常識的なものがほとんどで、目新しいと感じたのはラッカーシンナーを用いたチッピングぐらい。

この本の素晴らしさはそれらの技法の積み重ねの構成力で、基本的な道具を用いての基本的な塗装技法の組み合わせと積み重ねがこれほどの作品を作り出せるのかという点で非常に刺激的。技法紹介の本というより技法を用いるうえでの頭の使い方の本という感じ。

同じ技法でも熟練者が使うとこれほど表現に差がつくのかという点でも視覚的に勉強になりました。

この手の戦車模型製作法の本は高石誠氏の「戦車模型超級技術指南」が究極だと思いますが、「戦車模型超級技術指南」にあるような顕微鏡を用いての1/35スケールフィギュアの顔の塗り分けなど理解できても真似できないと思わされるような技法と比べて、この本はよく知られている技法の熟練度の差を見せつけられる感じで練習すれば手が届かないこともない範囲ではと思える点で実用的な本だと思いました。

英語の洋書である上に応用技術的な本という点でまったく万人にお勧めできるような本ではありませんが、内容的には十分に値段以上の価値がある本だと思います。

Michael Rinaldi タンクアートVol. 1 ペインティング・ウエザリングガイドシリーズ ドイツ軍装甲車 TANKART Vol. 1 WWII German ArmorMichael Rinaldi タンクアートVol. 1 ペインティング・ウエザリングガイドシリーズ ドイツ軍装甲車 TANKART Vol. 1 WWII German Armor

タンクアートVol. 2 ペインティング・ウエザリングガイドシリーズ WW2連合軍装甲車 TANKART Vol. 2 WWII ALLIED ARMORタンクアートVol. 2 ペインティング・ウエザリングガイドシリーズ WW2連合軍装甲車 TANKART Vol. 2 WWII ALLIED ARMO

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