化物語 第08話 〜尾石達也の演出方法〜

「少しずつ前作品で培った経験を次に生かしている。だから、自分の中では、作品を超えた連続性があるんですよ。」(@アニメージュオリジナル4号)
尾石達也は演出するにあたってどういう方法で作っているかについてそう答えている。
キャラクターをパーツと称して画面構成を行う手法は、今回だとひたぎに近づく男ということであららぎを黒塗りで表現したり、怪異状態の獣じみた姿などなど。
その手法はキャラクターだけにとどまらず、演出もパーツとして展開に配置するかのような方法でアニメを作っている。
ネギま!?OPの走りが絶望OPの走りに、ネギま!?OPの教室CGが以降の作品内CGやまりほりOP背景といった具合。
文字演出はぱにぽにOPの新房監督のオーダーから始まって現在に至る。月詠の頃から細かいカットつなぎとキャラの立ち位置変更、実写コラージュが特徴的だった。
勝手に開く襖の連鎖と千代紙テクスチャーの箪笥。テーマや薬売りの中の人が同一する事からモノノ化を意識したのか、たまたまなのか判断できない。テクスチャーは絶望の延長の可能性があるし。
徒競争の無機質なモブはひだまり2話の人生ゲームの駒。
忍野との会話でフレームを作るようなBLは夏のあらし!
戦闘描写の細かいカットつなぎは月詠12話をよりアクション寄りにした感じ。
白背景の無機質な空間やパステルカラーの色彩に血液がわりにペンキをぶちまけるのはまりあ†ほりっくOP
ひたぎと神原の胸を付け合う独特な構図は、シャフトお得意のエロ構図。

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今回非常に戦闘のBGMがよかった。サルの鳴き声をするがモンキー1(6話)の冒頭で使っていたのがここに生きてくるとは。どこかの部族が鼓舞するような音楽、ゲーム三国無双とかだと南中フィールドでかかりそう。それをバックに獣じみた、踊るような攻防。超スピードであららぎが吹っ飛び、攻防が休憩に入ることを示すようにBGMのリズムをとるあららぎの立ち上がり方が秀逸。

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するがモンキーOPはefのEDっぽい。色とバスケ少女というモチーフのせいでもあるけれど。カットのリズムでなく長回しで作画を見せていた。背動のCG処理と作画とで力の差があるなぁというのは細かすぎるか。誰の仕事か表記されてなかったけれど、飯村正之なのか、新房監督なのか。OP曲名の部分にオープニングディレクター鈴木利正。シャフトだったら月詠以来かな。CG処理の上手さとか、静と動の作画に一部分見せ場を用意するあたり確かにと思った。でも神曲奏界ポリフェニカクリムゾンEDや月詠EDの方が曲との合わせ方が上手い。百合爆発や空間を感じさせる百合CG、最後のハサミのずれ込みから背景の変化とパーツで見ると後半面白いのだけれど。ただキャラソンはそれを映像作品にするには難しいとも思う。